日本からの輸出に関する制度 畜産加工品の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する畜産物加工品のHSコード

1601:ソーセージその他これに類する物品(肉、くず肉または血から製造したものに限る)およびこれらの物品をもととした調製食料品
1602:その他の調製をし、または保存に適する処理をした肉、くず肉および血
1902.20:パスタ(詰め物をしたものに限るものとし、加熱による調理をしてあるかないか、またはその他の調製をしてあるかないかを問わない)

韓国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年9月

輸入地域に関する規制
韓国では、農林畜産食品部告示「指定検疫物の輸入禁止地域」で畜産物輸入禁止地域を明らかにしています(指定検疫物の詳細については、「家畜伝染病予防法施行規則」を参照してください)。一方、畜産物は、滅菌、殺菌、加工を行うことによって家畜伝染病病原体の流入を防ぐことができるため、一定のプロセス(農林畜産検疫本部告示「指定検疫物の滅菌、殺菌、加工の範囲と基準」を参照してください)を経た畜産物は輸入できます。
輸入する畜産物が指定検疫物か、(畜産物を含む)加工食品かにより輸入プロセスを管理する主体も、システムも変わるため、注意が必要です。食品全般(加工した畜産物を含む)については、韓国食品医薬品安全処が輸入プロセス全般を管轄していますが、指定検疫物については、農林畜産検疫本部が輸入したものの検疫を管轄し、検疫が終わってから韓国食品医薬品安全処が管轄します。
畜産物の輸入許容国とその品目については、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます で確認することができます。
日本から韓国に輸出が可能な畜産加工品は、豚肉および鶏肉由来で、指定された条件で製造されたハム類および食肉抽出加工品です 。指定された条件は、関連リンクのその他参考情報から農林水産省「大韓民国向け輸出畜産加工品の取扱要綱」を参照してください。 ただし、海外作業所(日本での「対韓国輸出畜産加工品施設」)として承認される必要があり、同施設については、次の検索サイトで確認することができます。
放射性物質に関する規制
韓国では、日本産食品に対して、放射性物質規制を行っています。宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、静岡県(13都県)で生産された畜産加工品については、政府機関発行の放射性物質検査証明書が求められます。13都県以外で生産された製品については、政府機関発行の産地証明書が求められます。これらの証明書は、インターネットの輸出証明書発行システムを通して申請します。詳細は、関連リンクの「農林水産省『韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について』」を参照してください。
韓国政府が定めている放射性物質の上限値は、すべての食品について放射性ヨウ素131は100Bq/kgです。嬰児または幼児用の食品、乳製品、アイスクリームを除くすべての食品に対する放射性セシウム134および137の基準値は100 Bq/kgです(嬰児または幼児用の食品、乳製品、アイスクリームは50Bq/kgです)。詳細は 関連リンクの「食品の基準および規格」を参照してください。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年9月

施設登録
厚生労働省を通じ、韓国当局によって加工を行う施設(海外作業所。日本での「対韓国輸出畜産加工品施設」)の登録を受ける必要があります。
畜産加工品も、使われる畜産物により検査証明書の取得と施設登録に関する輸出作業を行う必要があります。
詳細は、関連リンクの農林水産省「証明書や施設認定の申請」)から「大韓民国向け輸出畜産加工品の取扱要綱」を確認してください。
書類

輸入通関にあたって、輸出者側で用意すべき書類には、産地や品目に応じて日付証明書、産地証明書、放射性物質検査証明書などがあります。詳細については、関連リンクの農林水産省「韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を参照してください。

食品を輸出するためには、輸出の前に、輸入者または海外製造業所の設置・運営者が海外製造業所の名称、所在地および製造品目など、「韓国輸入食品安全管理特別法施行規則」で定める事項を、輸入申告の7日前までに、韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。輸出者側または製造業所は、この登録の際に、韓国政府による現地実態調査が行われる可能性について同意をしておく必要があります。輸出者側または製造会社は、輸出品の製造会社が日本国政府から許可、登録されていることを証明する書類を添付して韓国食品医薬品安全処長に提出しなければなりません。ただし、「韓国輸入食品安全管理特別法施行規則」別紙第1号の2「A CONFIRMATION FORM OF REGISTERED INFORMATION」の提出で、省略できます。
輸入通関にあたり、輸出者側で用意すべき書類には、産地や品目に応じて日付証明書、産地証明書、放射性物質検査証明書などがあります。詳細については、農林水産省の「韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を参照してください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年9月

輸出に際し検疫証明書の提出は不要です。

韓国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2021年9月

畜産物の規格については「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「器具および容器・包装の基準および規格」などに定められています。
畜産物の場合、重金属、異物、細菌および大腸菌群、大腸菌、食中毒菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、ダイオキシン、ベンゾピレン、放射性物質、残留農薬、残留動物用医薬品、医薬品成分、揮発性塩基窒素(食肉の場合)、酸度および比重(原乳の場合)などの規格が定められています。

  1. ソーセージ(肉の含量が70%を超え、でん粉が10%以下)は、ソーセージ、発酵ソーセージ(発酵した後、熟成または乾燥したもの)、混合ソーセージ(食肉にほかの食品または食品添加物を使用したもの)で区分されます。亜硝酸イオンは0.07g/kg未満、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムは0.2g/kg以下で製造しなければなりません。保存料は、ソルビン酸(カリウム、カルシウムを含む)以外は検出されてはいけません。
  2. ハムは、ハムと生ハム(低温で熟成・乾燥したもの)、プレスハム(肉の含量が75%以上、でん粉が8%以下でなければなりません)で区分されます。亜硝酸イオンは0.07g/kg未満、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムは0.2g/kg以下で製造しなければなりません。保存料は、ソルビン酸(カリウム、カルシウムを含む)以外は検出されてはいけません。
  3. ベーコン、乾燥貯蔵肉類(肉含量は85%以上で、水分は55%以下で乾燥したもの)、食肉含有加工品(その他の加工品)は、亜硝酸イオンは0.07g/kg未満、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムは0.2g/kg以下で製造しなければなりません。保存料は、ソルビン酸(カリウム、カルシウムを含む)以外は検出されてはいけません。また、タール色素は検出されてはいけません。
  4. 味付け肉類は、味付け肉(食肉または食肉加工品に味付けしたもので、肉含量60%以上のもの)、粉砕加工肉製品(ハンバーガーパテ、ミートボール、トンカツなどの粉砕肉を使用したもので、肉含量50%以上のもの)、カルビ加工品(骨付きのものに限る)、天然ケーシング(家畜の内臓を塩蔵し、食肉または食肉加工品を入れられるように加工したもの)で区分されます。亜硝酸イオンは0.07g/kg未満(天然ケーシングは除外)で、保存料とタール色素は検出されてはいけません。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2020年10月

畜産物に残留した農薬および動物用医薬品については「食品の基準および規格」(農薬:第2.食品一般に対する共通基準および規格 3.食品一般の基準および規格 9)畜産物における農薬の残留許容基準。動物用薬品:第2.食品一般に対する共通基準および規格 3.食品一般の基準および規格 8)動物用医薬品の残留許容の基準」)に定められています。

別途動物用医薬品の残留許容基準を定めていない場合は、次の各項の基準が順次適用されます。

  1. CODEX基準
  2. 類似食用動物の残留許容基準のうち該当部位の最低基準
  3. 抗菌剤については、0.03mg/kgを適用

*2024年からは、畜産物は「牛、豚、鶏、牛乳、鶏卵」、水産物は「魚類」について0.01mg/kg以下を適用(ただし、成長補助剤、ステロイド性の抗炎症薬は検出されてはならない)し、その他は、畜産物、水産物および蜂蜜に対して、抗菌剤の残留基準値を0.03 mg/kg以下に適用する。

食品別の残留農薬における基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも確認できます。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2021年9月

重金属および汚染物質、含有禁止の化学物質、食品の成分として使用が禁止される物質などの規定については、関連リンクの「食品の基準および規格」において確認することができます。

畜産物は、食肉の処理過程で、それ以上除去できない大きさより大きな異物や汚染された非衛生的な異物と、人体に危害を及ぼす硬く鋭い異物を含有してはなりません。金属のくずは、食品の中に10.0mg/kg以上検出されてはならず、その金属異物の大きさは2 mmを超えてはなりません。

(1)食肉(製造、加工用原料を除く)、(2)殺殺菌または滅菌処理またはそれ以上の加工、加熱調理をせずにそのまま摂取する加工品は、サルモネラ(Salmonella spp.)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、リステリアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli)などの食中毒菌について規制値が設けられています(25gあたりn=5、c= 0、m= 0)。また、食肉および食肉製品では結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ブルセラ菌(Brucella spp)が陰性でなければなりません。
セレウス菌(Bacillus cereus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、 ウェルシュ菌(Bacillus cereus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、 ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)などについても食品の種類によって基準が定められています。

韓国食品医薬品安全処は、ウェブサイト「食品の基準および規格」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも検索できるように公開しています。

4. 食品添加物

調査時点:2021年9月

食品中の食品添加物の使用は、「食品添加物の基準および規格」で定められています。 キャリーオーバーについて、ある食品には使用できない食品添加物が、その食品添加物を使用できる原料由来のものであれば、原料から移行された範囲内で食品添加物の使用基準の制限を受けません。

  1. ソーセージ類とハム類は、亜硝酸イオンは0.07g/kg未満、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムは0.2g/kg以下で製造しなければなりません。
  2. ベーコン、乾燥貯蔵肉類、食肉含有加工品は、亜硝酸イオンは0.07g/kg未満、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムは0.2g/kg以下で製造しなければなりません。保存料は、ソルビン酸(カリウム、カルシウムを含む)以外は検出されてはいけません。また、タール色素は検出されてはいけません。
  3. 味付け肉類は、亜硝酸イオンは0.07g/kg未満(天然ケーシングは除外)で、保存料とタール色素は検出されてはいけません。

食品添加物の品目別使用基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで検索することができます。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2021年9月

食品容器については、「食品衛生法」に基づく、韓国食品医薬品安全処告示「器具および容器・包装の基準および規格」で定められています。同告示には、器具および容器・包装についての共通の製造基準、共通規格、用途別規格、基準および規格の適用、基準および規格の適合性判定、検体の採取と取り扱い方法、保存と流通基準などが定められています。

包装容器のリサイクルに関しては、「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に定められており、製造業者と輸入業者は、環境部令「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」と環境部告示「包装材の材質・構造の改善等に関する基準」などに従う必要があります。
「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に従い、紙パック、ガラス瓶、金属缶、合成樹脂を包装材として使っている食品の輸入業者は、「包装材のリサイクル義務生産者」として、輸入する製品に対して、包装材の材質および構造評価を受けなければなりません(前年度の年間輸入額(年間3億ウォン)、または輸入した製品の包装材の重量が基準(例えば、ガラス瓶の場合は年間3トン)を超える者が対象になる)。また、リサイクルが困難な有色ペットボトル、ポリ塩化ビニール素材の包装材、ペットボトルに使用する接着剤のうち熱・アルカリ性分離が不可能なものは使用禁止となりました。さらに、韓国内で流通されるすべての製品の包装材を紙パック、ガラス瓶、金属、ペットボトルなど9つに分類し、リサイクル可否の程度によって、「最優秀」「優秀」「普通」「困難」の4つの等級を設けています。
このうち、「困難」等級に該当する製品には「リサイクル困難」という文言を表示しなければならず、1,000万ウォン以下のリサイクル賦課金が賦課されます(今後、最大30%のリサイクル賦課金が賦課される計画ですが、まだ運営における正確な内容は未定です)。
「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」によると、製品を製造・輸入または販売する者は、リサイクルが容易な梱包材を使用し、重金属が含有された材料の梱包材を製造し、流通させないようにしなければなりません。包装材のリサイクルを困難にする重金属の種類および濃度および試験方法などについては「包装材の重金属含有量推奨基準および試験方法等に関する告示」を参照してください。

6. ラベル表示

調査時点:2021年9月

輸入食品および輸入食品添加物などは、通関をする前までに、消費者に販売する製品の最小販売単位別の容器や包装に「食品等の表示基準」で定められた事項を表示しなければなりません。日本であらかじめラベルを貼り付ける、または印刷して輸入する場合を除くと、輸入申告する前に韓国の保税倉庫でラベルを貼るための作業が必要です。表示は韓国語で行わなければなりませんが、消費者の理解を助けるために漢字や外国語を混用、または併記して表示することができます。その場合の漢字や外国語は、韓国語表示の活字と同じまたは小さい活字で表示しなければなりません。詳細は、関連リンクの「食品などの表示基準」を参照してください。

  • 製品名
  • 畜産加工品の類型
  • 輸出国の加工業者名、輸入者名とその所在地
  • 流通期限
  • 内容量(※)および内容量に該当する熱量(熱量表記はハム類、ソーセージ類に限る)
  • 原材料名
  • 栄養成分名および1回の摂取参考量(「食品等の表示・広告に関する法律施行規則別表」で定める品目は除く)
  • 容器・包装の材質
  • 品目報告番号(輸入品には不要)
  • 成分名および含有量(含有量の表示は、原材料を製品名または製品名の一部に使う製品に限る)
  • 注意事項:「解凍後に再冷凍しないでください」の表示、アレルギー誘発物質表示(該当する場合に限る)など
    アレルギー誘発物質表示対象食品:卵類(家きん類に限る)、牛乳、ソバ、ピーナッツ、大豆、小麦、サバ、カニ、エビ、豚肉、モモ、トマト、亜硫酸類(添加し最終製品にSO2で10.0mg/kg以上含有する場合に限る)、クルミ、鶏肉、牛肉、イカ、貝類(カキ、アワビ、イガイを含む)、松の実)、その他(該当する場合に限る)
  • 保管方法(該当する場合に限る)
  • 放射線照射(該当する場合に限る)
  • 「対外貿易法」による原産地表示
  • 「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」による表記
  • 「遺伝子組換え食品等の表示基準」による表記(該当する場合に限る)
  • その他表示事項(加熱処理方法により「殺菌製品」、「滅菌製品」、「非殺菌製品」で表示)

なお、日本で食品が流通される際に使われる「賞味期限」は、韓国では法的に通用できるものはないため、「流通期限」または「品質保持期限」として表記しなければなりません。

食肉加工品中、ハム類、ソーセージ類などは、「食品等の表示・広告に関する法律」により、「栄養表示対象の食品として指定される品目」であり、次の表示が必要です。詳細は、関連リンクの「食品等の表示・広告に関する法律施行規則別表4」を参照してください。

  1. エネルギー(熱量)
  2. ナトリウム
  3. 炭水化物
  4. 糖類(食品、畜産物、健康機能食品に存在するすべての単糖類と二糖類をいう。ただし、カプセル、錠剤、丸剤および粉末状の健康機能食品は除く)
  5. 脂肪
  6. トランス脂肪(Trans Fat
  7. 飽和脂肪(Saturated Fat
  8. コレステロール(Cholesterol
  9. タンパク質
  10. 「1日あたり栄養成分基準値」にある栄養成分の量(栄養表示や栄養強調表示をする場合に限る)

これらの栄養成分を表示するときは、次の各号の事項を表示しなければなりません。

  1. 栄養成分の名称
  2. 栄養成分の含有量
  3. 「1日あたり栄養成分基準値」に対する割合
(※)内容量の表記における許容誤差は次のとおりです。
食品種類 品目 表示量 許容誤差
その他食品 その他食品 50g[ml]以下
50g[ml]超過100g[ml]以下
100g[ml]超過1,000g[ml]以下
1,000g[ml]超過
4%
3%
2%
1%
食肉加工品、魚肉加工品 食肉製品、食肉加工品、かまぼこ(練り物) 100g以下
100g超過1,000g以下
1,000g超過
2g
2%
1%

7. その他

調査時点:2020年10月

食品安全・衛生に関する法律には、韓国食品医薬品安全処が管轄している「食品衛生法」があります。この法律は、食品により生じる衛生上の危害を防止し、食品の栄養向上を図り、食品に関する正しい情報を提供し、国民の健康増進に寄与することを目的としています。
この法律に基づいて、食品・食品原料・食品添加物・食品容器・食品器具・食品包装などの食品関連の基準・規格・規則などが定められています。

韓国食品医薬品安全処長は、食品の原料管理、製造・加工・調理・小分け・流通のすべての過程で危害物質が食品に混じることや、食品が汚染されることを防止するために、各プロセスの危害要素を確認・評価して重点的に管理する基準を食品ごとに定めて告示することができます。
総理令で定める食品を製造・加工・調理・小分け・流通する営業者は、この規定により韓国食品医薬品安全処長が告示した食品安全管理の認証基準を守らなければなりません。

また、食品の輸入規制は、韓国食品医薬品安全処が管轄している「韓国輸入食品安全管理特別法」で定められています。同法により、輸入する食品などの海外作業所の名称、所在地および製造品目など、同法施行規則で定める事項を輸入申告前に韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。また、登録をした海外作業所に対しては、査察官が来日して現地実態調査を行う可能性があります。

韓国食品医薬品安全処長は、「輸入食品等の危害防止のため」および「輸入食品等の安全性に関する情報の事実確認が必要な場合」に、輸出国政府や海外の製造業者と事前に協議を経て、海外製造業者に対して現地調査を行うことができるとしています。「輸入食品安全管理特別法」第6条に基づいて、現地調査を拒否、妨害、忌避(正当な理由なしに応答しない場合を含む)する場合や、現地調査の結果、輸入食品などに危害が発生するおそれがある場合は、該当海外製造業所の輸入食品を輸入中断させることができます。

韓国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2021年9月

営業者が販売を目的に、または営業上使用する目的で食品などを輸入する際は、韓国食品医薬品安全処長に輸入申告をしなければなりません。輸入申告にあたっては、通常の通関書類に加え輸出証明書が必要になります。輸出証明書については、関連リンク「その他参考情報」の農林水産省「韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を参照してください。

畜産物の輸入を申告する者は、海外作業所の登録(輸入者または海外製造業所の設置・運営者が海外製造業所の名称、所在地および製造品目など、「韓国輸入食品安全管理特別法施行規則」で定める事項を、輸入申告の7日前までに、韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません)をしたうえで、輸出国政府と韓国食品医薬品安全処長との協議のうえ決められた様式の輸出衛生証明書の原本とその写しを添付する必要があります。なお、輸出衛生証明書は農林水産省輸出・国際局輸出支援課が発行します。

また、食品を輸入・販売する個人または法人は、事前に「輸入食品等輸入販売業の営業登録」を行わなければなりません。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2021年9月

輸入者(または輸入代行業者)は、食品の輸入通関にあたり、関税庁「電子通関システム(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通して輸入申告を行わなければなりません。「関税法施行規則別紙第1号の3書式」によると、輸入申告時に提出する書類は、インボイス、価格申告書、船荷証券副本、包装明細書、原産地証明書(日本産食品の場合は、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う産地証明書で原産地証明ができますので、原産地証明書を別途提出する必要はありません)などがあります。

食品全般は、輸入申告を行う際に、韓国食品医薬品安全処による食品検査を受ける必要があります。指定検疫物(牛肉、鶏卵、原乳、加工または滅菌していない畜産加工品などの動物生産物)の場合は、食品検査を行う前、検疫を受けることになります。
食品検査の際には、「食品・医薬品分野の試験・検査等に関する法律」により政府から指定された試験・検査機関により検査を受けなければなりません。試験・検査機関は韓国食品医薬品安全処のウェブサイトに記載の「食品専門試験検査機関(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照してください。詳細は「3.輸入時の検査・検疫」を参照してください。
この試験・検査の結果、輸入しても問題ないと判定された食品については、管轄の地方食品医薬品安全庁により「輸入食品等の輸入申告確認証」が発行されます。


3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2021年9月

検疫
輸入時は、「家畜伝染病予防法」により、指定検疫物(牛肉、鶏卵、原乳、加工または滅菌していない畜産加工品などの動物生産物)を輸入した者は、遅滞なく動物検疫機関の長に検疫を申請して検疫官の検疫を受けなければなりません。検疫の期間は3日間であり、農林畜産食品部令で定める手数料(1件あたり2万ウォン)を支払わなければなりません。
申請書は、管轄の農林畜産検疫本部 地域本部に提出することになっており、輸出者、輸出国、取引品名、金額、重量、到着港、生産国、船積み港、船積み日などの貿易情報を記載して提出しなければなりません。
食品検査
検疫手続きが終わり、合格を受けた畜産物は、食品として食品検査などの輸入手続きを進めることができます。
外国から動物の伝染性疾病の病原体の流入を遮断するために制定された「家畜伝染病予防法」に基づく農林畜産食品部告示の「指定検疫物の輸入禁止地域」で、畜産物の品目ごとに輸入できる地域などが決められているため、禁止地域からの輸入は基本的に禁止されます。
なお、指定検疫物ではない場合も食品として食品検査を受ける必要があります。食品を対象とする輸入申告書が提出されると、管轄の地方食品医薬品安全庁により、対象食品の輸入条件に従って、「書類検査」「現場検査」「精密検査」「無作為標本検査」などの検査で適合・不適合の判定が下されます。検査の詳細は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定められています。試験・検査を行う機関は、関連リンクの韓国食品医薬品安全処のウェブサイトに記載の「試験検査機関の指定現況(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照してください。
検査内容は、成分分析、動植物検疫、残留農薬、重金属、ラベル内容などになります。「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「食品などの表示基準」を参照してください。
処理期間は、書類検査には2日間(畜産物の場合は3日間)、現場検査には3日間(畜産物の場合は5日間)、精密検査と無作為標本検査には10日間(畜産物の場合は18日間)が所要されます。
食品検査にかかる手数料は、「食品・医薬品分野の試験・検査手数料に関する規定」により定められています。韓国食品医薬品安全処のウェブサイト「検査手数料の情報」を参照してください。
なお、日本から輸入される食品の場合は、食品検査とあわせて放射性物質検査が毎回輸入時に行われます。

4. 販売許可手続き

調査時点:2021年9月

食品を輸入・販売する個人または法人は、事前に「輸入食品安全管理特別法」が定めている「輸入食品等輸入販売業の営業登録」を行わなければなりません。外資企業に対する規制などは特にありません。
営業登録を行おうとする者は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めるところにより、営業に必要な施設を備え、営業登録申請書を管轄の地方食品医薬品安全庁の長に提出しなければなりません。また、事前に輸入食品などの衛生管理に関する教育を受けなければなりません。教育機関、教育内容、教育時間、教育費などの教育に必要な事項は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めています。

また、畜産物の販売は、「畜産物衛生管理法」に基づき、「畜産物販売業」として営業申請を行わなければならず、営業申請を行うためには、販売業態によって施設基準を満たす必要があります。

5. その他

調査時点:2021年9月

食品を輸入・販売する個人または法人は、毎年、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めるところにより、輸入食品などの衛生管理に関する教育を受けなければなりません。教育機関、教育内容、教育時間、教育費などの教育に必要な事項は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めています。

畜産物衛生管理法により、畜産物を輸入・販売する者は、販売した製品について、消費者から異物(畜産物の加工・包装・流通の過程において正常に使われた原料または材料ではないもので衛生上危害が発生するおそれがある、または食用には不適切な物質)に関する申告を受けた際には、それを韓国食品医薬品安全処長、市長、区役所長などの地方自治団体の長に報告しなければなりません。

韓国食品医薬品安全処長は、輸入申告された輸入食品などが次の各号のいずれかに該当する場合には、当該輸入申告の受理を保留することができます。

  1. テロの手段として使用される恐れがある場合
  2. 「感染症の予防および管理に関する法律」による感染症の病原体に汚染されたか、汚染されたおそれがある場合
  3. 人体に危害物質に汚染されたと判断されるが、汚染するかどうかを確認するための検査項目を特定することが困難または定められた試験方法がない場合
  4. 国内で申告および登録などをしていないか、許可、承認などを受けていない農薬、動物用医薬品、遺伝子組み換え食品などの物質が使用されていると判断された場合であって、その原料や成分について定められた試験方法がない場合
  5. その他当該輸入食品などにより、国民の健康に重大な危害が発生し、または発生するおそれがあり、迅速な措置が必要な場合

「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」の改正により、紙パック、ガラス瓶、金属缶、合成樹脂を包装材として使っている食品の輸入業者は、「包装材のリサイクル義務生産者」として、輸入する製品に対して、包装材の材質および構造評価を受けなければなりません。
環境部長官は、「包装材の材質・構造評価等に関する業務処理方針」に違反した梱包材を製造・輸入するか、これを利用した製品を販売している者に、1年以内の範囲で期間を定めて材質および構造とリサイクルしやすさなどに関する改善を命ずることができますが、その命令を受けた者がこれを履行しない場合には、当該製品の製造・輸入および販売の中止を命ずることができます。

関連リンク

韓国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年9月

「関税法」に従い、畜産加工品には5~30%の関税が賦課されます。パスタ5%、ソーセージ18%、その他27〜30%など。

関税の納税義務者は、輸入申告の際に、輸入する物品の価格について税関長に申告をしなければなりません。その輸入申告(入港前輸入申告を含む)があった際に、物品の性質とその数量に応じて関税が賦課されます。
賦課された関税については、申告が受理されてから15日(営業日基準)以内に納付しなければなりません。

2. その他の税

調査時点:2021年9月

事業または輸入を行う個人、法人、法人格のない社団・財団などは、「付加価値税法」に基づいて付加価値税を納付する義務があります。課税の対象は、事業者が行う「財貨またはサービスの供給」と「財貨の輸入」です。付加価値税の税率は10%で、次のとおり計算します。

  • 付加価値税=(CIF価格+輸入関税)×10%

3. その他

調査時点:2021年9月

食品の輸入時には、日本であらかじめラベルを貼り付ける、または印刷して輸入する場合を除くと、輸入申告する前に韓国の保税倉庫でラベルを貼るための作業が必要です。ラベルの印刷と補修作業のためのコストがかかります。これらの作業は、輸入者が輸入代行者などに委託する業務のため、条件によってコストは異なります。

その他

調査時点:2021年9月

なし