越境EC活性化へ向け業界内で知見共有、日本越境EC協会が初のEXPO開催

(日本)

デジタルマーケティング部ECビジネス課

2026年10月23日

日本越境EC協会(JACCA)とロジスティクス・トゥデイ(LOGISTICS TODAY)は10月5日、越境EC(電子商取引)の販売事業者や支援企業を対象とするカンファレンス「越境EC EXPO」を東京で初開催した。販売事業者、支援企業、物流企業、官公庁、金融機関などから、300人超が来場した。

近年、ECプラットフォームやSNS、人工知能(AI)の普及により、中小・零細企業や個人事業主でも海外市場へ直接販売できる環境が整いつつある。一方で、海外展開には決済、物流、通関、規制対応、マーケティングなど多様な課題が存在する。本イベントでは、このような越境ECで「売る」から「届ける」までのプロセスにおける課題を、各プレーヤーが相互に認識し考える場として開催され、ECプラットフォーマー、物流事業者、支援企業・機関などが一堂に会した。

会場では、越境ECをリードするプラットフォーマーであるアマゾン、イーベイ、アリババの各日本法人が登壇し、日本企業の越境ECにおける可能性や各社のサービスを紹介した。イーベイは、日本で取引された中古品が「Used in Japan」として注目を集めていることに触れた。アリババは、BtoBでも越境ECが展示会と並ぶ営業・販路開拓手段として存在感を高め、取引量を拡大していると説明した。アマゾンは、日本企業が早期に事業を立ち上げ収益化を図るためのポイントとして、「ニーズがある商品の選定」「レビュー獲得や広告投資の早期開始」「在庫切れの防止」の3点を挙げた。また、日本郵便、フェデラルエクスプレスジャパンなどの物流事業者、ジェトロなどの関係者も登壇し、最新の取り組みや知見を共有した。物流、販売戦略、マーケティングなどをテーマとしたパネルディスカッションも行われ、普段は交わる機会の少ない企業同士が議論する光景が見られた。

オープニングセッションでは、ジェトロ・デジタルマーケティング部ECビジネス課の髙村大輔課長が、世界のEC市場が拡大を続ける中、日本企業にとって越境ECが有力な海外展開手段になっていると説明。また、「越境ECは集合知であり、さまざまなプレーヤーの連携が必要」と述べ、各立場の事業者が知見を共有しながら取り組む重要性を強調した。

主催者であるJACCAの小松英樹代表理事とロジスティクス・トゥデイの赤澤裕介編集長は開会あいさつにおいて、「物流をはじめとする各サービスの技術革新により、中小企業の越境ECの取り組みハードルが下がっている」とした。その上で、「関税制度の見直しなど逆風もある中、競争領域と協調領域を明確にして、(業界関係者が)それぞれの力を合わせて進めていくべき」とコメントした。

越境ECを取り巻く環境は、国際情勢や規制変更などの影響を受けやすく、販売事業者にとって不確実性の高い状況が続いている(注)。一方で本イベントからは、企業、物流事業者、プラットフォーマー、支援機関が連携し、日本企業の海外展開を後押ししようとする機運の高まりがうかがえた。

写真 EXPOステージの様子(ともにジェトロ撮影)

EXPOステージの様子(ともにジェトロ撮影)

写真 ブースの様子(ともにジェトロ撮影)

ブースの様子(ともにジェトロ撮影)

(注)越境ECに取り組む日本企業が各ステージで直面する課題とその要因については、地域・分析レポート「越境ECの課題と克服ポイント(2025年11月18日付)」参照。また、市場テスト、ブランド認知、情報発信ツールとしての有効性については「売るだけではない越境ECの活用可能性(2026年8月7日付)」を参照。

(松田かなえ)

(日本)

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