カナダ首相、トルコを初訪問、2国間FTA交渉は11月末に開始予定

(カナダ、トルコ)

調査部米州課

2026年10月29日

カナダのマーク・カーニー首相は10月21~24日、トルコのアンカラとイスタンブールを訪問した(カナダ首相府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。カナダ首相が2国間会談を目的にトルコを訪問するのは初めてとなる。

カーニー首相は22日、アンカラでレジェップ・タイップ・エルドアン大統領と会談し、貿易・投資、防衛・安全保障、エネルギー、人的交流を柱とする「カナダ・トルコ戦略的パートナーシップ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発足させた。両国は今後、3年間の行動計画に基づき協力を具体化する。

貿易・投資分野では、2国間の自由貿易協定(FTA)締結に向けた1回目の交渉を11月30日~12月4日にアンカラで開催すると発表した。また、カナダ輸出開発公社(EDC)とトルコ輸出入銀行は、第3国のプロジェクトにおける両国企業の協業を促進する覚書を締結した(EDC発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

さらに、カーニー首相はイスタンブールでトルコの企業経営者や投資家と会談し、エネルギー、鉱業、航空宇宙、防衛などの分野でカナダへの投資を呼びかけた。カナダ政府は2027年初めに、国際貿易相が主導する「チームカナダ貿易ミッション(注)」をトルコに派遣する予定だ。

エネルギー・資源分野では、液化天然ガス(LNG)、民生用原子力、再生可能エネルギー、重要鉱物のサプライチェーンなどで協力を拡大する。防衛分野でも産業協力に関する覚書を締結し、両国企業間の連携強化を図る。さらに、航空輸送協定の拡充により、旅客便の運航枠を週12便から最大21便に増やし、貨物便は便数制限なしで運航できる枠組みとした。

カーニー政権は、今後10年間で米国以外への輸出を倍増させる目標を掲げている。今回の訪問は、NATO加盟国であり、欧州、アジア、中東を結ぶトルコとの経済関係を拡大し、対米依存の低減に向けて輸出先を多角化する取り組みの一環と位置付けられる。

(注)カナダの閣僚や政府高官が主導して各国・地域に派遣される大規模な経済ミッションで、カナダ企業のビジネス機会の拡大や現地企業との連携促進を目的としている。カナダ政府は2026年6月に日本へ(2026年7月1日記事参照)、10月にインドへ(2026年10月22日記事参照)派遣した。

(木村勇翔)

(カナダ、トルコ)

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