活発な動きを見せている日本のGX市場

2025年03月04日

日本政府は2020年に「グリーン成長戦略」を打ち出し、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しています。総額2.75兆円(約178億ドル)の「グリーンイノベーション基金」を設立するなど、その取り組みを加速させています。この基金は、官民が共有するこの大きな目標に取り組む企業に、最長10年間の支援を提供するものです。日本全国で、持続可能な環境保護と経済成長に焦点を当てたGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みが盛んに行われています。東京から遠く離れた五島列島でこの変革の力強い例をみることができ、革新的な社会の変化と新たなビジネスチャンスの両方が示されています。

日本のクリーンエネルギーの最前線に立つ離島

五島市は、九州本島から西に約100km離れた五島列島にあります。2010年に政府の洋上風力発電実験の場として選ばれて以来、GXの取り組みは目覚ましく進み、現在ではクリーンエネルギーの発電と消費の面で、日本で最も先進的な地域となっています。

日本列島のほぼ最西端にある五島市

緑豊かな美しい街、五島市

現在、市の電力需要の約60%は再生可能エネルギーで賄われており、これは全国平均の12.8%を大幅に上回っています。現在建設中の新しい洋上風力発電所が稼働すれば、その自給率は80%を超える見込みです。

GXは、社会変革の強力な触媒になっています。五島市の川口祐樹氏は「浮体式洋上風力発電による雇用創出が、人口の社会増につながっています。地方都市としては珍しい現象です」と話しています。また、税収増や地元学生の留学機会創出など、GXは地域に多くの恩恵をもたらしているといいます。

五島市 総務企画部 未来創造課 主査 川口 祐樹

クリーンエネルギーが地域経済を変革

五島市の福江商工会議所の清瀧誠司会頭は、GXの進展が地域経済の発展につながることを期待しています。「社会として、地球温暖化防止に取り組まない企業は生き残れない時代になったと思います」。

次世代に良い環境を残すために最も重要なのは「経済効果で示すこと」だと強調し、「人と人との交流が盛んで、資金がこの地域に流れ込む状況が自然に生まれています。経済の好循環という点では非常に良い成果が出ていると思います」と語っています。

福江商工会議所 会頭 清瀧 誠司

五島市に本社を置くイー・ウィンドは、洋上風力発電事業に携わる企業であり、現在では日本全国の風車メンテナンスのリーディングカンパニーに成長しています。自社の24時間監視業務を支えるため、ブラジルに拠点を設け、12時間の時差を生かして24時間体制を実施しています。

イー・ウィンド社の田上秀人氏は「風車のメンテナンスに携わったことが、建設業から風力発電メンテナンス業へと事業転換するきっかけになった」と語ります。

さらに「海外の方がメンテナンス体制や技術が進んでいる場合が多く、今後は、その技術を当社の業務に取り入れていく柔軟性が必要」「すでに、風力発電の保守点検に注力する日本企業へサポートやトレーニングを提供する新事業も開始しています」と話しています。

有限会社イー・ウィンド 専務取締役 田上 秀人

イー・ウィンド施設内

日本各地で生まれている新たなビジネスチャンス

GXの進展により、従来は漁業中心の経済であった離島でも新たなビジネスが生まれています。

日本全国に広がるGXのビジネスチャンスにご関心がおありでしたら、ぜひジェトロにご連絡ください。世界中にある海外事務所だけでなく、日本国内にも拠点を構え、地域に根ざした活動を展開するジェトロならではの最新情報のご提供や、日本への投資に関するさまざまなサポートサービスをご提供が可能です。

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