味千拉麺がオープン(ベネズエラ)
カラカス店開設の経緯を聞く

2025年4月18日

熊本の「味千拉麺」が3月27日、ベネズエラでオープンした。場所は、首都カラカスのアルタミラ・ヴィレッジ・ショッピングセンター内だ。それまで、海外15カ国に650店舗以上出店しており、今回のベネズエラで16カ国目になる。南米では、コロンビアに次いで2カ国目の進出だ。

オープニングセレモニーには、同チェーンを運営する重光産業(熊本県菊陽町)の重光克昭社長、味千拉麵ベネズエラ代表のカルロス・チャン氏ら地元関係者や日本関係者らが出席。開店を祝った。

カラカス店を開くまでの経緯や現地での反応、今後の展望について、取締役・国際部部長の本田修氏に聞いた(取材日:2025年4月4日)。

質問:
南米2号店として、ベネズエラのカラカスを選んだ理由は。
答え:
パナマで展開していた店舗で、お客様の反応などを見たフランチャイズ加盟希望者から問い合わせを受け、出店調査を開始した。日本本部やパナマのサブフランチャイズ本部がベネズエラへの出店を決定したのではなく、加盟希望に応じる形で出店を決めた。
質問:
米国の経済制裁など、当地についてはネガティブな情報が先行している。カラカス店オープンを判断するにあたり、懸念点などはなかったか。
答え:
日本との関係で特に問題はなく、大きな懸念を感じなかった。現地視察でも、安定した環境を確認できたため、計画をそのまま進めることにした。
もっとも、その後、パナマ・ベネズエラ間でフライトが停止になった。パナマ店でベネズエラから研修を受け入れる際や、ベネズエラの改装状況の進捗確認などでパナマとの間を行き来する際には、不便になった。
質問:
法人としてはベネズエラ企業で、オーナーはベネズエラ人か。
答え:
ベネズエラ企業で、オーナーは中華系のベネズエラ人だ。
質問:
何らかの日本食材を使っていると理解している。どのようなルートでカラカスに入れているのか。
答え:
中南米各国同様に、現地調達できる日本食材には限りがあり、品質や価格、供給量も不安定だ。本部指定食材だけでなく、一般的な調味料など多くを日本から輸入している。パナマの港湾を経由して、ベネズエラに輸入している。
質問:
決定から開店までどれくらいの期間を要したのか。
答え:
現地視察をしてから1年でオープンにたどり着くことができた。加盟希望の話をもらってからは、約1年半だった。
質問:
オープニングセレモニー、開店初日の反応を受けての感想は。
答え:
オープニングセレモニーに出席いただいた招待客やインフルエンサー、メディア、従業員の家族など含め、良い反応をいただいている。
もともと、日本に対するイメージは良好だった。日本からベネズエラにフランチャイズ出店している飲食店は他にないと認識している。ベネズエラで珍しい、本格的な味と品質、サービスに一定の評価をもらえていると思う。今後も品質を維持・向上し、小さいお子様からご年配の方まで幅広い層のお客様に利用してもらえる商品と環境づくりを目指したい。何度でも来店してもらえるように努めることが重要と思う。

オープニングセレモニーの様子、1番右が本田氏(同社提供)
質問:
カラカス店の今後をどう見るか。例えば、ラーメンの浸透度合い、競合の少なさ、本格ラーメンの受け入れ余地などをどう評価しているのか。
答え:
まだオープンしたばかりで、知名度・認知度が低い。現段階の評価で今後を判断するのは時期尚早だろう。少なくとも半年から1年は、現店舗の品質の安定に努め、来客の反応や習慣・嗜好の理解を進めたい。また、改善点などを抽出していく。 その上で、カラカスで次号店出店を目指したい。中長期的には、中華系が多く住むバレンシア地区などに進出することを検討できるかもしれないと考えている。

店舗外観(同社提供)

店内の様子(同社提供)
執筆者紹介
ジェトロ・ボゴタ事務所
木村 香菜(きむら かな)
2023年からジェトロ・ボゴタ事務所勤務。