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ドイツのオーガニックスーパーマーケットチェーンで2番目の規模のDenn’sのフランチャイズ店のオーナーにインタビューした。

・ベルンハルト・ヴァイアース・Bernhard Weiers氏(59歳)
http://www.denns-kreutzerhof.de/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
denn's Biomarkt, Düsseldorfer Straße 77, 40667 Meerbusch
Tel. 02132 - 9986884

ベルンハルト・ヴァイアース氏の両親は1961年から地元でオーガニック農業を始めた。
そして自分たちのところでオーガニックの野菜や卵などを直売していたが、1974年に正式にオーガニック食品の店舗を構えた。
1999年にベルンハルト・ヴァイアース氏が夫人とともにその店を引き継いだ。
2011年からは現在の場所でDenn’sのフランチャイズ店としてオーガニックのスーパーマーケットを開店し、店内に軽食のためのイートインコーナーも始めた。

日本産食材に期待していることなど

日本産の食品に関しては、Fukushimaの原発事故の後、あまりイメージが良くなくて、売上も低迷していた。しかし、最近はそれも回復し、醤油やワカメなどの海藻類がよく売れている。今後の日本産食材については海藻類、健康食品の分野で例えばKombu-cha(注)のような創造的かつ革新的な商品開発が行われることを大いに期待している。

注:ドイツで現地生産されているKombu-chaとは昆布茶ではなく、一種の紅茶キノコのようなドリンクである。

日本はオーガニック食品を米国や中国からたくさん輸入していると聞くが、ドイツも10軒のうち1軒がオーガニックの農家ではあるものの、イタリア、スペイン、オランダなどから価格の安いオーガニックの野菜果物がたくさん流入してきて、価格競争が激しくなってきている。特にドイツの消費者は質の違いよりも、価格差に敏感であるという特徴がある。

ドイツは米国に次いで世界で二番目に大きなオーガニック食品の市場であるが、長年オーガニック食品のビジネスに携わって来て思うことは、1990年代半ばの英国に端を発した狂牛病(BSE)問題が大きな転回点となったことである。
それまではオーガニック食品のファンは、60年代以降のヒッピーや自然回帰を志向するような人々が多かったが、狂牛病問題で一般の消費者が食の安全を求めるようになったからである。騒動の間はショーケースの中の肉やチーズがあっという間に空になったものだった。それを契機にしてドイツのオーガニック食品ビジネスは大きく成長したと考える。
しかし、今は大手のスーパーマーケットやディスカウンターまでもがオーガニックの野菜や果物を販売するようになったため、価格競争が激化している。スケールメリットを活用できる大手のスーパーマーケットと大手のオーガニック系のスーパーマーケットしか将来的には生き残れないかもしれないと思う。