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2027年度国家予算案提出、最低賃金は2,000リンギに引き上げへ
(マレーシア)
クアラルンプール発
2026年10月28日
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相兼財務相は10月9日、2027年度(2027年1月1日~12月31日)の国家予算案
を連邦議会に提出した(予算演説
参照)。「価値観を礎に、さらなる高みを目指す」をテーマに、産業高度化やエネルギー転換、補助金の合理化など構造改革を推進し、財政健全化を進めるほか、成長の果実を国民生活の向上や地域間格差の是正につなげ、包摂的な成長の実現を目指す。
歳出総額は、前年度比3.7%増で過去最高額の4,583億リンギ(約17兆5,621億円、1リンギ=約38.7円)(添付資料表参照)。一般歳出は3.8%増の3,768億リンギ、開発歳出は3.0%増の815億リンギとした(添付資料表参照)。一般歳出は、公共サービスの提供に加え、低・中所得者層への支援や上昇する生活費の負担軽減に重点を置く。開発歳出は、第13次マレーシア計画(2025年8月12日記事参照)に基づくインフラ整備や人材開発、気候変動対策に充てる。一方、歳入は、堅調な経済活動および電子インボイス制度導入などによる適切な納税の促進を背景に、4.7%増の3,808億リンギを見込む。これにより、財政赤字のGDP比は3.3%に改善する見通しだ。
同日発表した経済見通しでは、2026年の実質GDP成長率を4.8~5.3%とし、従来の政府予測(4.0~5.0%)から上方修正した(2026年8月31日記事参照)。また、2027年は4.2~5.2%と成長減速を見込む。
大卒者などの最低賃金を新たに導入、統括拠点とグリーンの優遇措置は見直し
今回の予算案では、2027年6月から、最低賃金を現行の月額1,700リンギから月額2,000リンギへ引き上げる方針を発表した(注)。また、半熟練労働者および大卒者を対象に、月額2,500リンギの最低賃金を新たに導入する。
製造業の高度化に向けては、新産業マスタープラン2030に基づく基金(21億リンギ)を活用し、電気電子、デジタル技術、航空宇宙、医療機器などの分野の中堅企業を支援する。また、半導体企業の高付加価値分野への移行支援に12億リンギを充てる。
税制改正案
では、地域統括機能を有するグローバル・サービス・ハブ(GSH)向けの優遇措置や、環境に配慮した設備・技術への投資控除「グリーン・テクノロジー・インセンティブ(GITE)」を見直し、適用期間を延長する方針を示した。再投資控除についても、適用要件やインセンティブ付与の仕組みなどを見直すとしている。
今回の予算案についてユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は、成長、競争力、持続可能性の強化と財政責任において現実的なバランスをとったと評した。マレーシア製造業連盟(FMM)は、家計支援や人材育成策、資金調達支援などを評価する一方、製造業の生産性向上や技術導入、グリーン投資を促進する施策が十分ではないとの見解を示した。企業の再投資やスマート製造への支援拡充を求め、多国籍企業も含めた国内産業間のサプライチェーン連携強化の必要性を訴えた(FMMプレスリリース
)。
(注)年間売上高が5,000万リンギ未満の企業は適用対象外。免除要件などの詳細は今後公表される見込み。
(山口あづ希)
(マレーシア)
ビジネス短信 123db2e6c38c9057





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