インドGST評議会、団体保険の仕入れ税額控除を承認

(インド)

ムンバイ発

2026年10月28日

インド財務省は10月8日、企業が従業員向けに契約する団体生命保険および団体医療保険に係るGST(物品・サービス税)の仕入れ税額控除(Input Tax Credit:ITC)を認めることを決定したと、第57回GST評議会で発表した(2026年10月26日記事参照)。今回の措置により、企業は保険料支払い時に負担するGSTについてITCを利用できるようになり、福利厚生コストの軽減や保険加入率の向上につながる。

現行の制度では、団体医療保険の保険料に課されるGSTについて、原則ITCの利用が認められていなかった。そのため、企業側は保険料に加えGSTも実質的なコスト負担となっていた。今回の措置により、保険料に含まれる18%のGSTを自社のGST納税額から控除可能となる。例えば、企業が10万ルピー(約16万円、1ルピー=約1.6円)の団体医療保険に加入し、1万8,000ルピーのGSTを負担している場合、従来は総額11万8,000ルピーが企業側のコストとなっていたが、制度改正後はGST相当額をGST納税額と相殺できるため、実質的なコスト削減効果が期待される。

地場大手損害保険会社ジェネラリ・セントラル・インシュアランスのクリシュナムールティ・ラオ最高経営責任者(CEO)は、「今回の措置は、企業向け団体医療保険の経済性が向上し、企業提供型医療保険の普及拡大につながる」との見方を示した。また、「企業が削減できたコストを活用し、補償内容の充実や加入対象者の拡大を図る可能性もある」としている(「ビジネス・スタンダード」紙10月8日)。

インド政府は2025年9月に個人向け生命保険・医療保険に対するGST税率を18%から0%へ引き下げている(2026年9月3日付地域・分析レポート参照)。今回の措置は、個人向け保険だけでなく、企業向け保険についても税制上の負担軽減を進めるものであり、保険加入率向上を目指す政府方針の一環として注目される。

(野本直希)

(インド)

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