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操業再開を控える中、現地日系企業では物流の混乱や人員確保などが課題に

(中国)

中国北アジア課

2020年02月07日

中国では、新型コロナウイルスによる肺炎(以下、新型肺炎)の感染拡大を受けた操業延期措置が取られる中、多くの地域で2月10日に操業再開を控えている(2020年2月4日記事参照)。

他方で、現地進出日系企業においては、操業再開に当たって多くの課題を抱えている。ジェトロが日系企業にヒアリングしたところ、主な共通課題として次の点が挙げられた。

(1)人員確保の困難

各地方政府などの通達、指導により、疫病の発生地域から戻った者に対して、一定期間の在宅観察が義務付けられるなどの措置が出されている場合がある(北京市の場合は2020年2月4日記事参照)。従業員がこうした措置の対象となり、2月10日から出勤できないケースがみられる。なお、「疫病の発生地域」がどこまでを指すのかに関しては、地域によって判断が分かれるため留意が必要だ。

移動を制限する措置も、湖北省のみならず、浙江省(杭州市、寧波市、温州市)、江蘇省(南京市、徐州市、南通市)、重慶市など複数の地域・都市で取られており(参考:外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、従業員のUターンや通勤への影響も懸念される。

このほか、操業再開に当たり、従業員全員の過去の移動歴を確認して報告義務が課されるケースもみられ、特に多くの従業員を抱える工場などでは、対応が困難との声も聞かれる。

(2)防疫物資の不足

マスクや消毒液などの調達、確保も、大きな課題となっている。企業にとって、防疫物資の在庫把握や事前調達は、操業再開に向けた感染予防・抑制対策として肝要な点だ。また、武漢市、広東省、江蘇省(南京市、揚州市)などの地域では、公共の場でのマスクの着用が義務付けられており、特にスーパー・マーケットや商店などにとって、営業再開や継続に必要不可欠だ。

中国政府は、マスクを生産する企業に対して、迅速に操業・生産を再開し、あらゆる方法で生産能力を拡大するよう指示している(2020年2月5日記事参照)ものの、現地の日系企業からは、「中国国内のマスクメーカーは政府調達を優先している」「中国での現地調達では限界がある」として、日本本社のサポートや、日本政府への支援を求める声が非常に多く聞かれる。

(3)物流の混乱

中国の税関は、国務院が定めた春節休暇終了後、2月3日が稼働再開日となっている。他方で、上述のとおり、人の移動の制限や、移動後の一定期間の在宅観察措置などが取られる中で、通関業者や物流会社にとっても人員確保は課題となっており、特に陸送に関わるトラックのドライバーが通常に比べて不足しているとの指摘も聞かれる。また、交通制限や、高速道路での検温の実施などが強化される中で、輸送に支障や時間を要するなどの問題も生じている。

さらに、航空会社による旅客便の運休・減便の決定が相次ぐ中(2020年2月5日記事参照)で、旅客便のほとんどがその機体下部に貨物を積み込んでいることから、航空貨物の輸送への影響も避けられない状況だ。旅客便のみならず、ANA Cargoは2月6日、貨物便の運休や減便を発表している。

新型肺炎の感染拡大による企業のビジネスへの影響が懸念される中、各地方政府では企業への支援策も発表されている(2020年2月7日記事参照)。

(小林伶)

(中国)

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