カナダ政府、過去最大規模の対日貿易ミッションを派遣、防衛産業などで協力拡大

(カナダ、日本、中国)

調査部米州課

2026年07月01日

カナダ政府は6月26日、「チーム・カナダ貿易ミッション」を日本に派遣したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ミッションにはカナダ企業175社などから約300人が参加し、政府が日本に派遣したミッションとしては過去最大規模としている。マニンダー・シドゥ国際貿易相とデイビッド・マクギンティ国防相が率いたほか、カナダ・ビジネス評議会(BCC)のゴルディー・ハイダー会長も訪日した。ミッションを通じて、17億カナダ・ドル(約1,938億円、Cドル、1Cドル=約114円)超に相当する商談14件が成立した(添付資料表参照)。

チーム・カナダ貿易ミッション外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、カナダ政府高官の主導で各国に派遣される大規模な経済ミッションで、カナダ企業のビジネス機会拡大や各国企業との連携促進を目的として実施されている。日本への派遣は、2023年以来2回目となった。今回のミッションは、2026年3月の日加首脳会談で発表された「日本・カナダ包括的戦略的パートナーシップ」(2026年3月10日記事参照)を踏まえた最初の具体的な取り組みとなる。ミッションには、情報通信技術、クリーンテクノロジー、農業、林業などの分野にわたるカナダ企業が参加した。

シドゥ氏は、経団連とBCCによる「日カナダビジネスダイアログ」において、エネルギー、重要鉱物、イノベーションへの投資に関する強力なパートナーとしてのカナダの地位をアピールした。また、茂木敏充外相や城内実内閣府特命担当相との会談や、GX推進機構、富士通、東京木材埠頭、三菱商事、トヨタなどの日本企業・機関との面会を通じ、両国間のビジネス協力や貿易機会の拡大を図った。

ミッションには、防衛産業に関わるカナダ企業も参加した(注1)。6月17日に「防衛装備品・技術移転協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が発効したことを受け、日本企業との面会や防衛ラウンドテーブルが実施された(注2)。国防相が国際貿易相とともにミッションを主導するのは初めてで、マクギンティ氏は、2026年2月に公表した「防衛産業戦略外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」における「構築・連携・調達(Build-Partner-Buy、注3)」を念頭に、政府間協力を通じて、防衛、航空宇宙、重要鉱物、先端技術などの主要分野における連携の拡大を図り、日本のような信頼できるパートナーとのさらなる協力強化を呼びかけた。

また、シドゥ氏とマクギンティ氏に加え、メラニー・ジョリー産業相も6月14~23日に中国と日本を訪問し(注4)、日本ではホンダやトヨタなどと面会するなど、カナダから閣僚級の訪日が相次いでいる。

(注1)「グローブ・アンド・メール」(6月25日付)によれば、防衛産業からは、INKAS(迎撃ドローン開発企業)、テレサット(衛星通信事業企業)、MDAスペース(航空宇宙企業)など、40社以上のカナダ企業が参加した。

(注2)同協定の発効により、両国間でより緊密な防衛装備に関する協力が見込まれ、防衛産業の生産・技術基盤の維持・向上につながることが期待されている。マクギンティ氏は日本記者クラブでの会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、同協定を通じて、海洋国家という共通点を踏まえ、センシング技術や衛星、これらの技術開発に不可欠な重要鉱物などの分野で協力を進めたいとの考えを示した。

(注3)国内において強靭(きょうじん)かつ革新的な防衛産業基盤を「構築」するとともに、自国単独では対応できない防衛装備品は信頼できる国・地域と「連携」して生産し、それが困難な場合には、カナダが主権的統制を確保できる形で同盟国から「調達」する方針を指す。

(注4)ジョリー産業相の中国訪問では、奇瑞汽車(Chery)、BYD、吉利汽車(Geely)、上海龍創汽車設計(Launch Design、自動車の研究開発・デザイン会社)と面会した。これら4社はいずれも、中国製電気自動車(EV)の年間4万9,000台の輸入割り当てに関心を示すとともに、カナダ国内での製造に向けた合弁会社設立を検討する意向があることを、ジョリー氏が記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで明らかにした。

(木村勇翔)

(カナダ、日本、中国)

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