開発途上国ビジネス支援

エジプト「ガラス・ファブリックス製品」対日輸出支援事業(“Sense Egypt”)(2009~2013年)

目的と背景

本事業は、2008年のアフリカ開発会議(TICAD IV)フォローアップの一環として、エジプト独特の産品であるハンドメイドガラスおよびファブリックス企業への対日輸出支援を2009年度より展開してきたものである。
日本のインテリアデザイナーやガラス技術の専門家を数回現地へ派遣し、「センス・エジプト」と題した新商品開発を参加企業と共に取り組んだ。日本市場向けに機能性を持たせ、デザイン、サイズ、品質を改良した製品を日本のインテリア見本市へ出展し、日本の業界へ紹介して認知度向上、取引拡大を図った。
「センス・エジプト」は、エジプトの心を感じさせる「モダン・アラビック・デザイン」のインテリア製品を開発し、新たなエジプトの魅力を発信することを目的に立ち上げた本事業のブランドである。

2013年度事業内容

2013年度は、2011年以来、3回目の出展となる「インテリア ライフスタイル(ILT) 2013」(期間:6月5日~7日)において出展支援を行った(ガラス 5社、ファブリックス3社出展)。今回は、事業最終年度にあたるため、出展までの間、これまでの有望商談に対し、ジェトロも個別支援を行い、展示会でのより一層充実した商談・取引拡大を目指した。
また、本展示会直前には、TICAD V併催イベント「アフリカン・フェア2013」(期間:5/30~6/2)において、本出展製品の一部を事前展示し、「センス・エジプト」事業成果発表および本展示会の出展案内を行った。

ILT内ジェトロ「センス・エジプト」ブース

「センス・エジプト」製品ディスプレイ

2013年度までの事業経緯

2010年3月
専門家派遣によるFS調査実施
2010年10月
専門家派遣による商品開発指導
2011年4月
専門家派遣による出展サンプル選定
2011年6月
インテリアライフスタイル2011への出展支援
2011年11月
専門家派遣による改善指導、ファブリックス製品FS調査
2012年2月
専門家派遣による出展サンプル審査
2012年6月
インテリアライフスタイル2012への出展支援
2012年12月
専門家派遣による出展サンプル相談・商談支援
2013年6月
インテリアライフスタイル2013への出展支援

成果と課題

エジプトガラス製品企業5社、ファブリックス製品企業3社が、自社の個性を生かしながら、日本市場に受け入れられるデザイン・サイズ・品質の改良による新製品を開発、繰り返しの製品改良と展示会への出展経験を通じて、日本企業と取引開始、追加受注などビジネス拡大に進展した。大手百貨店やインテリア雑貨店などで販売されるなど徐々に日本市場に認知されてきている。ちなみに、上述の「アフリカン・フェア」に取材したテレビ番組の来場者人気ランキングに「エジプトのガラス製品」が第3位に選ばれた。「センス・エジプト」ブランドを立ち上げた対日輸出拡大への取り組みは、エジプト政府からも謝意が寄せられている。
今後の取引拡大には、エジプト企業各社による日本企業との信頼構築に向けた努力、及びエジプト政府・公的機関のサポートが求められる。

関連カタログ

本事業の概要は英語でもご紹介しています。

  • Promotion of Export of Egyptian Glass and Fabrics “Sense Egypt” Project (2009 - 2013)