新型コロナ感染者の伸びが鈍化、フィッチは格付け維持

(エジプト)

カイロ発

2020年08月07日

エジプト保健・人口省によると、8月4日の新型コロナウイルスの新規感染者は112人、死亡者は24人、累計感染者9万4,752人、累計死亡者4,912人となった。6月は急速に感染が拡大していたが、7月にはその伸びが鈍化し、直近の3日間連続で新規感染者が100人台にとどまっている。政府の公表値では増加は減速しつつあるが、7月下旬にエジプトからタイ、韓国などへ入国する際の検査で陽性が判明したケースも報道されており、未確認の感染者が多数いる可能性も考えられる。

こうした中で、政府は人と移動規制緩和と経済再開を進めており(2020年6月26日記事参照)、7月26日から飲食店の客数制限を25%から50%まで緩和した。10月からは展示会などの大規模イベントも実施可能となる見込みだ。国際線は7月1日から再開されており、報道によると空港再開後1日1,000人程度がエジプトに入国している。入国手続きは変更も多いため、在エジプト日本大使館ウェブサイトの「入国に関する手続き外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」などで最新情報の確認が必要だ。

政府は2020/2021年度予算で保健衛生分野を前年比72%増、ICT分野を同4倍増計上し、新型コロナウイルス対策のため公共事業を積極的に行い、空港再開にあわせて観光刺激策も用意した(2020年6月17日記事参照)。国内の消費拡大と産業振興のため、国内製品を3カ月間20%割引販売する約122億エジプト・ポンド(約805億円、1エジプト・ポンド=約6.6円)の購入刺激策を実施する。今後コロナ禍の第2波の懸念もあるが、政府はさまざまな方針で国内産業を活性化し、停滞する経済の再建を進める。

格付け会社フィッチ・レーティングスは、経済や債務の悪化は免れないものの、国際的な金融・経済支援策などにより、経済成長率は2020/2021年度に2.5%、2021/2022年度に5.5%、以降も5%超の成長率が続くと予測し、信用格付けはB+を維持し、見通しは安定的と位置づけている。

ポートフォリオ投資は海外流出の動きもあるが、エジプトは2019年にアフリカ最大の対内直接投資流入国であり(2020年6月24日記事参照)、「コロナ禍」でも新規投資の動きがある。6月にはサムスン、ペプシコ、P&G、7月にはケチャップなど扱うハインツが投資拡大の計画があると報道されている。「コロナ禍」でヘルスケア産業やデジタル化に可能性を見込む日系企業もエジプト企業に投資している(2020年6月12日記事参照)。国営繊維企業が世界最大の紡績工場建設を進め、中国企業と協力して電気自動車や電気バス製造も計画されている。IHSマークイットが発表した7月の購買担当者景気指数(PMI)は49.6と1年ぶりの高さを記録し、景況感は回復しつつある。

(井澤壌士)

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