更新情報「和歌山県IT企業誘致セミナー」開催 ―日本有数のリゾート地「白浜」に世界的IT企業が進出―

2018年05月09日

2018年2月、和歌山県は「和歌山県IT企業誘致セミナー」をジェトロ東京本部のIBSCホールで開催しました。セミナーでは、IT企業の誘致のため、同県の田辺・白浜地域(紀南地域)のビジネス環境や優遇制度、豊かな自然に恵まれた生活環境について紹介するとともに、同地域に進出した外資系企業や国内企業の事例紹介を通じて、和歌山県のITビジネス環境の魅力をアピールしました。

和歌山県の投資環境

和歌山県は、県内産業の活性化を目的に積極的な企業誘致活動を行っています。全国でもトップレベルの奨励金制度を用意し、ワンストップサービスによる手続きの迅速化を図るなど、県を挙げて積極的に企業誘致を行っています。また、関西国際空港-南紀白浜空港間の交通アクセスの良さや、片道1時間余りで東京と行き来ができる空路(南紀白浜―羽田)も、同県の魅力の一つになっています。昨年10月には、ジェトロ和歌山貿易情報センターが開設され、地域活性化に向け、県とジェトロ和歌山が連携し、企業誘致を行っています。

白浜の魅力 東京から飛行機で1時間 羽田空港から南紀白浜空港は約1時間。空港に降り立てば世界的観光地。羽田空港から関西国際空港まで約70分。1日13往復。関西国際空港から白浜まで電車で約2時間。また、新大阪から白浜まで電車で約2時間30分。羽田空港から南紀白浜空港まで約70分。1日3往復。

当日配布資料「和歌山県のビジネス環境 -世界から注目される和歌山-」より抜粋

和歌山県のITビジネス環境

現在、和歌山県では「ふるさとテレワーク※1事業」の一環として、首都圏IT企業のサテライトオフィス立地に特に力を入れています。元々、民間企業の保養所であった建物を白浜町が取得、白浜町ITビジネスオフィスとして改修し、2017年度には近隣に第2棟も整備しました。新施設には、各社オフィスに加えて、コワーキングスペース※2を設置するなど、⼊居企業同⼠の交流も促し、ビジネス環境の向上にも注力しています。現在、和歌山県に進出しているIT企業(首都圏本社)は、米国サンフランシスコに親会社を持つ外資系企業の株式会社セールスフォース・ドットコムのほか、株式会社ブイキューブ、NECソリューションイノベータ株式会社など11社で、今後も増加が見込まれています。 和歌山県は、県内通信環境の整備にも注力しており、NICT(情報通信研究機構)による災害時でも途切れないネットワークの整備、県内Wi-Fiスポットの1,500カ所以上の設置(1年間で21カ所からの増加)、超高速ブロードバンド(光ファイバー含む)の整備率99.4%の実績があります。また、企業内IT人材の育成や、学校教育におけるプログラミング授業の導入など、県全体のITリテラシーの向上にも努めています。

※1 IT技術によって、地方でも都市部と同じように働ける環境を実現し、人や仕事の地方への流れを促進する取組。「テレワーク」とは、「tele=離れたところで」と「work=働く」を合わせた造語。テレワークによる働き方改革を総務省が推進している。
※2コワーキングスペース(Coworking)とは、事務所スペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルが行われる環境。実務を行う場所が個室ではなくオープンスペースとなっており、シェアオフィスやレンタルオフィスとは異なり、参加者同士のコミュニティ育成を重要視する傾向が強い。

和歌山県の魅力:働きやすい環境で生産性が向上

セミナーには、和歌山県商工観光労働部長の山西毅治氏、県内に立地する企業として株式会社セールスフォース・ドットコム専務執行役員の伊藤孝氏、株式会社ブイキューブ代表取締役CEOの間下直晃氏、白浜町総務課主査の坂本和大氏が登壇。
山西氏は、白浜をはじめとした紀南地域の優れた通信環境やオフィス環境に加え、最高3億円の雇用奨励金や立地奨励金といった充実した県の優遇制度、また、観光地としても世界から注目されている豊かな自然に恵まれた生活環境等について紹介。県が取り組みを進めている仕事と休暇を両立させたワークスタイル「ワーケーション※3」に触れ、「ワーケーションの考え方は欧米では進んでいるが、日本国内での認知度はまだ高くない。進出した企業は、地域や自然と共生した働き方で生産性も向上している。リゾート環境を有する白浜への企業誘致とそこで働く人を増やすことで、和歌山県がワーケーションのモデルになっていきたい」と述べました。

※3「仕事(Work)」と「休暇(Vacation)」を合わせた造語。リゾート地などで休暇を取りながら、仕事をする働き方。生産性が高いワークスタイルとして欧米での取組が進んでいる。

情報サービス業(IT企業)向け奨励金
奨励金の種類 算定方法
雇用奨励金 (新規地元雇用者数+転入雇用者数)×30万円3年間適用)
立地奨励金

投下固定資産額等×30%
※新規立地に係る投下固定資産額等が1,000万円以上である場合

通信補助金 通信回線使用料×50%3年間適用)
オフィス賃貸補助金 賃貸料×50%3年間適用)
航空運賃補助金

羽田~南紀白浜航空運賃×50%3年間適用)
※羽田~関西国際空港間は、3,000円/回の補助

※事業規模や雇用者数などの要件により変更あり
当日配布資料「和歌山県のビジネス環境 -世界から注目される和歌山 -」より抜粋

セールスフォースは、現在、自社で実践している同社ITインフラを活用したテレワークを、顧客向けにも提案しています。伊藤氏は「快適な生活環境の白浜でビジネスを行い、東京より生産性が20%向上したと自負している。仕事も定時に終わり、通勤時間も短く、その時間を社会貢献活動や地域での活動に充てる社員が多く、のびのびと仕事と生活を楽しんでいる」と語りました。
また、ブイキューブは「テレワークで日本を変える」をコンセプトにビジネスを展開しており、和歌山県および白浜町と共に、県の長期総合計画で将来像として掲げる「世界とつながる、愛着ある元気な和歌山」の実現に向けた連携を行っています。間下氏は白浜町へのサテライトオフィス開設による今後のビジネス展開の可能性を示唆しました。
最後に坂本氏は、「物件の紹介だけでなく、町の観光スポットや地元の人気店などを案内するなど、進出後も企業とそのスタッフが地域に馴染めるよう、配慮を続けている」と、進出後のケアにも力を入れていることを説明しました。

本セミナーには約50名近くの参加があり、セミナー後のネットワーキングでは、参加者から「白浜町のビジネス環境ついて理解できた」「県内におけるテレワークの発展理由、テレワーク効果について参考になった」などの声が聞かれました。


南紀白浜


セールスフォースの白浜オフィス

和歌山県への企業立地に関するお問い合わせ

ジェトロ和歌山
Tel:073-425-7300、E-mail:WAK@jetro.go.jp
和歌山県 商工観光労働部 企業政策局 企業立地課
Tel:073-441-2748、E-mail:e0622001@pref.wakayama.lg.jp

(ジェトロ対日投資部誘致プロモーション課 執筆)

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