メキシコ国税庁、税関価格申告書の電子申請(MVE)開始を再延期、11月1日から
(メキシコ)
メキシコ発
2026年10月02日
メキシコ国税庁(SAT)は9月30日、2026年の貿易に関する一般規則(RGCE2026、SAT貿易細則)の第3次改正(第1次事前公表版)において、税関価格申告書の電子申請(MVE、注1)の開始日を再度延期し、11月1日から開始すると発表した。さらに、同SAT貿易細則の第3次改正において、SAT貿易細則の経過条項第11条の第1段落を改正し、期限を延長するとともに、輸入する際に適用する通関制度(Régimen aduanero、以下Régimen)によって、MVEの開始時期が異なることを追加した。追加された項目は、次のとおり。
- I.2026年11月1日から開始:税関管理下の保税区域(Recinto Fiscalizado)
- II.2026年11月15日から開始:戦略的保税倉庫(Recinto Fiscalizado Estratégico)
- III.2026年12月1日から開始:貨物の保税転送制度(Tránsito de Mercancías、注2)
- IV.2026年12月15日から開始:保税倉庫(Depósito Fiscal、注3)
- V.2027年1月1日から開始:一時輸入(Importación Temporal)
- VI.2027年1月15日から開始:確定輸入(Importación Definitiva)
今回の改正において重要な点は、輸入者となる企業において、輸出入申告書(Pedimento)に記載されるRégimenによって、MVEの申請開始時期が異なることだ。そのため、MVEの申請時期は、輸入する品目や数量ではなく、申告する輸出入申告書ごとに適用されるRégimenを基に精査する必要がある。したがって、輸入者は各輸入品のRégimenと輸入時期に沿って、MVEの申告スケジュールを計画する必要があり、通関手続きの負担が増加することが想定される。
また、前回延期された際には、2026年12月31日までの時限措置として、提出書類の簡素化がなされたものの(2026年8月3日記事参照)、今回公表された改正内容では、一時輸入と確定輸入の申告開始日が時限措置の期限後に設定されている。そのため、これらを利用する輸入者は、簡素化された書類ではなく、通常の書類を整備する必要がある点にも注意が必要だ。
さらに、より複雑な申告を行う場合には注意が必要だ。例えば、保税倉庫から確定輸入へ切り替えるケースや一時輸入から確定輸入へ切り替えるケースにおいて、切り替え時のMVEの申請適用日については記載されていない。このため、確定輸入の開始日である2027年1月15日までMVEの申請の要否は不明だ。
度重なる延長を繰り返しているものの、手続きの内容自体に変更はなかったため、輸入者となる企業は、MVEの適用開始までに手続きへの対応準備を進めておく必要がある。
(注1)MVEはManifestación de Valor Electrónicaの略。詳細については2026年3月12日付地域・分析レポートを参照。
(注2)保税転送(Tránsito de Mercancías)とは、港などで荷揚げした貨物をその場では輸入通関せず、税関管理下の保税状態で鉄道やトラックなどにより別の税関まで輸送し、転送先で輸入通関するか、国外へ搬出する制度をいう。
(注3)税関当局の認可を受けた総合保税倉庫業者(Almacén General de Depósito)を利用する一般的な形態のほか、完成車メーカーが車両の組み立て・製造工程のために利用する特別な保税倉庫などがある。
(阿部眞弘)
(メキシコ)
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