パリモーターショーで中国勢が存在感、欧州勢は競争力確保に向け規制の凍結や柔軟化求める

(フランス、欧州、中国)

パリ発

2026年10月29日

パリモーターショー(Mondial de l’Auto)が10月12~18日まで開催され、7日間で約52万人が来場した。60社超の自動車メーカーと100社以上の関連企業が出展し、欧州を代表する自動車イベントとしての存在感を示した。

会場では、BYDや小鵬汽車(XPeng)をはじめとする約20の中国ブランドが出展し、欧州メーカーに匹敵する存在感を示した。各社は電気自動車(EV)やハイブリッド車を中心に欧州市場向けモデルを展示し、欧州市場でのシェア獲得に意欲を示した。

また同モーターショーは、一般来場者向けの展示イベントにとどまらず、自動車産業を取り巻く産業・エネルギー・技術面での変革を議論する場としての役割も果たした。各種カンファレンスやフランス自動車産業団体(PFA)が主催した「パリ・オートモーティブ・サミット(Paris Automotive Summit)」では、自動車メーカー、部品メーカー、専門家、政策関係者らが一堂に会し、自動車産業の将来展望やモビリティー分野の課題について意見交換を行った。

同サミット主催者PFAのリュック・シャテル会長は、欧州の自動車生産台数が2019年比で300万台減少しており、欧州自動車産業を取り巻く環境が依然として厳しいことに言及しつつ、競争力の確保に向けて、規制の凍結や二酸化炭素(CO2)規制における柔軟性確保の必要性を強調した。また、欧州における中国車の市場シェアが今後2~3年で現状の10%から20%超へ拡大すると述べ、産業加速化法における欧州優遇の必要性にも言及した(2026年3月13日記事参照)。

ステランティスのアントニオ・フィローザ最高経営責任者(CEO)は、欧州自動車産業の競争力維持にはCO2排出規制の柔軟化が必要だと主張。小型商用車では2025~2029年、乗用車では2028~2032年を対象とする5年平均方式の導入を求めるとともに、「メード・イン・ヨーロッパ」の基準整備による公正な競争環境の確保を訴えた。

また、中国メーカーとの提携では、リープモーターや東風汽車との合弁を通じて欧州での現地生産を進め、EV販売の拡大や工場稼働率の向上、技術協力を進める考えを示した(2026年5月22日記事参照)。

ルノーのフランソワ・プロボCEOは、欧州が規制強化と自由貿易を優先する一方で産業政策を欠いた結果、中国メーカーの欧州市場シェアが2024年1月の2%から2026年9月には13.6%へ急拡大したと警鐘を鳴らした。その上で、(1)中国からの輸入増加を抑制するための中国との貿易合意、(2)2035年時点でプラグインハイブリッド車を20%認めるなど現実的な脱炭素化ロードマップとCO2規制の柔軟な運用、(3)車両価格引き下げに向けた10年間の規制凍結を提言した。

また、過去6年間で規制対応コストが1台当たり3,000ユーロ以上増加し、2030年までにさらに3,000ユーロを超える負担が見込まれるとして、小型車区分「M1E」の創設などを通じた手頃な価格の車両供給の必要性を訴えた。

(白井俊行、山崎あき)

(フランス、欧州、中国)

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