日本からの輸出に関する制度

牛肉の輸入規制、輸入手続き

香港の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2022年7月

香港へは日本産骨付き、骨なしの牛肉の輸出が可能ですが、牛海綿状脳症(BSE)の特定危険部位である扁桃、回腸遠位部、月齢30カ月以上の頭部(舌・頬肉・皮を除く)ならびに脊髄および脊柱の除去が必要です。また、香港政府が求める条件を満たす施設として厚生労働省が認定した施設で、と畜・解体から分割までが一貫して行われた日本産の牛肉は香港食物環境衛生署(FEHD)により輸入が認められます。

なお、生肉入り冷凍ギョーザ、生肉入りハンバーグ、半熟ローストビーフなどについては、一般加工食品の扱いになるため、認定施設での処理は必要ありません。詳細は関連リンクの「香港向けの生肉を含む畜産加工品の輸入運用が変更に(ビジネス短信)」を参照してください。

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、日本から輸入される5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)の食品のうち、食肉については、放射性物質検査の結果、香港の放射性物質の基準に適合していることを証明する政府機関発行の証明書が必要です。詳細は農林水産省のウェブサイト「香港による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を参照してください。

関連リンク

関係省庁
厚生労働省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港食品安全センター(CFS)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港食物環境衛生署(FEHD)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省 動物検疫所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
香港特別行政区基本法「輸入猟獲物、肉類、家きんおよび卵規則」(Cap.132AK Imported Game, Meat, Poultry And Eggs Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
その他参考情報
動物検疫所「偶蹄類の畜産物の輸出」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
動物検疫所「日本から輸出される食肉の受入れ状況一覧」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「香港による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「香港による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「香港向け輸出牛肉の取扱要綱」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.11MB)
農林水産省「輸出条件」(Export requirements for beef to be exported to Hong Kong from Japan)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(87KB)
香港特別行政区基本法「輸入猟獲物、肉類、家きんおよび卵規則」(Cap.132AK)(ジェトロ仮訳)(ジェトロ仮訳)
農林水産省「証明書や施設認定の申請」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(「アジア」から香港を参照)
農林水産省「農林水産物等の輸出におけるよくある相談」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港食品安全センター「日本産食品の輸入規制に対する新しい取り決め」(Update on Import Control on Japanese Food)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港食品安全センター「日本産食品の輸入規制に関する最新情報」(Latest update on Import Control on Japanese Food (as at 2021))(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港食品安全センター「輸入猟獲物、肉類、家きんおよび卵の輸入ガイド」(Guide to Import of Game, Meat, Poultry and Eggs into Hong Kong)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港立法会での答弁(狂牛病予防のための牛肉輸入規制)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「香港向けの生肉を含む畜産加工品の輸入運用が変更に(ビジネス短信)」

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2022年7月

生鮮、冷蔵および冷凍の牛肉を輸出する際には、厚生労働省が認定した施設でと畜・食肉処理を行うとともに、指定された食肉衛生証明書および輸出検疫証明書の取得が必要です。牛肉の認定施設および必要な衛生証明書の種類については、関連リンクに記載の農林水産省のウェブサイト「証明書や施設認定の申請」(香港)を参照してください。輸出検疫証明書については、動物検疫所のウェブサイト「偶蹄類の畜産物の輸出」を参照してください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2022年7月

日本から香港に牛肉を輸出する場合、厚生労働省が認定した施設でと畜・食肉処理を行うとともに、地域ごとに指定された食肉衛生検査所の発行する食肉衛生証明書および動物検疫所が発行する輸出検疫証明書の取得が必要です。手続きの詳細については動物検疫所のウェブサイト「輸出畜産物の検査手続」を参照してください。また、牛肉認定施設および必要な書類の種類については、関連リンクに記載の農林水産省のウェブサイト「証明書や施設認定の申請」(香港)を、輸出検疫証明書については、動物検疫所のウェブサイト「偶蹄類の畜産物の輸出」を参照してください。

香港へは日本産骨付き、骨なしの牛肉も輸出が可能ですが、月齢30カ月以上の背骨がついた牛肉、扁桃腺、および回腸の末端は輸入禁止されています。

香港での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2022年7月

冷凍または冷蔵の牛肉(食用肉類)を輸入するためには「輸入猟獲物、肉類、家きんおよび卵規則」(Cap.132AK Imported Game, Meet, Poultry And Eggs Regulations)によって、事前に香港食物環境衛生署 (FEHD)から輸入ライセンスを取得する必要があります。また、このライセンスは香港食品安全センター(CFS)に登録した輸入業者のみに発行されます。冷凍または冷蔵の食用肉類を輸入したい業者はまずCFSに企業登録する必要があります。

また、「輸入猟獲物、肉類、家きんおよび卵規則」(Cap.132AK Imported Game, Meet, Poultry And Eggs Regulations)のRegulation 4(1)(a)において輸入業者は、日本から食肉を輸入する際には、食品環境衛生局長が認めた発行機関の各種証明書(牛肉については厚生労働省が発行した食肉衛生証明書および動物検疫所が発行した輸出検疫証明書)とともに輸入することが義務付けられています。詳細は「輸入猟獲物、肉類、家きんおよび卵の輸入ガイド」(Guide to Import of Game, Meat, Poultry and Eggs into Hong Kong)を確認してください。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年7月

輸入ライセンス(冷凍および冷蔵の食用肉類の場合)、香港食物環境衛生署(FEHD)が認定する日本で発行された食肉衛生証明書、輸出国の管轄権を有する当局(日本の場合は動物検疫所)によって発行された輸出検疫証明書が必要となります。

また、輸入(船積、航空貨物)商品にはすべて輸入陳述書(Import Statement)を添付します。輸入商品に課税商品を含まない場合は、その旨を明記した陳述書を添付しなければなりません。輸入陳述書の添付は、「課税商品条例第109条」 (Cap.109 Dutiable Commodities Ordinance)により義務付けられています。 通関に伴う提出書類は次のとおりです。

  • 積荷目録(マニフェスト)
  • エアウェイビル(航空貨物運送状)、オーシャンB/L(船荷証券)、またはほかの同様の書類
  • インボイスおよびパッキングリスト
  • 引渡し指図書(リリースレター)または貨物保管通知
  • 衛生証明書、輸出検疫証明書
  • 5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)については、日本の政府機関が発行する放射性物質検査証明書など

香港への日本産食品の輸出に当たっての注意喚起

  • 香港において、2023年9月14日以降、日本から輸入された食品の通関手続が大幅に遅延する事例が一部で発生しています。香港政府によると、これは放射性物質規制とは無関係で、輸入貨物の集中に加え、通関手続において追加情報を求められるケースがあったことが原因であり、通関スタッフの増加によりスピードアップを図る方針が示されています。
  • 本件に際して香港政府は、通関手続に時間を要するのは複数の要因があるものの、貨物の集中のほか、添付書類の記載内容の明確さや完全さ等による場合があることから、特に個別のロットの中に異なる種類や異なる産地の食品が混載されている貨物の場合において、明確、完全かつ正確な書類を添付するよう、注意を呼び掛けています。
  • このことを踏まえ、各輸出業者におかれては、香港側の輸入業者と十分に連絡をとり、適切に対応するようにしてください。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2022年7月

香港では「公衆衛生および市政条例第132章第59条」(Cap.132 Section59 The Public Health And Municipal Services Ordinance)に基づき、香港食物環境衛生署(FEHD)が輸入食品を検査する権限を有しています。輸入時における通関では、積荷目録(マニフェスト)などの書類の検査、および必要に応じて輸入される商品のサンプル検査が行われます。サンプル検査に関しては食品監視プログラム(Food Surveillance Programme)を参照してください。

また、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、日本から輸出される5県(福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)の食品のうち、食肉については、輸入時に香港側で全ロット検査が行われており、国際食品規格委員会(Codex Alimentarius Commission)の定めた基準を超えるものについては即座に差し押さえられ、処分されます。

ただし、上記5県以外の産地、ならびにこれら5県に対する特別な規制を設けていない品目に関し、日本産食品の航空便と船便の到着時に義務付けていた貨物ごとの放射性物質検査については2021年1月1日から一部廃止され、サーベイランス検査(一定頻度の抜き取り検査)に移行しました。

また、香港側での動物検疫はありません。ただし、生体を輸入する場合は、基本的に衛生証明書の提出および文錦渡動物検査所(Man Kam To Animal Inspection Station)での検疫を受ける必要があります。また、香港に輸入されるあらゆる製品に共通して、輸入時のランダム検査の対象となる可能性があります。

4. 販売許可手続き

調査時点:2022年7月

「食品事業規則」により、レストランや店舗の営業には食品事業ライセンスの取得が必要です。生鮮、冷蔵および冷凍の牛肉を販売する場合、食物環境衛生署(FEHD)署長に申請し、生鮮食料品店の販売ライセンスを取得する必要があります。また、生食用の肉を販売する場合、制限付食品の販売許可証も取得する必要があります。

5. その他

調査時点:2022年7月

なし

香港の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年7月

輸入にかかる関税はありません。

2. その他の税

調査時点:2022年7月

なし

3. その他

調査時点:2022年7月

なし

その他

調査時点:2022年7月

なし