日本からの輸出に関する制度 青果物の輸入規制、輸入手続き
品目の定義
本ページで定義する青果物のHSコード
本ページで定義する青果物は、英国を含む対EUへの輸出実績などに鑑みて次のとおりです。特に断りのないかぎりは、同品目について記述しています。
- 0706.90
- にんじん、かぶ、サラダ用ビート、サルシファイ、セルリアク、大根その他これらに類する食用の根(生鮮および冷蔵したものに限る)のうち、その他のもの(ごぼう、わさび、山芋などが含まれる)
- 0805.21
- かんきつ類の果実のうちマンダリン、タンジェリンおよびうんしゅうみかん(生鮮および乾燥したものに限る)
- 0805.29
- かんきつ類の果実のうちその他のマンダリン(生鮮および乾燥したものに限る)
- 0805.90
- その他のかんきつ類の果実(生鮮および乾燥したものに限る)
調査時点での最新情報を記載していますが、英国は、EU離脱に伴い、記載事項は常に変更される可能性がある点に留意してください。なお、北アイルランドは、英国の関税領域であるため、(EUに移送される可能性がない場合)日英包括的経済連携協定(日英・EPA)を享受できますが、食品規制に関しては、EU規制が適用されます。本稿では特段の注意がない限り、英国(北アイルランドを除くグレートブリテン)にかかる規制について記載していますので、北アイルランド議定書などに関してはジェトロレポート「英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)」およびジェトロビジネス短信を確認してください。
また、英国では、EU離脱に伴い2021年1月1日から、新たな植物検疫規則を施行しています。この新たな規則枠組みでは、多くのEU規制が「EU維持法(retained EU law)」として引き継がれていますが、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの植物検疫規則の要求事項から変更がある可能性に留意してください。また、北アイルランドは、同規則を適用せず、継続してEUの植物検疫規則を適用することになります。
なお、2019年12月14日から2021年4月にかけてEUでも植物衛生、動物衛生、公的管理の規則の新制度への移行に伴い、変更が多い点にも留意してください。同制度については、ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」も参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
英国動植物衛生庁 (APHA) (英語)
- 根拠法等
-
2020年 植物衛生EU離脱規則(修正) No. 1527 (英語)
(1,771KB)
-
維持規則(EEC)No 2658/87(英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 - その他参考情報
-
財務省貿易統計
-
植物防疫所 輸入規則等詳細情報 (英国)
-
英国政府 EU域外から英国への植物・植物製品輸出入ガイダンス(英語)
- ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」
英国の輸入規制
1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)
調査時点:2022年6月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU規則が、「EU維持法(retained EU law)」として引き継がれ、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。ただし、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。例えば、植物検疫規則などに関しては、EUで適用されている規則と英国で違い、輸入時に添付すべき書類などが異なるため、注意が必要です。
これまで英国は、東京電力福島第一原子力発電所事故発生時より、県単位で日本産食品について輸入規制を導入していましたが、2022年6月29日に撤廃しました。しかし、北アイルランドについては、英EU間の合意に基づき、EUによる日本産食品に対する放射性物質輸入規制が適用されているため、引き続き留意が必要です。
詳しくは、関連リンクの「農林水産省『撤廃された英国の放射性物質輸入規制の概要」」を参照してください。また、EUのポータルサイト「青果物」を確認してください。
- 植物検疫規則
-
英国では維持規則 (EU) No 2016/2031ならびに、維持実施規則(EU)2018/2019および維持実施規則(EU)2019/2072により植物検疫に関する規則が定められています(ただし、一部移行措置として旧指令2000/29/ECが延長されている項目もあります)。
2021年1月1日から、その一部および呼称の変更をした新たな植物検疫規則『2020年 植物衛生EU離脱規則(修正)No. 1527』(以下『新植物検疫規則No. 1527』)を施行しています。本新規則の付属書6に英国への輸入が禁止されている植物および植物製品などが記載されています。なお、北アイルランドは、本規則を適用せず、継続してEUの植物検疫規則を適用することになります。 -
日本産の植物に関連する「新植物検疫規則No. 1527」の付属書の内容
- 別紙1
- 付属書1 英国検疫有害生物一覧別紙2 付属書2 A:暫定検疫有害生物一覧
- 別紙3
- 付属書3:保護区域の英国検疫有害生物一覧と英国の保護区域
- 別紙4
- 付属書4:規制されている英国非検疫有害生物(非隔離病害虫)一覧およびそれらに相当する栽培に利用される植物
- 別紙5
- 付属書5:栽培に利用される特別の植物における規制されている英国非検疫有害生物の生存を防ぐための要件
- 別紙6
- 付属書6: 特定の第三国から輸入が禁止されている植物および植物製品等
- 別紙7
- 付属書7: 第三国から特別な条件を満たすことで、輸入が認められる植物および植物製品など
- 別紙9
- 付属書10 : 特別な条件を満たすことで、保護区域への輸入が認められる植物および植物生産物など
- 別紙10
-
付属書11 :それぞれ特定の第三国から植物検疫証明書の添付を必要とする植物および植物製品など
パートA:植物検疫証明書の添付が必要な植物および植物製品など
パートB:植物検疫証明書の添付が必要なその他の植物
パートC:植物検疫証明書の添付が免ぜられる植物 - 別紙11
- 付属書13:英国での移動に植物パスポートの添付が必要な植物および植物製品など
さらに、同規則別紙6付属書6 Part Bに規定されているニガウリなどのツルレイシ属(Momordica sp.)の果実(ニガウリなど)はリスクが高い植物として、個人消費用の手荷物を含め、英国への輸入が禁止されています。
これらの対象は2022年2月現時点では、EU規則からの変更はありません。ただし、後述する栽培地検査や植物検疫証明書が必要な果実や検疫隔離対象となる病害虫などはEUと若干異なるため注意が必要です。 - なお、本稿対象品目には関連しませんが、本規則別紙7付属書7に記載される一部の青果は、輸出前に栽培地検査など特別な要件が求められます。詳細は、「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を参照してください。
- 衛生認定施設要件
- また、EU(英国含む)の食品衛生にかかる制度の枠組みの中で、維持規則(EU) No 208/2013および維持規則(EU) No 210/2013ならびに維持委任規則(EU) 2019/625第5条に規定されているとおり、次のCNコード(UKGTコード)07類の一部のスプラウト(新芽野菜・発芽野菜)はEUの衛生要件認定施設由来のものでないと英国へ輸出できません(規則(EU) 210/2013、規則(EC) No 852/2004および「2019年スプラウトと種子に関する規則(改正)(EU離脱法)」)。証明様式は維持規則(EU) 2019/628 ANNEXI に規定されています。
-
衛生要件認定施設での栽培が条件となるスプラウト(UKGTによる分類) CNコード 品目 0704 90 10
0704 90 90ブロッコリー・カリフラワー・メキャベツを除く生鮮または冷蔵の0704類(あぶらな属)の野菜。キャベツ、赤キャベツ、コールラビ―、ケールなど 0706 90 10
0706 90 30
0706 90 90にんじん ・かぶを除く生鮮または冷蔵の0706類。ダイコン、セルリアック(根セロリ)、ホースラディッシュ(セイヨウワサビ)、ビーツの葉など 0708 10 00 さやの有無を問わず生鮮または冷蔵のエンドウ豆(Pisum sativum) 0708 20 00 さやの有無を問わず生鮮または冷蔵のササゲ属(Vigna spp.,) とインゲンマメ属(Phaseolus spp.) 0708 90 00 さやの有無を問わず上記以外の生鮮または冷蔵のマメ科野菜 1214 90 10
1214 90 90ムラサキウマゴヤ(アルファルファ)を除く、ルタバガ(スウェーデンカブ)、フダンソウ(葉菜)、クローバー、イガマメ(サインフォイン)、ルピナス、ソラマメ属、ケール、干し草、その他の飼料用の根菜など - ササゲ属のスプラウトは一部もやしとして栽培されているため注意が必要です。ただし、殻から取り出されて乾燥した状態の豆類(HSコード0713類)には施設認定要件は課されませんが、公的書類(衛生証明書など)が必要とされます(同規則第13条)。2022年2月現在、日本国内で前述のスプラウトのEU/英国向け輸出認定施設は未整備のため、かいわれ大根やからし菜・わさび菜スプラウトは英国へ輸出できません。
- 英国内の病害虫特定保護ゾーン
- 『新植物検疫規則No. 1527』別紙3付属書 3に記載される「英国内の病害虫特定保護ゾーン(GB pest-free areas)」向けの場合、本稿に記載事項とは別に隔離対象の病害虫に関する特定の規定があるため、規則の原文または植物防疫所のウェブサイトを確認してください。
- 英国の要請による緊急措置
- その他、英国の植物防疫状況により、当該病害虫の未発生国であっても、実施規則などにより、日本を含む第三国に特別な緊急措置を要求する場合があります。最新の情報は必ず、植物防疫所のウェブサイトで確認してください。
※本項以降では、EU規制および英国がEU規制に上乗せで定めている独自規制についても言及していますが、これは、ジェトロで把握できた範囲において言及しているものです。
関連リンク
- 関係省庁
-
英国動植物衛生庁 (APHA) (英語)
-
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)
-
農林水産省
-
植物防疫所
-
経済産業省
- 根拠法等
-
2018年EU離脱法(英語)
-
2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
2020年 公的管理(動物、飼料、食品、植物衛生など)(修正)(EU離脱)規則(2020 No. 1481)(英語)
-
2020年 公的管理(動物、飼料、食品、植物衛生など)(修正)(EU離脱)(No. 2)規則 (2020 No. 1631)
-
2021年 公的管理(植物衛生,種子、ばれいしょの種子)(修正など)規則(2021 No. 426)(英語)
The Official Controls, Plant Health, Seeds and Seed Potatoes (Amendment etc.) Regulations 2021 -
2020年 植物衛生EU離脱規則(修正) No. 1527 (英語)
-
維持規則(EU)2016/2031(英語)
-
維持実施規則(EU)No 2018/2019(英語)
-
維持実施規則(EU)2019/2072(英語)
-
維持規則(EU)2019/625 (英語)
-
維持規則(EU)2019/628 (英語)
-
「2019年スプラウトと種子に関する規則(改正)(EU離脱法)」
-
維持規則(EU) 210/2013 (英語)
-
維持規則(EC) 852/2004(英語)
-
維持規則(EU) 208/2013 (英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 - その他参考情報
-
植物防疫所 輸入規則等詳細情報 (英国)
-
農林水産省 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応
-
農林水産省「撤廃された英国の放射性物質輸入規制の概要」
(84KB)
-
英国政府 EU域外から英国への植物・植物製品輸出入ガイダンス(英語)
-
英国政府 第三国由来植物・植物製品輸入要件ガイダンス(英語)
2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性にご留意ください。
- 生産園地登録と栽培地検査合格証
-
『新植物検疫規則No. 1527』別紙7付属書7に記載される一部の青果や植物には生産園地登録や栽培地検査など特別な要件が課されます。本稿対象品目には関連しませんが、第95項~第104項に記載されるトウガラシ属(Capsicum L.)、トウガラシ(Capsicum annuum L)、ツルレイ属(Momordica L)、ナスやジロなどの一部のナス属(Solanum melongena L、Solanum aethiopicum L、Solanum macrocarpon L)、トマト(Solanum lycopersicum L.)、リンゴ属(Malus Mill.)ナシ属(Pyrus)は特別な入域要件が課されます詳細や事業者レベルでの対応の可否に関しては、日本の植物防疫所に確認してください。
なお、栽培用のかんきつ属(Citrus spp.)に関しては、第67項を確認してください。 - EUに定義品目のかんきつ属(Citrus spp.)、きんかん属(Fortunella spp.) 、カラタチ属(Poncirus spp.) ミクロシトラス属(Microcitus spp.)、ナリンギ属(Naringi spp.)、スウィングレア属(Swinglea spp.)およびこれらの交配種の青果を輸出する場合は、生産園地登録と栽培地検査が必要となるため留意してください。詳細はEUポータルサイト「青果物」で確認してください。
- 衛生認定施設要件
- その他、本稿対象品目には関連しませんが、輸入規制「1.輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」に記載のとおり、維持委任規則(EU)2019/625により、一部の根菜や食用スプラウト(新芽・もやしなど)はEU(英国を含む)への輸出が認められた認定施設からの由来である必要があります。2022年2月現在、前述のスプラウトのEU (英国)向け輸出認定施設は未整備であり、英国へ輸出できないため留意が必要です。
- 植物検疫証明書の取得
-
『新植物検疫規則No. 1527』別紙10付属書11 には「それぞれ特定の第三国から植物検疫証明書の添付を必要とする植物および植物製品など」が規定されており、次のとおり定められています。
パートA:植物検疫証明書の添付が必要な植物および植物製品など
パートB:植物検疫証明書の添付が必要とされるその他の植物
パートC:植物検疫証明書の添付が免ぜられる植物 - 本付属書パートCに記載されている、パイナップル(Ananas comosus (L.))、キウイなどのマタタビ属(Actinidia sp. Lindl)、ココヤシ(Cocos nucifera L.)、ゆずやうんしゅうみかんを含むミカン属(Citrus sp. L)、キンカン属(Fortunella sp. Swingle)、カラタチ属(Poncirus L. Raf)柿を含むカキノキ属、(Diospyros sp. L)ドリアン(Durio zibethinus Murray)、バナナ(Musa)を含むバショウ属、マンゴー属(Mangifera sp. L.)、ナツメヤシ(Phoenix dactylifera L)、パッションフルーツなどを含むトケイソウ属(Passiflora sp. L)グァバを含むバンジロウ属(Psidium sp.).の果実または、ワタ属(Gossypium spp.)の実、イネ(Oryza spp. L.)の種子、ゲッキツ属(オオバゲッキツ)の葉には植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)の添付が不要です。
- 他方、これらを除くPart AおよびPart Bに記載されるすべての果実・植物は、旅行者の手荷物を含め、日本の植物防疫所が発行する植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)の添付が必要になります。詳細は「3. 動植物検疫の有無」を参照してください。なお、EUにおいては、ゆずやうんしゅうみかんを含むミカン属(Citrus sp. L)に関して、植物検疫証明書および栽培地検査などが必要となるため、英国向けの規制と異なる点に留意してください。
- 適合証明書
-
英国では野菜および果物の販売に関して、満たすべき品質などの一般販売基準(GMS)または特定販売基準が定められています(維持規則(EU) No 1308/2013)。このため、産業加工用、皮をむいたカットフルーツ、動物用肥料、個人消費、ナッツ類やかんきつ類のドライフルーツなどを除き、輸入される野菜または果物も英国の販売基準に適合している必要があります。特に一部のかんきつ類には「特定販売基準」も定められているため注意が必要です。詳細は食品関連の規制「1. 食品規格」で確認することができます。
青果物が、関連販売基準に適合している旨の証明書(欧州委員会維持実施規則(EU)No 543/2011 Annex IIIに規定の証明書。以下「適合証明書」)の提出が求められます。 - 日本は英国への輸入前に実施する適合性検査の第三国のリストに掲載されていないため、適合証明書を英国側で取得する必要があります。日本で発行された品質証明書などは通関における適合証明書としてはみなされません。詳細は、「輸入手続き」の「1.施設登録、商品登録、輸入ライセンス等(登録に必要な書類)」を参照してください(輸入バナナについては別規定があります)。
- その他、適合証明書に必要な青果の規格の詳細については、食品関連の規制「1.食品規格」の項を参照してください。
- インボイス
- 欧州委員会維持実施規則 (EU) No 543/2011第5条により、インボイスなどの添付書類には商品の名称および原産国を明示し、さらにレモン、マンダリンオレンジ、うんしゅうみかん、クレメンタイン、通常のマンダリン、タンジェリン、およびこれらの交配種、オレンジなどのかんきつ類に関しては、特定販売基準で要求されている等級、品種、市販用か産業加工用「products intended for processing」かを明示する必要があります。詳細は「食品関連の規制」の「1.食品規格」を参照してください。
- 原産地証明書
-
日英包括的経済連携協定(以下「日英・EPA」)の適用を受けるには、原産地証明(日本原産の証明)が必要となります。日英・EPAでは、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。詳細は税関のウェブサイト「原産地規則ポータル」で確認することができます。
輸出側としては、日英・EPA に定める義務を履行できる者であるかぎり「輸出者自己申告」ができ、財務省関税局・税関「日英・EPA 自己申告及び確認の手引き(2020 年 12 月)」に記載されているとおり、同 EPA 第 3 章 附属書 3-Eに規定された原産地に関する申告文を日本語または英語で、インボイスその他の商業上の文書上に記載することになっています。 -
申請の際に記載する「輸出者参照番号」とは、日本で登記された企業およびその他の組織に国税庁が割り当てた13桁の法人番号にあたります。(輸出者が登録番号を有しない場合には、記入欄空欄で可。)
その他、詳細はジェトロ「日英・EPA解説書:日英・EPAの特恵関税の活用について(2021年3月)」を参照してください。
また、商品に非日本産原料が含まれており、原産地の判断が困難な場合は、事前教示の制度により税関当局に照会することができます。
関連リンク
- 関係省庁
-
英国動植物衛生庁 (APHA) (英語)
-
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)
-
農林水産省
-
植物防疫所
- 根拠法等
-
2018年EU離脱法(英語)
-
2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
2020年 公的管理(動物、飼料、食品、植物衛生など)(修正)(EU離脱)(No. 2)規則 (2020 No. 1631)
-
2021年 公的管理(植物衛生,種子、ばれいしょの種子)(修正など)規則(2021 No. 426)(英語)
The Official Controls, Plant Health, Seeds and Seed Potatoes (Amendment etc.) Regulations 2021 -
維持規則(EU)1308/2013(英語)
-
維持規則(EU)No 543/2011(英語)
-
2020年 植物衛生EU離脱規則(修正) No. 1527 (英語)
-
維持実施規則(EU)2019/2072(英語)
-
維持規則(EU)2019/625 (英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 - その他参考情報
-
英国政府 EU域外から英国への植物・植物製品輸出入ガイダンス(英語)
-
英国政府 第三国由来植物・植物製品輸入要件ガイダンス(英語)
-
植物防疫所 輸入規則等詳細情報 (英国)
-
税関原産地規則ポータル 原産地証明手続
- ジェトロ 英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)
- ジェトロ 日EU経済連携協定(EPA)/ 日英包括的経済連携協定(EPA)について
-
ジェトロ「日英・EPA解説書:日EU・EPAの特恵関税の活用について(2021年3月)」
(9.17MB)
3. 動植物検疫の有無
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。
- 英国の要請による緊急措置
- 英国の植物防疫状況により、当該病害虫の未発生国であっても、実施規則などにより、日本を含む第三国に特別な緊急措置を要求する場合があります。最新の情報は必ず、植物防疫所のウェブサイトで確認してください
- 植物検疫証明書の取得
- 『新植物検疫規則No. 1527』別紙10付属書11パートCに記載されている果実や葉以外のすべての果物・植物の輸出には、植物防疫所が発行する植物検疫証明書の添付が必要となります。植物検疫証明書は、日本の植物防疫所が発行しますので、輸出前に最寄りの植物防疫所で輸出検査をする必要があります。
-
付属書11 Part Cに記載される植物検疫証明書を要求されない果実(一部)
- パイナップル(Ananas comosus (L.))
- キウイなどのマタタビ属(Actinidia sp. Lindl)
- ココヤシ(Cocos nucifera L.) ゆずやうんしゅうみかんを含むミカン属(Citrus sp. L)
- キンカン属(Fortunella sp. Swingle)
- カラタチ属(Poncirus L. Raf)
- 柿を含むカキノキ属、(Diospyros sp. L)
- ドリアン(Durio zibethinus Murray)
- バナナを含むバショウ属(Musa)
- マンゴー属(Mangifera sp. L.) ナツメヤシ(Phoenix dactylifera L)
- パッションフルーツなどを含むトケイソウ属(Passiflora sp. L)
- グァバを含むバンジロウ属(Psidium sp.)
- 次の表のとおり、本稿対象品目である生鮮、冷蔵の根・塊茎野菜の輸出には日本の植物防疫所が発行する植物検疫証明書が必要となります。
-
表 付属書11 Part Aに記載される植物検疫証明書を要求される果実と根菜(一部) CNコード 掲載されている学名 和名(仮) 0706 10 00
0706 90 の一部
ex 0714 の一部
ex 0910 11 00
ex 0910 30 00
ex 0910 99 91
ex 1212 91 80
ex 1212 94 00
ex 1212 99 95
ex 1214 90の一部生鮮、冷蔵の根・塊茎野菜(土の付着が重量の 1%未満)
にんじん、カブ、サラダ用ビート、セイヨウゴボウ、セレリアック、大根および同様の食用の根菜、キャッサバ、アロールート(クズウコン)、サレップ、キクイモ、サツマイモ、およびデンプンまたはイヌリンの含有量が高い同様の根菜と塊茎(凍結、乾燥、スライスまたは粒状でない)、
しょうが、サフラン、ターメリック(クルクマ)、その他根・塊茎野菜のスパイス(乾燥したものを除く)
甜菜(ビート)(粉状でない)、チコリー
その他生鮮、冷蔵の根菜・塊茎植物0701 90 10
0701 90 50
0701 90 90Tubers of Solanum tuberosum L., ジャガイモ 0702 00 00
0709 30 00
0709 60の一部
0709 99 90
ex 0810 90 75Momordica L.
Solanaceae Juss.
Solanaceae生鮮また冷蔵のトマト・ナス科(ナス・ジロ(ナス属))の果実 ex 0804 40 00
ex 0804 50 00
0806 10 10
0806 10 90
0807 20 00
0808 10 の一部
0808 30 の一部
0808 40 の一部
0809 の一部
0810 の一部Carica papaya L., Cydonia Mill.,
Fragaria L.,
Malus L.,
Persea americana Mill., Prunus L.,
Pyrus L.,
Ribes L.,
Rubus L.,
Syzygium Gaertn., Vaccinium L.,
Vitis L.メロン・スイカ・パパイア属・マルメロ(セイヨウカリン)・オランダイチゴ属・リンゴ属・ワニナシ属 (アボカドなど) ・スモモ属(アプリコット、さくらんぼ、桃を含む)・ナシ属・スグリ属・キイチゴ属・フトモモ属・スノキ属(ブラックベリー・ブルーベリー・クランベリーなど)ブドウ属の果実 - 本リストにはりん茎、球根、生きた部分が付着する青果や育苗資材に植えられた食用の葉野菜や「植物」は含まれていません。栽培用でない果実や野菜であってもPart Bに記載される07類08類の「青果」も植物検疫証明書は要求されます。必ず最新版の『新植物検疫規則No. 1527』別紙10付属書11 Part A およびPart Bを確認するようにしてください。
- 維持規則 (EU)2016/2031第2条の定義のとおり、「植物」とは、「生きた植物(の全体)」か、播種用の種子、植物学的な意味での果実、野菜、切り花などの「生きた植物の特定の一部」を意味し、野菜や果実であっても冷凍、乾燥、加熱、調味などの加工処理がなされて「生きていない」ものや、一般的には野菜と認識されていても生物学上の「植物」ではないキノコ類(菌類)などは、本規則上の「植物」に該当しません。一方で、果実に葉や果柄がついている場合は「植物」とみなされるため注意が必要です。また、同規則では「植物由来の未加工製品または加工済みであっても病害虫の拡散のリスクがあるもの」を「植物製品」と定義づけています。
- 特別な条件を求められる青果
- 以前は、定義品目のかんきつ属(Citrus spp.)、きんかん属(Fortunella spp.) 、カラタチ属(Poncirus spp.) ミクロシトラス属(Microcitus spp.)、ナリンギ属(Naringi spp.)、スウィングレア属(Swinglea spp.)およびこれらの交配種の青果を輸出する場合は、生産園地登録と栽培地検査が必要でしたが、EU離脱後の『新植物検疫規則No. 1527』により、本要件が課されなくなりました。
-
一方で、同規則別紙7付属書7に記載される一部の青果や植物には生産園地登録や栽培地検査など特別な要件が課されます。本稿対象品目には関連しませんが、第95項~第104項に記載されるトウガラシ属(Capsicum L.)、トウガラシ(Capsicum annuum L)、ツルレイ属(Momordica L)、ナスやジロなどの一部のナス属(Solanum melongena L、Solanum aethiopicum L、Solanum macrocarpon L)、トマト(Solanum lycopersicum L.)、リンゴ属(Malus Mill.)ナシ属(Pyrus)は特別な入域要件が課されます。詳細や事業者レベルでの対応ができない場合もあるため、日本の植物防疫所に確認してください。
なお、栽培用のかんきつ属(Citrus spp.)に関しては、第67項を確認してください。 - 輸出貨物は、植物検疫証明書の発給から14日以内に発送されなければなりません。
関連リンク
- 関係省庁
-
英国動植物衛生庁 (APHA) (英語)
-
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)
-
農林水産省
-
植物防疫所
- 根拠法等
-
2018年EU離脱法(英語)
-
2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
2020年 植物衛生EU離脱規則(修正) No. 1527 (英語)
-
維持規則(EU)2016/2031(英語)
-
維持実施規則(EU)No 2018/2019(英語)
-
維持実施規則(EU)2019/2072(英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 - その他参考情報
-
英国政府 EU域外から英国への植物・植物製品輸出入ガイダンス(英語)
-
英国政府 第三国由来植物・植物製品輸入要件ガイダンス(英語)
-
植物防疫所 輸入規則等詳細情報 (英国)
英国の食品関連の規制
1. 食品規格
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性にご留意ください。
- 果物と野菜の販売基準
- 英国では、英国市場に上市されるすべての製品に対して同水準の品質を保証するという観点から、消費者に新鮮な状態で供給される農産物や水産物を中心に取引規格(marketing standard)が定められています。定義品目であるかんきつ類については、欧州議会・理事会維持規則(EU)No 1308/2013により取引規格が定められています。
-
国連欧州経済委員会(UN/ECE)新基準に合わせ、維持実施規則(EU)543/2011を改正する欧州委員会委任規則(EU)2019/428により一部の例外を除き、果物と野菜の一般販売基準(GMS)が定められています。(例外については後述)
UN/ECE新基準に商品が準拠していることが証明できる場合は、一般販売基準(GMS)に適合するものとみなされます。出荷後の段階にあっては、軽度の鮮度の欠如や成長の原因による軽微な劣化は許容されます。(「特級」を除く) - 一般販売基準
-
一般販売基準は、調製および包装を経た果物および野菜の品質要件を規定することを目的として、次の要件が定められています。
- 無傷であること。
- 傷んでいないこと。腐敗または品質の劣化による影響で消費に不適切になった商品は、除去される。
- 清潔であり、視認できる異物が実質的に混入していないこと。
- 害虫が実質的に混入していないこと。
- 果肉が害虫の影響で損傷していないこと。
- 外側に異常な水滴が付いていないこと。
- 異味または異臭がないこと。
- 商品は、次の条件に耐える状態でなければならない。
- 輸送および取り扱いに耐えられること。
- 良好な状態で目的地に到着すること。
- 各ロットにつき品質にかかる許容範囲は数量または重量の10%まで、腐敗に関しては当該許容範囲の2%未満となります。
-
なお、正味重量が5kg以下であり、異なる果物もしくは野菜またはその両方を含む「混合品」の包装物品の販売は、食品の品質が均一であり、各食品が関連の特定販売基準または、食品に特定販売基準がない場合は、一般販売基準に準拠していること、さらに、維持規則(EU)2019/428に従い包装に適切なラベルが貼付されており、当該混合品が消費者の誤解を招く性質のものでないことが求められます。
- 非英国産青果・野菜の混合品の場合 :‘Mix of non-UK fruit’, ‘mix of non-UK vegetables’ または‘mix of non-UK fruit and vegetables’
- 英国産と非英国産青果・野菜の混合品の場合 :‘Mix of UK and non-UK fruit’ ‘mix of UK and non-UK vegetables or mix of UK and non-UK fruit and vegetables’
- 特定販売基準
-
さらに、次の10種類の青果に関しては、特定販売基準が定められています。
- リンゴ
- 柑橘類
- キウイフルーツ
- レタス、巻き葉および広葉のアンディーブ
- 桃およびネクタリン
- 洋梨
- イチゴ
- パプリカ
- 生食用ブドウ
- トマト
- 「かんきつ類」の特定販売基準
- 維持規則(EU) 543/2011のANNEX I(Appendix)に掲載のとおり、次のかんきつ類は特別な販売基準が定められています(ただし、かんきつ類のドライフルーツ、産業加工用は除く)。これらは、前述の一般条件にさらに、「押し傷または広範囲に渡る傷跡がないこと」「しわまたは乾燥の兆候がないこと」「低温または氷点下の影響で損傷していないこと」という条件が追加されます。
-
レモン種(Citrus limon (L.) Burm. f.)およびその交配種を生育させたレモン類
マンダリンオレンジ(Citrus reticulata Blanco)、
うんしゅうミカン(Citrus unshiu Marcow)、
クレメンタイン(Citrus clementina hort. ex Tanaka)、
地中海マンダリン(Citrus deliciosa Ten.)、
タンジェリン(Citrus tangerina Tanaka)を含むマンダリン(ミカン類)に属する種およびこれらの交配種を生育させたもの
オレンジ(Citrus sinensis (L.) Osbeck)という種およびその交配種を生育させたオレンジ類 -
うんしゅうみかん、クレメンタイン、その他マンダリン品種およびその交配種に関する特定販売基準は次のとおりです。なお、かんきつ類の成熟度は、最小果汁含有率、最小糖酸比、色合いの要因で決定されます。
かんきつ類に関する特定販売基準 最小果汁含有率
(パーセント)最小糖酸比 色合い うんしゅうみかん 33 6.5:1 少なくとも果物表面の3分の1は、品種の典型的な色でなければならない クレメンタイン 40 7.0:1 他のマンダリン品種およびそれらの交配種 33 7.5:1(1) - かんきつ類の品質は、「特上」級、「等級I」」「等級II」の3種類の等級に分類され、形や色合いの欠陥に関して細かく定義されており、許容範囲の比率も定められています。
- うんしゅうみかん、他のマンダリン品種および交配種に適用される最低サイズは、直径45 mm、クレメンタインは35mmと定められており、果物の横断面の最大直径または個数で決定されます。サイズの均一性を図るため、同じ包装におけるサイズの個体差は最小の果物の直径(包装に表示されているもの)が60 mm未満の場合は10 mmを、最小の直径が60 mm以上80 mm未満の場合は15 mmを、最小の直径が80 mm以上110 mm未満の場合は20 mmを超えてはならないとされています。
-
サイズコードを適用する場合、次の表にあるコードおよび範囲を順守する必要があります。
かんきつ類のサイズコード サイズコード 直径(mm) うんしゅうみかん、クレメンタイン、他のマンダリン品種およびその交配種 1 – XXX
1 – XX
1 または 1 – X
2
3
4
5
6 *1
7
8
9
1078以上
67 – 78
63 – 74
58 – 69
54 – 64
50 – 60
46 – 56
43 – 52
41 – 48
39 – 46
37 – 44
35 - 42 - 「一般販売基準」あるいは「特定販売基準」対象外の青果
- すべての調整製品、加工製品、乾燥製品、産業加工用製品、ワイン製造用製品、動物肥料用製品、その他次の表の青果は、一般販売基準あるいは特定販売基準の対象外とされます。 次の表にはEUで対象としているものも含まれるため、EUに輸出する際は、注意が必要です。
-
「一般販売基準規則」対象外の青果
- アロールート(クズウコン)
- ゲッケイジュ
- ビターアーモンド
- ブラジルナッツ
- ケイパー(ケッパー)
- カシューナッツ
- チリペッパー (唐辛子)
- ココナッツ
- タロイモ(cocoyams,Taro)
- サトイモ
- デーツ(ナツメヤシ)
- 成熟する前に収穫された初期のばれいしょ
- エダマメ(大豆の一種)
- しょうが
- キクイモ
- マカダミアナッツ、松の実、殻付きのナッツで殻をむいたもの
- キャッサバ
- ナツメグ
- オリーブ
- ピーナッツ、
- ピーカンナッツ、ピスタチオ
- 熟したバナナ
- サフラン
- サゴヤシ
- サレップ
- サトウキビ
- スイートコーン
- カンショ
- ターメリック
- 野生のキノコ類
- ヤム(ヤマノイモ)
- でんぷんまたはイヌリンの含有量が高い山芋および同様の根菜(塊茎)
関連リンク
- 関係省庁
-
国連欧州経済委員会(UN/ECE)(英語)
-
英国 農村歳入庁 Rural Payments Agency (英語)
-
英国動植物衛生庁 (APHA) (英語)
-
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)
-
農林水産省
- 根拠法等
-
2018年EU離脱法(英語)
-
2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
維持規則(EU)1308/2013(英語)
-
維持規則(EU)No 543/2011(英語)
-
維持委任規則(EU)2019/428 (英語)
-
維持規則(EC) 178/2002(英語)
-
維持規則(EC) 852/2004(英語)
-
維持規則(EC) 853/2004(英語)
-
維持規則(EU)2017/625 (英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 - その他参考情報
-
英国政府「果物と野菜の販売基準」(英語)
-
英国政府 規則(EU)No 543/2011にかかる販売基準(かんきつ類)(英語)
(280KB)
-
英国 農村歳入庁 「国連欧州経済委員会(UN/ECE)の販売基準の解釈にかんする通知」(英語)
(54KB)
2. 残留農薬および動物用医薬品
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。
英国では、使用可能な農薬について、ポジティブリスト制を採用しており、食品の種類ごとに、許容される残留農薬の上限量値(Maximum Residue Limit、MRL)が規定されています(欧州議会・理事会維持規則(EC)No 396/2005)。MRLは、当該食品1キログラム当たりに許容される農薬量(mg/kg)として示され、MRLが設定されていない農薬と食品の組み合わせに対しては、一律0.01mg/kgの下限値が適用されます。
すべての食品に対するMRLは、「GB MRL register(英国農薬データベース)」で検索可能です。データベースは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。
例えば、かんきつ類などに使用されている活性成分イプロジオン(iprodione) はEUでの登録が撤回されたことに伴い2019年7月31日から、かんきつ類のMRLは0.01mg/kgに引き下げられています。詳細は、関連リンクにあるジェトロレポート「EU 農薬登録規則改正が輸出に与える影響」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
英国安全衛生庁 the Health and Safety Executive (HSE)(英語)
-
英国食品基準庁(FSA)(英語)
- 根拠法等
-
2018年EU離脱法(英語)
-
2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
維持規則(EC)No 396/2005(英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 - その他参考情報
-
英国農薬データベース(英語)
-
英国食品基準庁 食品の残留農薬(英語)
- ジェトロ EUにおける残留農薬に関する規制(2015年2月)
-
農林水産省 諸外国における残留農薬基準値に関する情報
- ジェトロ「EU農薬登録規制改正が輸出に与える影響調査」(2019年3月)
3. 重金属および汚染物質
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。
EU(英国を含む)では、欧州委員会維持規則(EC)1881/2006で食品カテゴリーごとに含まれる汚染物質の上限値を規定しています。ここでの「汚染物質」とは、意図的に食品に添加されたものではなく、食品の生産(作物管理、畜産、獣医療における作業を含む)、製造、加工、調理、処理、包装、梱包、輸送および保管などのプロセスまたは生育環境に由来して、食品中に存在する物質をいいます(欧州理事会規則 (EEC) No315/93 第 1条(1))。
これらの最大規定値を超えるものは原材料としても使用できないとされているため、(規則(EC)1881/2006第3条)ご注意ください。
本稿対象品目の汚染物質の上限を参考として次のリストにまとめていますが、すべてを網羅したものではないため、必ず規則の最新版を確認するようにしてください。
また、EUで定められている汚染物質の上限値は英国の上限値と異なります。さらに、2021年8月31日から「カドミウム」や「鉛」の対象品目が拡大され、新たに「塩」「香辛料・スパイス」に含まれるカドミウムと鉛の基準値が設定されているため、EU向けにも輸出する場合は注意が必要です。
物質名 | 上限値 | 対象品目 |
---|---|---|
鉛 |
0.1mg/kg | アブラナ科葉菜類、サルシファイ(セイヨウゴボウ)、葉菜、生ハーブ、キノコ、海藻および果菜類を除く野菜 |
0.3 mg/kg | アブラナ科葉菜類、セイヨウゴボウ、一部のキノコ(マッシュルーム、ヒラタケ、しいたけ)、生ハーブを除く葉菜類、 | |
0.1 mg/kg 0.05 mg/kg |
スウィートコーン スウィートコーン以外の果菜類 |
|
0.2 mg/kg | クランベリー、フサスグリ、エルダーベリー、イチゴ | |
0.1 mg/kg | クランベリー、フサスグリ、エルダーベリー、イチゴを除く果物(例カンキツ類) | |
カドミウム |
0.05 mg/kg | 根菜類・塊茎類、葉茎菜類、生ハーブ、アブラナ科葉菜類、キノコ、海藻を除く野菜・青果 |
0.1mg/kg | 根菜類、塊茎(根セロリ、パースニップ、セイヨウゴボウおよびホースラディッシュを除く)、茎菜類(セロリを除く)、皮むき芋を除く | |
0.2mg/kg | 葉野菜、生ハーブ、アブラナ科葉菜類、セロリ、根セロリ、パースニップ、セイヨウゴボウ、ホースラディッシュおよび一部のキノコ(マッシュルーム、ヒラタケ、しいたけ) | |
1.0 mg/kg | マッシュルーム、ヒラタケ、しいたけ以外のきのこ | |
メラミン | 2.5mg/kg | 乳児用調製粉乳および乳児用栄養補給調整食品を除くすべての食品 |
過塩素酸イオン | 0.05mg/kg | 下記以外の野菜と青果 |
0.10mg/kg | ウリ科・ケール(リョクヨウカンラン) | |
0.50mg/kg | 葉菜類・ハーブ類 | |
0.01mg/kg | 乳児用向け調理済み食品 |
その他、英国では、環境残留性と生物蓄積性が高く環境と健康にリスクをもたらすダイオキシン類・ポリ塩化ビフェニル(PCB)・DDTなどの残留性有機汚染物質(POPs)に関して、英国での生産、販売および使用が禁止または厳しく制限されています。2019年6月から、旧規則(EC) 850/2004は維持規則(EU) 2019/1021により置き換えられており、同規則ANNEX1に記載されている物質は英国内における上市、使用が禁止されます。
EU(英国を含む)の化学品に関するREACH規則含め、詳細はジェトロEU 輸入品目規制「特定危険化学品に関する規制」で確認することができます。
関連リンク
- 関係省庁
-
英国食品基準庁(FSA)(英語)
- 根拠法等
-
2018年EU離脱法(英語)
-
2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
維持規則(EC)No 1881/2006(英語)
-
維持規則(EEC)No 315/93(英語)
-
維持規則(EU) No 2019/1021 (英語)
- その他参考情報
-
英国食品基準庁 汚染物質(英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 -
ジェトロ EU 輸入品目規制「特定危険化学品に関する規制」
(520 KB)
4. 食品添加物
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。
一般に、生鮮のごぼう、わさび、山芋の青果に対して食品添加物は使用されないと考えられますがが、食品添加物に関する維持規則(EC) 1333/2008第15条により、一部例外を除き、食品添加物は果物や野菜などの未加工食品には使用してはならないとされています。また、維持規則(EC) 1925/2006第4条により、未加工品に、ビタミンとミネラルが添加されてはならない旨も規定されています。
EU (英国含む)では、着色剤や保存料、酸化防止剤、その他乳化剤・安定剤などの食品添加物と、食品香料および食品酵素を区別し、これらを合わせて「食品改良剤(Food Improvement Agents)」)と総称しています。食品改良剤については、ポジティブリスト形式での規制が課されており、認可を得た食品改良剤のみが使用を認められています。食品添加物および食品香料のポジティブリストについては、維持規則(EC)1333/2008で確認することができます。食品酵素のポジティブリストについては、調査時点ではポジティブリストが完成していないため、ポジティブリスト形式での使用規制は適用されていません。
EU(英国含む) では「漂白剤」「炭化剤」「保色剤」が食品添加物として分類に含まれていない一方で、「酸味料」「加工でん粉」「コントラスト増強剤」が食品添加物とされています。
ただし、かんきつ系の果実には印字のためおよび果実の表面の処理のため、例外的に一部の食品添加物の添加が認められています。「使用可能な食品カテゴリー」および「許容含有量(定められていない食品添加物もある)」が定められているため、維持規則(EC)1333/2008で英国に輸入しようとするかんきつ類の青果が属する食品カテゴリー(未加工の青果「(04.1.1) Entire fresh fruit and vegetables」に属する。)における当該食品添加物の使用可否とその許容含有量についても確認する必要があります。
E番号 | 添加物名 | 最大許容量 | |
---|---|---|---|
E172 |
水酸化鉄 Iron oxides and hydroxides |
6 mg/kg | かんきつ類の果実、メロン、ザクロの英国に要求される義務の情報の印字の際にコントラスト増強剤として使用する場合のみ |
E 200 - 202 |
ソルビン酸カリウム Sorbic acid - potassium sorbate (SA) |
20 mg/kg | 皮をむいていないかんきつ類の果実の表面処理のみ |
E 445 |
ウッドロジングリセリンエステル Glycerol esters of wood rosins |
50 mg/kg | 皮をむいていないかんきつ類の果実の表面処理のみ |
E 464 |
ヒプロメロース(HPMC) Hydroxypropyl methyl cellulose |
10 mg/kg | かんきつ類の果実、メロン、ザクロの英国に要求される義務の情報の印字に使用する場合のみ |
E 471 |
脂肪酸モノ-およびジグリセリン Mono-and diglycerides of fatty acids |
「適量」 | かんきつ類の果実、メロン、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、アボカド、ザクロの表面処理のみ |
E 473 -474 |
ショ糖脂肪酸エステル-スクログリセリド類 Sucrose esters of fatty acids-sucroglycerides |
「適量」 | 生鮮の果実の表面処理のみ |
E 901 |
蜜蝋、白と黄色 Beeswax, white and yellow |
「適量」 | かんきつ類の果実、メロン、リンゴ、ナシ、桃、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、アボカド、ザクロの表面処理、ナッツの光沢剤としてのみ |
E 902 |
キャンデリラ蝋 Candelilla wax |
「適量」 | かんきつ類の果実、メロン、リンゴ、ナシ、桃、パイナップルの表面処理、ナッツの光沢剤としてのみ |
E 903 |
カルナウバ蝋 Carnauba wax |
200 mg/kg | かんきつ類の果実、メロン、リンゴ、ナシ、桃、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、アボカド、ザクロの表面処理、ナッツの光沢剤としてのみ |
E 904 |
シェラック Shellac |
「適量」 | かんきつ類の果実、メロン、リンゴ、ナシ、桃、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、アボカド、ザクロの表面処理、ナッツの光沢剤としてのみ |
E 914 |
酸化ポリエチレンワックス Oxidised polyethylene wax |
「適量」 | かんきつ類の果実、メロン、パパイヤ、マンゴー、アボカド、パイナップルの表面処理 |
「適量」=quantum satis
本リストはすべてを網羅したものではないため、必ず規則で最新の情報を確認するようにしてください。
その他、かんきつ類を包装する材料に関して詳細は、「5. 食品包装」と「6. ラベル表示」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
英国 食品基準庁(英語)
- 根拠法等
-
2018年EU離脱法(英語)
-
2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
維持規則(EC) 1332/2008(英語)
-
維持規則(EC) 1333/2008(英語)
-
維持規則(EC) 1334/2008(英語)
-
維持規則(EC) 1925/2006(英語)
-
維持規則(EU)No 543/2011(英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 - その他参考情報
-
英国食品基準庁 食品添加物について(英語)
-
英国政府 承認された食品添加物・E番号一覧(英語)
5. 食品包装(食品容器の品質または基準)
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。
- かんきつ類の青果の包装
-
包装されたうんしゅうみかん、クレメンタインなどかんきつ類の青果に関して、維持実施規則(EU)543/2011において農産物を適切に保護できる方法で包装しなければならないと定められており、次の条件が求められます。
- 包装の内側に使用する材料は、清潔でなければならず、農産物に外側または内側から一切の損害を引き起こさない品質を備えていなければならない。
- 取引の規格が記載された紙またはスタンプについて、材料の使用は、無毒性のインクまたは糊で印刷またはラベル貼付を行っていること。
- 農産物に個別に貼り付けられたステッカーは、取り除いた時に糊の跡が残っていてはならず、また、果皮の欠陥を引き起こしてはならない。
- 果物ごとにレーザーで刻印を行う場合、果肉または果皮に欠陥を引き起こしてはならない。
- 果物を包む場合は、薄くて乾燥した新しい無臭の紙(*注)を使用しなければならない。
- 味、香りなどかんきつ類が有する天然の特徴を変化させうる物質(*注)については、使用が禁止される。
- 包装物品は、異物が混入していてはならない。
- また、これらの青果の各包装の内容品は同じ原産地、品種、または市販タイプ、品質およびサイズならびに成熟度が均一でなければならないとされています。異なる種のかんきつ類からなる混合品をひとつの販売用包装にまとめて包装することは可能ですが、それぞれの品質、品種、市販タイプ、原産地が均一であることが求められます。
- 食品接触包装材
- その他、英国では、食品用の容器・包装をはじめ、調理器具や食品製造機械、食品輸送用のコンテナなど、食品と接触することが意図されているまたは通常の使用条件において食品と接触することが合理的に予見されるあらゆる素材・製品(Food Contact Material:食品接触素材)について、健康被害を引き起こしてはならない、食品成分に許容できない変化を引き起こしてはならない、食品の味・香り・食感などを劣化させてはならない旨が定められています(欧州議会・理事会維持規則(EC)No 1935/2004)。また、維持規則(EC)No 2023/2006においては、食品接触素材の製造工程における適正製造規範(Good Manufacturing Practice: GMP)が定められています。
-
食品接触素材に関する主な規制 食品接触素材 規則・指令 主な内容 プラスチック 維持規則(EU) 10/2011 ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX Iのリストに掲載されている物質を原料として製造されたプラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています。このリストは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。 アクティブ・インテリジェント素材
〔鮮度保持などの目的で食品から物質を吸収する素材(吸湿材など)、容器内に物質を放出する素材(防腐剤を放出する鮮度保持材など)、食品の状態を監視する素材(温度変化に反応する素材など)〕維持規則(EC) 450/2009 食品と誤認されるおそれがある場合には、3mm以上のフォントサイズで‘DO NOT EAT’と表記する必要があります。なお、調査時点では、ポジティブリストは制定されていません。 再生プラスチック 維持規則(EC) 282/2008 同規則に従って認可を受けたリサイクルプロセスから得られた物質を原料として製造された再生プラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています。 セラミック 維持指令84/500/EEC カドミウムと鉛の検出上限値が規定されています。 再生セルロースフィルム 維持指令2007/42/EC ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX IIのリストに掲載されている物質を原料として製造された再生セルロースのみが、食品接触素材として使用可能となっています。 -
さらに、特定の物質に関する規則が定められています。
維持規則(EU) 2018/213:BPA(ビスフェノールA)
維持規則1895/2005/EC:エポキシ樹脂
維持指令93/11/EEC: ゴムからのN-ニトロソアミンおよびN-ニトロソ - 木材梱包材
- 第三国から英国 への貨物の輸入に用いられる木材梱包材(パレットや木箱など)に関しては、維持規則(EU) 2016/2031第43 条に規定されるとおり、隔離病害虫の侵入およびまん延の経路となる可能性があることから、植物衛生措置の国際規格 no.15「ISPM15」の要件を満たしている必要があります。
- 詳細は、横浜植物防疫所「植物検疫措置に関する国際基準ISPM 15国際貿易における木材こん包材の規制(仮訳)」または一般社団法人 全国植物検疫協会のウェブサイトでも確認することができますが、国際的に承認されている処理(樹皮を除去した木材に適用される熱処理、臭化メチル処理、フッ化スルフリル処理など)を施し、植物衛生措置の国際規格 no.15 「ISPM15」(『国際貿易における木製梱包材の規制ガイドライン』の付属書 1)に規定される処理が施されたことを証明するIPPC(国際植物保護条約)のロゴスタンプが刻印されている必要があります。
- 「ISPM15」スタンプについては同書の付属書2に規定されています。IPPCのシンボル、国コード、生産者もしくは処置実施者コード、実施された処理のコード(例:熱処理は HT、臭化メチル処理は MB など)からなり、マークは判読可能で、耐久性があり、移動不可能で、手書きであってはならないとされています。また、赤色やオレンジ色も避けるよう規定されています。
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「ISPM15」スタンプの一例
- 厚みが6 ミリメートル以下の薄い木材からなる梱包材
- 接着剤、熱もしくは圧力、またはそれらの組み合わせで製造された合板、パーティクルボード、配向性ストランドボード、またはベニヤといった加工木材ですべてが作製された梱包材
- 英国内の取引で使用されている木製梱包材
で確認することができます。
関連リンク
- 関係省庁
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英国食品基準庁(FSA)(英語)
- 根拠法等
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2018年EU離脱法(英語)
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2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
維持規則(EU)No 543/2011(英語)
-
維持規則(EC)No 1935/2004(英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 -
維持規則(EC)No 2023/2006(英語)
-
維持規則(EU)No 10/2011(英語)
-
維持規則(EC)No 450/2009(英語)
-
維持規則(EC)282/2008 (英語)
-
維持指令(EEC)No 84/500 (英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 -
維持指令(EC)No 2007/42(英語)
-
維持規則(EU)2018/213 (英語)
-
維持規則(EC)No 1895/2005(英語)
-
維持指令93/11/EEEC (英語)
-
2012年 食品接触材規則(英国向け)
-
2012年 食品接触材規則(ウェールズ向け)
-
2012年 食品接触材規則(北アイルランド向け)
-
維持規則(EU)2016/2031
- その他参考情報
-
英国政府 食品ラベルと包装(英語)
-
農林水産省 輸出先国における容器・包装に関する規制
- ジェトロ「 海外向け食品の包装制度調査」(2020年3月)
-
食品との接触を意図したプラスチック素材と製品に関する規則(EU)No 10/2011に関するEUガイドライン(英語)
(579KB)
-
EU加盟国の食品接触素材に対する独自規制に関するレポート(英語)
-
欧州委員会 食品接触材 (英語)
-
横浜植物防疫所「植物検疫措置に関する国際基準ISPM15国際貿易における木材こん包材の規制」
(849KB)
-
全国植物検疫協会
6. ラベル表示
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。
「1. 食品規格」で説明のとおり、維持実施規則(EU)543/2011により、かんきつ類の青果に関して、荷印や表示に係る規定があり、それぞれの梱包包装に、「識別」「農産物の性質」「農原産地」「取引の規格」の事項を読みやすく消えない文字で、外から見えるように同面にまとめて記載する必要があります。ただし、梱包箱の中の販売用包装には適用されませんが、販売用パッケージに既に次の項目が記載されており、外から見える場合は外箱への記載は不要とされます。販売用の事前包装の詳細については、後述する「一般食品のラベル表示」を参照してください。
かんきつ類の荷印に係る規定
- 識別
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- 包装業者および/または出荷業者の名称および実際の所在地(番地/市町村/地域/郵便番号/原産国と異なる場合は国名など)。
- ただし、事前包装を除く一切の包装については、公式に発行または承諾されている、包装業者または出荷業者の識別コードで代用することができる。その場合は、「包装業者または出荷業者」(または同等の略語)の記載の付近に表示する。
- 一方、事前包装の場合には、EU内に事業所を有する販売業者の名称および所在地と「・・・用包装」または同等の文言を付近に記載する。この場合、ラベルに包装業者または出荷業者を表すコードも記載する。
- 農産物の性質
-
- 農産物が外から見えない場合は、「レモン」、「マンダリン」または「オレンジ」、明らかに異なる種のかんきつ類からなる混合品の場合は、「かんきつ類の混合品」または同等の名称および異なる当該種の通称名。
- 「ネーブル」および「バレンシア」のオレンジについてはそれぞれの品種グループの名称。
- 「うんしゅうみかん」および「クレメンタイン」については、種の通称名(品種の名称は任意)。他のマンダリンおよびその交配種については、品種の名称を表示。
- 10粒以上のたねを含むクレメンタインの場合は、「たね有り」と記載。
- 「たね無し」の表記は任意で、偶然にたねを含んでいてもよしとされる。
- 農産物の原産地
-
- 国名(必須)。任意で生産地区または呼称、地域もしくは地方の地名。
- 明らかに異なる種であり、原産地も異なるかんきつ類からなる混合品については、各原産国を関連種の名称の隣に見えるように表記。
- 取引の規格
-
- 等級
- 次のいずれかで表すサイズ
- 最小および最大サイズ(mm)
- サイズコード。任意で最小および最大サイズを加えることができる。
- 個数
- 収穫以降の段階で保存剤その他一切の化学物質が使用されている場合は、当該保存剤または化学物質の記載
なお、英国に要求される特定の処理に使用される添加物や、青果に直接印字するために、使用が許可されている着色料などの添加物に関しては、英国規制によりポジティブリスト形式で定められています。詳細は、「4. 食品添加物」で確認することができます。
梱包にパレットを使用しているときは、少なくともパレットの2面の分かりやすい位置に注意書きを添付し、その注意書きにこれらの内容を記載します。 なお、事前包装の有無にかか関わらず、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されているほか、オンライン販売などの手法により遠隔地から販売する事業者にも同様の規定が適用されます。
なお、正味重量が5kg以下であり、異なる果物もしくは野菜またはその両方を含む「混合品」の包装物品の販売は、食品の品質が均一であり、各食品が関連の特定販売基準または、食品に特定販売基準がない場合は、一般販売基準に準拠していること、さらに、維持実施規則(EU)543/2011に従い包装に適切なラベルが貼付されており、当該混合品が消費者の誤解を招く性質のものでないことが求められます。
- 非英国産青果・野菜の混合品の場合 :‘Mix of non-UK fruit’, ‘mix of non-UK vegetables’ または‘mix of non-UK fruit and vegetables’
- 英国産と非英国産青果・野菜の混合品の場合 :‘Mix of UK and non-UK fruit’ ‘mix of UK and non-UK vegetables or mix of UK and non-UK fruit and vegetables’
- 一般食品のラベル表示
- その他、事前包装済みの一般食品のラベル表示は、欧州議会・理事会維持規則(EU)No 1169/2011で規定されています。同規制は英国内で流通する食品全般(最終消費者向けおよび調理施設(レストラン、食堂など)・ケータリング向けの輸入食品を含む)に適用されます。英国 市場で流通し消費者に販売される時点から、輸入者もしくは販売者に表示の義務が課されます。アレルギー物質や栄養素の表示など、日本よりも義務表示の対象が広い項目もあるため、注意が必要です。
- 青果を輸出する場合、維持規則(EU)No 1169/2011 Article 9(次の表で同規則)および関連規則に基づき次の項目を表示する義務があります。なお、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されているほか、オンライン販売などの手法により遠隔地から販売する事業者にも同様の規定が適用されます。
かんきつ類 | ゴボウ等 | 項目 | 補足説明 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | 食品の名称 |
食品の名称は、次の優先順位で記載する必要があります。
|
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原材料リスト |
皮をむいたり、カットしたりしていない単一原材料(青果)の場合は不要。 原材料として使用されている場合の表示については同規則ANNEX VIIを参照。 食品添加物を添加した場合、原則として、すべての原材料(食品添加物や酵素を含む。)を重量順に表示する必要があります。ただし、食品に占める割合が2%未満の原材料については、非重量順も可能です。なお、複合原材料についても、名称・総重量を記載したうえで、その後に原材料リストを記載する必要があります。食品添加物および食品香料は、そのカテゴリー(酸化防止剤、防腐剤、着色料など)ごとに物質名またはE番号を表示する必要があります。ただし、加工助剤や最終製品技術的な機能を持たない担体(キャリアー)などについては同規則第20条を参照。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アレルギー物質 |
表示が義務付けられているアレルギー物質は、次のとおりです。ただし、セロリ以外の青果単体の場合はアレルゲン物質には該当しないため、実質的な表示義務はない。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○ | ○ | 正味量 |
重量単位で「kg(キログラム)」または「g(グラム)」で表示します。 文字の大きさは重量に応じ、次のとおり表示する必要があります。
また、容量誤差の許容範囲(容器に記載された公称重量と実質重量の誤差)については、維持指令76/211/EEC により、次のとおり規定されています。
義務ではありませんが、表示されている正味量が関連するEU規制に準拠していることを示すため、eマークを正味量の横に表示することが可能です。英国でも2021年1月1日以降も引き続き表示することが可能です。
〇g
![]() 図:eマーク |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
賞味期限または消費期限 | 皮をむいたり、カットしたりしていない生鮮の青果の場合は不要。(発芽した種子や豆類などは必要) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特殊な保存条件や使用条件 | 当該食品が特別な保存条件や使用条件を必要とする場合には、表示する必要があります。例:「冷暗所で保管」 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○ | ○ | (食品情報について責任を負う)食品事業者の名称または商号、および所在地 |
包装済み食品またはチーズの主成分になるカゼインを当該名称または商号で販売している食品事業者(FBO) (英国内事業者でない場合は、英国への輸入者)の名称または商号および所在地を表示する必要があります。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○ | ○ |
包装業者および/または出荷業者の名称 維持実施規則(EU)543/2011 |
包装業者および/または出荷業者の名称および実際の所在地(番地/市町村/地域/郵便番号/原産国と異なる場合は国名など)。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○ | ○ |
原産国 維持規則(EU)1308/2013、維持実施規則(EU)543/2011 |
原産国の正式名称。目的地国の消費者が理解できるほかの言語で記載する。任意で生産地区または呼称、地域もしくは地方の地名。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
使用方法の指示 | 記載がなければ適切な使用が困難な場合に記載する必要があります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
栄養表示 | 未加工の青果(単一原材料)については、栄養表示義務の対象外です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○ | ○ |
製造ロット番号 (維持EU指令2011/91/EU) |
英国域内で流通する包装済み食品は、製造ロット番号を表示する必要があります。明確な表示(LOTなど)の場合を除き、「L」の文字に続けてロット番号を表示する必要があります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○ | 維持実施規則(EU)543/2011に記載される特定基準 | 上記「かんきつ類の荷印に係る規定」に記載する特定販売基準にかかる表記(農産物の性質、たねの有無、農産物の原産地、取引の規格、等級、サイズなど) |
英国独自のラベル表示規則
英国政府のガイダンスでは、英国(北アイルランドを除く)内で販売する商品は、2022年9月30日までにラベル表示を変更する必要があることが書かれています。ラベルの変更実施の責任機関は英国(北アイルランドを除く)の自治体にあり、別市場のラベル付け要件に準拠する必要がある場合は、ラベルにほかの情報を含めることは可能です。
北アイルランドについては、アイルランド/北アイルランド議定書に基づき北アイルランドで販売する商品のラベル表示はEU規則の順守を継続するとされているものの、英国政府は事業者に新たな規則に対応するための時間が必要だと認識しているとされています。英国政府は北アイルランドの農業・環境・地域省と地域議会と連携して、北アイルランド市場でのラベル表示要件の実施手法について検討を行っています。識別マーク、FBO住所、英国(北アイルランド)原産表示に関する実施手法はラベル表示の変更点に沿いながら、適切でリスクに基づいたものになるとしています。
北アイルランドで販売される果物と野菜の混合物については、ラベルに原産国が記載され ていない場合は「EU」と「非 EU」を記載できます。
英国(イングランド、ウェールズ、スコットランド)で販売される果物と野菜の混合物については、2022 年 9月 30 日まで「EU」と「非 EU」を引き続き記載できます。2022 年 10 月 1 日以降、ラベルに各原産国が記載されていない場合は、「英国以外」または「英国と英国以外」を使用する必要があります。
承認済みトレーダースキーム(Approved Trader Scheme)に参加している場合は、英国の食品ラベルから EU のエンブレムを削除する必要があり、代わりの英国ラベルを使用します。
関連リンク
- 関係省庁
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英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)
-
英国食品基準庁(FSA)(英語)
-
英国保健省(DHSC)
-
英国 安全・基準局 (OPSS Office for Product Safety and Standards)
-
英国政府 食品ラベルと包装(英語)
- 根拠法等
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2018年EU離脱法(英語)
-
2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
維持規則(EU)No 543/2011(英語)
-
維持規則(EU)1308/2013(英語)
-
維持規則(EU)No 1169/2011(英語)
-
維持指令2011/91/EU(英語)
-
維持指令76/211/EEC (英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 - その他参考情報
-
英国保健省(DHSC)消費者向け食品情報に関するヘルスケア議案(英語)
-
英国政府 食品ラベル : 消費者向け食品情報に関するガイダンス(英語)
-
英国政府 包装済み食品 : 重量と測定の規則に関するガイダンス(英語)
-
英国政府 栄養・健康に関する強調表示のガイダンス(英語)
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英国政府「食品基準ラベル表示ガイダンス」(英語)
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英国食品基準庁「2021年1月1日以降適用される衛生の識別マークに関するガイダンス」(英語)
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欧州委員会 Your Europe: e-mark(英語)
-
英国政府 食品ラベルと包装(英語)
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欧州委員会 Food Labelling Information System (FLIS)(食品ラベル規則の検索ツール)(英語)
- ジェトロ EU向け食品ラベルの翻訳例(2020年12月)
- ジェトロ EUにおける食品ラベル表示に関する規制(2014年3月)
- ジェトロ 英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)
7. その他
調査時点:2022年2月
英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法が別途設けられ、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。
- EU(英国含む)域外から輸入される食品については、欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002に基づきEU規制(英国を含む)が求める衛生基準などとの同等性(輸出国と特定の合意がある場合はその合意事項)を満たす必要があります(同規則第11条)。
- 英国の食品輸入事業者は、輸入した食品が 英国の食品衛生要件を満たしていないと判断した場合、即時に製品を市場から回収する手続きをとり、加盟国の所管当局に通知する義務があります(欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002 Article 19)。また、同規則では、食品がヒトの健康や環境に甚大なリスクをもたらす可能性があると判断された場合、英国政府が当該食品の上市停止などの緊急措置をとることが認められています(同規則Article 53)。
これらのEU(英国)の衛生法(衛生パッケージ)は維持規則(EC)No 178/2002 (食品一般法)、維持規則(EC)852/2004 (一般食品の衛生規則)、維持規則(EC)853/2004 (動物性食品の衛生規則)、維持規則(EC) 183/2005 (動物の飼料に要求される衛生規則) そして新公的管理の維持規則(EU)2017/625およびこれらの規則を補完する関連規則(例えば、維持委任規則 (EU) 2019/625など)により構成されています。
関連リンク
- 関係省庁
-
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)
-
英国動植物衛生庁(APHA)(英語)
-
英国食品基準庁(FSA)(英語)
- 根拠法等
-
2018年EU離脱法(英語)
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2020年EU(離脱協定)法(英語)
-
維持規則 (EC) 178/2002(英語)
-
維持規則 (EC) 852/2004(英語)
-
維持規則 (EC) 853/2004(英語)
-
維持規則 (EU) 183/2005(英語)
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。 -
維持規則 (EU)2017/625 (英語)
-
維持委任規則 (EU)2019/625 (英語)