平陸運河が開通、中国南西部の物流構造に変化

(中国、ASEAN)

広州発

2026年10月14日

広西チワン族自治区商務庁によると、中国の西部陸海新ルート(注)の中核プロジェクトである平陸運河が9月16日に開通した。同運河は2022年8月28日に着工した国家主導のプロジェクトで(2022年10月5日記事参照)、内陸水路と海上輸送を結ぶ。

同プロジェクトの総投資額は約727億元(約1兆7,448億円、1元=約24円)、全長は約134.2キロメートルで、広西チワン族自治区南寧市から欽州市を経て北部湾(トンキン湾)に至る(添付資料図参照)。給水や灌漑、洪水防止、生態環境改善などの機能を組み合わせた航路を整備し、5,000トン級船舶の通航が可能となっている。

同運河の開通により、中国南西部の物流構造に変化が生じている。中国南西部では、長江・珠江を利用した従来の水上輸送ルートに加え、北部湾へ直接アクセスする新たな水運ルートが形成された。広西チワン族自治区人民政府報道弁公室によると、珠江経由のルートと比べて海までの航程を560キロメートル以上短縮できる。また、ASEAN主要港までの航程も大幅に短縮され、総合物流コストは18~30%低下し、年間50億元超の物流コスト削減効果が見込まれている。

なお、広西チワン族自治区北部湾地区の公共埠頭(ふとう)を運営する北部湾港が2026年8月18日に発表した「2026中間報告書」によると、2026年上半期(1~6月)の北部湾港全体の貨物取扱量は全国の主要沿海港湾で上位10港に入った。

平陸運河の開通は、西部陸海新ルート沿線地域の資源優位性の発揮を促し、地域経済の発展を後押しするほか、中国・ASEAN間の経済協力や地域間連携の深化、対外開放のさらなる推進にも寄与するとみられている。

写真 広西チワン族自治区・欽州市を流れる平陸運河(ジェトロ撮影)

広西チワン族自治区・欽州市を流れる平陸運河(ジェトロ撮影)

(注)中国西部の省・自治区・直轄市から陸路・海路を利用してASEANなどとの貿易を直接行う新しいルートのこと。重慶市や四川省成都市を起点として、北部湾までの鉄道輸送と、北部湾を経てASEANなどにつながる海上輸送を組み合わせた輸送ルートを整備する計画(2019年2月26日付地域・分析レポート、2021年11月17日付地域・分析レポート参照)。

(黄子珊)

(中国、ASEAN)

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