日本からの輸出に関する制度 牛乳・乳製品の輸入規制、輸入手続き
品目の定義
本ページで定義する牛乳・乳製品のHSコード
0401:ミルクおよびクリーム(濃縮もしくは乾燥をし、または砂糖その他の甘味料を加えたものを除く。)
0402:ミルクおよびクリーム(濃縮もしくは乾燥をし、または砂糖その他の甘味料を加えたものに限る。)
0403:バターミルク、凝固したミルクおよびクリーム、ヨーグルト、ケフィアその他発酵させまたは酸性化したミルクおよびクリーム(濃縮もしくは乾燥をしてあるかないか、または砂糖その他の甘味料、香味料、果実、ナットもしくはココアを加えてあるかないかを問わない。)
0404:ホエイ(濃縮もしくは乾燥をしてあるかないか、または砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わない。)およびミルクの天然の組成分からなる物品(砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わないものとし、他の項に該当するものを除く。)
0405:ミルクから得たバターその他の油脂およびデイリースプレッド
0406:チーズおよびカードこの他にも、乳糖(HS1702.11、1702.19)、チョコレート(HS1806)、ミルクの調製品(HS1901)、コーヒー、ミルクティー(HS2101)、アイスクリーム(HS2105)など、乳製品のHSコードは性状(乳脂肪分など)、用途により多岐にわたります。HSコードの特定には、製品の成分分析表に基づき税関相談官室に事前に確認することを推奨します。
なお、ミルク規制(Cap.132AQ Milk Regulations)によると、次のように定義されています。「食品および薬品(成分および表示)規則」(Cap.132W Food And Drugs(Composition And Labelling)Regulations)とは一部定義が異なるため、留意してください。
- milk(奶類):牛の乳、水牛の乳、ヤギの乳、クリーム、冷凍または還元された乳・クリーム。ただし、分離乳、粉乳、練乳は含まない。
- milk beverage(奶類飲品):液体乳脂肪と乳由来のその他固形物を混ぜてできた飲料で、食品添加物を除いたものと添加したものの両方が含まれる。
香港の輸入規制
1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)
調査時点:2022年7月
東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、福島県産の牛乳、乳飲料、粉乳は輸入が禁止されています。
2018年7月24日から茨城県、栃木県、群馬県および千葉県産の牛乳、乳飲料、粉乳については、条件付き(輸出事業者証明書および放射性物質検査証明書の添付)で輸入できるようになりました。輸出事業者証明書・放射性物質検査証明書の発行については最寄りの農政局に申請してください。詳しくは、農林水産省「香港による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を確認してください。
これら5県以外で生産されたものについては、輸入規制はありません。
2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)
調査時点:2022年7月
香港へ牛乳・乳飲料・粉乳を輸出するにあたって、茨城県、栃木県、群馬県および千葉県産の製品については、輸出事業者証明書および放射性物質検査証明書の添付が必要です。書類の申請手続きについては、関連リンクの農林水産省「香港による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を確認してください。
その他、牛乳・乳飲料およびクリームの輸入にあたっては、輸入者側が食物環境衛生署(以下FEHD)から事前許可を得る必要があります。輸入許可の申請に際しては、日本側で発行された衛生証明書の提出が必要となります。詳細は輸入手続きの項目を参照してください。また、衛生証明書の発行については、関連リンクの農林水産省「香港向け輸出乳、乳飲料およびクリームの取扱要綱」を確認してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
農林水産省
-
厚生労働省
- 根拠法等
-
香港特別行政区基本法「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulation)(英語)
- その他参考情報
-
農林水産省「香港による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」
-
農林水産省「香港向け輸出乳、乳飲料及びクリームの取扱要綱
(216KB)
- その他参考情報
-
農林水産省「香港による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」
-
農林水産省「証明書や施設認定の申請」

(「アジア」から香港を参照) -
厚生労働省「輸出食品」
-
香港食品安全センター「乳および乳飲料の輸入規制(Import control of milk and milk beverage)」(英語)
(74KB)
-
ジェトロ「農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報」
(804KB)
3. 動植物検疫の有無
調査時点:2022年7月
なし
香港の食品関連の規制
1. 食品規格
調査時点:2022年7月
牛乳・乳製品に関しては、「食品および薬品(成分および表示)規則」〔Cap.132W Food And Drugs(Composition And Labelling)Regulations〕のSchedule 1 Part IIにおいて、品目ごとに乳脂肪分などの組成に関する規則が設けられています。また、PartIIIにおいて、特定の製品に関する添加物の含有量制限が設けられています。その他、包装済みの製品についてはコーデックス食品規格を参考に食品の成分とその添加物について適切に表示しなければなりません。殺菌・低温殺菌による熱処理方法についても定められています。詳細は、関連リンクの「乳および乳飲料の輸入規制(Import control of milk and milk beverage)」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
香港食品安全センター(CFS)(英語)
- 根拠法等
-
香港特別行政区基本法「公衆衛生および市政条例第132章」(Cap.132 The Public Health And Municipal Services Ordinance)
-
香港特別行政区基本法「食品および薬品(成分組成および表示)規則」〔Cap.132W Food And Drugs(Composition And Labelling)Regulations〕(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulation)(英語)
- その他参考情報
-
香港食品安全センター「乳および乳飲料の輸入規制(Import control of milk and milk beverage)」(英語)
(74KB)
-
香港食品安全センター「食品に関する法律/ガイドライン」(Food Legislation / Guidelines)(英語)
2. 残留農薬および動物用医薬品
調査時点:2022年7月
香港では使用される農薬について、ポジティブリスト制を採用しています。「食品中の残留農薬規則」(Cap.132CM Pesticide Residues in Food Regulation)(香港特別行政区基本法)Schedule 1に挙げられている、農薬と食品との組み合わせごとに定められている最大残留基準値/外因性最大残留許容量に照らし、含有量が規定値を超えている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。また、Schedule 2には規制対象外の農薬が挙げられています。
また、牛乳・乳製品内に残留する動物用医薬品については、「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)のSchedule 1に挙げられている物質が規定量を超えている場合、また同Schedule 2に挙げられている物質が含まれている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。
関連リンク
- 関係省庁
-
香港食品安全センター(CFS)(英語)
-
香港食物環境衛生署(FEHD)(英語)
- 根拠法等
-
香港特別行政区基本法「食品中の残留農薬の規則」(Cap.132CM Pesticide Residues in Food Regulation)(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
- その他参考情報
-
香港食品安全センター「残留農薬基準値データベース」(Hong Kong Pesticide MRL Database)(英語)
-
香港食品安全センター「食品中の残留農薬のモニタリング」(Monitoring Pesticides Residues in Food)(英語)
-
香港食品安全センター「食品規制における残留農薬(よくある質問)」(Pesticide Residues in Food Regulation)(英語)
-
農林水産省「諸外国における残留農薬基準値に関する情報」
- ジェトロ「食品中の残留農薬規則」解説セミナー
3. 重金属および汚染物質
調査時点:2025年10月
【重金属規則】
2019年11月より施行された「2018年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」(Cap.132V Food Adulteration (Metallic Contamination) (Amendment) Regulation 2018)では、規制対象となる「特定金属」の含有上限量とそれに対応する「特定食品」を列挙しており、当該食品が「特定食品」を原料として含む場合には、同法の基準に従う必要があります。
規制対象である「特定金属」と「特定食品」の組み合わせ、および含有上限量については、「食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」の付表第2部(Part 2 Maximum Level of Metal in Food)にリスト化され、規則本文と共に電子版で公開されています(詳しくは、関連リンク電子版香港法例「食品混入不純物(金属汚染物質含有量)規則」
を参照)。
四つの列(Column)からなる第2部では、一列目は特定金属(Metal)、二列目は特定食品(Food)、三列目は含有上限量(Maximum Level)を確認することができます。四列目の注釈(Note)については説明が付表の最下部に記載されています。なお、特定金属によって特定食品の種類が違いますので、まずは特定食品の列から確認することを推奨します。
また、複数の原料から構成される「複合食品」についても、「特定食品」が配合されている場合には規制対象となります。また、改正規則3(4)に規定されたとおり、「複合食品のすべての原料が特定食品に該当する場合」には、「(当該)複合食品に含まれる特定金属の上限量は、各原料の特定金属の上限量を、この複合食品に含まれる各原料の割合、重量により乗じた値の合算」となります。
加えて、「特定金属」ではない金属であっても、危険値であるまたは有害性が疑われるような量の金属を含有する食品は、いかなるものでもヒトの消費用に輸入・委託・配送・製造・販売することが禁止されています。
【有害物質】
有害物質に関しては「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)(香港特別行政区基本法)のSchedule 1に挙げられている物質が規定量を超えている場合、また同Schedule 2に挙げられている物質が含まれている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。
また、香港特別行政区基本法「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulations)第6条により、次の乳・乳飲料については販売が禁止されています。
- 2回以上熱処理された乳・乳飲料(輸入された冷凍低温殺菌全乳を除く)
- 熱処理前に1mlあたり20万を超える細菌を含む、あるいは、1mlの1000分の1(0.001)の大腸菌を含む
- 同規則Schedule1に記載されている低温殺菌のいずれかの方法で熱処理した後、1mlあたり3万を超える細菌を含むか、あるいは1mlの10分の1(0.1)の大腸菌を含む
- 同規則Schedule1に記載されている殺菌方法で熱処理した後、10以上の細菌群が存在する
2021年7月14日には、「2021年食品有害物質(改正)規則(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation (2021))が可決されました。上記規則により、一部成分の許容基準値が厳格化または新設となり、2023年6月1日から施行されます。牛乳・乳製品に関連する有害物質のうち、改正または新設となったものについては、次の表を参照のうえ、関連リンクの内容を確認してください。
| 特定有害物質 | 特定食品 | 含有上限量 |
|---|---|---|
| アフラトキシンB1 | 乳タンパク質から製造された調整乳を除く、乳児用調製粉乳およびフォローアップミルク | 0.1μg/kg |
| 生後36カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした、上記以外のすべての食品 | 0.1μg/kg | |
| アフラトキシンM1 | 生後12カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした乳児用調製粉乳およびフォローアップミルク | 0.025μg/kg |
| その他の乳および粉乳 | 0.5μg/kg | |
|
アフラトキシン総量 (アフラトキシンB1、B2、G1、G2の合計) |
調理前のアーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツおよびピスタチオ | 15μg/kg |
| 調理前のピーナッツ、アーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツおよびピスタチオから製造された食品 | 15μg/kg | |
| 香辛料 | 15μg/kg | |
| その他の食品 | 10μg/kg | |
| エルカ酸 | 低エルカ酸菜種油 | 脂肪酸の重量の2% |
| その他の油、脂肪、又は油脂 | 脂肪酸の重量の5% | |
| 油、脂肪、又は油脂が加えられたその他の食品 | 食品中のすべての油および脂肪に含まれる脂肪酸の重量の5% | |
| メラミン | 生後12カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした乳児用調整液体乳および液体フォローアップミルク | 0.15mg/kg |
| 上記以外の乳 | 1mg/kg | |
| 生後36カ月以下の乳幼児による摂取を前提としたその他の食品 | 1mg/kg | |
| 妊婦および授乳中の女性による摂取を前提としたすべての食品 | 1mg/kg | |
| その他のすべての食品 | 2.5mg/kg | |
| グルシジル脂肪酸エステル | 生後12カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした乳児用調整粉乳および粉状フォローアップミルク | 50μg/kg |
| 生後12カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした乳児用調整液体乳および液体フォローアップミルク | 6μg/kg |
さらに、水素添加油脂の使用については、部分的禁止や原材料表示などの新たな規則が設けられ、改正後の規則は2023年12月1日から施行されます。関連リンクなどを参照のうえ、確認してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
香港食品安全センター(CFS)(英語)
- 根拠法等
-
電子版香港法例「食品混入不純物(金属汚染物質含有量)規則」(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「2021年食品有害物質(改正)規則」(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021)(英語)
(218KB) / (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulation)(英語)
- その他参考情報
-
香港食品安全センター「食品微生物含有量ガイドライン」(Microbiological Guidelines for Food)(英語)
(1.6MB)
-
農林水産省「個別危害要因への対応(健康に悪影響を及ぼす可能性のある化学物質)」
-
香港食品安全センター「2025年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則ガイドライン」(Food Adulteration (Metallic Contamination)(Amendment)Regulations 2025)(英語)
(1,8MB)
-
香港特別行政区基本法「2021年食品有害物質(改正)規則ガイドライン」(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021)(英語)
(613KB) / (ジェトロ仮訳)
- ジェトロ「香港の食品安全規則、立法会で改正(香港)」(ビジネス短信)
- ジェトロ「食品混入不純物(金属汚染物質含有量)に関する改正規則施行、新たに27分類の許容最大基準値を設定(香港)」(ビジネス短信)
4. 食品添加物
調査時点:2022年7月
牛乳・乳製品に限らず、香港では食品一般につき、着色料・甘味料・食品保存料に関する規制があります。
着色料に関しては「食品着色料規則」(Cap.132H Colouring Matter in Food Regulations)のSchedule 1に挙げられている着色料を使用することができます。また、天然色素については、同規則には掲載されていませんが、一部は使用が認められます。その他参考情報の「許可された着色料:天然色素」を参照してください。
甘味料に関しては「食品甘味料規則」(Cap.132U Sweeteners in Food Regulations)のScheduleに挙げられている甘味料を使用することができます。
食品保存料に関しては「食物中の保存料規則」(Cap.132BD Preservatives in Food Regulation)のSchedule 1, No.1に挙げられている食品保存料を、規定量の範囲内で使用することができます。
なお、牛乳・乳製品については、前述に加え、次の規制が存在します。
【食品および薬品(成分および表示)規則のPartIIIに列挙された牛乳・乳製品】
香港特別行政区基本法「食品および薬品(成分組成および表示)規則」〔Cap. 132W Food and. Drugs(Composition and Labelling) Regulations〕のPart IIIにおいて、次のとおり特定の牛乳・乳製品の種類と、それぞれに用いる食品添加物の含有上限量が定められていますので、確認してください。
- 特定の牛乳・乳製品の種類
- 加糖練乳(コンデンスミルクまたはエバミルク)、加糖脱脂練乳(脱脂乳または無脂肪牛乳)または無糖練乳(コンデンスミルクまたはエバミルク)の添加物
- バター
- クリーム
関連リンク
- 関係省庁
-
香港食品安全センター(CFS)(英語)
- 根拠法等
-
香港特別行政区基本法「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulation)(英語)
-
香港特別行政区基本法「食品および薬品(成分組成および表示)規則」〔Cap.132W Food And Drugs(Composition And Labelling)Regulations〕(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「食品着色料規則」(Cap.132H Colouring Matter in Food Regulations)(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「食品甘味料規則」(Cap.132U Sweeteners in Food Regulations)(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「食物中の保存料規則」(Cap.132BD Preservatives in Food Regulation)(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港食品安全センター「許可された着色料:天然色素」(英語)
(107KB)
- その他参考情報
- ジェトロ「香港における食品添加物の規制状況」
-
農林水産省「各国の食品・添加物等の規格基準」
5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)
調査時点:2022年7月
牛乳および乳製品の容器については、香港食物環境衛生署(FEHD)に輸入許可申請を行う際、ラベル付きの容器を送付し、事前に許可を得る必要があります。詳細は輸入手続きの項目を参照してください。
6. ラベル表示
調査時点:2022年7月
「食品および薬品(成分および表示)規則」〔Cap. 132W Food and. Drugs(Composition and Labelling)Regulations〕に基づき、香港内で販売する商品に対して食品製造者および包装業者は、次の項目を英語または中国語、あるいは英語と中国語の併用で表示することが求められます。
- 食品名
- 原材料リスト(原材料、アレルギー性物質、添加物を含む)
- 原材料:重量または容量の多い順に表示する。ただし、単一の原料で構成されているものについては不要
- アレルギー性物質:グルテンを含む穀物、甲殻類および甲殻類製品、卵および卵製品、魚および魚製品、ピーナッツ・大豆およびそれらの製品、牛乳および乳製品(乳糖を含む)、木の実とナッツ製品、10ppm以上の亜硫酸塩
- 添加物:コーデックス委員会(CODEX)による国際番号システム(INS)に基づく(a)機能分類および(b)名称または識別番号または「E」もしくは「e」から始まる識別番号
- 消費期限(use by date)または賞味期限(best before)
- 賞味期限(“best before”)および消費期限(“use by”)は、アラビア数字、または英語または中国語で表示する必要がある
例: Best before: 1 Oct 2016(英語)、此日期前最佳: 2016年10月1日(中国語)
- 賞味期限(“best before”)および消費期限(“use by”)は、アラビア数字、または英語または中国語で表示する必要がある
- 保管に対する特別な条件、または使用上の注意に関する説明
- 製造者または包装業者の名前と住所(英語)
ただし、次の条件が満たされる場合には、表示義務が免除されます- 次の(i)~(iii)の情報が印字またはラベル表記されている場合
- 原産国
- 香港における販売業者や商標所有者の名称
- 香港における販売業者や商標所有者の登記済み事務所または本社の所在地
- 香港における販売業者や商標所有者により、原産国における食品製造者や包装業者の正式所在地が書面で当局に通知されている場合
- 次の(i)および(ii)を満たす場合
- 香港における販売業者や商標所有者の登記済み事務所または本社の所在地
- コードおよびコードに紐づけられた製造者や包装業者の詳細が、当該製造者または包装業者、あるいは香港における販売業者または商標所有者により、書面で当局に通知されている
- 食品の製造工場または包装工場その他の場所が、原産国の政府により所有、操業、または経営されており、当該食品が当該政府の製品であることを示す方式で印字またはラベル表記されている場合
- 次の(i)~(iii)の情報が印字またはラベル表記されている場合
- 数、重量または容量
- 包装済み食品は、内容物の数量、または食品の正味重量や正味体積を明確に表記またはラベル付けする必要がある
- 正味重量および正味体積は、実行可能な限り、「度量衡条例」 (Cap. 68) または「メートル法条例」(Cap. 214)の第1附則に規定される国際単位基準に従って表示するものとする(ただし、許容誤差については規定なし)
- 栄養成分〔免除項目は「食品および薬品(成分および表示)規則」(Cap. 132W)のSchedule 6を参考〕
牛乳・乳飲料の表示については、これらに加えて、次の表示が必要となります。
- 内容物を処理した者の氏名と住所
- 内容物の加熱処理方法
また、無脂肪牛乳(离脂奶:法令上定義なし)、脱脂乳(脱脂奶:定義第 9条規定にあり。脂肪分が0.3%以下)、部分脱脂乳(部分脱脂奶:定義なし)は、容器に次の表示またはラベルを貼付しなければなりません。
無脂肪牛乳(离脂奶)
SEPARATED MILK
(离脂奶)
Children under one year of age should not be
fed on this milk except under medical advice.
(除由医生指导外不应用以喂哺一岁以下之婴儿)
脱脂乳(脱脂奶)
SKIMMED MILK
(脱脂奶)
Children under one year of age should not be
fed on this milk except under medical advice.
(除由医生指导外不应用以喂哺一岁以下之婴儿)
部分脱脂乳(部分脱脂奶)
PARTLY SKIMMED MILK
(部分脱脂奶)
Children under one year of age should not be
fed on this milk except under medical advice.
(除由医生指导外不应用以喂哺一岁以下之婴儿)
*除由医生指导外不应用以喂哺一岁以下之婴儿(訳)
医学的指導がない場合は、1歳未満の乳児に与えないでください。
*英語と中国語で目立つように、かつ読みやすく表示またはラベル貼付すること。明色の地色の上に暗色のブロック体、または暗色の地色の上に明色のブロック体で印刷されていること。囲み線で囲まれていること。囲み線内には前述以外の情報を入れないこととされています。
また、牛乳、クリームあるいは牛乳類似と表示される次の飲料が入った容器には、その主原料を正確に表示するものとされています。
- 牛乳あるいは還元乳を含むが、Schedule 1のPart IIに規定された成分基準に従っていない飲料
- 販売目的のため、商品名、商品表示に「milk」あるいは「cream」、もしくは「奶」や「忌廉」という漢字、あるいはその飲料が牛乳あるいはクリームを含有していることを示唆する言葉や漢字が入っている飲料
- 豆乳またはココナッツジュース(ココナッツ自体は除く)その他、色、味、見かけあるいは濃度が牛乳に似ている飲料
また、ビジネス上支障が生じるなどの事情がある場合には、ラベル表示に製造業者もしくは包装業者の代わりに、現地の卸業者(ディストリビューター)の情報記載をすることも可能です。詳しい手続きについては、関連リンク「加工食品表示ラベルに卸業者の記載が可能に」などを参照のうえ、確認してください。
関連リンク
- 関係省庁
-
香港食品安全センター(CFS)(英語)
-
香港食物環境衛生署(FEHD)(英語)
- 根拠法等
-
香港特別行政区基本法「食品および薬品(成分組成および表示)規則」〔Cap.132W Food And Drugs(Composition And Labelling)Regulations〕(英語)
/ (ジェトロ仮訳)
-
香港特別行政区基本法「度量衡条例」〔Cap. 68 Weights and Measures Ordinance〕(英語)
-
香港特別行政区基本法「メートル法条例」〔Cap.214 Metrication Ordinance〕(英語)
- その他参考情報
-
香港食品安全センター「遺伝子組換え(GM)食品の自主的表示に関するガイドライン」〔Guidelines on Voluntary Labelling of Genetically Modified(GM)Food〕(英語)
(75KB)
-
香港食品安全センター「よくある質問」(英語)
- ジェトロ「加工食品表示ラベルに卸業者の記載が可能に」
- ジェトロ「食品栄養表示法セミナー要旨」
7. その他
調査時点:2022年7月
- 食品安全・衛生規制
- 食品や農水産物で問題や事故が起きた際に、その流通経路をさかのぼって追跡・確認できるようにするため、「食品安全条例」(Cap.612 Food Safety Ordinance)では食品輸入業や食品卸売業を行うすべての事業者に対し、食物環境衛生署(FEHD)への登録が義務付けられています。ただし、FEHDから香港ホーカー(屋台)のライセンスを取得済み、FEHDに食品輸入業者として登録されているなどの場合、卸売業者の登録は免除されます。
-
また、牛乳・乳飲料を販売する際は、「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulations)第13条により、次のとおり製品を10℃以下で保管する必要があります。
- 密閉容器に入れた滅菌ミルクまたは殺菌乳飲料を除き、販売を目的とした牛乳・および乳飲料を、10℃を超える場所で保管してはならない。
- 密閉容器に入れた滅菌ミルクまたは殺菌乳飲料を除き、貿易などのビジネス目的での輸送では、いかなる者も、輸送期間中の温度が10℃を超える環境で牛乳・乳飲料を輸送してはならない。
- 粉ミルク
- 粉ミルクについては、「粉ミルク規則」(Cap. 132R Dried Milk Regulation)に基づき、成分組成およびラベル表記に関する特別の規制があります。成分組成についての規制は、同法のSchedule1を、ラベル表記については同法のSchedule2を参照してください。
香港での輸入手続き
1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)
調査時点:2022年7月
「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulations)により、牛乳・乳飲料の輸入には香港食物環境衛生署(FEHD)からの事前の許可を必要とします。申請方法の詳細については、香港食物環境衛生署「乳・乳飲料・クリームの輸入申請」(Application for Importation of Milk / Milk Beverage / Cream)を参照してください。
なお、輸入業者は事前の輸入許可をFEHDに申請する際に、次の資料を提出しなければなりません。
- 加工処理工場の名称と住所
- 原産国の牛乳・乳飲料に関する法令
- ラベル付きの空容器
- 加工工場における加熱処理方式と施設(生産設備と給水設備を含む)に関する資料
- 次の2点を証明できる、原産国の適切な省庁発行の衛生証明書
- 牛乳および乳飲料の殺菌または減菌に際しての加熱処理方式の効果と効率性を証明し、製品が衛生的条件下で処理・加工され、また包装されたことを証明できるもの
- 製品の化学物質および細菌学上の品質を示すもの
- その製品およびその品質保持期限を証明する製造者の申告書
FEHDは製造者許可に対する申請を12営業日以内に処理することを約束しています。
関連リンク
- 関係省庁
-
香港食品安全センター(CFS)(英語)
-
香港税関(Customs and Excise Department)(英語)
-
香港食物環境衛生署(FEHD)(英語)
-
香港工業貿易署(TID)(英語)
- 根拠法等
-
香港特別行政区基本法「輸出入(登録)規則」〔Cap.60E Import and Export (Registration) Regulations〕(英語)
-
香港特別行政区基本法「課税商品条例 109条」(Cap.109 Dutiable Commodities Ordinance)(英語)
-
香港特別行政区基本法「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulation)(英語)
- その他参考情報
-
香港食物環境衛生署「乳・乳飲料・クリームの輸入申請(Application for Importation of Milk / Milk Beverage / Cream)」(FEHB 163)(英語)
-
香港食品安全センター「香港に乳・乳飲料を輸入する際の手引き」(Guide to Import of Milk and Milk Beverages into HK)(英語)
-
香港食品安全センター「乳および乳飲料の輸入規制(Import control of milk and milk beverage)」(英語)
(74KB)
-
農林水産省「香港向け輸出乳、乳飲料及びクリームの取扱要綱
(216KB)
2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)
調査時点:2022年7月
輸入(船積、航空貨物)商品にはすべて輸入陳述書(Import Statement)を添付します。輸入商品に課税商品を含まない場合は、その旨を明記した陳述書を添付しなければなりません。輸入陳述書の添付は、「課税商品条例第109条」(Cap.109 Dutiable Commodities Ordinance)により義務付けられています。通関に伴う提出書類は次のとおりです。
- 積荷目録(マニフェスト)
- エアウェイビル(航空貨物運送状)、オーシャンB/L(船荷証券)、またはほかの同様の書類
- インボイスおよびパッキングリスト
- 引渡し指図書(リリースレター)または貨物保管通知
- 衛生証明書、FEHDによる輸入許可証など
香港への日本産食品の輸出に当たっての注意喚起
香港への日本産食品の輸出に当たっての注意喚起
- 香港において、2023年9月14日以降、日本から輸入された食品の通関手続が大幅に遅延する事例が一部で発生しています。香港政府によると、これは放射性物質規制とは無関係で、輸入貨物の集中に加え、通関手続において追加情報を求められるケースがあったことが原因であり、通関スタッフの増加によりスピードアップを図る方針が示されています。
- 本件に際して香港政府は、通関手続に時間を要するのは複数の要因があるものの、貨物の集中のほか、添付書類の記載内容の明確さや完全さ等による場合があることから、特に個別のロットの中に異なる種類や異なる産地の食品が混載されている貨物の場合において、明確、完全かつ正確な書類を添付するよう、注意を呼び掛けています。
- このことを踏まえ、各輸出業者におかれては、香港側の輸入業者と十分に連絡をとり、適切に対応するようにしてください。
3. 輸入時の検査・検疫
2022年7月
香港では「公衆衛生および市政条例第132章第59条」(Cap.132 Section59 The Public Health And Municipal Services Ordinance)に基づき、香港食物環境衛生署(FEHD)が輸入食品を検査する権限を有しています。
輸入時における通関では、積荷目録(マニフェスト)などの書類の検査、および必要に応じて輸入される商品のサンプル検査が行われます。また、牛乳・乳製品については、輸入されたすべての製品が検査およびサンプル調査の対象となります。サンプル検査に関しては食品監視プログラム(Food Surveillance Programme)を参照してください。
また、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響により、日本から輸出される4県(茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)の食品のうち、牛乳・乳飲料・粉乳については、輸入時に香港側で全ロット検査が行われており、国際食品規格委員会(Codex Alimentarius Commission)の定めた基準を超えるものについては即座に差し押さえられ、処分されます。
ただし、上記4県に福島県を加えた5県以外の産地、ならびにこれら5県に対する特別な規制を設けていない品目に関し、日本産食品の航空便と船便の到着時に義務付けていた貨物ごとの放射性物質検査については2021年1月1日から一部廃止され、サーベイランス検査(一定頻度の抜き取り検査)に移行しました。
また、香港側での動物検疫はありません。ただし、香港に輸入されるあらゆる製品と同様に、輸入時のランダム検査の対象となる可能性があります。検査の結果、問題がないと判断された場合、「リリースレター(Release Letter)」が発行され、輸入が認められます。 FEHD は、リリースレターについて、貨物の到着通知の受領日または実際の到着日のどちらか遅いほうから 14 営業日以内に発行することを約束しています。
関連リンク
- 関係省庁
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香港食物環境衛生署(FEHD)(英語)
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香港食品安全センター(CFS)(英語)
- 根拠法等
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香港特別行政区基本法「公衆衛生および市政条例第132章第59条」(Cap.132 Section59 The Public Health And Municipal Services Ordinance)(英語)
- その他参考情報
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香港食品安全センター「香港に乳・乳飲料を輸入する際の手引き」(Guide to Import of Milk and Milk Beverages into HK)(英語)
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香港食品安全センター「食品監視プログラム」(Food Surveillance Programme)(英語)
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香港食品安全センター「日本産食品の輸入規制に対する新しい取り決め」(New Arrangement for Import Control on Japanese Food)(英語)
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香港食品安全センター「原発事故と食の安全に関するよくある質問」(英語)
- ジェトロ「日本産の輸入食品への放射性物質検査を一部緩和」
4. 販売許可手続き
調査時点:2022年7月
「食品業規則」〔Food Business Regulation (Cap.132 X) 〕第30項では、香港食物環境衛生署(FEHD)の書面による許可なくして飲料用の牛乳、乳飲料(輸入品を含む)を販売することは認められていません。特に、熱処理加工のされていない牛乳・乳飲料の販売は許可されていません。
「ミルク規則」(Cap.132AQ Milk Regulations)第6条では、ヒトの飲食用として販売してはならない牛乳・乳製品の対象(殺菌処理法、細菌数の規定など)が記されています。また、Schedule1では殺菌・減菌処理の方法が規定されています。
許可証取得の申請については、FEHDのウェブサイト(その他参考情報:香港食物環境衛生署「必要なライセンスの種類」および「ライセンス申請の手引き」)で確認できます。なお、FEHDによって許可された、密閉容器に入れた殺菌済牛乳や殺菌済乳飲料の販売に対しては、販売許可証の取得は必要ありません。
許可証取得の申請については、FEHDのウェブサイト(その他参考情報:香港食物環境衛生署「必要なライセンスの種類」および「ライセンス申請の手引き」)で確認できます。なお、FEHDによって許可された、密閉容器に入れた殺菌済牛乳や殺菌済乳飲料の販売に対しては、販売許可証の取得は必要ありません。
関連リンク
5. その他
調査時点:2022年7月
なし
香港の輸入関税等
1. 関税
調査時点:2022年7月
輸入にかかる関税はありません。
2. その他の税
調査時点:2022年7月
なし
3. その他
調査時点:2022年7月
なし




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