IMF、アルジェリアとの4条協議結果を公表
(アルジェリア)
パリ発
2026年10月02日
IMFは9月21日、アルジェリアとのIMF4条協議(注)の評価結果
を公表した。IMFは2023年の4条協議ミッション後の声明で、同国の堅調な成長や高水準の外貨準備高を評価した(2023年12月25日記事参照)。しかし今回は、財政赤字の継続や外貨準備高の減少〔輸入額換算で15.6カ月分(2023年)から約8.6カ月分(2025年見込み)〕などを主要課題として指摘した。
IMFは、同国の改革政策が経済の多角化と堅調な成長を支えてきたと評価した。実質GDP成長率は力強い投資に支えられ、2024年の3.7%から2025年には3.9%に上昇すると推計した。一方、大幅な財政赤字により財政・対外バッファー(余力)が縮小したと指摘した。
財政赤字は、国営企業と中央銀行からの一時的な配当収入により2025年は縮小したが依然大きく、公的債務の増加や中央銀行による財政ファイナンス依存を高めたと分析した。経常収支も、輸入の増加と炭化水素輸出の減少で赤字幅が拡大し、外貨準備高が大幅に減少したとした。
2026年は炭化水素価格の上昇により輸出と財政収入の増加が見込まれ、実質GDP成長率は3.8%に推移すると予測し、この増収は財政バッファーを再構築する好機だとした。
今後の下振れリスクには、炭化水素価格の急落、大幅な財政赤字の継続、中央銀行による財政ファイナンスへの依存の長期化を挙げた。一方、財政健全化や経済多角化、構造改革が進めば、ビジネス環境改善や民間投資誘致を通じて、中期的に経済成長が加速し強靭(きょうじん)性が高まる可能性があるとした。
IMF理事会は、財政の持続可能性確保のため段階的な財政健全化を求め、非炭化水素部門からの税収拡大、公共投資の効率化、エネルギー補助金改革を含む歳出合理化などの必要性を強調した。為替レートの柔軟性を高める必要性も示した。
また、同国が金融活動作業部会(FATF)の監視対象リストから除外されたことを評価した(2026年6月29日記事参照)。経済多様化政策を歓迎する一方、ビジネス環境改善や国営・民間企業間の競争条件の平準化、規制障壁やインフォーマル経済の縮小などを優先課題に挙げた。欧州およびアフリカとの貿易・エネルギー分野での連携強化にも期待を示した。
アルジェリアは現在、IMFの融資プログラムの対象国ではないが、今回の結果は同国の財政運営や構造改革に対するIMFの評価を示すものとして注目される。
(注)IMF協定第4条の規定に基づき、加盟国と行う協議で、IMF代表団が協議相手国を訪問し、経済・金融情報を収集するとともに、その国の経済状況や政策について政府当局者などと協議するもの。協議の結果は、IMFスタッフが4条協議報告書(スタッフレポート)としてまとめ、IMF理事会に提出する。その後、評価結果がIMFホームページに掲載される。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア)
ビジネス短信 a0839da97f798431





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