米中経済貿易協議、関税の引き下げなどで枠組み合意、AI対話も実施

(中国、米国)

北京発

2026年09月30日

中国商務部は9月28日、米中の経済貿易交渉団が9月20~23日に米国ニューヨークで行った協議の成果を発表した(2026年9月28日記事参照)。主な発表内容は次のとおり。

(1)双方は、米中経済貿易協議メカニズムの下に米中貿易理事会を設立する。同理事会は、2国間貿易の最適化を任務として、「300億ドル対300億ドル」の相互関税引き下げ枠組みについて協議し、合意の形成を目指す。また、貿易理事会の枠組みの下に農業作業部会を設置し、2国間貿易を最適化するその他の取り決めについても検討する。

(2)相手国から輸入する約300億ドル相当の製品について、関税を相互に引き下げる。そのうち、それぞれ約90%の製品については、関税率を最恵国待遇の水準まで引き下げる。

(3)双方は、米中投資理事会を設立し、潜在的な投資機会や投資上の障壁について、継続的かつ定期的に対話を行う。両国の法律および規制上の要件を順守することを前提として、政策の透明性と予見性を高め、企業の合理的な関心・懸念事項に対応する。

(4)2025年10月にマレーシア・クアラルンプールで実施した米中協議における共同取り決め(2025年10月31日記事参照)について、2027年1月10日まで延長することを前提に、双方が合意できる解決策に向けて積極的な協議を継続する。

また、中国の何立峰副首相と米国のスコット・ベッセント財務長官を責任者とする人工知能(AI)対話を創設し、初回対話を実施した。次回対話は2026年11月末までに実施するとした。このほか、農業作業部会の初会合を2026年末までに実施することや、米中直行便の増便に関する意見交換を実施した旨を発表した。

なお、商務部は同28日、関税引き下げ枠組みに関する発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをしており、中国と米国はそれぞれ、関税引き下げ対象となる輸入品のリストを公開した(2026年9月29日記事参照)。中国は、米国から輸入する農産品、介護用品、医療機器、石炭などの300億ドル相当の商品に対する関税引き下げを行うとしている。

引き続き「建設的戦略安定関係」の構築を推進

中国の外交部は9月26日、米国時間の23日から25日にかけて行われた習近平国家主席の米国公式訪問において、8つの成果と共通認識を得たと発表した。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます主な発表内容として、双方が「尊重、公平、対等」を基礎とする「米中建設的戦略安定関係」(注)を構築することで一致した。また、APECについて相手国が主催する会議への出席意向を示したほか、イランによる核兵器不開発の約束の履行や、いかなる国や機関も国際水路の通航に対して通航料を徴収してはならないなどの認識で一致した。

(注)2026年5月の米中首脳会談後、今後3年間、および、より長期にわたる米中関係に戦略的指針を提供するものとして位置づけられた(2026年5月15日記事参照)。

(西島和希)

(中国、米国)

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