極東・北極圏発展省へ改称、北極圏開発にも本腰

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年02月28日

プーチン大統領は2月27日、極東発展省を「極東・北極圏発展省」に改称し、所掌範囲に北極圏地域も加える内容の大統領令第78号「ロシア連邦の北極圏発展における国家運営向上について」(2019年2月26日付)に署名した。「極東・北極圏発展省」には、北極圏開発のための国家政策の策定や法的調整に関する役割が新たに付与される。これを受け、政府は3カ月以内に極東・北極圏発展省の権限を定めることになっている。

連邦政府は2024年までに北極海航路の輸送量を8,000万トンに拡大する目標を掲げる(2018年10月17日記事参照)など北極圏の開発を推進している。政府内にはこれを担う常設機関がなく、メドベージェフ首相は1月に極東発展省に委ねることをプーチン大統領に提案し、了承を得ていた(2018年1月21日記事参照)。

アレクサンドル・コズロフ極東発展相は、これまでもサハ共和国(ヤクーチヤ)やチュコト自治管区などは極東連邦管区に属しつつ北極圏地域に関わってきたことに言及し、「十分な経験が蓄積されている」とコメント。同省が北極圏地域で管轄している大型プロジェクトとして、(1)世界有数の銅埋蔵量を有するチュコト自治管区のバイムスカヤ鉱床の開発事業、(2)北極海航路による液化天然ガス(LNG)積み替え基地のカムチャツカ東部沿岸での建設計画(2018年8月15日記事参照)を挙げている(極東発展省サイト2月26日)。

(市谷恵子)

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