フランスのフィンテックイノベーターSESAMmが東京に日本法人を設立
2022年10月25日
2014年にパリで設立された SESAMmは、オルタナティブデータ*と人工知能に特化したフランスのフィンテック企業で、グローバルな投資会社や企業に対してデータに基づく投資分析を提供している。
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オルタナティブデータ:ニュース記事、SNS投稿、ツイートなどに含まれるマクロ経済や企業業績など、従来の投資情報とは異なるテキストデータ。
- 拠点設立
- 2022/02
- 進出先
- 東京都
- 金融/保険
- フランス
同社は、自然言語処理と機械学習の技術を用いて、200億件以上のウェブ記事やフォーラムを多言語にわたり分析する。そのうちの30億件以上が日本語の記事であることから、SESAMmにとって日本市場がいかに重要かが分かる。同社のシステムは、投資家がデータに基づいて市場動向を判断できるよう、市場が変調をきたす予兆を拾い上げて、金融資産のポートフォリオの調整を促すシグナルを通知する。また、環境・社会・企業統治(ESG)要因の追跡や感情分析に利用したり、投資シグナルの生成や投資戦略の立案に活用したりすることが可能となる。
2020年より、みずほフィナンシャルグループ傘下のアセットマネジメントOneは、SESAMmと連携して決算報告書を分析し、各社の業績の先行きやM&Aなどを見通す言葉を抽出するAIモデルを構築してきた。また2021年には、東京海上日動火災保険が、オルタナティブデータのAI分析モデルの開発で同社との協業を開始した。投資家心理と株式・債券市場との関係を学習し、投資家のリスク許容度の急落を察知した場合などのリスク回避に役立てることができる。
FINSUM 2021に参加するSESAMm
2021年12月にSESAMmは、東京都をはじめとするグリーンファイナンス市場の拡大に貢献することが評価され、東京都の「グリーンファイナンス外国企業進出支援事業」に採択された。その進出支援プログラムと補助金の提供を受け、2022年2月には東京都にセザム・ジャパン株式会社を設立した。すでに10社ほどの日本の大手企業が契約を結んでおり、資産配分、信用リスクモデル、株式のロング・ショート戦略、トレードモデルやヘッジなどに同社の技術を活用している。日本の高度な金融システムを背景に、カーボンニュートラルと持続可能な成長に向けたイノベーションを通じて、よりスマートで倫理的な投資判断を可能にすることを目指す。
SESAMm TextRevealのセンチメント・ESGダッシュボード
同社の日本法人設立に際し、ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)は、コンサルテーション(税務)、情報提供(査証、補助金)、ビジネスマッチングおよびネットワーキング機会の提供、PR支援などを行った。
日本での拠点設立をサポートします
ジェトロIBSCでは、外国企業・在日外資系企業向けに、拠点設立に伴う登記手続やビザ申請等のサポートなど、企業のニーズやビジネスフェーズに合せた各種支援メニューを用意しています。
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