2022年までのインフレ目標を2~4%に設定

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月10日

フィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は12月18日、2020年から2022年までの3年間の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)の目標を2~4%に据え置くと発表した。

ドゥテルテ政権は2016年6月の発足以降、2017年から2019年までインフレ率の目標を2~4%に設定し、2017年は2.9%と範囲内に収まったが、2018年1月1日に施行した税制改革法第1弾による物品税の増税(2018年3月27日記事参照)や、世界的な商品市況の高騰基調も重なり、2018年は5.2%で目標を上回る高水準となった。2019年に入り、1月から11月までの平均インフレ率は2.5%となり、10月単月では過去3年半で最も低い前年同月比0.8%にとどまる(2019年11月6日記事参照)など、インフレ率は鈍化している。

フィリピン中央銀行(BSP)は、フィリピン経済の持続的な成長の実現のためにも今後3年間の物価を安定させると同時に、今後も金融政策を透明化した上で、国民への説明責任を果たしていくとした。ドゥテルテ政権は経済成長率の目標を6~8%に設定し、2017年に6.7%、2018年に6.2%の成長率を記録したものの、2019年は第3四半期まで(1~9月)の成長率が5.7%と、目標を下回っている。そうした状況を受け、BSPは2019年に入り、3回にわたって政策金利を引き下げ(2019年9月30日記事参照)、市中銀行から強制的に預金の一定割合を預かる預金準備率も3回引き下げる(2019年10月31日記事参照)など、景気底上げのための金融政策を継続して打ち出している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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