東風汽車とステランティス、欧州で合弁会社の設立を検討

(中国、オランダ、フランス、欧州)

武漢発

2026年05月22日

東風汽車とステランティス(注1)はそれぞれ5月20日、拘束力のない覚書(MOU)に署名したと発表した。戦略的協力を深化させ、欧州での合弁会社設立を検討するとともに、東風汽車の新エネルギー車(NEV)事業の欧州展開について協議しているとした。

ステランティスの発表によると、同合弁会社は東風汽車のNEVの販売、流通、製造、調達、開発を行う欧州拠点として設立を目指す(出資比率はステランティス51%、東風汽車49%)。ステランティスの販売網とアフターサービスに関するノウハウを活用し、欧州の特定市場で東風汽車傘下の高級NEVブランド「嵐図汽車(VOYAH)」を販売・流通させるほか、東風汽車が有する競争力の高い中国のNEVエコシステムを活用した共同調達や開発も行う予定。

ステランティスのアントニオ・フィローザ最高経営責任者(CEO)は、「当社のグローバルな事業基盤と東風汽車の中国における先進的なNEVエコシステムという双方の強みを活用し、より競争力のある製品と価格の選択肢を顧客に提供していく」と述べた。東風汽車の楊青董事長は、「技術、ブランディング、グローバル市場における協力を通じて、合弁事業による価値を最大限発揮し、当社のグローバル展開を加速させる。さらに、ステランティスのグローバル戦略の転換や、中国におけるプレゼンスを支える」としている。

また、両社は欧州の各種規制や、「域内産(Made in EU)」の要件(2026年3月13日記事参照)に準拠するため、フランス・レンヌ工場で、東風汽車のNEVの生産を行う可能性も想定している。なお、ステランティスは5月15日にも東風汽車と戦略的協力協定を締結しており、合弁会社「神龍汽車」の武漢工場で、「プジョー」と「ジープ」ブランドのNEVを生産する計画でもある(2026年5月21日記事参照)。

また、東風汽車は2030年までにグローバル販売台数500万台、海外販売比率40%という目標を掲げている(注2)。東風汽車は、世界規模で合弁・協業パートナーとの協力を深化させ、グローバル展開の基盤をより強固にしていくとしている。

(注1)ステランティスは、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)と、プジョーやシトロエンなどのブランドを有するプジョーS.A.(グループPSA)が経営統合して2021年に設立された(2021年1月7日記事参照)。

(注2)2026年第1四半期(1~3月)の東風汽車の販売台数は52万8,000台(前年同期比12.3%増)だった。そのうち海外販売台数は9万6,000台(75.6%増)で、全体の販売台数に占める割合は約18%となっている。

(廣田瑞生)

(中国、オランダ、フランス、欧州)

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