日本からの輸出に関する制度 青果物の輸入規制、輸入手続き

英国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2022年9月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU規則が、「EU維持法(retained EU law)」として引き継がれ、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。ただし、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。例えば、放射性物質にかかる規則や植物検疫規則などに関しては、EUで適用されている規則と英国とでは異なるため、注意が必要です。

放射性物質規制
定義品目である生鮮のごぼう、わさび、山芋、かんきつ類の青果について、禁止および制限品目はありません。
なお、青果物の一部品目は、放射性物質検査証明書や産地証明書が求められていましたが、2022年6月29日に、英国で適用されていた日本産食品に対する放射性物質輸入規制は撤廃されました。
ただし、北アイルランドについては、北アイルランド議定書に基づき、EUによる日本産食品に対する放射性物質輸入規制が引き続き適用されます。詳細は農林水産省のウェブサイトで確認することができます。
植物検疫規則
英国では維持規則 (EU)No 2016/2031ならびに、維持実施規則(EU)2018/2019および維持実施規則(EU)2019/2072により植物検疫に関する規則が定められています(ただし、一部移行措置として旧指令2000/29/ECが延長されている項目もあります)。
2021年1月1日から、その一部および呼称の変更をした新たな植物検疫規則「2020年 植物衛生EU離脱規則(修正)No. 1527」(以下「新植物検疫規則No. 1527」)を施行しています。本新規則の付属書6に英国への輸入が禁止されている植物および植物製品などが記載されています。なお、北アイルランドは、本規則を適用せず、継続してEUの植物検疫規則を適用することになります。

日本産の植物に関連する「新植物検疫規則No. 1527」の付属書の内容

別紙1
付属書2:英国検疫有害生物一覧
別紙2
付属書2 A:暫定検疫有害生物一覧
別紙3
付属書3:保護区域の英国検疫有害生物一覧と英国の保護区域
別紙4
付属書4:規制されている英国非検疫有害生物(非隔離病害虫)一覧およびそれらに相当する栽培に利用される植物
別紙5
付属書5:栽培に利用される特別の植物における規制されている英国非検疫有害生物の生存を防ぐための要件
別紙6
付属書6:特定の第三国から輸入が禁止されている植物および植物製品等
別紙7
付属書7:第三国から特別な条件を満たすことで、輸入が認められる植物および植物製品など
別紙9
付属書10 :特別な条件を満たすことで、保護区域への輸入が認められる植物および植物生産物など
別紙10
付属書11 :それぞれ特定の第三国から植物検疫証明書の添付を必要とする植物および植物製品など
  • パートA:植物検疫証明書の添付が必要な植物および植物製品など
  • パートB:植物検疫証明書の添付が必要なその他の植物
  • パートC:植物検疫証明書の添付が免ぜられる植物
別紙11
付属書13:英国での移動に植物パスポートの添付が必要な植物および植物製品など

「新植物検疫規則No. 1527」別紙6付属書6 (特定の第三国から輸入が禁止されている植物および植物製品など)パート Aに記載されているとおり、ばれいしょの塊茎などは輸入が禁止されています。青果や種子は対象外ですが、かんきつ(みかん)属、きんかん属、カラタチ属およびこれらの交配種の植物の輸入は禁止されています。
さらに、同規則別紙6付属書6パート Bに規定されているニガウリなどのツルレイシ属(Momordica sp.)の果実(ニガウリなど)は、リスクが高い植物として、個人消費用の手荷物を含め、英国への輸入が禁止されています。
なお、後述する栽培地検査や植物検疫証明書が必要な果実および植物検疫証明書が不要な果実ならびに検疫隔離対象となる病害虫などはEUと異なることに注意が必要です。

なお、本稿対象品目には関連しませんが、本規則別紙7付属書7に記載される一部の青果は、輸出前に栽培地検査など特別な要件が求められます。詳細は、「輸入規制」の「2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」の項を参照してください。

衛生認定施設要件
英国の食品衛生にかかる制度の枠組みの中で、維持規則(EU)No 208/2013および維持規則(EU)No 210/2013ならびに維持委任規則(EU)2019/625第5条に規定されているとおり、次のCNコード(UKGTコード)07類の一部のスプラウト(新芽野菜・発芽野菜)はEUの衛生要件認定施設由来のものでないと英国へ輸出できません(規則(EU)No 210/2013、規則(EC)No 852/2004および「2019年スプラウトと種子に関する規則(改正)(EU離脱法)」)。証明様式は維持規則(EU)2019/628 ANNEX I に規定されています。
表1 衛生要件認定施設での栽培が条件となるスプラウト(UKGTによる分類)
CNコード 品目
0704 90 10
0704 90 90
ブロッコリー・カリフラワー・メキャベツを除く生鮮または冷蔵の0704類(あぶらな属)の野菜。キャベツ、赤キャベツ、コールラビ―、ケールなど
0706 90 10
0706 90 30
0706 90 90
にんじん ・かぶを除く生鮮または冷蔵の0706類。ダイコン、セルリアック(根セロリ)、ホースラディッシュ(セイヨウワサビ)、ビーツの葉など
0708 10 00 さやの有無を問わず生鮮または冷蔵のエンドウ豆(Pisum sativum)
0708 20 00 さやの有無を問わず生鮮または冷蔵のササゲ属(Vigna spp.,) とインゲンマメ属(Phaseolus spp.)
0708 90 00 さやの有無を問わず上記以外の生鮮または冷蔵のマメ科野菜
1214 90 10
1214 90 90
ムラサキウマゴヤ(アルファルファ)を除く、ルタバガ(スウェーデンカブ)、フダンソウ(葉菜)、クローバー、イガマメ(サインフォイン)、ルピナス、ソラマメ属、ケール、干し草、その他の飼料用の根菜など
ササゲ属のスプラウトは一部もやしとして栽培されているため注意が必要です。ただし、殻から取り出されて乾燥した状態の豆類(HSコード0713類)には施設認定要件は課されませんが、公的書類(衛生証明書など)が必要とされます(同規則第13条)。2022年2月現在、日本国内で前述のスプラウトのEU/英国向け輸出認定施設は未整備のため、かいわれ大根やからし菜・わさび菜スプラウトは英国へ輸出できません。
英国内の病害虫特定保護ゾーン
「新植物検疫規則No. 1527」別紙3付属書 3に記載される「英国内の病害虫特定保護ゾーン(GB pest-free areas)」向けの場合、本稿に記載事項とは別に隔離対象の病害虫に関する特定の規定があるため、規則の原文または植物防疫所のウェブサイトを確認してください。
英国の要請による緊急措置
その他、英国の植物防疫状況により、当該病害虫の未発生国であっても、実施規則などにより、日本を含む第三国に特別な緊急措置を要求する場合があります。最新の情報は必ず、植物防疫所のウェブサイトで確認してください。

※本項以降では、EU規制および英国がEU規制に上乗せで定めている独自規制についても言及していますが、これは、ジェトロで把握できた範囲において言及しているものです。

関連リンク

関係省庁
英国動植物衛生庁 (APHA) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
植物防疫所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
経済産業省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2018年EU離脱法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年 公的管理(動物、飼料、食品、植物衛生など)(修正)(EU離脱)規則(2020 No. 1481)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年 公的管理(動物、飼料、食品、植物衛生など)(修正)(EU離脱)(No. 2)規則 (2020 No. 1631)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2021年 公的管理(植物衛生,種子、ばれいしょの種子)(修正など)規則(2021 No. 426)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年 植物衛生EU離脱規則(修正) No. 1527 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)2016/2031(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持実施規則(EU)No 2018/2019(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持実施規則(EU)2019/2072(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)2019/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)2019/628 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「2019年スプラウトと種子に関する規則(改正)(EU離脱法)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU) 210/2013 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 852/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU) 208/2013 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
植物防疫所 輸入規則等詳細情報 (英国)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省 英国向け放射能物質規制に関するプレスリリース 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 EU域外から英国への植物・植物製品輸出入ガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 第三国由来植物・植物製品輸入要件ガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 「青果の輸出入ガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2022年9月

生産園地登録と栽培地検査合格証
「新植物検疫規則No. 1527」別紙7付属書7に記載される一部の青果や植物には生産園地登録や栽培地検査など特別な要件が課されます。本稿対象品目には関連しませんが、第95項~第104項に記載されるトウガラシ属(Capsicum L.)、トウガラシ(Capsicum annuum L)、ツルレイ属(Momordica L)、ナスやジロなどの一部のナス属(Solanum melongena L、Solanum aethiopicum L、Solanum macrocarpon L)、トマト(Solanum lycopersicum L.)、リンゴ属(Malus Mill.)ナシ属(Pyrus)は特別な入域要件が課されます。詳細や事業者レベルでの対応の可否に関しては、日本の植物防疫所に確認してください。栽培用のかんきつ属(Citrus spp.)に関しては、第67項を確認してください。
なお、EUにかんきつ属(Citrus spp.)、きんかん属(Fortunella spp.) 、カラタチ属(Poncirus spp.) ミクロシトラス属(Microcitus spp.)、ナリンギ属(Naringi spp.)、スウィングレア属(Swinglea spp.)およびこれらの交配種の青果を輸出する場合は、生産園地登録と栽培地検査が必要となるため留意してください。詳細は本ポータルサイト「EU」の「青果物」で確認してください。
衛生認定施設要件
その他、本稿対象品目には関連しませんが、「輸入規制」の「1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」の項に記載のとおり、維持委任規則(EU)2019/625により、一部の根菜や食用スプラウト(新芽・もやしなど)はEU(英国を含む)への輸出が認められた認定施設からの由来である必要があります。2022年9月現在、前述のスプラウトのEU/英国向け輸出認定施設は未整備であり、英国へ輸出できないため留意が必要です。
植物検疫証明書の取得
「新植物検疫規則No. 1527」別紙10付属書11 には「それぞれ特定の第三国から植物検疫証明書の添付を必要とする植物および植物製品など」が規定されており、次のとおり定められています。
パートA:植物検疫証明書の添付が必要な植物および植物製品など
パートB:植物検疫証明書の添付が必要とされるその他の植物
パートC:植物検疫証明書の添付が免ぜられる植物
本付属書パートCに記載されている、パイナップル(Ananas comosus (L.))、キウイなどのマタタビ属(Actinidia sp. Lindl)、ココヤシ(Cocos nucifera L.)の果実、ゆずやうんしゅうみかんを含むミカン属(Citrus sp. L)の果実ならびに葉、キンカン属(Fortunella sp. Swingle)の果実、カラタチ属(Poncirus L. Raf)柿を含むカキノキ属、(Diospyros sp. L)ドリアン(Durio zibethinus Murray)、ワタ属(Gossypium spp.)の果実、イネ(Oryza spp. L.)の種子、バナナを含むバショウ属(Musa)、マンゴー属(Mangifera sp. L.)、ナツメヤシ(Phoenix dactylifera L)、パッションフルーツなどを含むトケイソウ属(Passiflora sp. L)グァバを含むバンジロウ属(Psidium sp.).の果実ならびに、オオバゲッキツなどを含むゲッキツ属(Murraya spp.)の葉には植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)の添付が不要です。植物検疫証明書が不要な果実はEUの対象品目と変更がある点に注意が必要です。
他方、これらを除くパート Aおよびパート Bに記載されるすべての果実・植物は、旅行者の手荷物を含め、日本の植物防疫所が発行する植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)の添付が必要になります。詳細は「輸入規制」の「3. 動植物検疫の有無」の項を参照してください。なお、EUにおいては、ゆずやうんしゅうみかんを含むミカン属(Citrus sp. L)に関して、植物検疫証明書および栽培地検査などが必要となるため、英国向けの規制と異なる点に留意してください。
適合証明書
英国では野菜および果物の販売に関して、満たすべき品質などの一般販売基準(GMS)または特定販売基準が定められています(維持規則(EU) No 1308/2013)。このため、産業加工用、皮をむいたカットフルーツ、動物用肥料、個人消費、ナッツ類やかんきつ類のドライフルーツなどを除き、輸入される野菜または果物も英国の販売基準に適合している必要があります。特に一部のかんきつ類には「特定販売基準」も定められているため注意が必要です。詳細は「食品関連の規制」の「1. 食品規格」の項で確認することができます。
青果物が、関連販売基準に適合している旨の証明書(欧州委員会維持実施規則(EU)No 543/2011 Annex IIIに規定の証明書。以下「適合証明書」)の提出が求められます。
日本は英国への輸入前に実施する適合性検査の第三国のリストに掲載されていないため、適合証明書を英国側で取得する必要があります。日本で発行された品質証明書などは通関における適合証明書としてはみなされません。詳細は、「輸入手続き」の「2. 施設登録、商品登録、輸入ライセンス等(登録に必要な書類)」の項を参照してください(輸入バナナについては別規定があります)。
その他、適合証明書に必要な青果の規格の詳細については、「食品関連の規制」の「1. 食品規格」の項を参照してください。
インボイス
欧州委員会維持実施規則 (EU) No 543/2011第5条により、インボイスなどの添付書類には商品の名称および原産国を明示し、さらにレモン、マンダリンオレンジ、うんしゅうみかん、クレメンタイン、通常のマンダリン、タンジェリン、およびこれらの交配種、オレンジなどのかんきつ類に関しては、特定販売基準で要求されている等級、品種、市販用か産業加工用「products intended for processing」か、を明示する必要があります。詳細は「食品関連の規制」の「1. 食品規格」の項を参照してください。
原産地証明書
日英包括的経済連携協定(以下「日英・EPA」)の適用を受けるには、原産地証明(日本原産の証明)が必要となります。「日英・EPA」では、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。詳細は税関のウェブサイト「原産地規則ポータル」で確認することができます。
輸出側としては、「日英・EPA」 に定める義務を履行できる者であるかぎり「輸出者自己申告」ができ、財務省関税局・税関「日英・EPA自己申告及び確認の手引き(2020年12月)」に記載されているとおり、同 EPA第3章 附属書 3-Eに規定された原産地に関する申告文を日本語または英語で、インボイスその他の商業上の文書上に記載することになっています。
申請の際に記載する「輸出者参照番号」とは、日本で登記された企業およびその他の組織に国税庁が割り当てた13桁の法人番号にあたります(輸出者が登録番号を有しない場合には、記入欄は空欄で可)。
その他、詳細はジェトロ「日英・EPA解説書:日英・EPAの特恵関税の活用について(2021年3月)」を参照してください。
また、商品に非日本産原料が含まれており、原産地の判断が困難な場合は、事前教示の制度により税関当局に照会することができます。

関連リンク

関係省庁
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英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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根拠法等
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2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年 公的管理(動物、飼料、食品、植物衛生など)(修正)(EU離脱)(No. 2)規則 (2020 No. 1631)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2021年 公的管理(植物衛生,種子、ばれいしょの種子)(修正など)規則(2021 No. 426)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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2020年 植物衛生EU離脱規則(修正) No. 1527 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持実施規則(EU)2019/2072(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)2019/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
英国政府 EU域外から英国への植物・植物製品輸出入ガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 第三国由来植物・植物製品輸入要件ガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 「青果の輸出入ガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
植物防疫所 輸入規則等詳細情報 (英国)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
税関原産地規則ポータル 原産地証明手続外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ 英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)
ジェトロ 日EU経済連携協定(EPA)/ 日英包括的経済連携協定(EPA)について
ジェトロ「日英・EPA解説書:日EU・EPAの特恵関税の活用について(2021年3月)」PDFファイル(9.17MB)

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2022年9月

英国の要請による緊急措置
英国の植物防疫状況により、当該病害虫の未発生国であっても、実施規則などにより、日本を含む第三国に特別な緊急措置を要求する場合があります。最新の情報は必ず、植物防疫所のウェブサイトで確認してください。
植物検疫証明書の取得
「新植物検疫規則No. 1527」別紙10付属書11パートCに記載されている果実や葉以外のすべての果物・植物の輸出には、植物防疫所が発行する植物検疫証明書の添付が必要となります。植物検疫証明書は、日本の植物防疫所が発行しますので、輸出前に最寄りの植物防疫所で輸出検査をする必要があります。付属書11パートCに記載の果実の例として、次のものが含まれています。
  • パイナップル(Ananas comosus (L.))の果実
  • マタタビ属(Actinidia sp. Lindl)の果実(キウイなど)
  • ココヤシ(Cocos nucifera L.)の果実
  • ミカン属(Citrus sp. L)の果実および葉(ゆずやうんしゅうみかんを含む)
  • キンカン属(Fortunella sp. Swingle)の果実
  • カラタチ属(Poncirus L. Raf)の果実
  • カキノキ属、(Diospyros sp. L)の果実(柿を含む)
  • ドリアン(Durio zibethinus Murray)の果実
  • バショウ属(Musa)の果実(バナナを含む)
  • マンゴー属(Mangifera sp. L.)の果実
  • ナツメヤシ(Phoenix dactylifera L)の果実
  • トケイソウ属(Passiflora sp. L)の果実(パッションフルーツなどを含む)
  • バンジロウ属(Psidium sp.)の果実(グァバを含む)
  • ワタ属(Gossypium spp.)の果実
  • イネ(Oryza spp. L.)の種子
  • ゲッキツ属(Murraya spp.)の葉(オオバゲッキツなど含む
次の表のとおり、本稿対象品目である生鮮、冷蔵の根・塊茎野菜の輸出には日本の植物防疫所が発行する植物検疫証明書が必要となります。
表2 付属書11 パートAに記載される植物検疫証明書を要求される果実と根菜(一部)
CNコード 掲載されている学名 和名(仮)
0706 10 00
0706 90 の一部
ex 0714 の一部
ex 0910 11 00
ex 0910 30 00
ex 0910 99 91
ex 1212 91 80
ex 1212 94 00
ex 1212 99 95
ex 1214 90の一部
生鮮、冷蔵の根・塊茎野菜(土の付着が重量の 1%未満) にんじん、カブ、サラダ用ビート、セイヨウゴボウ、セレリアック、大根および同様の食用の根菜、キャッサバ、アロールート(クズウコン)、サレップ、キクイモ、サツマイモ、およびデンプンまたはイヌリンの含有量が高い同様の根菜と塊茎(凍結、乾燥、スライスまたは粒状でない)、しょうが、サフラン、ターメリック(クルクマ)、その他根・塊茎野菜のスパイス(乾燥したものを除く)
甜菜(ビート)(粉状でない)、チコリー
その他生鮮、冷蔵の根菜・塊茎植物
0701 90 10
0701 90 50
0701 90 90
Tubers of Solanum tuberosum L., ジャガイモ
0702 00 00
0709 30 00
0709 60の一部
0709 99 90
ex 0810 90 75
Momordica L.
Solanaceae Juss.
Solanaceae
生鮮また冷蔵のトマト・ナス科(ナス・ジロ(ナス属))の果実
ex 0804 40 00
ex 0804 50 00
0806 10 10
0806 10 90
0807 20 00
0808 10 の一部
0808 30 の一部
0808 40 の一部
0809 の一部
0810 の一部
Carica papaya L., Cydonia Mill.,
Fragaria L.,
Malus L.,
Persea americana Mill., Prunus L.,
Pyrus L.,
Ribes L.,
Rubus L.,
Syzygium Gaertn., Vaccinium L.,
Vitis L.
メロン・スイカ・パパイア属・マルメロ(セイヨウカリン)・オランダイチゴ属・リンゴ属・ワニナシ属 (アボカドなど) ・スモモ属(アプリコット、さくらんぼ、桃を含む)・ナシ属・スグリ属・キイチゴ属・フトモモ属・スノキ属(ブラックベリー・ブルーベリー・クランベリーなど)ブドウ属の果実
本リストには、りん茎、球根、生きた部分が付着する青果や育苗資材に植えられた食用の葉野菜や「植物」は含まれていません。栽培用でない果実や野菜であっても、パートBに記載される07類08類の「青果」も植物検疫証明書は要求されます。必ず最新版の「新植物検疫規則No. 1527」別紙10付属書11 パートA およびパートBを確認するようにしてください。
維持規則 (EU)2016/2031第2条の定義のとおり、「植物」とは、「生きた植物(の全体)」か、播種用の種子、植物学的な意味での果実、野菜、切り花などの「生きた植物の特定の一部」を意味し、野菜や果実であっても冷凍、乾燥、加熱、調味などの加工処理がなされて「生きていない」ものや、一般的には野菜と認識されていても生物学上の「植物」ではないキノコ類(菌類)などは、本規則上の「植物」に該当しません。一方で、果実に葉や果柄がついている場合は「植物」とみなされるため注意が必要です。また、同規則では「植物由来の未加工製品または加工済みであっても病害虫の拡散のリスクがあるもの」を「植物製品」と定義づけています。
特別な条件を求められる青果
以前は、定義品目のかんきつ属(Citrus spp.)、きんかん属(Fortunella spp.) 、カラタチ属(Poncirus spp.) ミクロシトラス属(Microcitus spp.)、ナリンギ属(Naringi spp.)、スウィングレア属(Swinglea spp.)およびこれらの交配種の青果を輸出する場合は、生産園地登録と栽培地検査が必要でしたが、EU離脱後の「新植物検疫規則No. 1527」により、本要件が課されなくなりました。
一方で、同規則別紙7付属書7に記載される一部の青果や植物には生産園地登録や栽培地検査など特別な要件が課されます。本稿対象品目には関連しませんが、第95項~第104項に記載されるトウガラシ属(Capsicum L.)、トウガラシ(Capsicum annuum L)、ツルレイ属(Momordica L)、ナスやジロなどの一部のナス属(Solanum melongena L、Solanum aethiopicum L、Solanum macrocarpon L)、トマト(Solanum lycopersicum L.)、リンゴ属(Malus Mill.)ナシ属(Pyrus)は特別な入域要件が課されます。詳細は、事業者レベルでの対応ができない場合もあるため、日本の植物防疫所に確認してください。
なお、栽培用のかんきつ属(Citrus spp.)に関しては、第67項を確認してください。
輸出貨物は、植物検疫証明書の発給から14日以内に発送されなければなりません。

英国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2022年9月

果物と野菜の販売基準
英国では、英国市場に上市されるすべての製品に対して同水準の品質を保証するという観点から、消費者に新鮮な状態で供給される農産物や水産物を中心に取引規格(marketing standard)が定められています。定義品目であるかんきつ類については、欧州議会・理事会維持規則(EU)No 1308/2013により取引規格が定められています。
国連欧州経済委員会(UN/ECE)新基準に合わせ、維持実施規則(EU)543/2011を改正する欧州委員会維持委任規則(EU)2019/428により一部の例外を除き、果物と野菜の一般販売基準(GMS)が定められています(例外については後述)。UN/ECE新基準に商品が準拠していることが証明できる場合は、一般販売基準(GMS)に適合するものとみなされます。出荷後の段階にあっては、軽度の鮮度の欠如や成長の原因による軽微な劣化は許容されます(「特級」を除く)。
一般販売基準
一般販売基準は、調製および包装を経た果物および野菜の品質要件を規定することを目的として、次の要件が定められています。
  • 無傷であること。
  • 傷んでいないこと。腐敗または品質の劣化による影響で消費に不適切になった商品は、除去される。
  • 清潔であり、視認できる異物が実質的に混入していないこと。
  • 害虫が実質的に混入していないこと。
  • 果肉が害虫の影響で損傷していないこと。
  • 外側に異常な水滴が付いていないこと。
  • 異味または異臭がないこと。
  • 商品は、次の条件に耐える状態でなければならない。
    • 輸送および取り扱いに耐えられること。
    • 良好な状態で目的地に到着すること。
熟度に関して、十分に成長している必要があるが、過度に成長していてはならないこと、果物は、十分に成熟している必要があるが、過熟していてはならないこと、商品は成熟の過程を経て良好な熟度に達することができなければならないことが求められます。
各ロットにつき品質にかかる許容範囲は数量または重量の10%まで、腐敗に関しては当該許容範囲の2%未満となります。
なお、正味重量が5kg以下であり、異なる果物もしくは野菜またはその両方を含む「混合品」の包装物品の販売は、食品の品質が均一であり、各食品が関連の特定販売基準または、食品に特定販売基準がない場合は、一般販売基準に準拠していることが求められます。さらに、維持規則(EU)2019/428に従い、次のような包装に適切なラベルが貼付されており、当該混合品が消費者の誤解を招く性質のものでないことも求められます。
  • 非英国産青果・野菜の混合品の場合 :‘mix of non-UK fruit’、‘mix of non-UK vegetables’または‘mix of non-UK fruit and vegetables’
  • 英国産と非英国産青果・野菜の混合品の場合 :‘mix of UK and non-UK fruit’、‘mix of UK and non-UK vegetables’または‘mix of UK and non-UK fruit and vegetables’
その他、詳細は「食品関連の規制」の「5. 食品包装材」および「6. ラベル表示」で確認してください。
特定販売基準
さらに、次の10種類の青果に関しては、特定販売基準が定められています。
  • リンゴ
  • かんきつ類
  • キウイフルーツ
  • レタス、巻き葉および広葉のアンディーブ
  • 桃およびネクタリン
  • 洋梨
  • イチゴ
  • パプリカ
  • 生食用ブドウ
  • トマト

これらの青果の品質は、「特上級」、「等級I」、「等級II」の3種類の等級に分類され、形や色合いの欠陥に関して細かく定義されています。

  • 特上級:形状と外観が画一的で、ごく軽微な欠陥しかみられない最高品質の農産品
  • 等級I:皮や形状に軽度の欠陥がある高品質の農産物
  • 等級II:傷、損傷、色の変化など1つ以上の欠陥がある許容される高品質の農産物

各青果の販売基準の詳細は英国政府サイトの「生鮮果物・野菜の販売基準」で確認することができます。

「かんきつ類」の特定販売基準
維持規則(EU)543/2011のANNEX I(Appendix)に掲載のとおり、次のかんきつ類は特別な販売基準が定められています(ただし、かんきつ類のドライフルーツ、産業加工用は除く)。これらは、前述の一般条件にさらに、「押し傷または広範囲に渡る傷跡がないこと」「しわまたは乾燥の兆候がないこと」「低温または氷点下の影響で損傷していないこと」という条件が追加されます。
  • レモン種(Citrus limon (L.) Burm. f.)およびその交配種を生育させたレモン類
  • マンダリンオレンジ(Citrus reticulata Blanco)
  • うんしゅうミカン(Citrus unshiu Marcow)
  • クレメンタイン(Citrus clementina hort. ex Tanaka)
  • 地中海マンダリン(Citrus deliciosa Ten.)
  • タンジェリン(Citrus tangerina Tanaka)を含むマンダリン(ミカン類)に属する種およびこれらの交配種を生育させたもの
  • オレンジ(Citrus sinensis (L.) Osbeck)という種およびその交配種を生育させたオレンジ類
うんしゅうみかん、クレメンタイン、その他マンダリン品種およびその交配種に関する特定販売基準は次のとおりです。なお、かんきつ類の成熟度は、最小果汁含有率、最小糖酸比、色合いの要因で決定されます。
表3 かんきつ類に関する特定販売基準
最小果汁含有率
(パーセント)
最小糖酸比 色合い
うんしゅうみかん 33 6.5:1 少なくとも果物表面の3分の1は、品種の典型的な色でなければならない
クレメンタイン 40 7.0:1
他のマンダリン品種およびそれらの交配種 33 7.5:1(1)
かんきつ類の品質は、「特上級」、「等級I」、「等級II」の3種類の等級に分類され、形や色合いの欠陥に関して細かく定義されており、許容範囲の比率も定められています。
うんしゅうみかん、他のマンダリン品種および交配種に適用される最低サイズは、直径45 mm、クレメンタインは35mmと定められており、果物の横断面の最大直径または個数で決定されます。サイズの均一性を図るため、同じ包装におけるサイズの個体差は最小の果物の直径(包装に表示されているもの)が60 mm未満の場合は10 mmを、最小の直径が60 mm以上80 mm未満の場合は15 mmを、最小の直径が80 mm以上110 mm未満の場合は20 mmを超えてはならないとされています。
サイズコードを適用する場合、次の表にあるコードおよび範囲を順守する必要があります。
表4かんきつ類のサイズコード
サイズコード 直径(mm)
うんしゅうみかん、クレメンタイン、他のマンダリン品種およびその交配種 1 – XXX
1 – XX
1 または 1 – X
2
3
4
5
6 *1
7
8
9
10
78以上
67 – 78
63 – 74
58 – 69
54 – 64
50 – 60
46 – 56
43 – 52
41 – 48
39 – 46
37 – 44
35 - 42
「一般販売基準」あるいは「特定販売基準」対象外の青果
すべての調整製品、加工製品、乾燥製品、産業加工用製品、ワイン製造用製品、動物肥料用製品、その他次の表の青果は、一般販売基準あるいは特定販売基準の対象外とされます。EUの一般販売基準の対象となっている果物あるいは青果と異なる可能性がありますので、EUに輸出する際は注意が必要です。
一般販売基準規則の対象とならない青果には次のものが含まれます。
  • アロールート(クズウコン)
  • ゲッケイジュ
  • ビターアーモンド
  • ブラジルナッツ
  • ケイパー(ケッパー)
  • カシューナッツ
  • チリペッパー (唐辛子)
  • ココナッツ
  • タロイモ(cocoyams,Taro)
  • サトイモ
  • デーツ(ナツメヤシ)
  • 成熟する前に収穫された初期のばれいしょ
  • キャッサバ
  • ナツメグ
  • オリーブ
  • ピーナッツ、ピーカンナッツ、ピスタチオ
  • 熟したバナナ
  • サフラン
  • サゴヤシ
  • サレップ
  • サトウキビ
  • スイートコーン
  • カンショ
  • ターメリック
  • 野生のキノコ類
  • ヤム(ヤマノイモ)
  • でんぷんまたはイヌリンの含有量が高い山芋および同様の根菜(塊茎)
なお、本リスト以外にも「一般販売基準」あるいは「特定販売基準」の対象外の品目もあるため、判断に迷う場合は事前に英国動植物衛生庁国際通商センターヘルプデスクに問い合わせてください。(+44-345 607 3224)

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2022年9月

英国では、2018年EU離脱法に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に英国国内法体系に、直接組み込まれています。ただし、残留農薬(植物保護製品: plant protection products)のMRLsおよび当該構成成分の活性物質を含め、2021年1月1日以降、EUで新しく適用される農薬規制は英国で適用されず、英国は独自に規定することとなっており、EUの基準値と相違がある点に留意してください。

英国では、使用可能な農薬について、ポジティブリスト制を採用しており、食品の種類ごとに、許容される残留農薬の上限量値(Maximum Residue Limit、MRL)が規定されています(欧州議会・理事会維持規則(EC)No 396/2005)。MRLは、当該食品1キログラムあたりに許容される農薬量(mg/kg)として示され、MRLが設定されていない農薬と食品の組み合わせに対しては、一律0.01mg/kgの下限値が適用されます。

すべての食品に対するMRLは、「GB MRL register(英国農薬データベース)」で検索可能です。データベースは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。

なお、2022年5月14日から、EUでは改正規則(EU) 2021/1864により一部の青果に使用されるFlubendiamide(フルベンジアミド)、Amisulbrom(アミスルブロム)、Meptyldinocap (メプチルジノキャップ)、Metaflumizone(メタフルミゾン)の残留農薬MRLsに新しい基準値が適用されていますが、英国では本規則は適用されていません。

一方で、英国でスルホキサフロル(Sulfoxaflor)Cyantraniliprole(シアントラニリプロール)、Cinmethylin (シンメチリン)ならびにFluxapyroxad (フルキサピロキサド) 、Oxathiapiprolin (オキサチアピプロリン)、Prothioconazole (プロチオコナゾール) に関し、一部の青果、穀物、動物由来食品の英国独自のMRLが2022年に修正(再設定)されており、EUが設定する基準値と一部相違があることに留意が必要です。

なお、EU域内および英国では2018年から、一部のネオニコチノイド系殺虫剤 (イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム) の屋外での使用が禁止されています(EUでは、2023年からスルホキサフロルの屋外使用も禁止)。これに伴い、クロチアニジン(0.70 mg/kg → 0.05 mg/kg ) およびチアメトキサム(20 mg/kg → 0.05 mg/kg )のMRLs引き下げる法案がEUで提案されていますが、現時点では英国での引き下げは確認されていません。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2022年9月

英国では、欧州委員会維持規則(EC)No 1881/2006で食品カテゴリーごとに含まれる汚染物質の上限値を規定しています。ここでの「汚染物質」とは、意図的に食品に添加されたものではなく、食品の生産(作物管理、畜産、獣医療における作業を含む)、製造、加工、調理、処理、包装、梱包、輸送および保管などのプロセスまたは生育環境に由来して、食品中に存在する物質をいいます(欧州理事会規則 (EEC) No315/93 第 1条(1))。
これらの最大規定値を超えるものは原材料としても使用できないとされているため、ご注意ください(規則(EC)No 1881/2006第3条)。

本稿対象品目の汚染物質の上限を参考として次のリストにまとめていますが、すべてを網羅したものではないため、必ず規則の最新版を確認するようにしてください。
また、EUで定められている汚染物質の上限値は英国の上限値と異なります。さらに、EU向けに輸出する場合は、2021年8月31日から「カドミウム」や「鉛」の対象品目が拡大され、新たに「塩」「香辛料・スパイス」に含まれるカドミウムと鉛の基準値が設定されているため、注意が必要です。

表5 汚染物質の上限値
物質名 上限値 対象品目

0.1mg/kg アブラナ科葉菜類、サルシファイ(セイヨウゴボウ)、葉菜、生ハーブ、キノコ、海藻および果菜類を除く野菜
0.3 mg/kg アブラナ科葉菜類、セイヨウゴボウ、一部のキノコ(マッシュルーム、ヒラタケ、しいたけ)、生ハーブを除く葉菜類
0.1 mg/kg スウィートコーン
0.05 mg/kg スウィートコーン以外の果菜類
0.2 mg/kg クランベリー、フサスグリ、エルダーベリー、イチゴ
0.1 mg/kg クランベリー、フサスグリ、エルダーベリー、イチゴを除く果物(例カンキツ類)

カドミウム
0.05 mg/kg 根菜類・塊茎類、葉茎菜類、生ハーブ、アブラナ科葉菜類、キノコ、海藻を除く野菜・青果
0.1mg/kg 根菜類、塊茎(根セロリ、パースニップ、セイヨウゴボウおよびホースラディッシュを除く)、茎菜類(セロリを除く)、皮むき芋を除く
0.2mg/kg 葉野菜、生ハーブ、アブラナ科葉菜類、セロリ、根セロリ、パースニップ、セイヨウゴボウ、ホースラディッシュおよび一部のキノコ(マッシュルーム、ヒラタケ、しいたけ)
1.0 mg/kg マッシュルーム、ヒラタケ、しいたけ以外のきのこ
メラミン 2.5mg/kg 乳児用調製粉乳および乳児用栄養補給調整食品を除くすべての食品
過塩素酸イオン 0.05mg/kg 下記以外の野菜と青果
0.10mg/kg ウリ科・ケール(リョクヨウカンラン)
0.50mg/kg 葉菜類・ハーブ類
0.01mg/kg 乳児用向け調理済み食品

その他、英国では、環境残留性と生物蓄積性が高く環境と健康にリスクをもたらすダイオキシン類・ポリ塩化ビフェニル(PCB)・DDTなどの残留性有機汚染物質(POPs)に関して、英国での生産、販売および使用が禁止または厳しく制限されています。2019年6月から、旧規則(EC)No 850/2004は維持規則(EU) 2019/1021により置き換えられており、同規則ANNEX1に記載されている物質は英国内における上市、使用が禁止されます。

EU(英国を含む)の化学品に関するREACH規則含め、詳細はジェトロEU 輸入品目規制「特定危険化学品に関する規制」で確認することができます。

関連リンク

関係省庁
英国食品基準庁(FSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2018年EU離脱法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)No 1881/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EEC)No 315/93(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU) No 2019/1021 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
英国食品基準庁 汚染物質(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
ジェトロ EU 輸入品目規制「特定危険化学品に関する規制」PDFファイル(520 KB)

4. 食品添加物

調査時点:2022年9月

一般に、生鮮のごぼう、わさび、山芋の青果に対して食品添加物は使用されないと考えられますが、食品添加物に関する維持規則(EC)No 1333/2008第15条により、一部例外を除いて、食品添加物は果物や野菜などの未加工食品には使用できないとされています。また、維持規則(EC)No 1925/2006第4条により、未加工品に対して、ビタミンとミネラルが添加されてはならない旨も規定されています。

英国では、着色剤や保存料、酸化防止剤、その他乳化剤・安定剤などの食品添加物と、食品香料および食品酵素を区別し、これらを合わせて「食品改良剤(Food Improvement Agents)」)と総称しています。食品改良剤については、ポジティブリスト形式での規制が課されており、認可を得た食品改良剤のみが使用を認められています。食品添加物および食品香料のポジティブリストについては、維持規則(EC)No 1333/2008で確認することができます。食品酵素のポジティブリストについては、調査時点で完成していないため、ポジティブリスト形式での使用規制は適用されていません。

英国 では「漂白剤」「炭化剤」「保色剤」が食品添加物として分類に含まれていない一方で、「酸味料」「加工でん粉」「コントラスト増強剤」が食品添加物とされています。 ただし、かんきつ系の果実には印字のため、および果実の表面の処理のため、例外的に一定の食品添加物の添加が認められています。「使用可能な食品カテゴリー」および「許容含有量(定められていない食品添加物もある)」が定められているため、維持規則(EC)No 1333/2008で英国に輸入しようとするかんきつ類の青果が属する未加工の青果「(04.1.1) Entire fresh fruit and vegetables」の食品カテゴリーにおける当該食品添加物の使用可否とその許容含有量についても確認する必要があります。

表6かんきつ類の果実に添加が許可される添加物と最大許容量
(04.1.1) 未加工の青果のうち「カットされていない青果」
E番号 添加物名 最大許容量
E172 水酸化鉄
Iron oxides and hydroxides
6 mg/kg かんきつ類の果実、メロン、ザクロの英国に要求される義務の情報の印字の際にコントラスト増強剤として使用する場合のみ
E 200 - 202 ソルビン酸カリウム
Sorbic acid - potassium sorbate (SA)
20 mg/kg 皮をむいていないかんきつ類の果実の表面処理のみ
E 445 ウッドロジングリセリンエステル
Glycerol esters of wood rosins
50 mg/kg 皮をむいていないかんきつ類の果実の表面処理のみ
E 464 ヒプロメロース(HPMC)
Hydroxypropyl methyl cellulose
10 mg/kg かんきつ類の果実、メロン、ザクロの英国に要求される義務の情報の印字に使用する場合のみ
E 471 脂肪酸モノ-およびジグリセリン
Mono-and diglycerides of fatty acids
「適量」 かんきつ類の果実、メロン、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、アボカド、ザクロの表面処理のみ
E 473 -474 ショ糖脂肪酸エステル-スクログリセリド類
Sucrose esters of fatty acids-sucroglycerides
「適量」 生鮮の果実の表面処理のみ
E 901 蜜蝋、白と黄色
Beeswax, white and yellow
「適量」 かんきつ類の果実、メロン、リンゴ、ナシ、桃、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、アボカド、ザクロの表面処理、ナッツの光沢剤としてのみ
E 902 キャンデリラ蝋
Candelilla wax
「適量」 かんきつ類の果実、メロン、リンゴ、ナシ、桃、パイナップルの表面処理、ナッツの光沢剤としてのみ
E 903 カルナウバ蝋
Carnauba wax
200 mg/kg かんきつ類の果実、メロン、リンゴ、ナシ、桃、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、アボカド、ザクロの表面処理、ナッツの光沢剤としてのみ
E 904 シェラック
Shellac
「適量」 かんきつ類の果実、メロン、リンゴ、ナシ、桃、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、アボカド、ザクロの表面処理、ナッツの光沢剤としてのみ
E 914 酸化ポリエチレンワックス
Oxidised polyethylene wax
「適量」 かんきつ類の果実、メロン、パパイヤ、マンゴー、アボカド、パイナップルの表面処理

「適量」=quantum satis
本リストはすべてを網羅したものではないため、必ず規則で最新の情報を確認するようにしてください。

その他、かんきつ類を包装する材料に関する詳細は、「食品関連の規制」の「5. 食品包装」と「6. ラベル表示」を参照してください。

関連リンク

関係省庁
英国 食品基準庁(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2018年EU離脱法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 1332/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 1333/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 1334/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 1925/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)No 543/2011(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
英国食品基準庁 食品添加物について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 承認された食品添加物・E番号一覧(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2022年9月

かんきつ類の青果の包装
包装されたうんしゅうみかん、クレメンタインなどかんきつ類の青果に関して、維持実施規則(EU)No 543/2011において農産物を適切に保護できる方法で包装しなければならないと定められており、次の条件が求められます。
  • 包装の内側に使用する材料は、清潔でなければならず、農産物に外側または内側から一切の損害を引き起こさない品質を備えていなければならない。
  • 取引の規格が記載された紙またはスタンプについて、材料の使用は、無毒性のインクまたは糊で印刷またはラベル貼付を行っていること。農産物に個別に貼り付けられたステッカーは、取り除いた時に糊の跡が残っていてはならず、また、果皮の欠陥を引き起こしてはならない。
  • 農産物に個別に貼り付けられたステッカーは、取り除いた時に糊の跡が残っていてはならず、また、果皮の欠陥を引き起こしてはならない。
  • 果物ごとにレーザーで刻印を行う場合、果肉または果皮に欠陥を引き起こしてはならない。
  • 果物を包む場合は、薄くて乾燥した新しい無臭の紙(*注)を使用しなければならない。
  • 味、香りなどかんきつ類が有する天然の特徴を変化させうる物質(*注)については、使用が禁止される。
  • 包装物品は、異物が混入していてはならない。
(*注)果皮に異臭を残すおそれのある保存剤やその他の化学物質は該当する英国の規則に適合する場合のみ、認められます。英国で認可されている添加物については、前述「食品関連の規制」の「4. 食品添加物規制」で確認してください。
また、これらの青果の各包装の内容品は同じ原産地、品種、または市販タイプ、品質およびサイズならびに成熟度が均一でなければならないとされています。異なる種のかんきつ類からなる混合品をひとつの販売用包装にまとめて包装することは可能ですが、それぞれの品質、品種、市販タイプ、原産地が均一であることが求められます。
食品接触包装材
その他、英国では、食品用の容器・包装をはじめ、調理器具や食品製造機械、食品輸送用のコンテナなど、食品と接触することが意図されているまたは通常の使用条件において食品と接触することが合理的に予見されるあらゆる素材・製品(Food Contact Material:食品接触素材)について、健康被害を引き起こしてはならない、食品成分に許容できない変化を引き起こしてはならない、食品の味・香り・食感などを劣化させてはならない旨が定められています(欧州議会・理事会維持規則(EC)No 1935/2004)。また、維持規則(EC)No 2023/2006においては、食品接触素材の製造工程における適正製造規範(Good Manufacturing Practice: GMP)が定められています。なお、すべての素材の食品接触材について、製品のトレーサビリティー情報(維持規則(EU)1935/2004第17条)、品質保証・品質管理関連資料(維持規則(EU)2023/2006第7条)を英国政府当局の求めに応じて提示する必要があります。
前述の一般原則を規定する規則に加え、特定の食品接触素材について、個別の規則が定められており、定められた条件に準拠していることを示す適合宣言書の添付が求められています。
表7 食品接触素材に関する主な規制
食品接触素材 規則・指令 主な内容
プラスチック 維持規則(EU) 10/2011 ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX Iのリストに掲載されている物質を原料として製造されたプラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています。このリストは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。
アクティブ・インテリジェント素材
〔鮮度保持などの目的で食品から物質を吸収する素材(吸湿材など)、容器内に物質を放出する素材(防腐剤を放出する鮮度保持材など)、食品の状態を監視する素材(温度変化に反応する素材など)〕
維持規則(EC) 450/2009 食品と誤認されるおそれがある場合には、3mm以上のフォントサイズで‘DO NOT EAT’と表記する必要があります。なお、調査時点では、ポジティブリストは制定されていません。
再生プラスチック 維持規則(EC) 282/2008 同規則に従って認可を受けたリサイクルプロセスから得られた物質を原料として製造された再生プラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています。
セラミック 維持指令84/500/EEC カドミウムと鉛の検出上限値が規定されています。
再生セルロースフィルム 維持指令2007/42/EC ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX IIのリストに掲載されている物質を原料として製造された再生セルロースのみが、食品接触素材として使用可能となっています。
さらに、特定の物質に関する規則が定められています。
維持規則(EU) 2018/213:BPA(ビスフェノールA)
維持規則1895/2005/EC:エポキシ樹脂
維持指令93/11/EEC: ゴムからのN-ニトロソアミンおよびN-ニトロソ
プラスチック容器規制
英国では、2022年4月1日以降「Plastic Packaging Tax(プラスチック包装税)」が導入されています。12カ月の間に10トン以上のプラスチック包装を製造または輸入するなど、基準に該当する事業者に対して、税制への登録義務が発生します。税制の登録事業者は、再生プラスチックの重量比30%未満のプラスチック包装1トンあたり200ポンド課税されます。流通業者、輸入業者などのサプライチェーンだけでなく、消費者向け使い捨て(容器)も課税対象となっています。例えば、サプライチェーン向けに課税対象となる品目には、サラダを個包装するプラスチック袋(salad bags)などが、消費者向け使い捨て(容器)では、事前調理品や野菜のパッケージ(packets)や小袋(pouches)などが挙げられます。セルロース由来のポリマーは、プラスチック包装税課税対象となりません。その他、課税となる品目に関しては、英国政府のガイダンスを確認してください。
木材梱包材
第三国から英国への貨物の輸入に用いられる木材梱包材(パレットや木箱など)に関しては、維持規則(EU)2016/2031第43 条に規定されるとおり、隔離病害虫の侵入およびまん延の経路となる可能性があることから、植物衛生措置の国際規格 no.15「ISPM15」の要件を満たしている必要があります。
詳細は、横浜植物防疫所「植物検疫措置に関する国際基準ISPM15国際貿易における木材こん包材の規制(仮訳)」または一般社団法人 全国植物検疫協会のウェブサイトでも確認することができますが、国際的に承認されている処理(樹皮を除去した木材に適用される熱処理、臭化メチル処理、フッ化スルフリル処理など)を施し、植物衛生措置の国際規格 no.15 「ISPM15」(『国際貿易における木製梱包材の規制ガイドライン』の付属書 1)に規定される処理が施されたことを証明するIPPC(国際植物保護条約)のロゴスタンプが刻印されている必要があります。
「ISPM15」スタンプについては同書の付属書2に規定されています。IPPCのシンボル、国コード、生産者もしくは処置実施者コード、実施された処理のコード(例:熱処理は HT、臭化メチル処理は MB など)からなり、マークは判読可能で、耐久性があり、移動不可能で、手書きであってはならないとされています。また、赤色やオレンジ色も避けるよう規定されています。

「ISPM15」スタンプの一例

これらの規定は、次のものには適用されません。
  • 厚みが6 ミリメートル以下の薄い木材からなる梱包材
  • 接着剤、熱もしくは圧力、またはそれらの組み合わせで製造された合板、パーティクルボード、配向性ストランドボード、またはベニヤといった加工木材ですべてが作製された梱包材
  • 英国内の取引で使用されている木製梱包材
なお、日本における輸出用木材梱包材の生産者や消毒認定業者に関しては、全国植物検疫協会のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認することができます。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
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2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)No 543/2011(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)No 1935/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
維持規則(EC)No 2023/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)No 10/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)No 450/2009(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)282/2008 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令(EEC)No 84/500 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令(EC)No 2007/42(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)2018/213 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)No 1895/2005(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令93/11/EEEC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2012年 食品接触材規則(英国向け) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2012年 食品接触材規則(ウェールズ向け) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2012年 食品接触材規則(北アイルランド向け) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
維持規則(EU)2016/2031 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
英国政府 食品ラベルと包装(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省 輸出先国における容器・包装に関する規制外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「 海外向け食品の包装制度調査」(2020年3月)
食品との接触を意図したプラスチック素材と製品に関する規則(EU)No 10/2011に関するEUガイドライン(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(904KB)
EU加盟国の食品接触素材に対する独自規制に関するレポート(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 食品接触材 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
横浜植物防疫所「植物検疫措置に関する国際基準ISPM15国際貿易における木材こん包材の規制」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(849KB)
全国植物検疫協会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国歳入関税庁 「プラスティック包装税にかかるガイダンス集」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国歳入関税庁「プラスチック包装税の対象外の包装にかかるガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国歳入関税庁「プラスチック包装税の課税対象の包装にかかるガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

6. ラベル表示

調査時点:2022年9月

「食品関連の規制」の「1. 食品規格」で説明のとおり、維持実施規則(EU)543/2011により、かんきつ類の青果に関して、荷印や表示に係る規定があります。それぞれの梱包包装に「識別」「農産物の性質」「農原産地」「取引の規格」の事項を読みやすく消えない文字で、外から見えるように同面にまとめて記載する必要があります。ただし、梱包箱の中の販売用包装には適用されませんが、販売用パッケージに既に次の項目が記載されており、外から見える場合は、外箱への記載は不要とされます。販売用の事前包装の詳細については、「一般食品のラベル表示」を参照してください。

かんきつ類の荷印に係る規定

識別
  • 包装業者および/または出荷業者の名称および実際の所在地(番地/市町村/地域/郵便番号/原産国と異なる場合は国名など)。
  • ただし、事前包装を除く一切の包装については、公式に発行または承諾されている、包装業者または出荷業者の識別コードで代用することができる。その場合は、「包装業者または出荷業者」(または同等の略語)の記載の付近に表示する。
  • 一方、事前包装の場合には、英国内に事業所を有する販売業者の名称および所在地と「・・・用包装」または同等の文言を付近に記載する。この場合、ラベルに包装業者または出荷業者を表すコードも記載する。
農産物の性質
  • 農産物が外から見えない場合は、「レモン」、「マンダリン」または「オレンジ」、明らかに異なる種のかんきつ類からなる混合品の場合は、「かんきつ類の混合品」または同等の名称および異なる当該種の通称名。
  • 「ネーブル」および「バレンシア」のオレンジについてはそれぞれの品種グループの名称。
  • 「うんしゅうみかん」および「クレメンタイン」については、種の通称名(品種の名称は任意)。他のマンダリンおよびその交配種については、品種の名称を表示。
  • 10粒以上のたねを含むクレメンタインの場合は、「たね有り」と記載。
  • 「たね無し」の表記は任意で、偶然にたねを含んでいてもよしとされる。
農産物の原産地
  • 国名(必須)。任意で生産地区または呼称、地域もしくは地方の地名。
  • 明らかに異なる種であり、原産地も異なるかんきつ類からなる混合品については、各原産国を関連種の名称の隣に見えるように表記。
取引の規格
  • 等級
  • 次のいずれかで表すサイズ
  • 最小および最大サイズ(mm)
  • サイズコード。任意で最小および最大サイズを加えることができる。
  • 個数
  • 収穫以降の段階で保存剤その他一切の化学物質が使用されている場合は、当該保存剤または化学物質の記載

なお、英国に要求される特定の処理に使用される添加物や、青果に直接印字するために、使用が許可されている着色料などの添加物に関しては、英国規制によりポジティブリスト形式で定められています。詳細は、「食品関連の規制」の「4. 食品添加物規制」で確認することができます。

梱包にパレットを使用しているときは、少なくともパレットの2面の分かりやすい位置に注意書きを添付し、その注意書きにこれらの内容を記載します。
なお、事前包装の有無にかかわらず、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されているほか、オンライン販売などの手法により遠隔地から販売する事業者にも同様の規定が適用されます。

なお、正味重量が5kg以下であり、異なる果物もしくは野菜またはその両方を含む「混合品」の包装物品の販売は、食品の品質が均一であり、各食品が関連の特定販売基準または、食品に特定販売基準がない場合は、一般販売基準に準拠していること、さらに、維持実施規則(EU)543/2011に従い包装に適切なラベルが貼付されており、当該混合品が消費者の誤解を招く性質のものでないことが求められます。

  • 非英国産青果・野菜の混合品の場合 :‘Mix of non-UK fruit’, ‘mix of non-UK vegetables’ または‘mix of non-UK fruit and vegetables’
  • 英国産と非英国産青果・野菜の混合品の場合 :‘Mix of UK and non-UK fruit’ ‘mix of UK and non-UK vegetables or mix of UK and non-UK fruit and vegetables’
一般食品のラベル表示
その他、事前包装済みの一般食品のラベル表示は、欧州議会・理事会維持規則(EU)No 1169/2011で規定されています。同規制は英国内で流通する食品全般(最終消費者向けおよび調理施設(レストラン、食堂など)・ケータリング向けの輸入食品を含む)に適用されます。英国 市場で流通し消費者に販売される時点から、輸入者もしくは販売者に表示の義務が課されます。アレルギー物質や栄養素の表示など、日本よりも義務表示の対象が広い項目もあるため、注意が必要です。
青果を輸出する場合、維持規則(EU)No 1169/2011 Article 9(概要は次表を参照)および関連規則に基づき次の項目を表示する義務があります。なお、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されているほか、オンライン販売などの手法により遠隔地から販売する事業者にも同様の規定が適用されます。
表8 英国におけるラベル表示に関する規制
かんきつ類 ゴボウ等 項目 補足説明
食品の名称 食品の名称は、次の優先順位で記載する必要があります。
  1. 法的名称:EUまたは加盟国の法律、規則等で定められた名称。
    かんきつ類は維持実施規則(EU)543/2011で規定される名称
  2. 慣習的名称:当該販売国で消費者に食品名称として受け入れられている名称。その名称以外に説明が不要なもの。
  3. 説明的名称:製品の本質が消費者に分かり、混同しやすいほかの製品と区別できる食品を形容した説明、および必要に応じてその用途を示す名称。
なお、商標やブランド名を食品の名称として使用することはできません。
原材料リスト 皮をむいたり、カットしたりしていない単一原材料(青果)の場合は不要。
原材料として使用されている場合の表示については同規則ANNEX VIIを参照。
食品添加物を添加した場合、原則として、すべての原材料(食品添加物や酵素を含む。)を重量順に表示する必要があります。ただし、食品に占める割合が2%未満の原材料については、非重量順も可能です。なお、複合原材料についても、名称・総重量を記載したうえで、その後に原材料リストを記載する必要があります。食品添加物および食品香料は、そのカテゴリー(酸化防止剤、防腐剤、着色料など)ごとに物質名またはE番号を表示する必要があります。ただし、加工助剤や最終製品技術的な機能を持たない担体(キャリアー)などについては同規則第20条を参照。
アレルギー物質 表示が義務付けられているアレルギー物質は、次のとおりです。ただし、セロリ以外の青果単体の場合はアレルゲン物質には該当しないため、実質的な表示義務はない。
  • グルテンを含む穀物(小麦、大麦、オーツ麦など)および同製品(一部例外あり)
  • 甲殻類および同製品
  • 卵および同製品
  • 魚および同製品(一部例外あり)
  • ピーナッツおよび同製品
  • 大豆および同製品(一部例外あり)
  • 乳(ラクトースを含む)および同製品(一部例外あり)
  • ナッツ類および同製品
  • セロリおよび同製品
  • 辛子および同製品
  • ゴマおよび同製品
  • 濃度が 1キロ/1リットル当たり10mg 超の二酸化硫黄または亜硫酸塩
  • ルピナス(マメ科植物)および同製品
  • 軟体動物および同製品
原材料リストの標記を太字などで強調することにより表記することが可能です。
正味量 重量単位で「kg(キログラム)」または「g(グラム)」で表示します。
文字の大きさは重量に応じ、次のとおり表示する必要があります。
公称重量 文字の高さ
50g以下 2mm以上
50g超200gまで 3mm以上
200g超1,000gまで 4mm以上
1,000g超 6mm以上

また、容量誤差の許容範囲(容器に記載された公称重量と実質重量の誤差)については、維持指令76/211/EEC により、次のとおり規定されています。

公称重量
(g)
許容範囲
(公称容量より少ない場合)
公称重量
に対する%
g
5 ~ 50 9
50 ~ 100 4.5
100 ~ 200 4.5
200 ~ 300 9
300 ~ 500 3
500 ~ 1,000 15
1,000 ~ 10,000 1.5

義務ではありませんが、表示されている正味量が関連するEU規制に準拠していることを示すため、eマークを正味量の横に表示することが可能です。英国でも2021年1月1日以降も引き続き表示することが可能です。

〇g

図:eマーク

賞味期限または消費期限 皮をむいたり、カットしたりしていない生鮮の青果の場合は不要。(発芽した種子や豆類などは必要)
特殊な保存条件や使用条件 当該食品が特別な保存条件や使用条件を必要とする場合には、表示する必要があります。例:「冷暗所で保管」
(食品情報について責任を負う)食品事業者の名称または商号、および所在地 包装済み食品またはチーズの主成分になるカゼインを当該名称または商号で販売している食品事業者(FBO)
(英国内事業者でない場合は、英国への輸入者)の名称または商号および所在地を表示する必要があります。
包装業者および/または出荷業者の名称
維持実施規則(EU)543/2011
包装業者および/または出荷業者の名称および実際の所在地(番地/市町村/地域/郵便番号/原産国と異なる場合は国名など)。

原産国
維持規則(EU)1308/2013、維持実施規則(EU)543/2011
原産国の正式名称。目的地国の消費者が理解できるほかの言語で記載する。任意で生産地区または呼称、地域もしくは地方の地名。
使用方法の指示 記載がなければ適切な使用が困難な場合に記載する必要があります。
栄養表示 未加工の青果(単一原材料)については、栄養表示義務の対象外です。
製造ロット番号
(維持EU指令2011/91/EU)
英国域内で流通する包装済み食品は、製造ロット番号を表示する必要があります。明確な表示(LOTなど)の場合を除き、「L」の文字に続けてロット番号を表示する必要があります。
維持実施規則(EU)543/2011に記載される特定基準 上記「かんきつ類の荷印に係る規定」に記載する特定販売基準にかかる表記(農産物の性質、たねの有無、農産物の原産地、取引の規格、等級、サイズなど)

英国独自のラベル表示規則

英国政府のガイダンスでは、英国(北アイルランドを除くグレートブリテン)内で販売する商品は、2022年9月30日までにラベル表示を変更する必要があるとされています。ラベルの変更実施の責任機関は英国の自治体にあり、別市場のラベル付け要件に準拠する必要がある場合は、ラベルにほかの情報を含めることは可能です。

関連リンク

関係省庁
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国保健省(DHSC) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 安全・基準局 (OPSS Office for Product Safety and Standards) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 食品ラベルと包装(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2018年EU離脱法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)No 543/2011(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)1308/2013(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)No 1169/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令2011/91/EU(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令76/211/EEC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
英国保健省(DHSC)消費者向け食品情報に関するヘルスケア議案(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 食品ラベル : 消費者向け食品情報に関するガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 包装済み食品 : 重量と測定の規則に関するガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 栄養・健康に関する強調表示のガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府「食品基準ラベル表示ガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁「2021年1月1日以降適用される衛生の識別マークに関するガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 Your Europe: e-mark(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 食品ラベルと包装(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 Food Labelling Information System (FLIS)(食品ラベル規則の検索ツール)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ EU向け食品ラベルの翻訳例(2020年12月)
ジェトロ EUにおける食品ラベル表示に関する規制(2014年3月)
ジェトロ 英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)

7. その他

調査時点:2022年9月

食品衛生に関する規制
  1. 英国外から輸入される食品については、欧州議会・理事会維持規則(EC)No 178/2002に基づき英国が求める衛生基準などとの同等性(輸出国と特定の合意がある場合はその合意事項)を満たす必要があります(同規則第11条)。
  2. 英国の食品輸入事業者は、輸入した食品が 英国の食品衛生要件を満たしていないと判断した場合、即時に製品を市場から回収する手続きをとり、英国政府当局に通知する義務があります(欧州議会・理事会維持規則(EC)No 178/2002 Article 19)。また、同規則では、食品がヒトの健康や環境に甚大なリスクをもたらす可能性があると判断された場合、英国政府が当該食品の上市停止などの緊急措置をとることが認められています(同規則Article 53)。
これらのEU(英国)の衛生法(衛生パッケージ)は維持規則(EC)No 178/2002 (食品一般法)、維持規則(EC)No 852/2004 (一般食品の衛生規則)、維持規則(EC)No 853/2004 (動物性食品の衛生規則)、維持規則(EC)No 183/2005 (動物の飼料に要求される衛生規則) そして新公的管理の維持規則(EU)2017/625およびこれらの規則を補完する関連規則(例えば、維持委任規則 (EU) 2019/625など)により構成されています。
有機食品に関する規制
2021年1月1日以降、英国で有機食品を取引する場合、英国の規則(北アイルランドを除くグレートブリテン)を順守する必要があります。
英国に有機食品を輸入する場合、英国に登録された有機認証団体から認可を受け、英国向けの検査証明書(COI)を発行してもらうことで、英国で「Organic (有機)」を商品のラベルに記載することが可能となります。また、2021年1月1日以降、英国のみに認定された有機食品にEUの有機ロゴ(ユ―ロリーフ)を利用することはできません(EUの有機規則で要求される要件を満たした場合のみ、ユーロリーフロゴの継続使用が可能)。
ただし、英国はEU、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、スイス(以下、EU等という)の有機認証の同等性を2023年12月31日まで認めています。このため、この期間はEU等で要求される要件を満たし、有機認証されている食品も、英国で有機食品として登録することが可能です。

有機JAS製品の同等性を利用して、英国で有機食品として販売する場合

最終的に日本国内で生産・加工され、日本の有機JAS 制度に基づき、既に有機JASとして格付された有機農産物および有機農産物加工食品に関しては、維持規則(EC) No 1235/2008 ANNEX IIIにより、英国との間で同等性が認められています。しかし、「有機JAS」認証を取得した食品が、無条件に英国域内で有機食品として販売できるわけではないことに注意が必要です。

英国で登録された有機認証団体に認証を受けたうえで、英国(北アイルランドを除くグレートブリテン)に有機食品として輸出できますが、紙ベースの有機食品の輸入検査認(COI : Certificate of Inspection for Import of products from organic production into great britain)が必要となります。 また、すべての有機JAS食品に対して同等性が認められているわけではありませんが、青果物は同等性の対象となります。詳細は、有機認証団体あるいは環境・食糧・農村地域省(DEFRA)に問い合わせてください。なお、有機農産物加工食品の原材料は、日本産および日本が同等であると認めた国産のものに限られます。
また、日本の有機JAS 制度を利用して、英国向けに輸入検査認証(COI)を発行できる認証団体は、維持規則(EC) No 1235/2008 ANNEX IIIに記載される有機認証団体のみであり、すべての有機JAS登録認定機関が発行可能でない点にも留意が必要です。英国に登録された有機認証団体のリストは英国政府ウェブサイトおよび農林水産省のウェブサイト「有機農産物等の輸出に係る証明書を発行できる登録認証機関一覧」で確認することができます。

なお、たとえ、日本で有機JASを取得していても、英国での有機認証を取得していない商品の包装に「Organic」と印刷することは違反行為となり、輸入国でラベルを張り替える、「Organic」を塗りつぶすなどの措置が求められることにも注意が必要です。

有機JAS製品の同等性を利用せずに、英国で有機食品として販売する場合

有機JAS対象外品目や「同等性」の対象外品目については、維持規則(EC) No 1235/2008第10条にのっとり、英国に登録された有機認証団体(同規則ANNEX IVにリスト)に直接認定してもらうことで、英国で有機食品としての販売が可能です。ただし、リストに掲載されていても、実質的には認定が不可能なケースもあるため、詳細は有機認証団体に直接問い合わせてください。 英国に登録された(英国外の)外国有機認証団体のリストは維持規則(EC) No 1235/2008 ANNEX IVおよび英国政府ウェブサイトで確認することができます。

英国に有機食品を輸入する際、EUのTRACESシステムは利用できません。調査時点では、暫定措置として手動で英国の有機輸入システムで手続き(認証機関がCOIを英国の輸入者へ電子メールで送る)を行うこととなっています。詳細は、農林水産省「第三国から有機製品をグレートブリテン(GB)へ輸入手引き(仮訳)」で確認することができます。ただし、北アイルランド向けの場合はEUのTRACESシステムを経由する必要があります。詳細は本ポータルサイト「EU」向けの「有機食品に関する規制」の項で確認することができます。

英国で有機食品を第三国から輸入、販売するための要件およびそのラベル表示に関する規制は、欧州理事会維持規則(EC)No 834/2007および維持規則(EC)1235/2008で規定されています。

包装済み食品の原料(農産品)の95%が有機製品である場合のみ、「Organic」の表示をすることができます。有機製品が英国産の場合のコードは「GB-ORG-XX」となりますが、非英語圏では「bio」「öko」「eko」などが使用されることがあります。
英国はEUを離脱したため、2022年9月30日までにラベルを次のように変更する必要があります。
「UK Agriculture」原料 (農産品)の98%が英国内で栽培されている場合
「UK or non-UK Agriculture」原料 (農産品)が英国内外で栽培されている場合
「Non-UK Agriculture」原料 (農産品)の98%が英国外で栽培されている場合

また、製品としては、非有機であっても、原料が有機であれば、当該原料に関して、有機と記載することは可能です。

なお、EUにおいては2022年1月1日から、規則 (EC) No 834/2007が廃止ならびに委任規則(EU) 2021/2306により、(EU) 2018/848が廃止となっており、英国で適用される有機生産規則と異なる点が多い点に留意してください。

英国での輸入手続き

1. 施設登録、商品登録、輸入ライセンス等(登録に必要な書類)

調査時点:2022年9月

英国の輸入業者として必要な情報

英国へ植物を輸入の際に使用するEORI番号の取得およびPEACHシステムの利用にあたりVAT番号、納税者固有番号(UTR:Unique Taxpayer Reference)、事業開始日および産業分類(SIC:Standard Industrial Classification)コード、「Government Gateway(英国政府ウェブサイト)」のアカウントなどの情報が必要となります。
その他、詳細はジェトロレポート「移行期間終了後の英国ビジネス関連制度英国の輸入にかかる通関手続き」で確認することができます。

EORI番号について
英国のEU離脱移行期間終了に伴い、英国はEUの制度から独立したEORI番号(Economic Operators Registration & Identification number)制度を導入しました。そのため、英国において、英国外の国との輸出入を行う場合、英国によって発行されたGBで始まる12桁のGB EORI番号が必要となります。
GB EORI番号は、英国で輸出入通関を行う(輸入申告の延期を含む)すべての企業に必要です。 GB EORI番号を申請するための詳細については、英国政府のウェブサイトを参照してください。番号申請には5〜10分、取得には最大で 5営業日ほどかかります。EU諸国との貿易をしているVAT登録事業者は、既にEORI番号を登録しているため、該当事業所のEORI番号を確認し、「GB」で始まる番号でない場合はGB EORI番号の申請をしてください。

PEACH/ IPAFFSへの事前登録(事業者の事前登録)

植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)の添付が必要とされる植物・植物製品(一部の植物や青果を除くほとんどの植物)を英国に輸入する場合、輸入者は、英国独自の電子システムである「IPAFFS」システムまたは旧システム「PEACH」への事前登録が必要です。

以前は、PEACH(Procedure for Electronic Application for Certificates from the Horticultural marketing inspectorate)システム経由で、PHSI(Plant Health and Seeds Inspector)に荷物の到着前に、事前通知する必要がありましたが、2022年6月以降、「PEACH」システムから「IPAFFS」システムへの移行が開始されています。ただし、完全な移行は2023年を予定しており、2022年中は、移行期間として、引き続き事前登録のためにPEACHシステムを使用することが可能とされています。

システムの登録には「Government Gateway(英国政府ウェブサイト)」のアカウントが事前に必要です。

適合証明書の取得
英国では、上市される野菜および果物が満たすべき品質などの一般販売基準または特別販売基準が定められています(維持規則(EU)No 1308/2013)。このため、産業加工用、皮をむいたカットフルーツ、動物用肥料などを除き、特定販売基準が定められている、レモン、マンダリン、うんしゅうみかん、クレメンタイン、タンジェリンおよびオレンジなど10種類とバナナについては、英国の販売基準に適合している旨の「適合証明書」(欧州委員会維持実施規則(EU)No 543/2011 Annex IIIに規定)の提出が求められます。
一般販売基準の対象である生鮮のごぼう、わさび、山芋について基本的には求められませんが、適合証明書を要求されることがあります。その場合は、事前に通知を行い、適合証明書を取得する必要があります。
適合証明書は、英国への輸入時に、通関代行事業者から英国の管轄当局に対してオンラインで事前通知を行い、書類審査または実際の物品検査(目視検査)を経て通関前に取得することになります。
イングランドおよびウェールズの場合、歳入関税庁の輸出入処理システムの「CHIEF(Customs Handling of Import/Export Freight)」へ登録し、電子システムの「PEACH (Procedure for Electronic Application for Certificates)」を通じて、青果物の輸入を検査機関に通知し、適合証明書を検査官から入手することになります。「PEACH」システムの場合、同時に動植物検疫の通知も行い証明書を入手することができます。ただし、空輸の場合はPlant Health and Seeds Inspectorate(PHSI)へ4営業日前までに通知が必要です。なお、英国の管轄期間は、Department for Environment, Food and Rural Affairs(DEFRA)のRural Payments Agency(RPA)になります。
なお、2022年以降、「PEACH」システムは英国独自の電子システムである「IPAFFS」システムに変更するとされていますが、完全な移行は2023年を予定しており、現在、移行期間中として、引き続き事前登録のために「PEACH 」システムを使用することが可能です。「適合証明書」の詳細は次の宛先に問い合わせることも可能です。
HMI Admin Support,
(CIT), APHA, Defra, Foss House,
Kings Pool 1-2 Peasholme Green,
York, YO1 7PX
Tel: 0300 100 0313
Email: peachenquiries@apha.gov.uk
輸入ライセンス
野菜・果実は輸入ライセンスの対象分野ですが、定義品目である生鮮のごぼう、わさび、山芋およびかんきつ類の青果に関して、維持規則(EU)No 2016/1237により規定されていないため、輸入ライセンスは求められません。 なお、輸入業者含め、販売に関与する青果物の取引業者に関する規制は、「輸入手続き」の「4. 販売許可手続き」の項を参照してください。

関連リンク

関係省庁
英国歳入税関庁(HMRC)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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根拠法等
2018年EU離脱法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年 植物衛生EU離脱規則(修正) No. 1527 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)1308/2013(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)No 543/2011(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持委任規則 (EU) 2016/1237 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
英国政府「HMRC(歳入税関庁)へのコンタクト」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 EORI番号について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「植物衛生 PEACHによる事前通知ユーザーガイド」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「2022年1月1日以降のPEACHまたはIPAFFSによる通知について」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国動植物衛生庁(APHA)、環境・食料・地域省(DEFRA)「オンライン衛生証明書:Government GatewayとDEFRAアカウントの登録」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国歳入税関庁(HMRC)「通関システム・CHIEFへのアクセス申請」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「青果物輸入時のPEACHシステムの利用」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 「青果の輸出入ガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国環境・食糧・農村地域省(DEFRA) 「植物衛生IT サービス(英語)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年9月

日本から青果を輸入するにあたっては、次の書類が必要になります。

  1. 通関申告・価格申告書(Customs Value Declaration)
    通常の輸入申告または簡易輸入申告においても、輸入者は、CHIEF(Customs Handling of Import and Export Freight)またはCDS(Customs Declaration Service)のいずれかの通関処理システムを通じて、電子申告を行う。単一貨物識別番号(unique consignment referenceUCR)の情報も必要です。ただし、CHIEFシステムは2023年3月31日に終了し、CDSが単一のプラットフォームになるとされています。
  2. インボイス(商業送り状)
  3. パッキングリスト(包装明細書: P/L)
  4. 船荷証券(Bill of Lading: B/L)/航空運送状(Air Waybill: AWB)その他、貨物海上保険(Freight insurance)などの船積書類
  5. 植物検疫証明書
  6. 共通衛生入域文書(Common Health Entry Documents: CHED-PP)
    公的管理の維持規則 (EC)2017/625により、貨物の到着1日前までに共通衛生入域文書(CHED : Common Healthy Entry Document)を「PEACH 」または「IPAFFS」などの電子システム経由で国境管理所(BCP:Border Control Post)に通知する必要があります。

なお、「輸入手続き」の「1. 施設登録、商品登録、輸入ライセンス等(登録に必要な書類)」の項のとおり、2022年6月以降、「PEACH」システムから「IPAFFS」システムへの移行が開始されています。完全な移行は2023年を予定しており、2022年は移行期間として、引き続き事前登録のために「PEACH」システムを使用することが可能とされています。

日本から英国域内にかんきつ類の青果を輸入する際には、適合証明書が必要です。適合証明書については、「輸入手続き」の「1. 施設登録、商品登録、輸入ライセンス等(登録に必要な書類)」を参照してください。なお、かんきつ類などの特定販売基準が定められている場合はインボイス、送り状、注文書などに包装に記載が課されている義務次項を記載する必要があります。

英国に日本から生鮮のごぼう、わさび、山芋を含むその他の根菜を輸入する際には、植物検疫証明書が必要になります。

また、残留農薬などに関するサンプリング検査の対象となった場合には、関係資料・データなどの提出を求められることがあります。

前述のとおりイングランドおよびウェールズの場合、電子システムの「PEACH」(2023年以降は「IPAFFS」)を通じて、事前通知により植物検疫証明書を提出し、適合証明書を入手することができます。本稿で定義するかんきつ類は植物検疫証明書が不要ですが、「PEACH」システムによる事前通知が必要とされています。2023年以降、「PEACH」システムは「IPAFFS」システムに移行する予定ですが、引き続き2022年は移行期間として「PEACH」システムの利用も可能とされています。

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関係省庁
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※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
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英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「植物衛生 PEACHによる事前通知ユーザーガイド」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「2022年1月1日以降のPEACHまたはIPAFFSによる通知について」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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3. 輸入時の検査

調査時点:2022年9月

「輸入規制」の「3. 動植物検疫の有無」に記載のとおり、生鮮のごぼう、わさび、山芋を含むその他の根菜の輸入時には、公的管理の対象となるため、輸入元国での植物検疫が課され、国境管理所(BCP Border Control Post)において書類検査または同一性検査、あるいは現物検査が行われます(見本市の展示品、科学的・研究目的など市場に投入されないものは除外)。かんきつ類の青果は植物検疫証明書の添付が不要とされていますが、引き続き、検査が行われるため、「PEACH」システム(2023年以降は「IPAFFS」システムに完全移行)による申請が必要とされています。

維持実施規則(EU)2019/66第5条にあるとおり、英国への輸入に際して植物検疫証明書の添付が求められる植物に対して実施される同一性検査(identity check)と現物検査(physical check)の頻度は、最低でも貨物全体の1%とする旨が定められています。

なお、国境管理所(BCP)で実施される輸入品に対する公的管理(輸入検疫)には、関係当局から、当該公的管理の対象となった事業者(輸入品の場合は当該貨物に責任を有する者)に対して一定の手数料が課されます。手数料については、英国政府のウェブサイトおよび「2020年 植物衛生など(料金)(イングランド)規則」に記載されています。

また、公的管理の強化期間中に同じ業者または国からの貨物が同じ違反を3回した場合は、英国政府は発送国の当局に対して、必要な調査と是正を要請します。

ただし、公的管理の維持規則(EU)No 2017/625第44条および第47条に基づき、リスクに応じた適切な頻度で定期的に、残留農薬基準など、英国の食品衛生基準に適合しているか、消費者を誤認させる可能性があるかどうかのサンプリング検査をしており、書類検査または、同一検査あるいは現物検査が実施される場合があります。

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2018年 植物衛生など(料金)(イングランド)規則(2018 No. 289)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年 植物衛生など(料金)(イングランド)(修正)規則(2020 No. 9)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU維持法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
国境管理所(BCP Border Control Post)(英語)
英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「PEACHについて」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「植物衛生 PEACHによる事前通知ユーザーガイド」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「2022年1月1日以降のPEACHまたはIPAFFSによる通知について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・地域省 (DEFRA)「植物衛生IT サービス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 第三国由来植物・植物製品輸入要件ガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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4. 販売許可手続き

調査時点:2022年9月

取引業者の登録
英国では、維持規則(EU) 2016/2031の第65条に基づき、植物検疫証明書や植物パスポートが必要とされる植物を輸入する事業者や物流業者は、「専門事業者の登録(Professional Operator)」として英国政府当局への登録が義務付けられています。従来からあるシステムですが、「隔離病害虫を発見した場合、ただちに関係当局に通知する」、法的責任が強化されました。本事業者には、栽植 (planting)や生産 〔育成 (growing)、増殖 (multiplying)、管理 (maintaining)を含む〕だけでなく、EU(英国含む) への導入(輸入)、保管、収集、発送、加工(processing)する事業者も含まれます。
植物パスポートの対象となる植物・地域は英国動植物衛生庁(Animal and Plant Health Agency)(以下、APHA):のウェブサイトで確認することができます。植物パスポートが必要な場合は、専用の申請書をAPHAへ提出するか、オンラインシステムeDomeroを通し、登録番号の発行を受けたうえで、その登録番号など所定の項目を記載した植物パスポートを作成し、当該植物とともに流通させます。
なお、新規則にのっとり「専門事業者」の登録の場合、次の様式をオンラインか郵送でAPHAに申請します。
  • 植物パスポートの発行にかかる正式登録の申請書(AppREG)
  • 植物パスポートの発行の承認申請書 (AppAUTH)
専門事業者として適正か、APHAによる検査が行われます。検査には次の費用がかかります。
検査料:123.16 ポンド+ 61.58ポンド(15分ごと) ~
(様式の郵送による場合は追加で20.66ポンドが必要)
木材の専門事業者については別様式となります。
その他、植物パスポート取得の対象の詳細については、本ポータルサイト「英国」の「花き」で確認してください。

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関係省庁
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根拠法等
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維持実施規則(EU)2019/2072(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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英国 植物パスポートの発行にかかる正式登録の申請書(AppREG)および承認申請書(AppAUTH)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国動植物衛生庁 (APHA)ガイダンス: 植物パスポートの発行(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国動植物衛生庁 植物パスポートが求めれる植物及び植物製品のリスト(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国動植物衛生庁 無害虫区域と保護区域(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国環境・食料・地域省(DEFRA) 専門事業者登録申請書(英語・無料)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(449KB)
ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」

5. その他

調査時点:2022年9月

なし

英国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年9月

英国の関税はThe UK Global Tariff UK(以下「UKGT」)として、英国政府のウェブサイトに掲載されていますので、該当する品目の関税率を特定する必要があります。なお、日英包括的経済連携協定(以下「日英・EPA」)適用後の関税率は、表のとおりです。

また、「日英・EPA」の適用を受けるには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となります。「日英・EPA」では、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。原産地証明に関しては、税関のウェブサイトで確認することができます。また、商品に非日本産原料が含まれている場合、原産性は「日英・EPA」の品目別原産地規則に基づいて判断してください。判断が困難な場合は、事前教示の制度により税関当局に照会することができます。

表9 本稿対象の青果品のUKGTにおける関税率
UKGTコード/品目 関税率:通常 関税率:日・EU EPA適用
0706.90.90
生鮮または冷蔵の食用の根・塊茎野菜のうち、人参、カブ、セルリアク、ホースラディッシュ(セイヨウワサビ)を除くサラダ用のビートルート、サルシフィ(セイヨウゴボウ)、大根および類似の食用根
12.0% 非課税
(0%)
0805.21.10.10
生鮮のうんしゅうみかん
16.0% 非課税
(0%)※2
0805.29.0091
生鮮のかんきつ類の果実のうちタンジェリン、うんしゅうみかん、クレメンタイン、ウイルキング、タンジェロを除く、その他のマンダリンまたはその類似のかんきつ類の交配種
16.0% 非課税
(0%)※2
0805.90.00
生鮮または乾燥のオレンジ、マンダリン(タンジェリン、うんしゅうみかんを含む)、クレメンタイン、ウイルキング、およびこれらの同様の交配種、グレープフルーツ、ぶんたん、レモン、ライムを除くその他のかんきつ類の果実
12.0% 非課税
(0%)

※UKGTコードは参考として記載していますが、変更になることがあるため、必ず英国の関税検索サイトまたは、仕向け地の税関に最新のコードを確認してください。

2. その他の税

調査時点:2022年9月

英国では、生鮮のごぼう、わさび、山芋およびかんきつ類の青果の販売に付加価値税(VAT)は課されません。

関連リンク

3. その他

調査時点:2022年2月

なし

その他

調査時点:2022年2月

なし