第5回東方経済フォーラムの4つのテーマ発表

(ロシア、日本)

タシケント発

2019年07月24日

ロシア極東・沿海地方ウラジオストクで9月4~6日に開催される「第5回東方経済フォーラム」で議論される4つのテーマが7月18日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。各テーマと内容の概要は次のとおり。

「経済成長加速のための新しい解決法」:投資優遇策、ハイテク産業、木材加工産業の高付加価値化、食品輸出、投資誘致のためのインフラ整備、水産業(養殖業を含む)、極東・北極圏での資源開発の現状と未来、優先的社会経済発展区域(TOR)・ウラジオストク自由港制度など。

「ビジネスのための環境の創出」:建設分野のプロジェクトファイナンス、(極東方面での)石油・天然ガス産業発展、法制度整備と投資家保護、極東での金融アクセスの向上、地域の輸送インフラ発展に向けた方策、観光分野の発展、中央ロシアの可能性、中小企業支援策、デジタル経済政策など。

「ロシア極東とアジア太平洋地域:協力のための可能性の発展」:スポーツ、インフラ整備、エネルギー、税関行政、環境、科学技術、ユーラシア経済連合(EEU)との経済協力、北極圏開発、朝鮮半島における可能性など。

「生活の質向上に向けた新しい解決策」:生態系保護、人材育成、社会分野の民間投資、都市環境、医療クラスター、遠隔地での医療サービス・健康医療の提供など。

このほか、中国や日本、インド、ASEAN、韓国との間で2国・地域間ビジネス対話が実施される見込み。

東方経済フォーラムにはプーチン大統領が2015年の第1回から毎年出席しているほか、安倍晋三首相も2016~2018年に3回連続で参加している。

日本企業に関連した事項では、ロシア政府が加速させている北極圏の資源・輸送インフラ開発(2019年2月28日記事参照)、極東での産業振興を目的に割当制度やオークション制度を導入している木材産業(2018年4月4日記事参照)や水産業(2019年5月8日記事参照)、ロスネフチが棚上げを宣言したロシア極東の原油精製・石化コンビナートの建設事業(2019年5月15日記事参照)、一部の国際問題(朝鮮半島開発など)などの議論に比較的注目が集まる可能性がある。

フォーラムも5回目を迎え、イベント全体としてどこまで新味を打ち出せるか(2018年9月27日記事参照)、住民の要望を直接的に反映させた社会経済振興策をどの程度具体的に提示できるか(2019年4月3日記事参照)が政府・開催者側の課題となる。

(高橋淳)

(ロシア、日本)

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