米EV市場減速下でも次世代電池に投資、アルティウムセルズがLMR電池量産へ
(米国、韓国)
アトランタ発
2026年10月01日
米国自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)と韓国のLGエナジーソリューション(LGES)の合弁電池メーカーのアルティウムセルズ(本社:オハイオ州)は9月28日、テネシー州スプリングヒル工場を改修し、GMの将来の電気自動車(EV)向けにリチウムマンガンリッチ(LMR、注)角形(プリズム型)電池セルを生産すると発表
した。
同社によると、スプリングヒル工場は世界初のLMR角形電池セルの商業量産拠点となる見込み。LMR電池は、低コスト電池として普及が進むリン酸鉄リチウム(LFP)電池と同程度のコストで製造できる可能性がありながら、33%高いエネルギー密度を実現することが期待されている。工場改修は2026年内に開始し、2028年の完了を予定している。今回の設備増強により、新たに500人の雇用を創出する見通しで、現在約1,200人の従業員を抱える同工場の生産能力拡大につながる。
同工場では2026年6月から、LGESグループ会社向けのエネルギー貯蔵システム(ESS)用LFPセルの生産も開始している(2026年3月26日記事参照)。LMR生産への転換と関連設備投資を含めた投資総額は、2030年までに10億ドルに達する見込みだ。
アルティウムセルズは今回の投資により、高ニッケル系、LFP、LMRの複数の電池化学系に加え、パウチ型と角形の両方のセル形状に対応する生産体制を整える。電池・サステナビリティー担当副社長のカート・ケルティ氏は、LMR電池の導入によって「より低コストで高性能な電池の提供が可能になる」とし、EV事業の収益性向上と顧客層拡大につながるとの見方を示した。
米国ではEV需要の伸びの鈍化を背景に、電池やEV関連プロジェクトの延期や中止が相次いでいる(2026年1月19日付地域・分析レポート参照)。一方で、今回の投資は新工場建設ではなく既存工場の改修を通じて次世代LMR電池の量産を目指すものだ。EV需要の伸び鈍化が続く中でも、高い技術や既存拠点への投資を通じて競争力強化につながる次世代電池技術への投資が継続していることを示す動きとして注目される。
(注)マンガン含有量を高めたリチウムイオン電池材料。
(檀野浩規)
(米国、韓国)
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