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2018年はドイツ自動車メーカー各社とも前年比微増
2018年および2019年1月新車販売発表

2019年2月28日

2019年1月から2月にかけて、ドイツ3大自動車メーカーが2018年の新車販売台数および2019年1月の販売台数を発表した。各社とも2018年は前年比で微増となった。2019年1月はBMWグループが引き続き微増となったものの、ダイムラーとフォルクスワーゲン(VW)は前年同月比で減少した。各社とも電気自動車(EV)の販売台数はいまだ限定的だが、著しく増加している。

ダイムラー:2019年も前年比微増を見込む

ダイムラーの2018年の全世界における自動車の新車販売台数は231万185台(スマートを含まない)と前年比で0.9%増加し、8年連続で過去最高を更新した(表1参照)。欧州および米国市場では減少したものの、中国市場での販売増が販売総数に貢献した。国・地域別にみると、欧州が93万3,697台と2.3%減少した。ただし、ドイツ国内は30万3,862台と0.1%の微増で横ばいだった。アジア大洋州は、中国が65万2,996台(11.1%増)と好調だったため、全体で7.8%増となった。NAFTA(北米自由貿易協定)地域は、米国市場での販売が31万5,959台と6.3%の減少になった一方で、メキシコ(8.4%増)が過去最高を記録した。

表1:ダイムラーの自動車販売台数(2018年) (単位:台、%)(△はマイナス値)
国・地域別 販売台数 前年比
欧州 933,697 △2.3
階層レベル2の項目 ドイツ 303,862 0.1
アジア大洋州 943,473 7.8
階層レベル2の項目 中国 652,996 11.1
NAFTA 378,013 △5.6
階層レベル2の項目 米国 315,959 △6.3
全世界(その他含む) 2,310,185 0.9

注:スマートを含まない。
出所:ダイムラー・ウェブサイト

ダイムラーグループの小型車ブランドであるスマートは2018年、販売開始から20周年を迎えた。前年比で4.6%減となったものの、2018年は12万8,802台と過去3番目の販売台数を記録した。このうち3分の1に当たる4万1,000台がドイツ国内での販売で、14%と大幅に増加した。2018年は3車種の電気自動車(EV)を市場に展開し、同社は2020年までに、スマートブランドで投入する車種全てを電動化するとしている。

しかし、2019年2月11日にダイムラーグループが発表した2019年1月の新車販売台数は全世界で前年同月比6.7%減となる18万539台にとどまり、鈍い走りだしとなった。中国市場での販売が単月で初めて7万台を超えたが、ドイツ国内が11.9%減の1万9,296台となり、欧州全体でも11.2%減の5万7,963台と落ち込んだ。NAFTA市場でも11.5%減の2万6,068台にとどまった。同グループは、モデルチェンジによる2019年後半の販売増加に期待を示し、2019年通年では前年比でわずかな販売台数増を見込む。

BMWグループ:EV販売が急増

BMWグループの自動車販売数は249万664台と前年比で1.1%増加し、ダイムラーと同じく、8年連続で記録を更新した(表2参照)。国・地域別にみると、欧州地域では、英国とドイツ国内の販売台数が地域全体の過半数を占めた。ドイツでは31万9,134台と2.5%増加したが、英国での販売が23万7,895台と1.4%減少し、地域全体では0.3%減少した。アジアでの販売は引き続き好調で、3.2%増加し、87万4,828台に達した。特に中国は7.7%増となり、63万9,953台を記録した。他方、日本は2.0%減の7万8,001台にとどまった。米州は45万6,325台と1.4%増加した。うち米国は、35万4,698台で0.5%増だった。

表2:BMWグループの自動車販売台数(2018年)

国・地域別(単位:台、%)(△はマイナス値)
国・地域 販売台数 前年比
欧州 1,097,654 △0.3
階層レベル2の項目 ドイツ 319,134 2.5
階層レベル2の項目 英国 237,895 △1.4
アジア 874,828 3.2
階層レベル2の項目 中国 639,953 7.7
階層レベル2の項目 日本 78,001 △2.0
米州 456,325 1.4
階層レベル2の項目 米国 354,698 0.5
階層レベル2の項目 ラテンアメリカ 54,858 8.1
全世界(その他含む)(注1) 2,490,664 1.1
ブランド別(単位:台、%)(△はマイナス値)
ブランド 販売台数 前年比
BMW 2,125,026 1.8
階層レベル2の項目 BMW電気自動車部門(BMW elektrifiziert)(注2) 142,617 38.4
ミニ 361,531 △2.8
ロールスロイス 4,107 22.2

注1:BMW、ミニ、ロールスロイスの合計。
なお、国・地域別販売台数にロールスロイスを含んでいない。
注2:BMWi/BMWiperfomance/MINI Electric。
出所:BMW・ウェブサイト

BMWグループもEVの市場投入に注力している。2018年は同社の販売目標だった14万台を上回り、全世界で前年比38.4%増となる14万2,617台のEV(プラグインハイブリッド車を含む、以下同様)を販売した。2019年末までに、累計50万台以上のEVの販売を目指す。2025年までに、少なくとも25のEVモデルを販売する予定。同グループの小型車ブランドのミニも、2019年中に完全電動自動車モデルを市場に投入する。

2019年2月13日に発表されたBMWグループの2019年1月の新車販売台数は、全世界で前年同月比0.5%増の17万463台となり、3大自動車メーカーの中では唯一、プラス成長を維持した。このうち、BMWブランドは0.8%増の14万9,616台だった。EVは1.4%増の7,234台を記録。特に、「i3」が30.4%増、「530e」が82.0%増と好調に推移している。

VW:中国経済とブレグジットがリスク要因

フォルクスワーゲン(VW)は、2018年の新車販売台数について、前年比で0.9%増加し1,083万4,000台だったと発表している(表3参照)。同社の主戦場である中国の経済の不安定化、また、欧州における国際調和排ガス・燃料試験法(WLPT)への対応(2018年9月20日記事参照)の影響を受けたものの、過去最多の販売台数を記録した。国・地域別にみると、欧州での販売台数は1.2%増え、438万700台であった。ドイツ国内はマイナス0.1%と微減した一方、ロシアが19.8%増と、著しい伸びを示した。アジア大洋州での販売は454万6,300台で0.9%増加し、同地域の販売台数の大半を占める中国での販売は0.5%の増加にとどまった。北米は米国が2.1%増加した一方、メキシコ(VWではメキシコ市場を北米に分類)での販売が15.6%減と大きく落ち込み、地域全体では2.0%減の95万6,700台となった。南米では販売台数は60万台弱だが、2018年の前年比は13.1%の増加で、好調だった。特に、ブラジルにおける販売が30.4%増の40万1,700台を記録した。

ブランド別にみると、VWブランド(前年比0.2%増)やシュコダ(4.4%増)やセアト(10.5%増)が増加した一方、高級車ブランドのアウディ(3.5%減)は振るわなかった。

表3:VWグループの自動車販売台数(2018年)

国・地域別(単位:台、%)(△はマイナス値)
国・地域 販売台数 前年比
欧州 4,380,700 1.2
階層レベル2の項目 西欧 3,583,500 0.0
階層レベル3の項目 ドイツ 1,284,800 △0.1
階層レベル2の項目 中・東欧 797,200 7.1
階層レベル3の項目 ロシア 229,800 19.8
アジア大洋州 4,546,300 0.9
階層レベル2の項目 中国 4,207,100 0.5
北米 956,700 △2.0
階層レベル2の項目 米国 638,300 2.1
南米 590,000 13.1
階層レベル2の項目 ブラジル 401,700 30.4
全世界(その他含む) 10,834,000 0.9
ブランド別(単位:台、%)(△はマイナス値)
ブランド 販売台数 前年比
フォルクスワーゲン(VW) 6,244,900 0.2
アウディ 1,812,500 △3.5
シュコダ 1,253,700 4.4
セアト 517,600 10.5
ポルシェ 256,300 4.0

出所:VWウェブサイト

2019年2月15日に発表されたVWグループの2019年1月の全世界における販売台数は88万2,200台と、前年同月比で1.8%減少した。同グループ最大の市場である中国において、2.9%減の38万7,300台にとどまったことが大きく影響した。ドイツ国内での販売台数は0.7%増の9万8,600台、欧州全体では0.5%増の33万4,400台と持ち直した。同社は今後のリスクについて、中国の景気動向と英国のEU離脱(ブレグジット)を挙げている。

執筆者紹介
ジェトロ・デュッセルドルフ事務所 次長
木場 亮(こば りょう)
1999年、ジェトロ入講。2005年~2010年ジェトロ・ウィーン事務所員、2017年7月より現職。
執筆者紹介
ジェトロ・デュッセルドルフ事務所
ベアナデット・マイヤー
2017年よりジェトロ・デュッセルドルフ事務所で調査および農水事業を担当。
執筆者紹介
ジェトロ・デュッセルドルフ事務所 ディレクター
森 悠介(もり ゆうすけ)
2011年、ジェトロ入構。対日投資部対日投資課(2011年4月~2012年8月)、対日投資部誘致プロモーション課(2012年9月~2015年11月)を経て現職。

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