更新情報【宮城県】「宮城県国際投資セミナーin東京」開催 ―若く優秀な人材の集積やオープンイノベーションの推進をアピール―

2019年06月19日

2018年12月、宮城県は「宮城県国際投資セミナー」を東京で開催しました。セミナーでは、東北大学をはじめとする知的リソース、東京からの交通の便の良さ、拠点設立にかかる初期コストの低さ等、宮城県の投資環境の魅力が紹介されました。また、同県に立地を決めたフィリップス・ジャパンおよび同社と連携する東北大学が登壇し、協業によるイノベーション創出を呼びかけました。

外資誘致に積極的に取り組む宮城県

セミナー冒頭、宮城県知事の村井嘉浩氏は、「県内総生産10兆円の早期実現」と東日本大震災からの復興のため、「第4期国際戦略プラン」を立案し宮城県として外国企業誘致に積極的に取り組むと発表。県のインセンティブや産業・研究開発拠点集積の優位性についての情報発信や、外国人でも住みやすい環境の整備を通じて、欧米を中心とする外国企業のR&D、オフィス、工場等の誘致に積極的に取り組むと述べました。同知事は「企業が宮城県に進出する際は、県と各市町村が一致団結して支援することを約束する」と強調しました。

宮城県は、IT関連や自動車、医療・健康関連などの重点8分野の製造業と研究開発機関等の誘致に力を入れており、2018年には、ジェトロと経済産業省が外国企業誘致に積極的な地方自治体等の誘致活動を包括的に支援する「地域への対日直接投資サポートプログラム」への参加を全自治体に先駆けて申請し、採択されました。2018年度は同プログラムを活用し、県内のビジネス環境に合致する外国・外資系企業のさらなる絞り込みや情報収集を行いました。

宮城県知事 村井氏

【参考】
宮城県仙台市では、IT関連産業や研究開発拠点を主な対象として企業立地促進補助金を設けて企業誘致に取り組む一方、「外国人創業活動促進事業」による外国人起業家への特別な在留資格、いわゆるスタートアップビザの付与を行うなど、外国人の創業を支援する環境づくりにも力を入れています。

フィリップスがイノベーション研究開発拠点を県内に設置

セミナーでは、医療機器分野の世界的企業フィリップス・ジャパン株式会社の堤浩幸社長が登壇。同社は2019年3月に、同社にとって日本で初のイノベーション研究開発拠点「PHILIPS Co-Creation Center」を仙台市に設立。同社は同施設で、デジタル変革による健康・予防・医療への新たな価値創造に向け、大学、医療機関、企業、自治体をはじめとするさまざまな組織との「協創(Co-Creation、協業によるイノベーション創出)」を行う予定です。2018年6月には東北大学と情報通信技術(ICT)を活用して健康管理の手法などを研究する連携協定を結んでおり、協創への取り組みを始めています。

堤氏は「東北地域は東日本大震災の被災地であり、少子高齢化や医療従事者の不足、医療費の高騰など、同地域が抱える課題は日本中でも特に深刻だ。しかし、社会の変革を前向きにリードできる地域でもある。我々はPHILIPS Co-Creation Centerで宮城県・仙台市・東北大など多くの組織と協創することで、東北・宮城から高度医療の低価格などの世界の変革をリードしたい」と、今後の展望を語りました。

フィリップス・ジャパン株式会社堤社長

東北大学とのオープンイノベーションと共同研究を呼びかけ

東北大学産学連携機構企画室室長の佐藤準氏は、同大学の産官学連携の取り組みや医療・介護分野などにおける研究実績、ベンチャー支援などの実績を紹介。「東北・宮城は社会問題が数多くあるが、解決に向けたシーズも沢山ある。そうした現場で協業し、新しいものを創りだしていきたい」と、東北大との連携を呼びかけました。

続いて、「AI向け触覚+αセンサプラットフォーム」の研究成果の活用で、東北大学ビジネスプランコンテスト「Tech Open2018」でNEDO賞を受賞した同大学准教授の室山真徳氏が登壇。さらに、アルツハイマー病の「脳の糖尿病仮説」を科学的に初めて実証し、「アルツハイマー病創薬事業」の研究成果の活用で「Tech Open2018」で優勝し、新規治療薬の開発を期待されている同大学講師の森口茂樹氏が登壇しました。両氏は研究成果を発表するとともに、更なる深化にはオープンイノベーションが必須であり、大きなビジネスチャンスがあるとして、共同研究相手(図1)としての東北大学の活用を訴えました。

(図1)H26 大学等における産学連携実績状況
民間企業との共同研究費受入額 (単位:千円)
順位 大学名 受入額
1位 東京大学 4,840,830
2位 京都大学 4,792,490
3位 大阪大学 3,215,597
4位 東北大学 2,743,606
5位 九州大学 1,901,041

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共同研究実施件数が前年度から大きく増加した大学
順位 大学名 増加件数
1位 東北大学 75
2位 慶應義塾大学 71
3位 大阪市立大学 52
4位 九州大学 49
5位 神戸大学 49
6位 山形大学 49

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本セミナーには約70名が参加。セミナー後のネットワーキングでは、参加者から宮城県職員に対し県のビジネス環境について、フィリップス・ジャパンと東北大学の登壇者には、ビジネス状況や研究内容など協業に関する熱心な質問が数多く寄せられました。

優秀な若い人材と交通アクセスの良さ、初期コストの低さも魅力

宮城県、中でも仙台市は、最先端分野で様々な研究実績を誇る東北大学をはじめ、数多くの高等教育機関を有し、専門性の高い知識や技術を学ぶ優秀な学生や若者が国内外から多数集っているため、20~30歳代の人口比率は全国と比較しても高く(図2参照)、活力のある都市となっています。

(図2)

都市別20~30代の人口比率、 仙台27.1% 275,026人、札幌23.6% 神戸22.3%、広島 23.4%、福岡27.1%、仙台都市圏でみると20~30歳代の人口は、全国の都市圏の中でも5本の指に入る。

出所:「仙台市企業進出ガイド」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2017年3月)
注:各市年齢別住民基本台帳人口より仙台市作成

また、東京から仙台へは東北新幹線で約90分であり、国内およびアジア各都市からのアクセスも良好です(図3参照)。

仙台市のオフィスビルは、東北新幹線や地下鉄へのアクセスが良好な仙台駅周辺に集中しています。仙台市に拠点を設置すれば、利便性の高さと、首都圏と比べ安価な賃料の両立が可能です。(図4参照)

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Tel:022-211-2276、Fax:022-268-4639、E-mail:koryu@pref.miyagi.lg.jp
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(ジェトロ対日投資課 執筆)

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