ウズベキスタンのグリーン戦略、諸外国との協力で再エネ導入推進

2025年5月8日

中央アジアの1国であるウズベキスタンは近年、国内のエネルギー資源不足や環境問題が深刻化しており、再生可能エネルギーの導入を加速させている。しかし、グリーンエネルギーを開発するための資金や技術、人材などが不足しているため、諸外国との連携が不可欠だ。本レポートでは、グリーン経済への移行を進めるウズベキスタンを取り巻く情勢と再生可能エネルギー導入の動向を探る。

政府は資源不足や気候変動の問題背景に、グリーン経済推進

ウズベキスタン大統領直属の戦略・地域研究所のカミラ・サビロワ主任研究員によると、同国は気候変動の影響を最も受けやすい地域の1つだ。アラル海の干上がり、砂漠化、土地の劣化、気温の変化、自然災害の頻発など、差し迫った問題に直面している(ウズベキスタン国連代表部2024年1月6日)。

このような背景から、政府はパリ協定を批准し、脱炭素やグリーン経済への移行を目指している。経済財務省が管轄するマクロ経済・地域研究所は脱炭素に向けた同国の二酸化炭素(CO2)の削減方法として、第1に「再生可能エネルギーへの転換」を挙げている。政府は外国の政府や企業と協力し、グリーン化を進めている。同国の立地や日照時間などの条件から、再生可能エネルギーの中で強みが生かせる太陽光発電所や風力発電所の導入を中心としている。

グリーン経済への移行には、エネルギー部門に再エネ導入が必要

ウズベキスタンは1997年にエネルギー効率化に関する法律を制定し、2018年にはパリ協定を批准した。2019年10月にパリ協定の義務を履行するために、2019~2030年のグリーン経済への移行戦略を発表した(2019年10月4日付大統領決定第PP-4477号)。2021年4月には再生可能エネルギーと水素エネルギーの開発に関する大統領決定を発表した(2021年4月9日付大統領決定第PP-5063号)。同年12月には、2030年までの目標について、2010年比のGDP当たりの温室効果ガス(GHG)排出量削減率を、設定当初の10%から35%に引き上げた(参考参照)。翌2022年12月には、2030年までの具体的な移行目標の数値を設定した(表1、表2参照)(2022年12月2日付大統領決定第PP-436号)。

参考:ウズベキスタンの2030年までのグリーン経済への移行目標

  1. GDP当たりの温室効果ガス(GHG)排出量を2010年比で35%削減する
  2. 再生可能エネルギー源の生産能力を15ギガワット(GW)まで増加させ、総電力生産に占める割合を30%以上にする
  3. 産業部門のエネルギー効率を少なくとも20%向上させる
  4. 再生可能エネルギー源の利用拡大を含め、GDP単位当たりのエネルギー原単位を30%削減する
  5. 経済のあらゆる部門で水の利用効率を大幅に向上させ、最大100万ヘクタールの面積で節水型灌漑技術を導入する
  6. 年間2億本の苗木を植え、苗木の総数を10億本以上にすることで、都市部の緑地を30%以上に拡大する
  7. 共和国の森林保護指数を9,000万立方メートル以上にする
  8. 家庭ごみのリサイクル率を65%以上に引き上げる

注:指標は随時更新されているが、このレポートでは、2022年の原案に基づいて作成した。
出所:2022年12月2日付大統領決定第PP-436号付属書1「2030年までのウズベキスタン共和国における『グリーン』経済への移行と『グリーン』成長の確保に関するプログラム」からジェトロ作成

表1:ウズベキスタンのグリーン経済への移行目標数値
項目 単位 2022年 2024年 2026年 2028年 2030年
1.GDP当たりのエネルギー強度(注1)の削減率(2021年比) 5 14 22 27 30
2. 産業部門のエネルギー消費が国の総エネルギー消費に占める割合 26 25 23 21 20
3. 総発電量に占める再生可能エネルギー源の割合(水力発電を含む) 8 9 24.3 29 30.5
4.小規模太陽光発電所の建設 メガワット(MW) 10 150 400 800 1500
5.改善された飲料水源にアクセスできる人口の総人口に対する割合 69.7 80.9 87.1 88.5 90
6.森林の土地における樹木や低木の蓄積の増加量 100万立方メートル 64.2 68.1 77 85.5 92.3
7.グリーン関連プロジェクトの枠組み内での都市の緑地の拡大割合 8.3 12.4 15.8 23.8 30
8.発生した固形都市廃棄物のリサイクル率 30 40 50 60 65

注1:1次エネルギーの消費量をGDPで割った値でエネルギー効率を示す指標。
注2:目標指数はその後の政府発表で更新されているが、このレポートでは、2022年の原案に基づいて作成した。
出所:2022年12月2日付大統領決定第PP-436号「2030年までのウズベキスタン共和国における『グリーン』経済への移行と『グリーン』成長の確保に関するプログラム」からジェトロ作成

表2:2023年時点の達成状況(-は値なし)
項目 単位 2022年 2023年Q1 2023年Q2 2023年Q3 2023年Q4 2022年に
設定した2024年の目標
1.GDP当たりのエネルギー強度(注)の削減率(2021年比) 8.38 10.77 10.25 8.33 8.2 14
2.産業部門のエネルギー消費が国の総エネルギー消費に占める割合 26 35.6 41 39.4 40.3 25
3.総発電量に占める再生可能エネルギー源の割合と増加量(水力発電を含む) 8 7.1 14.4 12.4 7.1 9
キロワット時 6.5 1.4 2.3 2.4 1.5
4.小規模太陽光発電所の建設 メガワット 10 157 183 351 442 150
5. 改善された飲料水源にアクセスできる人口の総人口に対する割合(総人口に対する割合) % 69.7 74.4 74.4 77.2 77.2 80.9
6.森林の土地における樹木や低木の蓄積の増加量 % 69 81 81 81 81 68.1
7.グリーン関連プロジェクトの枠組み内での都市の緑地の拡大割合 100万立方メートル 8.3 8.6 8.9 9.2 9.5 12.4
8.発生した固形都市廃棄物のリサイクル率 % 32 27 30 33 36 40

注:1次エネルギーの消費量をGDPで割った値でエネルギー効率を示す指標。
出所:「ウズベキスタンのNDC2の野心と質を高めるための機会」2024年11月(UNDP)からジェトロ作成

グリーン経済への移行目標で要となるのが、再生可能エネルギーの導入だ。政府が管轄するマクロ経済・地域研究所は調査レポート「ウズベキスタンのカーボンニュートラル達成シナリオ」(2023年8月)の中で、CO2の主な発生源として「電力・熱」、「農業」「建物」「運送」「製造と建設」を挙げており(図1)、電力需要増や自家用車の増加などがCO2の増加の背景にあると指摘している。

図1:CO2の主な発生源(単位:100万トン)
2010年: 農業26百万トン、土地利用変化および林業マイナス12百万トン、廃棄物6百万トン、建物46百万トン、産業6百万トン、製造および建設17百万トン、輸送13百万トン、電力および熱42百万トン、エネルギー生産の漏出26百万トン、その他の燃料2百万トン、船舶燃料0百万トン。2011年: 農業27百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物6百万トン、建物46百万トン、産業6百万トン、製造および建設18百万トン、輸送13百万トン、電力および熱45百万トン、エネルギー生産の漏出25百万トン、その他の燃料2百万トン、船舶燃料0百万トン。2012年: 農業28百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物6百万トン、建物37百万トン、産業6百万トン、製造および建設14百万トン、輸送10百万トン、電力および熱44百万トン、エネルギー生産の漏出24百万トン、その他の燃料2百万トン、船舶燃料1百万トン。2013年: 農業29百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物6百万トン、建物35百万トン、産業6百万トン、製造および建設13百万トン、輸送9百万トン、電力および熱46百万トン、エネルギー生産の漏出22百万トン、その他の燃料3百万トン、船舶燃料1百万トン。2014年: 農業31百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物7百万トン、建物31百万トン、産業6百万トン、製造および建設11百万トン、輸送9百万トン、電力および熱47百万トン、エネルギー生産の漏出20百万トン、その他の燃料3百万トン、船舶燃料0百万トン。2015年: 農業32百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物7百万トン、建物28百万トン、産業7百万トン、製造および建設10百万トン、輸送8百万トン、電力および熱46百万トン、エネルギー生産の漏出19百万トン、その他の燃料2百万トン、船舶燃料1百万トン。2016年: 農業34百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物7百万トン、建物30百万トン、産業7百万トン、製造および建設11百万トン、輸送8百万トン、電力および熱48百万トン、エネルギー生産の漏出19百万トン、その他の燃料4百万トン、船舶燃料1百万トン。2017年: 農業35百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物7百万トン、建物33百万トン、産業7百万トン、製造および建設12百万トン、輸送9百万トン、電力および熱49百万トン、エネルギー生産の漏出19百万トン、その他の燃料3百万トン、船舶燃料0百万トン。2018年: 農業35百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物7百万トン、建物27百万トン、産業7百万トン、製造および建設12百万トン、輸送15百万トン、電力および熱53百万トン、エネルギー生産の漏出21百万トン、その他の燃料1百万トン、船舶燃料1百万トン。2019年: 農業36百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物7百万トン、建物27百万トン、産業8百万トン、製造および建設13百万トン、輸送16百万トン、電力および熱56百万トン、エネルギー生産の漏出21百万トン、その他の燃料1百万トン、船舶燃料0百万トン。2020年: 農業37百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物7百万トン、建物32百万トン、産業9百万トン、製造および建設12百万トン、輸送16百万トン、電力および熱45百万トン、エネルギー生産の漏出18百万トン、その他の燃料6百万トン、船舶燃料0百万トン。2021年: 農業39百万トン、土地利用変化および林業マイナス3百万トン、廃棄物7百万トン、建物34百万トン、産業10百万トン、製造および建設13百万トン、輸送17百万トン、電力および熱51百万トン、エネルギー生産の漏出20百万トン、その他の燃料2百万トン、船舶燃料0百万トン。

出所:Our World in Dataからジェトロ作成

グリーン推進の背景には、自国産天然ガスの不足も

ウズベキスタンは国内のエネルギー供給の約8割を環境負荷が少ないとされる天然ガスに頼っている(図2)。しかし、近年は自国産天然ガスの供給が国内の需要に追い付かず、エネルギー不足に陥っている。

2024年のガス消費量は2025年2月時点で未公表だが、国内の消費量は高まっている。2024年の産出量は2022年の水準を下回っており、国内でガス不足が生じたと推察される。シャフカト・ミルジヨエフ大統領は2022年1月の大統領令で、天然ガス採掘量を増加させる目標を立てたが、2022~2024年で達成されず、産出量の減少が続いている(「Kun.uz」2025年1月29日)。

図2:ウズベキスタンのガス消費と生産の推移(単位:10億立方メートル)
2013年: ガス消費46.2億立方メートル、ガス生産55.9億立方メートル。2014年: ガス消費48.5億立方メートル、ガス生産56.3億立方メートル。2015年: ガス消費46.3億立方メートル、ガス生産53.6億立方メートル。2016年: ガス消費43.3億立方メートル、ガス生産53.1億立方メートル。2017年: ガス消費44.8億立方メートル、ガス生産53.6億立方メートル。2018年: ガス消費44.4億立方メートル、ガス生産58.3億立方メートル。2019年: ガス消費44.6億立方メートル、ガス生産57.5億立方メートル。2020年: ガス消費43.6億立方メートル、ガス生産47.1億立方メートル。2021年: ガス消費46.5億立方メートル、ガス生産50.9億立方メートル。2022年: ガス消費48.3億立方メートル、ガス生産48.9億立方メートル。2023年: ガス消費46.6億立方メートル、ガス生産44.2億立方メートル。2024年: ガス消費データなし、ガス生産44.6億立方メートル。

出所:エネルギー研究所「第73回統計レビュー・世界のエネルギー2024」、「Kun.uz」(2025年1月29日)からジェトロ作成

再エネ導入には国内外の投資が必要

国連開発計画(UNDP)が2024年12月17日に発表した分析レポート「ウズベキスタンのNDC2(注)の野心と質を高める機会」によると、同国のグリーン経済への移行には各分野で資金が必要で、国外からの資金調達も必要だ。加えて、最新の技術の導入や、専門知識を持つ人材の育成、気候変動対策に向けた国内の制度の整備が求められている。

OECDのウズベキスタンのグリーン・トランジションに関する報告(2023年12月7日)では、同国の持続可能なインフラへの投資需要と支出のギャップを、低く見積もっても年間60億ドルと推定している。公的資金だけでは埋められず、政府は国内外の民間部門からも資金調達を進めている。

外国政府や企業と再エネ分野で協力

近年、EU、中国、中東諸国は中央アジア諸国と、気候変動や再生可能エネルギー分野などでの協力を進めている。ロシアのウクライナ侵攻以降、EUはロシア産化石燃料依存からの脱却計画「リパワーEU」を掲げており、中央アジアを含む各地域で再エネを含むエネルギー供給の多角化(2022年9月1日付地域・分析レポート参照)を進めている。

ウズベキスタン政府も民間企業や大手外資企業を優遇する制度の構築に着手しており、外国投資家の誘致を加速させている。同国の再生可能エネルギー分野に中東の企業が進出していたが(2022年8月29日付ビジネス短信参照)、2023年以降は特に中国企業による同分野への進出が多くみられる(表3参照)。2024年12月には国内の再生可能エネルギー関連施設の開所・着工式典が行われ、総額70億ドルを超える24のプロジェクトが開始された。これらは全て海外からの直接投資で実施されており、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、トルコなどの民間企業や国際金融機関が関わっている(2024年12月23日付ビジネス短信参照)。

表3:2023年以降、再エネ分野に進出する主な外資企業の動向
分野 企業名 国籍 発表
時期
金額 概要、発表
風力、
水素
中国電力建設集団(パワーチャイナ) 中国 2023年11月 n.a ウズベキスタン初のグリーン水素プロジェクトの起工式。毎時 4,000 立方メートルの容量を持つグリーン水素プラントおよび52メガワット(MW)の陸上風力発電所の建設を予定。
太陽光、
風力
  • UAEのマスダール
  • 山東電力建設第三工程(SEPCO III)
  • 中国能源建設集団(China Energy Engineering Corporation)
  • 中国能源国際集団(China Energy Engineering Corporation)
  • 中国葛洲坝集团(China Gezhouba Group)(China Gezhouba Group)
  • 中国の大手発電設備メーカー東方電気(Dongfang Electric Corporation)
中国、UAE 2023年12月 約20億ドル 6州で5カ所の太陽光発電所と1カ所の風力発電所を稼働。太陽光発電所は官民パートナーシップの条件の下、外国からの直接投資によって全てが賄われている。200万世帯への電力供給、20億立方メートルの天然ガスの節約、40億ドル相当の工業製品とサービスの生産が可能となった。
太陽光 中国大唐海外投資(China DaTang Overseas Investment) 中国 2024年9月 1億5,000万ドル タシケント州で容量263MWの太陽光発電所の建設が開始。
太陽光 中国大唐集団 (China Datang Corporation) 中国 2024年10月 2億4,000万ドル 年間5億7,600万キロワット時(kWh)の発電量を持つ太陽光発電所の建設が開始。
太陽光 中国のシノマ・インターナショナル・. エンジニアリング 中国 2024年11月 n.a ナボイ州に300MWの太陽光発電所を建設する契約を締結。
太陽光、
風力、
水力
  • UAEのマスダール
  • サウジアラビアのACWAパワー
  • トルコのアクサ・エネルジ
UAE、サウジアラビア、
トルコ
2024年12月 70億ドル 再生可能エネルギー関連施設の開所・着工式典で、24のプロジェクトが開始。同時に風力発電所、風力発電所を含む総発電容量2,300MWの太陽光および風力発電所5カ所、ガスタービン火力発電所、タシケント州ほか2州で4カ所の小型水力発電所、2州で国内初の蓄電システムが稼働。タシケント市と4つの州の6カ所で総発電容量2,500MWの発電所が着工。

出所:政府サイト、各社サイト、報道からジェトロ作成

日本政府や日系企業がウズベキスタンのプロジェクトに参画する投資案件も徐々に動き始めている。外務省の「対ウズベキスタン共和国事業展開計画(2024年4月)」を見ると、日本はウズベキスタンの「省エネ・低炭素プログラム」「環境管理プログラム」に合計約2,967億円を支援している。2024年10月には国際協力銀行がウズベキスタン投資産業貿易省と業務協力協定を締結し、日本企業が関与するクリーンエネルギー分野などで、協力関係の強化、日本企業のビジネス機会の創出に取り組んでいる。

2025年以降も再エネ施設の導入加速

2025年1月27日には、ミルジヨエフ大統領は「環境保護とグリーンエコノミーの年」に関する国家プログラムの草案を発表した。それによると、同国では過去3年間で国内16の大型太陽光発電所と風力発電所〔合計発電容量3.5ギガワット(GW)〕、35基の小型水力発電所が稼働した。2025年には、総発電量に占める再生可能エネルギーの割合を現在の16%から26%に引き上げる。低炭素プロジェクト支援のため、世界銀行や欧州復興開発銀行(EBRD)などから3億ドルを調達する計画だ。

グリーン分野のPPP推進

ウズベキスタンは官民連携プロジェクト(PPP)を通じて、必要な技術や資金を国内外の民間部門や政府組織から調達している。同国は2019年にPPPに関する規制法案を採択した。2024年に大統領決定第PP-308号「ウズベキスタン共和国における2024年から2030年にかけての官民パートナーシップ発展のための施策について」(2024年8月30日付)で、国内でインフラ、エネルギー、灌漑、給水、教育、医療などの分野でのPPPの推進を発表した。

ウズベキスタンは2018年10月20日の大統領令により、同国のPPPを促進するPPP開発庁(PPPDA)を設立した。グリーン分野のPPPでは、ウズベキスタン西部カラカルパクスタン共和国で合計設備容量100MWの最新型風力タービン25基の導入を計画している。発電プロジェクトを世界各地で開発・運営するサウジアラビアのACWAパワーが2021年9月に同案件を落札した(PPPDA発表2021年10月11日)。

外国機関の動きを見ると、EBRDは資金援助とコンサルティング業務を通じ、ウズベキスタンのPPP推進を支援している。EBRDは2023年12月13日にウズベキスタンPPPプロジェクト開発ファシリティー(UPDF)の設立を承認した。UPDFは資金管理やアドバイザリー業務などで同国のPPP推進を支援する機関で、EBRDから拠出される最大1,000万ドルの資金を活用する。

EBRDウズベキスタン事務所のアンディ・アラニタシ所長によると、EBRDは同国のPPP事業に深く関わっている。EBRDは同国の2019年のPPP規制法の採用や、2基の風力発電所(総設置容量300 MW)、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)などのPPPプロジェクトに貢献した(アゼルバイジャン「トレンド通信」2025年2月7日)。

同国は外国企業や国際金融機関の協力により、再エネ分野の開発を拡大していく見通しだ。


注:
温室効果ガス(GHG)排出削減目標(NDC)。NDCは、Nationally Determined Contributionの略。NDCは5年ごとの更新が求められており、ウズベキスタンは2021年に更新版のNDC2を策定した。
執筆者紹介
ジェトロ調査部欧州課ロシアCIS班 リサーチ・マネージャー
小野塚 信(おのづか まこと)
2021年、民間企業勤務を経て、ジェトロ入構。