トランプ米政権、米中貿易委員会による関税引き下げの検討対象品目リストを発表
(米国、中国)
ニューヨーク発
2026年09月29日
米国のトランプ政権は9月27日、米中貿易委員会が選定した関税引き下げの検討対象品目リスト
を発表した。また、米中貿易委員会の基本合意文書
と、運営手続きに関する文書
も公表した。
米中貿易委員会は、経済安全保障上センシティブでない分野において、双方で関税率を引き下げる品目を特定することを目的としており、9月24日に行われた米中首脳会談にて、その運用を開始した(2026年9月28日記事参照)。今回初めて、具体的な同委員会の動きとして、関税引き下げの検討対象となる、米国が輸入する中国製品のリスト
と、中国が輸入する米国製品のリスト
を公開した。米国が輸入する中国製品のリストでは、玩具、家庭用品、小型家電などの77品目を対象とした。中国が輸入する米国製品のリストでは、農林水産物・食品を中心に、丸太・木材製品、化粧品、医療機器などを含む1,600超の米国製品を対象とした。ただし、具体的な関税率と実施時期は記載していない。
基本合意文書によると、対象品目の見直しは年1回を超える頻度では実施しない。リストに基づく関税上の優遇措置は、今後それぞれの国内法上の手続きに従って決定・実施される。なお、米中貿易委員会の代表は、米国側はスコット・ベッセント財務長官と米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表が、中国側は何立峰副首相が務める。
グリア氏は同日の声明
で、「ドナルド・トランプ大統領は、農産物から医療機器に至るまで、中国向け米国輸出の約30%において市場アクセスを改善しつつある。一方、家庭用品や玩具など米国が一般的に他国から輸入していない製品は、中国からの輸入を通じて米国の消費者に利益をもたらしている」と述べた。政治専門紙「ポリティコ」(9月28日)は、米国製品のリストの大半を農産物が占めることから、中間選挙を控え、トランプ政権は中国との貿易戦争で打撃を受けた米国農家の経済的負担の軽減を模索している可能性があるとしている。
今回の発表は、両国の貿易対立を一部解消する動きだった一方で、アジア・ソサエティ政策研究所のウェンディ・カトラー上級副所長は「米中貿易委員会の限定的な権限は、米中貿易関係の現状を反映している。両国間の貿易の大部分が(経済安全保障上)よりセンシティブな分野に入りつつあるため、両国は貿易の拡大を模索するよりは、相互の依存を低下させる方向に向かっていくだろう」と指摘した(政治専門紙「ポリティコ」9月28日)。
(清野華蓮)
(米国、中国)
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