10月のインフレ率、過去3年半で最低の0.8%

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月06日

フィリピン統計庁(PSA)は11月5日、10月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)を前年同月比0.8%と発表した。0.7%を記録した2016年4月以降、過去3年半で最も低い値で、前月比で0.1ポイント減、前年同月比で5.9ポイント減となった(表参照)。

PSAはインフレ緩和の主な要因として、CPIバスケットの32%を占める食品・非アルコール飲料のインフレ率がマイナス0.9%とデフレに動いたことを挙げた。そのほか、住宅・水道光熱費が0.6%、通信が0.2%、教育が4.6%、アルコール・たばこが16.5%、娯楽・文化が1.4%、家庭備品・設備が2.7%、保健が2.9%となった。

政府が2018年1月に実施した税制改革により、各種物品税を引き上げ、世界的な資源価格の高騰基調も重なり、2018年のインフレ率は年率換算で5.2%と政府目標の2~4%を大きく上回った。一方、フィリピン中央銀行は2019年に入ってからインフレの減速を見越し、景気への刺激策として政策金利である翌日物借入金利を3回に分けて合計で0.75ポイント引き下げて4.00%とした。12月12日に開催される次回の政策金利決定会合で、政府は翌日物借入金利をさらに0.25ポイント引き下げて3.75%とすると予測するエコノミストもいる。

表 フィリピンのインフレ率

(坂田和仁)

(フィリピン)

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