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ウクライナ中銀、政策金利を16.5%に引き上げ、3会合連続
(ウクライナ)
調査部欧州課
2026年11月04日
ウクライナ国立銀行(NBU、中央銀行)の理事会は10月29日、政策金利を16.0%から16.5%へ0.5ポイント引き上げることを決定した(10月29日付プレスリリース
)。新金利は10月30日から適用された。9月17日の会合で15.5%から16.0%へ引き上げたのに続き、3会合連続の利上げとなった(2026年8月3日記事、2026年9月25日記事参照)。
NBUは、物価上昇圧力が著しく高まったことから、フリブニャ建て資産の魅力と外国為替市場の安定性を維持し、インフレ期待と物価上昇を抑制するため、利上げを決定したと説明した。
NBUによると、9月の消費者物価上昇率は前年同月比10.0%となり、コアインフレ率も8.8%に上昇した。中東情勢に伴う燃料価格の高騰に加え、ロシアによる倉庫や物流インフラへの攻撃の激化が物価を押し上げた。
加えて、NBUは2026年のインフレ率予測を12.5%へ上方修正した。ロシアによる空爆だけで、年間インフレ率に約0.7ポイントの上乗せが生じると見込まれている。燃料価格の上昇や財政刺激策の拡大も、物価上昇要因になるとみている。
一方、2027年には、燃料価格高騰の影響が薄れることやNBUの金融政策の効果により、インフレ率は7.3%へ鈍化すると予測した。ロシアの攻撃に伴う国内需要と労働市場の冷え込みも、物価上昇を抑える要因になるとみられる。2028年には、インフレ率がNBUの目標である5%に戻ると見込む。NBUは今回の予測で、政策金利を2027年第2四半期まで16.5%に維持する見通しを示した。
NBUは政策金利の決定と併せ、経済見通しも改定した。NBUの推計によると、2026年第3四半期の実質GDPは前年同期比0.5%減少した。海港の封鎖や生産施設、物流網への攻撃により、特に冶金(やきん)と鉱石採掘が大きな打撃を受けたほか、その他の工業、貿易、農業の業績も悪化した。これを受け、NBUは2026年の実質GDP成長率予測をマイナス0.4%へ下方修正した。
先行きについてNBUは、全面的な戦争の行方が、インフレ動向と経済成長に対する最大のリスク要因になると指摘した。ロシアによる攻撃の激化のほか、防衛・復興関連の財政需要、労働力不足、国外への人口流出、国際支援の遅延、中東情勢の長期化に伴う原油価格の上昇などをリスク要因として挙げた。他方、2027年以降は、防衛産業への官民投資、「ウクライナ・サポート・ローン」を活用した兵器生産の国内化、重要インフラの再建事業などにより、経済が緩やかに回復するとNBUは予測している。
次回の金融政策会合は12月17日に開催する予定。
(後藤大輝)
(ウクライナ)
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