日本からの輸出に関する制度

林産物の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する林産物のHSコード

4407:木材(縦にひきもしくは割り、平削りしまたは丸剥ぎしたもので、厚さが6ミリメートルを超えるものに限るものとし、かんながけし、やすりがけしまたは縦継ぎしたものであるかないかを問わない)
4412:合板、ベニヤドパネル、その他これらに類する積層木材

タイの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2022年9月

日本からの林産物の輸入は可能です。
なお、ワシントン条約(CITES)で規制されている植物の場合は、事前に経済産業大臣からCITES輸出許可書などの発給を受ける必要がありますが、加工木材や合板は規制対象外となる場合もあるため、詳細は経済産業省のウェブサイトで確認してください。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2022年9月

タイに輸入される林産物については、すべて、輸出者側の植物検疫証明書が必要です。
また、EPA協定(日タイ、日ASEAN、RCEP)による税率の適用を受ける場合、輸出者側の特定原産地証明書が必要です(日本商工会議所が発給)。

なお、現在、商務省外国貿易局において、林産物の輸入に関する商務省告示案が検討されています。この告示案が適用された場合、告示で指定されるHSコードの林産物については、輸入時に原産地証明書(Certificate of Origin: C/O)または輸出国当局により発行された林産物の輸出許可を示す証拠を通関時に提出する必要があります。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2022年9月

タイに輸入される林産物については、すべて、輸出者側の植物検疫証明書が必要です。植物防疫所に植物検疫の申請を行い、輸出検査を受ける必要があります。

タイの製品関連の規制

1. 製品規格

調査時点:2022年9月

林産物に関する規格として、工業製品規格法に基づく「ベニヤ合板」などのタイ工業製品規格(任意規格)があります。

2. 残留農薬および動物性薬品

調査時点:2022年9月

なし

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2022年9月

なし

4. 食品添加物

調査時点:2022年9月

なし

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2022年9月

なし

6. ラベル表示

調査時点:2022年9月

なし

7. その他

調査時点:2022年9月

なし

タイでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2022年9月

タイ農業協同組合省農業局、天然資源・環境省森林局での手続きが必要です。

  1. 農業局のNSWシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから事業者登録を行い(ユーザーネームとパスワードを取得)、植物検疫法に基づく植物輸入申告書、その他の必要書類を提出します。システム上で申告書受理番号が表示され、関税局のシステムに情報が送付されます。
    • 事業者登録
      必要書類(法人):
      • 法人登記証明書
      • 代表者の身分証明書
    • 輸入申告(メニュー内の植物検疫システムを選択)
      必要書類:
      • 植物輸入申告書(P.Q.5)(システム内で選択し入力)
      • 日本の植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)
      • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)
      • 輸入申告書
  2. 通関時に行う関税法に基づく共同検査の申請と森林法に基づく移動許可書の申請に必要な森林局のRFD Single Windowsシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの利用者登録を済ませておきます。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年9月

輸入前

輸入者は、次のいずれかから通関者登録を済ませておく。

輸入日

  1. 輸入者は輸入申告書と必要書類を植物検疫所に提出する。
  2. 納税する。
  3. 担当官が書類とシステム上のデータを確認する。
  4. 農業局の植物検疫検査を受ける。
  5. 検査合格後、データがシステムに送付され、植物輸入許可書(P.Q.6)がシステム内で発行される。
  6. 輸入者が森林局・関税局の共同検査申請書を提出する。
    -HSコード4401-4408は森林局のRFD Single Windowシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます上で申請。
    -HSコード4412は林産物チェックポイントの担当官に連絡し、倉庫で検査を受ける。
  7. 共同検査後、データがシステムに送付される。
  8. 移動許可書(HSコード4401-4408該当品のみ)を森林局のRFD Single Windowシステムで申請する。輸入申告書に表示される共同検査済み番号が必要。
  9. 輸入申告書、移動許可書(移動許可書がない品目の場合は納税伝票)をもって貨物を引き取り、指定されたルートに従い移動させる。
通関必要書類
  • 日本の植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)
  • 法人登記証明書
  • 会社代表者のIDカード/パスポート写し
  • 申請者のIDカード/パスポート写し
  • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)
  • 輸入申告書
  • 特定原産地証明書(該当する場合)
  • 申請を委任する場合は委任状
共同検査申請必要書類
  • 輸入申告書
  • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)
  • 日本産品であることを示す原産地証明書(もしあれば)
  • 納税伝票
移動許可書申請必要書類
  • 共同検査後の番号が入った輸入申告書
  • インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)
  • 日本産品であることを示す原産地証明書(もしあれば)
  • 納税伝票

*移動許可書手数料チーク木材は1部50バーツ、その他木材は20バーツ

関連リンク

関係省庁
タイ農業協同組合省農業局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ財務省関税局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
タイ天然資源・環境省森林局(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
1964年植物検疫法、1999年(第2版)、2008年(第3版)(タイ語) PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(149KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(80KB)
2008年農業局告示「禁止品・制限品・非禁止品の輸入または経由原則、方法、条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(628KB)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(497KB)
2016年農業局告示「電子方法による1964年植物検疫法及び改正法に基づく禁止品、制限品、非禁止品の輸入、経由、輸出目的の輸入原則、方法および条件」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(155KB)
1941年森林法(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(340KB)
1941年森林法に基づく省令No.23(1975年)「手数料」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(147KB)
1941年森林法に基づく省令No.26(1985年)「木材または林産物の移動」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(4.6MB)
2009年森林局規則「木材または林産物の移動」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(388KB)
森林局告示「電子方法による木材または林産物の移動許可書の発行申請」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(180KB)
2017年関税法(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
該当箇所:พระราชบัญญัติศุลกากร พ.ศ. 2560 (ภาษาไทย)(タイ語)、พระราชบัญญัติศุลกากร พ.ศ. 2560 (คำแปลภาษาอังกฤษ)(英語)
関税局告示35/2018号「木材・木製品の輸入に関する通関手続き」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(40KB)
関税局告示94/2021号「通関手続き者登録」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(6,553KB)
関税局告示131/2018号「税関関連のその他の法令の基づいた情報接続のための電子通関手続き」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(151KB)
関税局告示32/2022号「税関関連のその他の法令の基づいた情報接続のための電子通関手続き」(第2版)(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1,738KB)
関税局告示134/2018号「電子通関手続き」(タイ語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(5,202KB)
その他参考情報
関税局ウェブサイト(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
関税局トレーダーポータル(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
森林局のRFD Single Windowシステム(タイ語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「輸出入手続き」

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2022年9月

農業局植物検疫所

書類審査、貨物と書類記載内容との照合のほか、病害虫、検疫対象となる病害虫、土、雑草などの付着の有無について、目視検査が行われます。これらが付着していると検査を通りません。書類に不備があり、輸入者が期限内に修正できない場合、返送または廃棄命令が出されます。生きている一般的な病害虫が確認された場合、駆除命令が出され、駆除完了後に輸入許可書が発行されます。検疫対象となる病害虫が確認された場合、またはその疑いがある場合、農業局の研究室で詳細が確認されます。駆除が可能な場合は、駆除命令が出され、駆除完了後に輸入許可書が発行されます。駆除が不可能な場合は、返送/廃棄命令が出されます。

森林局共同検査

植物検疫所の検疫検査を済ませたのち、農業局植物検疫所倉庫において、森林局森林チェックポイント職員と税関職員による共同検査が行われ、書類間の相違、書類と貨物の相違がないかなどの確認が行われます。

4. 販売許可手続き

調査時点:2022年9月

林産物を販売する場合は、森林法に基づいた「加工木材販売所設立許可」を取得した販売所において販売する必要があります。この販売所は自社のものか他社のものかは問いません。自社で設立する際の「加工木材販売所設立許可」の取得手順は次のとおりです。有効期限は1年です。

申請場所:
森林局許可事務局木材産業許可部(地方の場合は郡役所)
申請書類:
  • 加工木材販売所設立/所有申請書(申請様式1)
  • 周囲の地図
  • 場所の使用権利を示す書類
  • 申請者のIDコピー、住居登録証コピー
  • 法人登記証明書
所要日数:
16営業日(地方の場合は92営業日)
手数料:
加工木材販売所設立許可書1,000バーツ

林産物の入荷時、販売時には、日付、種類、数量などを記録した在庫リストを作成し、保管しておく必要があります。また、販売時には購入者、林産物の種類、数量、移動先などを記入した加工木材管理書を3部発行し、1.購入者が移動の際に所持、2.販売者が販売所に保管、3.翌月15日までに販売者から森林局に提出することが義務付けられています。

5. その他

調査時点:2022年9月

なし

タイ内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年9月

日本から輸入される品目に対する輸入関税については、最高税率のほかに、関税率勅令第12条に従い減免された基本税率(一部対象外)、WTO税率(基本税率が設定されていない場合に適用)、日タイ経済連携協定(JTEPA)税率、日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)税率、2022年1月に発効した地域的な包括的経済連携協定(RCEP)税率が設定されています。

木材(HSコード4407)
  • 基本税率 0%~5%
  • JTEPA税率 免除
  • AJCEP税率 免除
  • RCEP税率 免除
  • WTO税率10%
合板(HSコード4412)
  • 基本税率 5%
  • JTEPA税率 免除
  • AJCEP税率 免除
  • RCEP税率 免除
  • WTO税率20%

EPA税率の申請様式に記載するHSコードのバージョン
JTEPA:HS2017(2017年版)
AJCEP:HS2002(2002年版)(2023年3月1日からHS2017に置き換え)
RCEP:HS2012(2012年版)

2. その他の税

調査時点:2022年9月

輸入額(CIF)と関税額の合計に付加価値税(VAT)7%が課税されます。

3. その他

調査時点:2022年9月

通関手数料は200バーツです。
輸入申告書入力代行手数料(入力を依頼する場合)は100バーツです。

その他

調査時点:2022年9月

なし