トラック業界ストの損失額は150億レアル、GDPの0.2%相当

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年06月15日

財務省は6月12日、5月に起きた全国規模のトラック輸送業界によるストライキ(2018年5月28日29日31日6月4日記事参照)に伴う損失額は、GDPの0.2%相当の150億レアル(約4,350億円、1レアル=約29円)との試算を明らかにした。政府による2018年の実質GDP成長率見通し2.8%は下方修正される見通しだが、正式発表は6月末となる。

一方、中央銀行が6月11日に発表した6月8日付経済週報(FOCUS、中銀の委託を受けた民間アナリスト予測)によると、2018年の実質GDP成長率見通しは7週連続で低下して、1カ月前の2.51%、前週の2.18%から1.94%になった(表参照)。

表 ブラジル中銀経済週報(FOCUS)による民間アナリスト予測

トラック輸送業界のストはガソリンや食料などの価格高騰を招いており、6月11日発表のFOCUSは2018年の拡大消費者物価指数(IPCA)の上昇率予想を、1週間前の3.65%から3.82%に上方修正している。ただし、中銀は2018年のインフレ目標は下限3%、上限6%としており、ストの影響後も目標内の数値にとどまっている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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