EU、ハンガリーへの42億ユーロの資金凍結を解除
(EU、ハンガリー)
ブダペスト発
2026年10月16日
駐EUハンガリー政府代表部は10月13日、フェイスブックへの投稿で、同日開かれたEU一般問題理事会が、ハンガリーに対する「条件設定規則」(EU予算保護のための規則)に基づく措置(2022年2月18日記事参照)の終了を決定したことを明らかにした。
これは欧州委員会が9月23日に行った提案を受けた決定であり、約42億ユーロのEU結束政策基金の資金凍結が解除される。同時に、ハンガリー公益信託財団(KEKVA)が運営する大学(「モデルチェンジ(注)」を行った大学)は、エラスムス・プラス(欧州の大学間交流事業)およびホライズン・ヨーロッパ(EUの研究・イノベーション支援枠組み)への全面的なアクセスを回復する。欧州委のフォン・デア・ライエン委員長は同日、X(旧Twitter)で「ハンガリーと欧州にとって、今日から新たな章が始まる」と投稿した。
EU基金の凍結措置は、ハンガリーにおける法の支配の原則への侵害を理由に、欧州委の提案を受けて2022年にEU理事会が採択した。これらの侵害は、公共調達、検察活動、利益相反防止、汚職対策、KEKVAに関する分野に及ぶとされた。その結果、3つの結束政策プログラムに関する予算コミットメントの55%に当たる63億ユーロが凍結された。また、KEKVAおよびKEKVAが運営する大学などは、エラスムス・プラスやホライズン・ヨーロッパを含むEU基金について新たな資金供与契約を締結できなくなっていた。
当初63億ユーロだった凍結額は、前オルバーン政権がEUの求める要件を満たさなかったため、2024年末と2025年末にそれぞれ10億ユーロが恒久的に失効し、約42億ユーロまで減少していた。今回の決定により、2026年末にさらなる失効が生じる事態は回避される。
欧州委は、公共調達、汚職対策、利益相反、検察の実効性といった分野で、2026年5月に発足した新マジャール政権により弱点や不備が是正されたと評価した。具体例として、汚職監視機関(Integrity Authority)の権限強化や、包括的な資産申告制度の創設などが挙げられている。
一方、ハンガリーはEU復興基金(RRF)約100億ユーロの受領に向けた改定版の国家復興計画についても、7月10日にEU理事会の承認を得ている(2026年7月22日記事参照)。今回の決定により、EU基金を巡るEU当局との関係正常化がさらに進むことになる。
(注)大学が国家機関の枠組みから外れ、設立や維持管理に関する権利が公益信託財団(KEKVA)に移管されること。
(バラジ・ラウラ)
(EU、ハンガリー)
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