米国の州知事選、民主党が共和党から5州を奪取、州政府の政策運営に変化も

(米国)

調査部米州課

2026年11月05日

米国で11月3日、36州の州知事選挙が実施された。AP通信によると、米国時間11月4日午後9時(日本時間5日午前11時)時点で、民主党候補が22州、共和党候補が12州で当選確実となった。残るアラスカ州とカンザス州の2州は勝敗が確定していない。民主党は、共和党が州知事を保持していた5州を奪取し、非改選の6州を合わせて28州と、全米50州の過半数の知事職を確保した。一方、共和党はフロリダ州などで勝利し、非改選の8州を含めて20州を確保した。

民主党が共和党から知事職を奪取した州と民主党候補者は次のとおり。

〇ジョージア州:キーシャ・ランス・ボトムズ氏。2018~2022年にアトランタ市長を務めたほか、バイデン前政権で大統領上級顧問を務めた。民主党候補が同州知事選を制するの1998年以来。同州初の女性知事で、全米初の黒人女性知事となる見通し(2026年11月5日記事参照)。

〇テキサス州:ジーナ・ヒノホサ氏。弁護士で、2017年からテキサス州下院議員を務める。同州初のヒスパニック系知事で、32年ぶりの民主党知事となる見通し。4期目を目指した共和党現職のグレッグ・アボット氏は、「わずかに優位」との事前の予想もあったが敗れた(2026年10月22日記事参照)。

〇オハイオ州:エイミー・アクトン氏。医師で、共和党のマイク・デワイン知事の下、州保健局長を務め、新型コロナウイルスへの初期対応で州内での知名度を高めた。民主党候補が同州知事選で勝利するのは20年ぶり。デワイン氏は多選制限により立候補できず、ドナルド・トランプ大統領の支持を受けた共和党のビベク・ラマスワミ氏(実業家)は敗れた。

〇アイオワ州:ロブ・サンド氏。2019年から州会計監査官を務める。民主党候補が同州知事選で勝利するのは20年ぶり。共和党現職のキム・レイノルズ知事は再選に立候補しなかった。

〇ネバダ州:アーロン・フォード氏。2019年から州司法長官を務める。同州初の黒人知事となる見通し。2期目を目指した共和党現職のジョー・ロンバルド氏を破り、民主党は前回の知事選で失った知事職を奪還した。

今回の結果により、アイオワ州、オハイオ州、ジョージア州では、共和党によるトライフェクタ(注)が解消される。一方、民主党は、ミシガン、ミネソタ、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシンの5州でトライフェクタを確保する見通しだ。州知事は、企業誘致策や税制優遇、州政府予算、インフラ整備、労働・環境規制などで大きな権限を持ち、在米日系企業の事業環境に影響が及ぶことも想定される。民主党の5氏はいずれも2027年1月に就任する予定で、新政権が示す予算案や企業向け優遇措置、エネルギー・データセンター政策、労働・環境規制の方向性が注目される。

なお、結果が確定していないアラスカ州では、民主党候補のジョナサン・クライス・トムキンス氏(元州下院議員)が、共和党候補のバーナデット・ウィルソン氏(実業家)を19.9ポイント上回り優勢だ(開票率75%)。カンザス州では、民主党候補のシンディー・ホルシャー氏(州上院議員)が共和党候補のタイ・マスターソン氏(州上院議員)を0.6ポイント上回り、わずかに優勢となっている(開票率99%)。

(注)知事職と州議会上下両院多数派を一党が支配する状態を指す。

(木村勇翔)

(米国)

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