品目別輸出ガイド

アルコール飲料の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義するアルコール飲料のHSコード

2203.00 : ビール
2204 : ワイン、スパークリングワインなど食酢および食酢代用物を除くぶどう酒
2205 : ベルモットその他のぶどう酒(生鮮のぶどうから製造したもので、植物または芳香性物質により香味を付けたものに限る。)
2206.00:その他の発酵酒(清酒が含まれる)
2208.30 : ウイスキー
2208.40 : ラムなど発酵したさとうきびの製品から得た蒸留酒
2208.50 : ジンおよびジュネヴァ
2208.60 : ウオッカ
2208 70:リキュールおよびコーディアル
2208.90:その他の蒸留酒等(焼酎が含まれる)

調査時点での最新情報を記載するよう努めていますが、英国は、EU離脱に伴い、記載事項は常に変更される可能性がある点に留意してください。なお、北アイルランドは、英国の関税領域であるため、(EUに移送される可能性がない場合)日英EPAを享受できますが、食品規制に関しては、EU規制が適用されます。本稿では特段の注意がない限り、英国(北アイルランドを除くグレートブリテン)にかかる規制について記載していますので、北アイルランド議定書などに関してはジェトロレポート「英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)」およびジェトロビジネス短信を確認してください。

関連リンク

根拠法等
規則(EEC)No 2658/87(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
英国法データベース(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
財務省貿易統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロレポート「英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)」

英国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年9月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU規則が、「EU維持法(retained EU law)」として引き継がれ、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。なお、北アイルランドに関しては、英国の関税領域ですが、食品規制に関して、EU規制が適用されます。本稿では特段の注意がない限り、英国(グレートブリテン)にかかる規制について記載し、北アイルランド議定書に関してはジェトロレポート「英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)」または、ジェトロビジネス短信を確認してください。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年9月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了後も、移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

英国に輸入する前に必要な手続き(EORI番号の取得など)に関しては、輸入手続きの「1.輸入許可、商品登録、輸入ライセンス等(登録に必要な書類)」に記載していますので確認してください。

施設登録・輸出事業者登録
日本から英国にアルコール飲料を輸入する際に、施設登録は必要ありません。 日本の制度で、酒類の輸出には、「輸出入酒類卸売業免許」が必要となりますが、酒類製造者が自ら製造した酒類を輸出する場合には、当該免許は必要ありません。また、酒類製造者が自ら輸出、または輸出業者を通じて輸出するために酒類製造場から移出した酒類については、所定の手続きにより日本の酒税が免除されます。また、2021年4月から、国税庁は、「日本酒」の輸出拡大に向け、輸出用清酒製造免許制度を新設しています。これら免許の詳細は、国税庁のウェブサイトを参照、または管轄の税務署の酒類指導官に問い合わせてください。管轄の酒類指導官設置署については、国税庁のウェブサイト内「酒税やお酒の免許についての相談窓口」で確認することができます。
ワイン輸出証明書
ワインについては、英国市場に1貨物あたり100リットルを超えて輸入する場合には、維持規則(EU)No 1308/2013第90条により、
  1. 英国が定めるワインの定義または分類に合致していること
  2. 国際ブドウ・ワイン機構(OIV)が勧奨し公表しているワイン醸造行為に従っていること、または、英国が認可したワイン醸造行為に従っていること
を証明する必要があります。しかし、日英包括的経済連携協定(日英・EPA)により、EU維持法の醸造規則によらずとも、日本ワイン〔「果実酒等の製法品質表示基準」(平成27年国税庁告示第18号)に定める日本ワインをいう〕の基準などを満たしている場合にも輸出が可能です。
従来、日本ワインを1貨物あたり100リットル超えて輸出する場合には、当該ワイン生産国の公的機関が発行した証明および分析報告など(VI-1 document)を当該貨物に添付する必要がありましたが、2021年1月以降、不要となります(北アイルランド向けを除く)。
英国市場に輸入する蒸留酒に関して、特別な証明書は求められませんが、維持規則(EC) No 110/2008に規定される定義や販売呼称などにのっとる必要があります。詳細は、「食品関連の規制」の「1.食品規格」で確認することができます。
原産地証明書
日英包括的経済連携協定(以下「日英・EPA」)の適用を受けるには、原産地証明(日本原産の証明)が必要となります。日英・EPAでは、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。詳細は税関のウェブサイト「原産地規則ポータル」で確認することができます。
輸出側としては、日英・EPA に定める義務を履行できる者である限り「輸出者自己申告」ができ、財務省関税局・税関「日英・EPA 自己申告及び確認の手引き(2020 年 12 月)」に記載されているとおり、同 EPA 第 3 章 附属書 3-Eに規定された原産地に関する申告文を日本語または英語で、インボイスその他の商業上の文書上に記載することとなっています。
申請の際に記載する「輸出者参照番号」とは、日本で登記された企業およびその他の組織に国税庁が割り当てた13桁の法人番号にあたります。(輸出者が登録番号を有しない場合には、記入欄空欄で可。)
その他、詳細はジェトロ「日英・EPA解説書:日英・EPAの特恵関税の活用について(2021年3月)」を参照してください。
そのほか輸出に必要な書類
そのほか、日本から英国にアルコール飲料を輸出する際には、通常の船積み書類(輸出申告書、インボイス、パッキングリスト、シッピング・インストラクション(船積依頼書)、委任状、ブッキングリスト、海上貨物保険の申込書など)が必要です。

関連リンク

関係省庁
国税庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
維持規則(EU) No 1308/2013(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) No 110/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
日EU・EPAワインに関するワーキンググループの決定No 1/2019 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
外務省 日英包括的経済連携協定・ぶどう酒に関する作業部会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
環境・食糧・農村地域省(DEFRA)「英国へのワインの輸入(認証機関リスト)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.871KB)
税関「原産地規則ポータル」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国税庁「酒類の輸出免税等の手続きについて」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.26MB)
国税庁「酒類の免許」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
税務署「酒類卸売業免許の申請等の手引」(令和3年7月)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.80 MB)
国税庁「酒税とお酒の免許に関するご質問やご相談等について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
財務省関税局・税関「日英 EPA 自己申告及び確認の手引き(2020 年 12 月)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(705KB)
酒類総合研究所「EU向け輸出ワインの分析・証明及び自己証明制度について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)」
ジェトロ「日英EPA関連情報」
ジェトロ「日英EPA解説書:日英EPAの特恵関税の活用について」PDFファイル9.3 MB

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年7月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。

日本から英国に本稿で定義するアルコール飲料を輸出する場合、特別な検疫上の措置は求められません。

英国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2021年7月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づきEU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

ビール
ビールの規格に関しては、EU維持規則で定められた規格はありませんが、英国の酒税法の観点から1979年酒税法で定義されており、エール (ale)、ポーター(Porter)、スタウト(stout)などを含み、アルコール度数0.5%を超えるものを指します。
ワイン
ワインとは、破砕された、もしくは破砕されていない新鮮なブドウ、またはブドウ果汁を部分的もしくは完全にアルコール発酵させて生産されたものであって、原則としてアルコール度数が8.5%以上、15%以下のものと定義されています。
さらに、使用可能なブドウ品種、醸造方法、原産地呼称制度、ラベル表記などについて維持規則(EU)No 1308/2013で定められており、これらに従うとともに、国際ブドウ・ワイン機構(OIV)が勧奨する醸造方法または英国により認可されたワイン醸造行為に従って生産されたワインを英国市場に上市することが、求められます。
英国が認可しているワインの規格や醸造の仕様については、維持規則(EU)No 1308/2013のANNEX や維持委任規則(EU) 2019/934で確認することができます。
ラム
ラム酒とは、サトウキビから砂糖を製造する際に生成される廃糖蜜または甘蔗汁をアルコール発酵させたもの、あるいはサトウキビの搾り汁そのものをアルコール発酵させて、アルコール度数96 %未満で蒸留して製造された蒸留酒をさし、瓶詰めする際のアルコール度数は最低37.5度以上のものと定義されています。アルコール添加、カラメル色素以外の着色、着香はできません(維持規則(EU) 2019/787)。
ウイスキー
※ただし、アイリッシュウイスキー・スコッチウイスキーの定義は除く。
ウイスキー(whiskyまたはwhiskey)とは、麦芽化されていない穀物の全粒の併用の有無を問わず、麦芽にした穀物の麦汁を蒸留したものであり、1) ほかの天然の酵素の併用の有無を問わず、そこに含まれる麦芽のジアスターゼ(アミラーゼ)により糖化され、2)酵母の作用により発酵された蒸留酒を指し、アルコール度数94.8 %未満で蒸留して製造され、蒸留液が使用原材料に由来する香りおよび味を有し、最終蒸留後最低3年間、700リットル以下の木樽での熟成が必要とされ、アルコール度数は最低40度のものと定義されています。アルコール添加、カラメル(E150a)以外の着色、着香 、甘味を含む添加物の添加はできません。 「シングルモルト」の法的名称は、単一蒸留所で大麦麦芽のみから蒸留された場合に使用できます。(維持規則(EU) 2019/787)
ウオッカ
ウオッカとは、じゃがいもや穀物または両方、あるいはその他の農産物原材料の酵母を発酵することで得られる農産物由来のエチルアルコールから作られる、スピリッツ飲料であり、アルコール度数は最低37.5度のものと定義されています。
ジン
※より詳細なロンドンジン、蒸留ジン(Distilled gin)、スロージン (Sloe gin) の定義は除く。
ジンとは、ジュニパーベリー(Juniperus communis L.)によりフレーバー付けをされた農産物由来のエチルアルコールの蒸留酒で、アルコール度数は最低37.5度のものと定義されています。香味物質または香料調製品あるいは両方をジンの製造で使用することができ、ジュニパーベリーの風味が主体となっているものを指します。最終製品の砂糖などの甘味料の添加が0.1g/1L以下である場合には「dry(gin)」をつけることができます。

その他の蒸留酒やリキュールの定義に関しても、維持規則(EU) 2019/787を確認してください。
なお、清酒や焼酎についての食品規格は定められていません。ただし、日英経済連携協定による、容器容量規制(四合瓶・五合瓶・一升瓶)の緩和の対象となる単式蒸留焼酎(いわゆる「本格焼酎」)の定義は、「日本国の酒税法第3条10に定義されるもの」とされています。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2021年7月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

英国では、使用可能な農薬について、ポジティブリスト制を採用し、食品の種類ごとに許容される残留農薬の上限値(Maximum Residue Limit、MRL)が規定されています(欧州議会・理事会維持規則(EC)No 396/2005)。MRLは、当該食品1キログラムあたりに許容される農薬量(mg/kg)として示され、MRLが設定されていない農薬と食品の組み合わせに対しては、一律0.01mg/kgの下限値が適用されます。 すべての食品に対するMRLは、「GB MRL register(英国農薬データベース)」で検索可能です。データベースは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。その他、詳細はジェトロ調査レポート「EUにおける残留農薬に関する規制(2015年2月)」も参照してください。

関連リンク

関係省庁
英国安全衛生庁 the Healthand Safety Executive (HSE)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC)No 396/2005(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
ジェトロ「EUにおける残留農薬に関する規制(2015年2月)」
英国農薬データベース(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2021年7月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

英国では、欧州委員会維持規則(EC)No 1881/2006で食品カテゴリーごとに含まれる汚染物質の上限値を規定しています。ここでの「汚染物質」とは、意図的に食品に添加されたものではなく、食品の生産(作物管理、畜産、獣医療における作業を含む)、製造、加工、調理、処理、包装、梱包、輸送および保管などのプロセスまたは生育環境に由来して、食品中に存在する物質をいいます(欧州理事会維持規則(EEC)No315/93 Article 1(1))。
本ページで定義するアルコール飲料が該当し得る汚染物質の上限値を抜粋すると、表のとおりです。

汚染物質の上限値
物質名 上限値 対象品目
アフラトキシン B1:2.0μg/kg すべての穀物および穀物加工品※1
B1,B2,G1,G2の総量:
4.0 μg/kg
すべての穀物および穀物加工品※1
オクラトキシンA 3.0 μg/kg 穀物加工品およびヒトが直接消費する穀物を含む、未加工穀物から作られるすべての製品※2
2.0μg/kg ワインや果実酒(スパークリングワインを含み、リキュールワインやアルコール度数15%以上のものを除く)
2.0μg/kg フレーバーのついたワインベースのアルコール飲料、ワイン醸造のフレーバーカクテル
80 μg/kg 飲料や菓子に使用されるスペインカンゾウ(liquorice)のエキス
パツリン 50μg/kg 蒸留酒※3 、シードルおよびその他のリンゴベースの醸造飲料
0.2mg/kg(ブドウの収穫年が2001 -2015年)
0.15mg/kg (ブドウの収穫年が2016年以降)
ワイン、スパークリングワイン、シードル、梨酒、果実ワイン
0.2mg/kg(ブドウの収穫年が2001 -2015年)
0.15mg/kg (ブドウの収穫年が2016年以降)
フレーバーのついたワインベースのアルコール飲料、ワイン醸造のフレーバーカクテル
無機スズ 100mg/kg 缶入りの飲料
メラミン 2.5mg/kg 乳児用調製食品および乳児用栄養補給調製食品を除くすべての食品

英国において、汚染物質に関する独自規制はみられません。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 1881/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EEC)No315/93(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU)No 2019/787(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。

4. 食品添加物

調査時点:2021年7月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

英国では、食品添加物に関しては欧州議会・理事会維持規則(EC)No 1333/2008に基づきポジティブリスト形式での規制が課されており、認可を得た食品添加物のみが使用を認められています。
EU規制におけるポジティブリストでは、食品添加物ごとに「使用可能な食品カテゴリー」および「許容含有量(定められていない食品添加物もある)」が定められているため、食品添加物が当該食品カテゴリーにおいて使用可能かどうかについても確認する必要があります。
ポジティブリストについては、英国政府のウェブサイトで検索が可能です。
また、同規則により、本稿で定義するアルコール飲料は、添加物を含むことが禁止されている飲食品(ANNEX II のPART A)にリストされていませんが、着色料の添加が禁止されている飲食品(同PART B)に、「26.ワインおよびその他の製品」「27.蒸留酒スピリッツ飲料」「28.サングリアなど」「32.モルト・モルト製品」が記載されています。

例えば、現状、ワインへの次の物質の使用または添加について、日本の法律では認められていますが、英国では認められていません。
L-アスコルビン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アンモニア、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、カゼインナトリウム、活性白土、カラギナン、寒天、キトサン(除:真菌起源)、ケイソウ土、小麦粉、柿タンニン、コラーゲン、酸性リン酸カリウム、酸性リン酸カルシウム、硝酸カリウム、食塩、ソルビン酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、パパイン、微少繊維状セルロース、フィチン酸、プロテアーゼ、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸

関連リンク

関係省庁
英国食品基準庁 食品添加物について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC)No 1333/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
英国政府 承認された食品添加物・E番号一覧(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品添加物検索データベース(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「EUにおける食品添加物に関する規制(2014年3月) 」
ジェトロ「食品添加物規制調査 EU(2016年2月)」 
ジェトロ「EUにおける食品香料食品酵素に対する規制動向(2017年3月)」

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2021年7月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

英国では、食品用の容器・包装をはじめ、調理器具や食品製造機械、食品輸送用のコンテナなど、食品と接触することが意図されているまたは通常の使用条件において食品と接触することが合理的に予見されるあらゆる素材・製品(Food Contact Material:食品接触素材)について、健康被害を引き起こしてはならない、食品成分に許容できない変化を引き起こしてはならない、食品の味・香り・食感などを劣化させてはならない旨が定められています(欧州議会・理事会維持規則(EC)No 1935/2004)。また、欧州委員会維持規則(EC)No 2023/2006においては、食品接触素材の製造工程における適正製造規範(Good Manufacturing Practice:GMP)がそれぞれ定められています。
欧州議会・理事会維持規則(EC)No 1935/2004 ANNEX Iには、食品接触素材の製造に使われる17の素材および製品(アクティブ・インテリジェント素材、接着剤、セラミック、コルク、ゴム、ガラス、イオン交換樹脂、金属・合金、紙・ダンボール紙、プラスチック、印刷用インク、再生セルロース、シリコン、繊維、ニス・コーティング材、ワックス、木材)が列挙されていますが、そのうちアクティブ・インテリジェント素材、セラミック、プラスチック、再生セルロースにのみEUレベル(英国を含む)で特定の規則が定められています。

アクティブ・インテリジェント素材(鮮度保持などの目的で食品から物質を吸収する素材(吸湿材など)、容器内に物質を放出する素材(防腐剤を放出する鮮度保持材など)、食品の状態を監視する素材(温度変化に反応する素材など))については、食品と誤認されるおそれがある場合には、欧州委員会規則(EC)No 450/2009の規定により、3mm以上のフォントサイズで‘DO NOT EAT’と表記する必要があります。なお、調査時点では、ポジティブリストは制定されていません。

セラミック素材については、カドミウムと鉛の検出上限値が欧州理事会維持指令(EEC)No 84/500に規定されています。

プラスチック素材についてはポジティブリスト形式での使用規制がなされており、欧州委員会維持規則(EU)No 10/2011 ANNEX Iのリストに掲載されている物質を原料として製造されたプラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています(ただし、複数のプラスチック層からなる食品接触素材で、食品と接触しない層に使われるプラスチック原料については、当該層が機能的なバリア層によって食品接触層から隔離されており、かつ、当該原料が食品に移行しないことが検査によって確認できていれば、ANNEX Iのリストに記載されていない物質も利用することができます)。このリストは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。

また、再生セルロースについてもポジティブリスト形式での使用規制がなされており、欧州委員会維持指令(EC)No 2007/42 ANNEX IIのリストに掲載されている物質を原料として製造された再生セルロースのみが、食品接触素材として使用可能となっています。

さらに、欧州委員会維持規則(EC)No 1895/2005により、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(BFDGE)、ノボラックグルシジルエーテル(NOGE)は、食品接触素材(吸湿剤などを含む)への使用が禁止されるとともに、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE)およびその派生物は、食品接触素材(吸湿剤などを含む)に使用する場合の上限値が定められています。

なお、ワインおよび蒸留酒については、維持指令2007/45/ECにおいて販売可能な容量サイズが規制されており(例:非発泡性ワインは100、187、250、375、500、750、1,000、1,500の8種、蒸留酒は100、200、350、500、700、1,000、1,500、1,750、2,000の9種)、日本で流通している四合瓶(720ml)や一升瓶(1,800ml)は流通・販売が認められていませんが、清酒は当該規制の対象に含まれないため、四合瓶や一升瓶での輸出が可能です。また、日EU経済連携協定(日EU・EPA)の発効に伴い、単式蒸留焼酎(いわゆる「本格焼酎」)の容器容量規制が緩和され、四合瓶・一升瓶でも輸出できるようになり、日英包括的経済連携協定(日英・EPA)においては、これに加えて五号瓶(900ml)でも輸出できるようになりました。

また、第三国からEUへの貨物の輸入に用いられる木材梱包材(パレットや木箱など)に関しては、維持規則(EU) 2016/2031第43 条に規定されるとおり、隔離病害虫の侵入およびまん延の経路となる可能性があることから、植物衛生措置の国際規格 no.15「ISPM15」の要件を満たしている必要があります。詳細は、「花き」の「5.食品包装規制」 で確認することができます。

6. ラベル表示

調査時点:2021年8月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

英国独自のラベル表示規則
英国政府のガイダンスでは、英国(北アイルランドを除く)内で販売する商品は、2022年9月30日までにラベル表示を英国の規則に基づき変更する必要があることとされています。ラベルの変更実施の責任機関は英国(北アイルランドを除く)の自治体にあり、別市場のラベル付け要件に準拠する必要がある場合は、ラベルにほかの情報を含めることは可能です。北アイルランドについては、アイルランド/北アイルランド議定書に基づき北アイルランドで販売する商品のラベル表示はEU規則の順守を継続するとされているものの、英国政府は事業者に新たな規則に対応するための時間が必要だと認識しているとされています。英国政府は北アイルランドの農業・環境・農村地域省と地域議会と連携して、北アイルランド市場でのラベル表示要件の実施手法について検討を行っています。識別マーク、FBO住所、英国(北アイルランド)原産表示に関する実施手法はラベル表示の変更点に沿いながら、適切でリスクに基づいたものになるとしています。
英国(北アイルランドを除く)で販売される梱包済みの食品またはチーズの主成分になるカゼインには、2022年9月30日までに食品事業者(FBO:Food Business Operator )の英国の住所を含める必要があります。FBOが英国にない場合は、輸入者の住所を記す必要があります。北アイルランドで販売される場合、2021年1月1日以降、北アイルランドまたはEUのFBOの住所を記載する必要があり、FBOがない場合、輸入者の住所を記す必要があります。
EU維持規則で規定されるラベル表示規則
英国では、食品のラベル表示は、欧州議会・理事会維持規則(EU)No 1169/2011で規定されています。同規制は英国で流通する食品全般(ケータリング向け食品含む)に適用され、輸入食品にも適用されます。英国市場で流通し消費者に販売される時点から、輸入者もしくは販売者に表示の義務が課されます。アレルギー物質や栄養素の表示など、日本よりも義務表示の対象が広い項目もあるため、注意が必要です。
アルコール飲料を輸出する場合、同規則Article 9に基づき次の項目を表示する義務があります。なお、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されている(詳細は後述)ほか、オンライン販売などの手法により遠隔地から販売する事業者にも同様の規定が適用されます。
ラベル表示義務
  1. 商品名
    商標やブランド名は表記できますが、商品名称としての使用はできません。
  2. アレルゲン(該当物質は次のとおり。詳細については、同規則ANNEX IIを参照)
    1. グルテンを含む穀物(小麦、大麦、オーツ麦など)および同製品(一部例外あり)
    2. 甲殻類および同製品
    3. 卵および同製品
    4. 魚および同製品(一部例外あり)
    5. ピーナッツおよび同製品
    6. 大豆および同製品(一部例外あり)
    7. 乳(ラクトースを含む)および同製品(一部例外あり)
    8. ナッツ類およびその製品
    9. セロリおよび同製品
    10. 辛子および同製品
    11. ゴマおよびその製品
    12. 濃度が1キロ/1リットル当たり10mg超の二酸化硫黄または亜硫酸塩
    13. ルピナス(マメ科植物)および同製品
    14. 軟体動物および同製品
    以上のことから、前述のアレルゲンに関連して、次のいずれかが含まれる場合、ラベルに記載する必要があります。
    • 酸化防止剤などが10 mg/ℓを超えるワインには「二酸化硫黄(sulphur dioxide)」「亜鉛酸化塩(sulphites)」「亜硫酸塩(sulfites)」と記載
    • 最終製品に卵成分・乳成分の清澄剤が0.25mg /ℓ を超えるレベルで検出される場合、「卵‘egg’」 「卵タンパク質 ‘egg protein’」「卵製品 ‘egg product’」「卵リゾチーム ‘egg lysozyme’ 」や「卵アルブミン‘egg albumin’」あるいは「乳‘milk’」「,乳製品 ‘milk products’」「カゼイン‘milk casein’」「乳タンパク質‘milk protein’」を「含む (contains)」と記載
  3. 正味容量
    体積単位で、「ミリリットル」、「センチリットル」、「リットル」のいずれかで表示します。
  4. 賞味期限「best before /best before end」で表示 (アルコール度数10%以上の場合、あるいは一部のワインは省略可能)
  5. 特別な貯蔵条件/使用条件(ある場合)
  6. (当該商品について責任を負う)英国EU域内の事業者あるいは輸入業者の名称と住所
  7. アルコール度数

アルコール度数1.2%を超える場合は、アルコール度数を小数点第一位まで明記する必要があります(「○度~○度」などの幅を持たせた表示は不可)。アルコール度数の後には「%vol.」と表記しなければなりません。アルコール含有を意味する「alcohol」、または「alc」をアルコール度数の前に表記することも可能です。アルコール度数は摂氏20度で決定されます(日本では酒税法上摂氏15度)。表示に際して許容される誤差は、次のとおりです。

アルコール度数の表示で許容される誤差の範囲
品目 許容される誤差
アルコール度数5.5% vol.以下のビール、
ワイン(発泡性のものを除く)
±0.5%vol
アルコール度数5.5% vol.を超えるビール、
ワイン(発泡性のものに限る)、
ブドウ以外の果実から作られるサイダー、ペリー、果実ワインおよび
類似の製品(微発泡性か発泡性かは問わない)、蜂蜜酒
±1%vol
果実または植物を浸けたアルコール飲料 ±1.5%vol
アルコール度数1.2% vol.を超えるほかのすべての飲料 ±0.3%vol

栄養表示に関しては度数1.2%以上のアルコール飲料は表示義務対象外ですが、エネルギー量のみを任意で表示することも可能です。エネルギー量を表示する場合は、kJとkcalの両方を記載しなければなりません。

健康強調表示の禁止
また、欧州議会・理事会維持規則(EC)No 1924/2006により、アルコール度数1.2% 以上のアルコール飲料に関しては、ポジティブリストに掲載されていない健康強調表示(「カルシウムは〇〇の促進に寄与します」「赤ワインは〇〇を治療する」などの表現」)が禁止されています。また、アルコール飲料に関する栄養強調表示は、「低アルコール度数」「アルコール量オフ」「エネルギー量オフ」の表示のみが認められていますが、EUレベルでは基準となる値が規定されていません。
アルコール度数10%以上の清酒で、賞味期限の表示を省略した場合は、これらに加え、維持指令2011/91/EUに基づき、製品ロット番号の表示が必要になります。
補完のラベル表示義務(特定の原材料に関する注意喚起)
また、次に該当する場合は、維持規則(EU)No 1169/2011のANNEX IIIに基づき、追加表示義務があります。
  • 密閉した包装容器内の空気を除去し、窒素などその他のガスを充てんしたガス充てん包装がなされた食品については、「packaged in a protective atmosphere」と表示する必要があります。
  • (食品添加物として認可された)甘味料を含む場合は「with sweetener(s)」、砂糖と甘味料の両方を添加した場合は「with sugar(s)and sweetener(s)」と食品名に添える必要があります。特にアスパルテームを含む場合で、原材料リストにはアスパルテームのE番号(添加物番号)のみを記載している場合には「contains aspartame(a source of phenylalanine)」とラベルに記載する必要があります。
  • ポリオールを10%超添加した場合は、「excessive consumption may produce laxative effects」(摂り過ぎるとおなかがゆるくなることがある)旨を記載する必要があります。
  • 甘草(カンゾウ・リコリス)あるいはグリチルリチン酸など(甘草抽出物)を含む場合は、濃度により「contains liquorice – people suffering from hypertension should avoid excessive consumption」(甘草が含まれています-高血圧の方は過剰摂取を避けてください)などと記載する必要があります。
  • カフェインの含有量が150mg/リットルを超える飲料(希釈または抽出して飲む飲料を含む)の場合には、「高カフェイン含有。子供、妊婦、授乳中の女性にはお奨めしません(High caffeine content. Not recommended for children or pregnant or breast-feeding women)」と商品名と同一視野内に記載したうえで、続けてカフェイン含有量(mg/100ml)をカッコ書きで表記する必要があります。
  • フィトステロール類、フィトスタノール類を含む場合には、食品名と同一視野内に「with added plant sterols」などの記載したうえで、原材料リストに添加量の表示義務があるほか、摂取対象者などに関する記載義務があります。
原材料の原産地表示
これらに加え、委員会実施維持規則(EU)2018/775の規定により、最終製品の原産地と、最終製品に含まれる主原料の原産地が異なる(例えば、最終製品の「ミートパイ」と主原料の「ミート」の原産地が異なる)場合には、当該主原料の原産地を記載するか、「(〇○:主原料)は(××:最終製品の原産地)に由来しない」(○○ do/does not originate from ××)と記載する必要があります。なお、ここでの主原料とは、最終製品の50%以上を占める原材料、または、製品の名称から消費者が通常想起する原材料(「ミートパイ」における「ミート」)を指します。また、最終製品の原産地が表記されていなくても、原産地を想起させる国旗などがパッケージに表示されている場合は、本規制の対象となります。

これらに加え、委員会実施規則(EU)2018/775の規定により、最終製品の原産地と、最終製品に含まれる主原料の原産地が異なる(例えば、最終製品の「ミートパイ」と主原料の「ミート」の原産地が異なる)場合には、当該主原料の原産地を記載するか、「(〇○:主原料)は(××:最終製品の原産地)に由来しない」(○○ do/does not originate from ××)と記載する必要があります。なお、ここでの主原料とは、最終製品の50%以上を占める原材料、または、製品の名称から消費者が通常想起する原材料(「ミートパイ」における「ミート」)を指します。また、最終製品の原産地が表記されていなくても、原産地を想起させる国旗などがパッケージに表示されている場合は、本規制の対象となります。

食品のラベルに使用される言語は、英語となり、文字の大きさについては、次のとおり指定されています(欧州議会・理事会規則(EU)No 1169/2011 Article 15)。

  • 包装面の最大面積が80cm2以上の場合、「x」の文字の高さ(図中の6)は1.2mm以上
  • 包装面の最大面積が80cm2未満の場合、「x」の文字の高さは0.9mm以上

委員会維持施行規則(EU)No 828/2014に基づき、グルテン含有量が20mg/kg以下である場合には「gluten-free」の表示が可能です。その際には、「gluten-free」の表示とともに「suitable for people intolerance to gluten(グルテン不耐症のヒト向け)」または「suitable for coeliacs(セリアック病患者向け)」の文言を付すことも可能です。

地理的表示(GI)保護
日英包括的経済連携協定(日英・EPA)により、日本の地理的表示(GI)が英国内で保護されています。そのため、清酒、すなわち、「日本酒」「山形」「白山」、焼酎の「壱岐」「球磨」「琉球」「薩摩」ワインの「山梨」について英国で保護されます。他方、英国で保護されている蒸留酒の名称「スコッチ・ウイスキー」、「アイリッシュ・ウイスキー」、「アイリッシュ・クリーム」を商品名として使用することもできません。リストはEU維持規則(EC) No 110/2008 ANNEX IIIおよび欧州委員会のウェブサイトで確認することができます。

関連リンク

関係省庁
英国食品基準庁(FSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局「健康強調表示検索データベース」(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EU)No 1169/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)2018/775(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)No 828/2014(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 1924/2006(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(107KB)
規則(EC) No 110/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
国税庁「諸外国との間で相互保護に合意している地理的表示(GI)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「EUにおける食品ラベル表示に関する規制(2014年3月)」
ジェトロ「新食品ラベル表示規則(1169/2011)の適用に関する Q&A(仮訳)(2014年3月)」PDFファイル(1.0MB)
ジェトロ「健康食品関連規制調査(EU)(2017年3月)」
英国政府2021年1月1日からの飲食物のラベル表示の変更について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府食品ラベルと包装(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府ワインラベル(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 蒸留酒の地理的表示(GI)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会Food Labelling Information System (FLIS)(食品ラベル規則の検索ツール)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ EU向け食品ラベルの翻訳例(2020年12月)
ジェトロ「英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)」

7. その他

調査時点:2021年7月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

1)英国外から輸入される食品については、欧州議会・理事会維持規則(EC)No 178/2002に基づきEU維持規制が求める衛生基準などとの同等性(輸出国と特定の合意がある場合はその合意事項)を満たす必要があります(同規則Article 11)。

2)英国の食品輸入事業者は、輸入した食品が英国の食品衛生要件を満たしていないと判断した場合、即時に製品を市場から回収する手続きをとり、所管当局に通知する義務があります(欧州議会・理事会維持規則(EC)No 178/2002 Article 19)。また、同規則では、食品がヒトの健康や環境に甚大なリスクをもたらす可能性があると判断された場合、英国が当該食品の上市停止などの緊急措置をとることが認められています(同規則Article 53)。

英国の食品の食品衛生要件に関しては、欧州議会・理事会維持規則 (EC) No 852/2004 (一般食品衛生規則)と欧州議会・理事会維持規則 (EC) No 853/2004 (動物由来食品衛生規則)で規定されています。

関連リンク

根拠法等
規則(EC)No 178/2002(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) No 852/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) No 853/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。

英国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2021年7月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

英国においては、清酒の輸入に際してライセンスなどの要件は定められていません。

英国の輸入業者として必要な情報
英国へ植物を輸入の際に使用するEORI番号の取得などにあたり、VAT番号、納税者固有番号(UTR:Unique Taxpayer Reference)、事業開始日および産業分類(SIC:Standard Industrial Classification)コード、「Government Gateway(英国政府ウェブサイト)」のアカウントなどの情報が必要となります。
その他、詳細はジェトロレポート「移行期間終了後の英国ビジネス関連制度英国の輸入にかかる通関手続き」で確認することができます。

【EORI番号について】
英国のEU離脱移行期間終了に伴い、英国はEUの制度から独立したEORI番号(Economic Operators Registration & Identification number)制度を導入します。そのため、英国において、英国外の国との輸出入を行う場合、英国によって発行されたGBで始まる12桁のGB EORI番号が必要となります。 GB EORI番号は、英国で輸出入通関を行う(輸入申告の延期を含む)すべての企業に必要です。 GB EORI番号を申請するための詳細については、英国政府のウェブサイト(Get an EORI number: https://www.gov.uk/eori?step-by-step-nav=db1149f5-f60a-4d02-be0c-9c9db2828665)を参照してください。番号申請には5〜10分、取得には最大で 5営業日ほどかかります。EU諸国との貿易をしているVAT登録事業者は、既にEORI番号を登録しているため、該当事業所のEORI番号を確認し、「GB」で始まる番号でない場合はGB EORI番号の申請をしてください。

その他、輸入側として必要な手続きは英国政府サイトおよびジェトロのサイトでも確認することができます。

関連リンク

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2021年9月

日本から英国にアルコール飲料を輸入する際に、次の書類が必要になります。

  1. 通関申告書(単一管理文書 (SAD : Single Administrative Document C88フォーム))
    英国外の第三国とのすべての輸出入手続きに必要な共通申請書。様式は委員会維持実施規則(EU) 2016/341 Appendix B1および英国政府のサイトに記載されています。
  2. インボイス(商業送り状)
  3. パッキングリスト(包装明細書: P/L)
  4. 価格申告書(Customs Value Declaration)
    CIF価格が2万ユーロを超える場合、SADとあわせて価格申告書の提出を求められます。様式は維持規則 (EU) 2016/341 ANNEX 8に記載されています。
  5. 船荷証券(Bill of Lading: B/L)/航空運送状(Air Waybill: AWB)

ワインの場合は、「ワイン輸出証明書」または「日本ワイン輸出証明書」の添付が必要です。

有機製品の場合、英国の有機輸入検査認証(COI)の原本を、貨物の到着前までに湾岸保健地方管理局(PHA)に送付する必要があります。裏書きされたCOI(原本あるいはコピー)なしで有機委託貨物が到着した場合、その委託貨物は有機として通関できません。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2021年9月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。さらに、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

英国に日本からアルコール飲料を輸入する場合、特別な検疫上の措置は求められません。ただし、公的管理の維持規則(EU)No 2017/625第44条および第47条に基づき、通常国境管理所で公的管理の対象とならない製品も、リスクに応じた適切な頻度で定期的に、英国の食品衛生基準に適合しているか、消費者を誤認させる可能性があるかどうかのサンプリング検査をしており、書類検査または、同一検査あるいは現物検査が実施される場合があります。

検査に要した費用は請求されます。

関連リンク

根拠法等
維持規則(EU)No 2017/625(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
残留農薬のMRLへの適合を判定するための推奨サンプリング法(CODEX) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(213KB)
RECOMMENDED METHODS OF SAMPLING FOR THE DETERMINATION OF PESTICIDE RESIDUES FOR COMPLIANCE WITH MRLS (CAC/GL 33-1999), Codex Alimentarius Commision, FAO(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(126KB)
その他参考情報
規則(EU)2016/341(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4. 販売許可手続き

調査時点:2021年7月

イングランド・ウェールズでお酒を販売または供給する者は、ライセンスや類似の認可が必要です。これは、パブやバー、劇場や映画館、ナイトクラブ、持ち帰り専用店、スーパーマーケットなど多岐に渡ります。こうしたライセンスには、次の3種類があります。

  1. 店舗ライセンス:恒常的にアルコール飲料を販売または供給する事業体
  2. 個人ライセンス:アルコール飲料の販売または供給を計画する者
  3. クラブ店舗認可:アルコール飲料を販売または供給する慈善団体などのクラブ組織

次において、これらのうち、1と2について詳述します。

店舗ライセンス
店舗ライセンスの取り扱いに際しては、新規取得費、大幅な内容変更費、年会費として、当局に料金が徴収されます(2003年ライセンス法に係る2005年料金規則)。ただしこの料金はビジネスレート(おおむね日本の固定資産税に相当)によって大きく変わるため、英国政府のウェブサイトを参照してください。
店舗ライセンスは、オンラインで申請ができますが、イングランドおよびウェールズ、スコットランド、北アイルランドで申請先が異なるため注意してください。
なお、申請が適切に行われた場合、当局から認可されますが、一方で説明や条件を求められる場合もあります。
個人ライセンス
店舗ライセンスを有し販売または供給する事業者にあっては、指定店舗管理者(Designated Premises Supervisors)(後述)の登録が必要ですが、指定店舗管理者は、個人ライセンスを取得している必要があります。一方、当該事業者に雇用されて販売する者は、個人ライセンスの取得は不要です。
指定店舗管理者(Designated Premises Supervisors)
アルコール飲料を販売するすべての事業者は、指定店舗管理者(Designated Premises Supervisors)を定める必要があり、店舗ライセンス申請手続きの中で、申請ができます。指定店舗管理者は、日々の事業経営の責任を有する者である必要があります。
卸売業者からのアルコール飲料の調達
英国の卸売業者からアルコール飲料を調達する際、当該卸売業者が、アルコール飲料卸売業者登録スキームの下、英国歳入関税庁において認可された者である必要があります。これは、英国歳入関税庁の卸売業者識別登録番号というウェブサイトで確認することができます。万が一、非認可の事業者から調達した場合、罰則や刑事訴追を受ける可能性があります。 詳細は英国政府のウェブサイト「アルコール飲料卸売業者登録スキームを確認してください。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ライセンスの変更
ライセンスの登録内容の変更時は、手続きが必要です。大幅な変更(Full Variations)と軽微な変更(Minor Variations)で手続きが異なるため、詳細は英国政府のウェブサイトを参照してください。

5. その他

調査時点:2021年7月

なし

英国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年9月

英国の関税はThe UK Global Tariff(以下「UKGT」)として英国政府のウェブサイトに掲載されていますので、該当する品目の関税率を特定する必要があります。なお、日英包括的経済連携協定(以下「日英・EPA」)適用後の関税率は、表のとおりです。
日英・EPAの適用を受けるには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となります。日英・EPAでは、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。原産地証明に関しては、税関のウェブサイトで確認することができます。また、商品に非日本産原料が含まれている場合、原産性は日英・EPAの品目別原産地規則に基づいて判断してください。判断が困難な場合は、事前教示の制度により税関当局に照会することができます。

日・英 EPAにおけるCNコードと関税率
CNコード/品目 通常(UKGT) 日・英
EPA適用
2203.00
10リットル以下の容器に瓶詰めされたビール
非課税(0%) 非課税(0%)
2204.10.9400
地理的表示保護(GI)のスパークリングワイン(強化ぶどう酒を含むものとし、生鮮のぶどうから製造したものに限り、ぶどう搾汁や果実ジュースを除く)
26.00 GBP/100リットル* 非課税(0%)
2204.10.9600
GI以外の品種のスパークリングワイン(強化ぶどう酒を含むものとし、生鮮のぶどうから製造したものに限り、ぶどう搾汁や果実ジュースを除く)
26.00 GBP /100リットル* 非課税(0%)
2204.21.0700
上記スパークリングワイン以外の地理的表示保護(GI)のぶどう酒およびぶどう搾汁でアルコール添加により発酵を止めたもの( 2リットル以下の容器に入ったもの)
26.00 GBP /100リットル* 非課税(0%)
2204.21.0800
上記スパークリングワインならびにGI以外の品種のぶどう酒およびぶどう搾汁でアルコール添加により発酵を止めたもの ( 2リットル以下の容器に入ったもの)
26.00 GBP /100リットル* 非課税(0%)
2206.00.3900
ワインなどを除くその他の発酵酒、発酵酒の混合物および発酵酒と非アルコール飲料の混合物で発泡性のもの(スパークリングの清酒が含まれる)
16.00 GBP /100リットル 非課税(0%)
2206.00.5900
ワインなどを除くその他の発酵酒、発酵酒の混合物および発酵酒と非アルコール飲料の混合物で非発泡性、容量2リットル以下のもの(スパークリンクではない清酒で、2リットル以下のものが含まれる)
6.40 GBP /100リットル 非課税(0%)
2206.00.8900
ワインなどを除くその他の発酵酒、発酵酒の混合物および発酵酒と非アルコール飲料の混合物で非発泡性、容量が2リットルを上回るもの(スパークリンクではない清酒で、2リットルを上回るものが含まれる)
4.80 GBP /100リットル 非課税(0%)
2208.30.1100
2リットル以下の容器に入れられた、スコッチウイスキーを除くウイスキー
非課税(0%) 非課税(0%)
2208.40.1100
ラムその他これに類する発酵したさとうきびの製品から得た蒸留酒
0.50 GBPxアルコール度数(%vol.)/100リットル + 2.6 GBP ユーロ/ 100リットル 非課税(0%)
2208.50-2208.70
ジン、ウオッカ、リキュール(混成酒)
非課税(0%) 非課税(0%)
2208.90.56
2リットル以下の容器に入れられた、焼酎などの蒸留酒(ウイスキー、ラム、テキーラ、ウーゾ、キルシュ、洋梨やプラムなど果実の蒸留酒、アラック酒以外)
非課税(0%) 非課税(0%)
2208.90.77
2リットル以上の容器に入れられた、焼酎などの蒸留酒(ウイスキー、ラム、テキーラ、ウーゾ、キルシュ、洋梨やプラムなど果実の蒸留酒、アラック酒以外)
非課税(0%) 非課税(0%)

*通常はEPAの適用後でも、参入価格制度は維持されますが、米国、リヒテンシュタイン、スイス、日本は免除されるため、課税されません。

2. その他の税

調査時点:2021年9月

英国への輸入には、輸入関税に加え、付加価値税(VAT)や酒税(物品税)が課されます。
英国におけるアルコール飲料に対するVAT税率は20%です。

英国において清酒に課される酒税
種類 酒税率
ビール 19.08ポンド/100リットル
アルコール度数が7.5%を超えるビールにかかる追加の税 5.69ポンド/100リットル
アルコール度数が1.2%を超え、2.8 %を超えないビール 8.42 ポンド/100リットル
蒸留酒 28.74 ポンド/100リットル
蒸留酒をベースとしたカクテルドリンク 28.74 ポンド/100リットル
英国においてワインおよび清酒に課される酒税
種類 酒税率
アルコール度数が1.2%より高く4%以下のもの 91.68ポンド/100リットル
アルコール度数が4%より高く5.5%以下のもの 126.08ポンド/100リットル
アルコール度数が5.5%より高く15%以下の非発泡性のもの 297.57ポンド/100リットル
アルコール度数が5.5%より高く8.5%未満の発泡性のもの 288.10ポンド/100リットル
アルコール度数が8.5~15%以下の発泡性のもの 381.15ポンド/100リットル
アルコール度数が15%より高く22%以下のもの 396.72ポンド/100リットル
アルコール度数が22%より高いもの 28.74ポンド/純アルコール1リットル

関連リンク

関係省庁
英国歳入関税庁 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令(EEC) 92/84 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※ 関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
Value Added Tax Act 1994(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 関税検索サイト(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国歳入関税庁 英国の酒税率(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

3. その他

調査時点:2021年7月

なし

その他

調査時点:2021年9月

英国では、2018年EU離脱法(2020年EU(離脱協定)法にて改正)に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU法は、原則的に国内法体系に、直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、移行期間終了時点のEU指令に基づく国内法の効力も維持)。また、英国独自の国内法も別途設けられており、一部EUの要求事項から変更がある可能性に留意してください。

有機食品に関する規制
2021年1月1日以降、英国で有機食品を取引する場合、英国の規則(イングランド、ウェールズ、スコットランド)を順守する必要があり、EUの規則と類似のものとなる予定です。
英国に有機食品を輸入する場合、英国の有機認証団体から認可を受け、その詳細を商品のラベルに記載することが必要です。また、2021年1月1日以降、英国の食品にEUの有機ロゴを利用することはできません。
ただし、英国はEU、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、スイスの有機認証の同等性を2023年12月31日まで認めています。このため、この期間はEUなどで有機認証されている食品は、英国で有機食品として登録することが可能です。(EUの有機認証食品をEUから英国に輸入する場合、2022年7月1日まで検査認証(COI certificate of inspection)も不要。)
日本の特定の有機JAS食品は、調査時点で、英国との間で同等性が認められており、英国(イングランド、ウェールズ、スコットランド)に有機食品として輸出できますが、紙ベースの有機食品の輸入検査認証(COI)が必要となります。ただし、清酒などアルコール飲料は、有機JAS認定の対象外であるため、英国内で有機商品として販売することを希望する場合は、英国の有機の認定を取得する必要があります。詳細は、環境・食糧・農村地域省(DEFRA)にお問い合わせください。
英国に有機食品を輸入する際、EUの TRACESシステムは利用できません。ただし、北アイルランド向けはEUの TRACESシステムを経由する必要があります。詳細はジェトロポータルサイトEU向け「有機食品に関する規制」で確認することができます。
英国で有機食品を第三国から輸入、販売するための要件およびそのラベル表示に関する規制は、欧州理事会維持規則(EC)No 834/2007および維持規則(EC)1235/2008で規定されています。EUでは新公的管理の規則(EU)No 2017/625に照らし合わせ、新規則 (EU) 2018/848が、2022年1月1日から適用されますが、英国では適用されません。