EU理事会がハンガリー復興計画を承認、100億ユーロのEU基金受領へ前進

(ハンガリー、EU)

ブダペスト発

2026年07月22日

EU理事会は7月10日、ハンガリー政府が提出した改定版の国家復興計画(RRP)を承認した。これにより、新型コロナ禍後の経済再建を支援する復興基金(RRF)から約100億ユーロ(約1兆8,600億円)の資金を受領するための主要な手続きが完了した。実際の支払いは、今後の改革実施状況に応じて行われる。

ハンガリーは2021年5月に当初の経済復興計画を欧州委員会へ提出し、2022年12月に条件付き承認を受けたが、法の支配や汚職防止対策などに関するEU側から提示された条件が未達だったため、これまでEUからの資金拠出は実施されなかった。

2026年4月に発足したマジャール政権は、実現困難となっていた従来計画を見直し、汚職防止対策の強化や公共調達の透明性向上、司法の独立性強化など、EUが重視する制度改革を盛り込んだ新たな計画を提出し、欧州委は6月に同計画を承認した。また欧州委は7月10日、EU基金に関わる不正行為の捜査・訴追を担う欧州検察庁(EPPO)へのハンガリーの加盟申請も承認した。

政府によると、今回利用可能となるEU基金は、近郊鉄道(HÉV)やインターシティー(IC)向け鉄道車両の更新、エネルギーネットワークの近代化、中小企業支援、大規模賃貸住宅プログラムなどに充てられる計画。

一方、ハンガリー国立銀行(MNB)は6月のインフレ報告書で、今回のRRF基金は既存もしくは進行中の事業に充当される部分が大きく、短期的な経済成長効果より公的債務削減効果の方が大きいとの見方を示した。一部の事業(電力網の整備など)は資金の受領が支出よりも先行するため、経済成長への好影響は中期的に顕在化するとしている。また、財政収支や国際収支、外貨準備の改善、リスクプレミアムの縮小にもつながるとの見通しを示した。今回承認された資金(約65億ユーロの補助金と約35億ユーロの低利融資)のうち約9億2,000万ユーロは「リパワーEU」(注)に基づく事前融資として既に前払いされており、今後追加的に受領可能な資金は91億ユーロとなると指摘している。

ただし、EU側からの実際の資金拠出にはなお条件の履行が必要となる。政府は8月末までに27項目の「スーパーマイルストーン」を達成し、9月末までに支払い請求を行う必要がある。現行制度では、EUによる資金拠出期限は2026年末までとなっている。

(注)欧州委員会が2022年5月に詳細を発表した、ロシア産化石燃料依存からの脱却計画。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー、EU)

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