外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2016年05月17日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

外国企業はシンガポールにおいて以下のいずれかの形態で事業を実施することができる。
1. 支店
2. 現地法人(子会社)
3. 個人事業体またはパートナーシップ
4. 有限責任パートナーシップまたはリミテッド・パートナーシップ
5. 駐在員事務所
6. ビジネストラスト(business trust)


1. 外国企業の支店設立
外国企業はシンガポールに事業所を設立し事業を開始するのに先立ち、会計企業規制庁(ACRA)を登記先として登記を行う義務がある。会計企業規制庁の連絡先は後述の「その他」項目内『管轄官庁』を参照のこと。

支店の登記を行う場合は、居住者である授権代表者(authorised representative)を最低1人選任しなければならない。授権代表者は支店に関するあらゆる事項に責任を有し、外国企業の代理として送達される書類を受領する権限を有する人物である。授権代表者は支店に課せられる罰則に対する責任を個人的に負うことになる。

支店の登記手続きには、支店名の申請と支店登記の手続きがあり、いずれもACRAの「BizFile(オンライン登録)」を利用して行うことができるが、外国企業の支店を登記する場合には、弁護士事務所、会計士事務所など専門家に登記手続きを委託することが一般的である。ACRAに支払う登記料は、外国企業が有限責任株式会社である場合は300Sドルで、外国企業が株式資本を持たない場合は1,200Sドルである。外国企業の支店の運営は会社法(Companies Act)で規定されている。

(1) 支店名の申請
支店登記に先立ち、支店名の許可をACRAから取得しなければならない。他の現地会社と同一の商号、使用不適切な商号は許可されない。申請結果は申請料の納付から通常15分後に通知されるが、他省庁に照会される場合(例:教育サービスは教育省など)には14日~2カ月の所要時間がかかることもある。

支店名の許可を受けた場合、許可された各支店名につき15Sドルの料金を支払う。許可された支店名は60日間確保されるが、さらに60日間の延長を申請することもできる。

他省庁に照会される事業リスト
https://www.acra.gov.sg/components/wireframes/howToGuidesChaptersDetails.aspx?pageid=1755&contentid=1761外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(2) 支店登記
登記に要する情報および書類は次のとおりである。なお、英文でない書類は提出前に英語に翻訳しなければならない。すべての書類が揃っている場合、登記は1~2日で完了する。

a. 外国企業の設立証明書の認証謄本
b. 外国企業の定款の認証謄本
c. 外国企業の取締役に関する情報
d. 授権代表者となるシンガポール居住者の詳細および選任に係る覚書
e. 授権代表者の権限についての記載がある覚書
f. 登記上の事務所の所在地の詳細
g. 外国企業の直近の監査済財務諸表(外国企業の所在地で作成が義務付けられている場合)

(3) 登記後に発生する義務
支店はシンガポールにある登記上の事務所を維持する義務がある。登記上の事務所およびその他の全事業所には看板を設置する必要はないが、支店が発行する公式の書類には支店名を省略せずに明記するとともに、登記番号(unique entity number)を記載することが義務付けられている。また、株主の責任が有限である場合は、支店名の最後に「Limited」(「Ltd」)または「Berhad」(「Bhd」)という表記を付けるか、あるいはその旨を看板および全公式書類に表記しなければならない。

シンガポール支店を持つ外国企業には、シンガポールで設立された現地法人と類似の申告義務および報告義務が課せられる。シンガポール支店は本社の年次株主総会の開催日より60日以内に、支店の監査済財務諸表を提出すると同時に、本社の財務諸表もACRAに提出しなければならない。
2016年1月3日以降は、シンガポールの現地法人と実質的に同等の書類を提出しなければならないものとされ、従来求められていた貸借対照表に加えて、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書、財務諸表注記、取締役および会計監査人の報告書等(適用ある場合)の提出が求められる。なお、休眠している外国企業のシンガポール支店は、未監査の財務諸表でも登記が可能である。


2. 現地法人(子会社)の設立
シンガポールで設立される現地法人(子会社)の最も一般的な形態は有限責任株式会社(Private company limited by shares)である。シンガポールでは、無限責任会社、有限責任株式会社または有限責任保証会社の形態で法人を設立することが可能である。有限責任株式会社には公開会社と非公開会社の2種類があり、非公開会社とは株主数が50人以下、かつ株式の譲渡を自由に行うことができない会社を指す。

法人の登記手続きには会社名(商号)の申請と設立手続きの2つのステップがあり、いずれの申請もACRAの「BizFile(オンライン登録)」を利用して行うことができるが、外国人または外国企業が株主となる子会社を設立する場合には、弁護士事務所、会計士事務所、公認秘書役など専門家に設立手続きを委託することが望ましい。有限責任株式会社の運営は会社法(Companies Act)で規定されている。

(1) 会社名の申請
シンガポールで法人を設立するには、会社名の許可をACRAから取得しなければならない。法律で保護されている文言を含む商号、他の現地会社と同一の商号、使用不適切な商号は許可されない。申請した会社名に親会社の名前の一部または登録商標が含まれる場合は、親会社または商標権者の同意書を提出することが義務付けられている。会社が有限責任会社である場合は、「Limited」(「Ltd」)もしくは「Berhad」(「Bhd」)の表記を名称の末尾に付けなければならない。また、会社が非公開会社である場合は、「Private」(「Pte」)もしくは「Sendirian」(「Sdn」)の表記を付けなければならない。
申請結果は申請料の納付から通常15分以内に通知されるが、他省庁に照会される場合(例:教育サービスは教育省など)には14日~2カ月の所要時間がかかることもある。会社名の申請料は1件当たり15Sドルである。

(2) 法人設立
法人の設立にあたっては、株主が最低1人、さらに居住者である自然人の取締役が最低1人必要である。最低授権資本に関する要件はなく、設立登記は1~2日で完了する。有限責任株式会社の登記料は300Sドルである。2009年3月1日以降、18歳以上の自然人(ただし、破産者などを除く)であれば、取締役として法人設立が可能となっている。

(3) 登記後に発生する義務
設立後は、取締役会議または書面による取締役決議で、会社の設立、最初の取締役の選任、会社秘書役の選任、銀行口座の開設、実施される株式譲渡に関する確認を行う。設立申請日から3日以内に選任された会社秘書役と取締役を、BizFileを通じてACRAに登記しなければならない。会社秘書役には居住者である取締役が兼務することもできるが、公開会社の会社秘書役には公認会計士資格等一定の専門資格を保有していることが求められる。通常、会社秘書役には株主、取締役、マネージャー、秘書、監査人の名簿、社債および担保の登録簿、会社定款、株主総会の議事録、ACRAへの法定申告書類、社印を維持することが義務付けられている。

会社名を事務所の外に表示する必要はないが、会社が発行する公式の書類にはすべて会社名を省略せずに明記するとともに、登記番号(unique entity number)を記載することが義務付けられている。

(4) 申告義務
シンガポールで設立された企業は定期的に申告および報告を行う義務があり、とりわけ、最初の年次株主総会を設立日から18カ月以内に開催し、それ以降は1年に1回、かつ前回の年次株主総会の開催日から15カ月以内に年次株主総会を開催する必要がある。取締役は年次株主総会において直前の会計年度の財務諸表を株主に提示することが求められる。財務諸表は年次株主総会開催日の6カ月前(公開会社は4カ月前)以内に作成されたものでなければならない。

年次株主総会の開催日より1カ月以内に、財務諸表を含む年次報告書(Annual Return)をBizFileを通じてACRAに登記する必要がある。2014年3月3日以降、登記する財務諸表はACRA が無償提供しているXBRLファイル形式に基づくものでなければならない。公開会社や後述する小規模会社に該当しない会社で休眠状態でない場合、財務諸表は法定監査を受けることが義務付けられている。

(5) 小規模会社の法定監査免除
2015年7月1日から小規模会社(Small Company)という新たな概念が導入され、その法規制負担軽減のため、会社が[1] ある事業年度を通じて非公開会社であること、[2] ある事業年度の直前2事業年度において、a) 当該事業年度の売上合計が1,000万Sドル以下、b) 当該事業年度末における総資産価値が1,000万Sドル以下、c) 当該事業年度末における従業員数が50人以下、の3項目のうち2項目以上を満たす「小規模会社」であれば、会社法上の監査義務を免除できるとし、従来、エグゼンプト・プライベート・カンパニー(Exempt private company、株主が20人以下で法人株主がおらず、かつ年間売上が500万Sドル未満の会社)に付与されていた法定監査の免除対象を拡大している。ただし、当該会社を含むグループにおいて連結会計を行っている場合、連結ベースで上記3項目のうち2項目以上を満たす「小規模グループ」でなければ、法定監査を免除することはできない(会社法第205B/C条)。

(6) 休眠会社の財務諸表作成義務免除
2016年1月3日から、[1] 上場会社または上場会社の子会社でないこと、[2] 当該会計年度中の総資産が50万Sドルを超えないこと、[3] 前会計年度末から休眠状態にあり、かつ、その取締役会がACRAに対して会社が休眠状態にあることを述べる供述書を提出していること、の条件を満たす休眠会社は、監査義務の免除に加えて、当該会計年度の財務諸表を作成する義務も免除されている(会社法第201A条)。

また、2015年7月1日からは非公開会社の財務支援禁止規制の撤廃と公開会社での同規制の緩和(会社法第76条)、2016年1月3日からは基本定款と附属定款の一本化(会社法第35条(2))、取締役の居住住所に代わる住所登記の許容(会社法第173条)、通知および文書の電子的方法による送信の許容(会社法第126条(3))、公開会社の1株1議決権の原則の緩和(会社法第64A条)、少数株主の議決権行使機会の拡大(会社法第178条(1))、などの法規制負担軽減が図られている。

<参考>
会社法
https://www.acra.gov.sg/Companies_Amendment_Act.aspx外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 


3. 個人事業体および合資会社の設立
(1) 個人事業体(Sole Proprietorship)
1人の個人または法人により所有・登録された法人格を持たない事業体をいい、その所有者は経営上の損失、その他のリスクについて法律上の全責任を負う。個人事業体の登録を行えるのは、シンガポール国籍を持つ個人、または永住権保持者、エントレパスを保有する外国人、シンガポールで登記された法人に限定される。外国企業または外国人が個人事業体を直接登録することはできない。個人事業体の運営は事業登録法(Business Registration Act)で規制されている。

名前の許可を得てACRAに事業体登録を行った場合は、個人事業体として事業を行うことが可能であるが、個人事業体で執り行えない事業が事業登録法(Business Registration Act)に規定されている。最初の登記料は名前の許可料15Sドルを含めて65Sドルであり、その後50Sドルの年間更新料を毎年ACRAに支払う。個人事業主は、会社法の規定に基づく会計監査の実施やACRAへ財務諸表の提出義務はない。

(2) パートナーシップ(Partnership)
2人以上20人以下の個人または法人により所有・登録された法人格を持たない事業体をいい、その所有者は経営上の損失、その他のリスクについて法律上の全責任を負う。パートナーシップの登録を行えるのは、シンガポール国籍を持つ個人、または永住権保持者、エントレパスを保有する外国人、シンガポールで登記された法人に限定される。外国企業または外国人が個人事業体を直接登録することはできない。パートナーシップの運営は事業登録法(Business Registration Act)で規制されている。
名前の許可を得てACRAに事業体登録を行った場合は、パートナーシップとして事業を行うことが可能であるが、パートナーシップで執り行えない事業が事業登録法(Business Registration Act)に規定されている。最初の登記料は名前の許可料15Sドルを含めて65Sドルであり、その後50Sドルの年間更新料を毎年ACRAに支払う。パートナーシップは、会社法の規定に基づく会計監査の実施やACRAへ財務諸表の提出義務はない。

(3) 有限責任パートナーシップ(Limited Liability Partnership:LLP)
LLPの制度は2005年4月1日に導入された。LLPは、パートナーと切り離された法人格を有するという点で従来のパートナーシップとは異なる。LLPは、シンガポールに居住する自然人の業務執行者を最低1人、パートナーを最低2人必要とする。シンガポール国籍を持つ個人、または永住権保持者、外国企業を含む法人、他のLLPがLLPのパートナーとなることができる。LLPの運営は有限責任パートナーシップ法(LLP Act)で規制されている。
LLPは会社名の許可を受けACRAに登記しなければならない。登記申請料は名前の許可料15Sドルを含めて165Sドルである。

(4) リミテッド・パートナーシップ(Limited Partnership:LP)
無限責任を持つ少なくとも1人のジェネラル・パートナーと有限責任を持つ少なくとも1人のリミテッド・パートナーから構成され、パートナーと切り離された法人格を持たない。外国企業または外国人はLPのジェネラル・パートナーまたはリミテッド・パートナーとなりえるが、すべてのジェネラル・パートナーが外国企業または外国人となる場合はシンガポールに居住する自然人の業務執行者を最低1人任命しなければならない。LPは実質的に一般的な合資会社であるが、受動的投資家(passive investors)は有限責任パートナーとなり、経営に関与することは認められない。LPは、米国や英国で一般的な事業体ストラクチャーで、ほとんどの専門家集団に利用できる仕組みとなるが、プライベートエクイティ・ファンドや投資分野で最も活用されている。LPの運営は2009年5月に施行されたリミテッド・パートナーシップ法(Limited Partnership Act)で規制されている。
LPは会社名の許可を受け、ACRAに登記しなければならない。登記申請料は名前の許可料15Sドルを含めて65Sドルである。


4. 駐在員事務所の設立
駐在員事務所が実施できる業務内容は「販売促進活動と連絡業務」に限定されている。マーケティング、広告、市場調査などの業務を実施することは認められているが、契約交渉、受注、請求、支払金の徴収、アフターサービスの実施は認められていない。これは駐在員事務所が法人格のない組織として管理・取り扱いを受けているためで、法人に対して求められる申告義務は発生しない。駐在員事務所が上記の制限範囲を逸脱して業務を行う場合は支店または法人として登記する義務がある。

駐在員事務所の所轄当局はシンガポール国際企業庁(IE Singapore)である。駐在員事務所を開設する外国企業は、設立後3年以上経過していること、売上が25万米ドル超であること、駐在員が5人未満であることが求められる。駐在員事務所の開設は、外国企業の設立証明書および直近の監査済財務諸表の写し(いずれも英文のもの)を添えて国際企業庁に対して申請する。その際は、会社の業務内容や製品についての記載があるパンフレットを添付するのが望ましい。国際企業庁の連絡先については後述の「その他」項目内『管轄官庁』を参照のこと。

駐在員事務所の設立申請は認可まで約1~3週間が必要で、年間200Sドルの申請費を支払わなければならない。国際企業庁は1年単位で駐在員事務所の認可を行うが、その後は認可の更新を申請することができる。
ただし、2012年1月1日以降、駐在員事務所の更新は設立日より最長3年とされ、その後は支店または法人の設立が求められる。

なお、銀行など金融機関が駐在員事務所を開設する際には、所轄当局はシンガポール通貨金融庁(MAS)となる。登録にあたってはMASの所定フォームに記入のうえ申請する。


5. ビジネストラスト
ビジネストラストとは、企業と信託の両方の要素から成る複合型の事業形態であり、原則として信託証書により設立される。事業資産の法律上の所有権は受託者にあり、言い換えると、ビジネストラストのユニットの法律上の所有者がビジネストラストの資産の受益権を有することになる。

ビジネストラストでは、受託者は受益者のために事業を管理する。一般に、ビジネストラストは、不動産投資信託(REIT)、船舶、航空機、インフラ関連資産の投資信託などで利用されている。ビジネストラストの運営はビジネストラスト法(Business Trust Act)で規制され、シンガポール通貨金融庁(MAS)が所轄当局となっている。ビジネストラストの登録にあたってはMASの所定フォームに記入のうえ申請する。

外国企業の会社清算手続き・必要書類

外国企業のシンガポール支店が自主的に事業を終了する場合、登記の抹消を行えばよく、清算手続きは不要となる。シンガポールの現地法人(子会社)を自主的に閉鎖するには、「任意清算(Voluntary Winding up)」と「登記抹消(Striking off)」の2つの方法がある。


1. 支店の閉鎖
外国企業のシンガポール支店が自主的に事業を終了する場合、登記の抹消を行えばよく、清算手続きは不要となる。支店の代理人は「A Notification by A Foreign Company of the Cessation of Business」を事業停止日から7日以内にACRAに提出することが要求される。

外国企業のシンガポール支店は、本店が清算手続きに入った場合、あるいは株主による解散が決議されると、直ちにその業務を終了しなければならない。その際、支店の代理人は「A Notification by the Agent of a Foreign Company of the Liquidation or Dissolution of a Company」をその手続き開始日から1カ月以内にACRAに提出しなければならない。本来、支店の債務は本店が債務履行責任を負うため、支店閉鎖時には、閉鎖登記日から1年間は、会社登記局へシンガポール支店代理人の登記を残すことが要求される。

なお、当該支店がシンガポールでの事業を終了している場合や違法な目的のために設置されたものと合理的に認められる場合に加えて、2016年1月3日以降、次の3つの場合が支店登録を抹消できる事由に追加された。

(1) 唯一の授権代表者(authorized representative)が、外国企業に対して辞任を通知し、かつ、ACRAに対して通知を提出したが、当該外国企業が12カ月以内に応答または他の授権代表者の選任を行わなかった場合

(2) 授権代表者が、支店登録を継続するかどうかについての指示を外国企業に求めてから12カ月以内に、何らの指示も外国企業から受領しなかった場合

(3) 唯一の授権代表者が死亡してから6カ月以内に後任の授権代表者の選任がなされなかった場合


2. 法人の登記抹消
現地法人(子会社)が設立以来、事業活動を行っていない、あるいは事業を停止して一定の期間、休眠状態にある場合には、ストライクオフ(Strike Off)による登記抹消手続きを取ることができる。会社が営業を停止し、係争中の案件がなく、資産および負債を有していない、未払債務(政府のライセンス費用と税金含む)がない、過半数の株主の同意を得ているなど一定の要件を満たした上で、ACRAに対してストライクオフの申請(Application for Striking Off)をすることができる。ACRAで申請が受諾されると1カ月後に官報で公告され、公告後3カ月間に異議申し立て(Lodgment of an Objection Against Striking Off)がなければ登記抹消が完了することとなる。


3. 法人の任意清算
会社清算には、株主または債権者による任意清算と裁判所による強制清算がある。
一般的な株主による任意清算(Members’ Voluntary Winding up)を行うには、すべての債権者に対する債務を完済することが要件とされている。

株主による任意清算の手続きは、まず取締役会により、任意清算を行う旨の決定を行う。その際、清算開始日から12カ月以内に会社の債務の完済が可能であることを宣誓する「支払能力宣誓書」に署名する。会社が債務超過に陥っているような場合には、親会社による債権放棄や増資等により、事前に債務超過の状態を解消しておく必要がある。

支払能力宣言書をACRAに登記した後、株主総会召集通知を発送の上(支払能力宣言書作成から5週間以内)、株主総会特別決議により、任意清算を行う旨の決議、清算人の選任を行う。

当該総会決議を、決議から7日以内にACRAに登記、14日以内に清算人の選任をACRAに登記、10日以内に日刊紙に公告を行わなければならない。清算開始後、清算人は会社の資産の換価および債務の整理を進め、清算開始日から6カ月の期間が過ぎるごとに当該期間における入出金および資産・負債の残高を報告する計算書を作成し、ACRAに登記する。

通常、株主による任意清算において最も時間を要するのは内国歳入庁(IRAS)による税金精算手続きであり、会社はIRASからすべての税金債務の納付が完了したことを証明する文書(タックスクリアランス)を入手する必要がある。
清算手続きのすべてが終了すると、清算人は、資産の処分等に関する最終計算書を作成し、結了集会を招集する。結了集会の招集通知は、シンガポールで発行される英語、マレー語、中国語、タミール語の新聞各1紙以上、合計4紙以上に公告しなければならない。その招集通知期間は1カ月以上とされている。結了集会の開催日から7日以内に、清算人は、結了集会開催申告書をACRAに登記する。この申告書がACRAに登記された日から3カ月を経過した時点で法人格が消滅(Dissolution)することになる。

その他

管轄官庁
いずれの形態の場合も、事業所の登記は会計企業規制庁(ACRA)を通じて行う。駐在員事務所の設立に関しては、所轄機関であるシンガポール国際企業庁(金融機関の場合は通貨金融庁)への申請が必要となる。


<管轄官庁>
会計企業規制庁(Accounting & Corporate Regulatory Authority:ACRA)
Anson Road #05-01/15, International Plaza, Singapore 079903
Tel:+65- 6248 6028
Fax:+65-6225 1676
URL:www.acra.gov.sg外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

BizFileオンライン登録ウェブサイト(英語)
www.bizfile.gov.sg外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます


シンガポール国際企業庁(International Enterprise Singapore:IE Singapore)
Trade Service & Policy Group, Representative Office Unit
230, Victoria Street, #07-00 Bugis Junction Office Tower, Singapore 188024
Tel:+65-6337 6628
URL:http://www.iesingapore.gov.sg/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

駐在員事務所設立・更新ウェブサイト
https://roms.iesingapore.gov.sg/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます


シンガポール通貨金融庁(Monetary Authority of Singapore:MAS)
10 Shenton Way, MAS Building, Singapore 079117
Tel:+65-6225 5577
Fax:+65-6229 9229
E-mail: contact_mas@mas.gov.sg
URL:http://www.mas.gov.sg/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

金融機関の駐在員事務所登録申請書の入手先
http://www.mas.gov.sg/regulations-and-financial-stability/regulations-guidance-and-licensing/insurance/insurance-licensing/representative-offices.aspx外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ビジネストラスト登録申請書の入手先
http://www.mas.gov.sg/Regulations-and-Financial-Stability/Regulations-Guidance-and-Licensing/Business-Trusts/Forms.aspx外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関連情報

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現地日系企業の皆様

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