米税関、IEEPA関税の還付進捗を報告、1,000億ドル超を処理

(米国)

ニューヨーク発

2026年07月03日

米国税関・国境警備局(CBP)は7月1日、米国国際貿易裁判所(CIT)に対して、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収した関税を還付する「統合通関管理・処理システム(CAPE)」の進捗状況を報告した。還付が認められた金額は1,000億ドルを超え、財務省による還付手続きに進んだ金額は、前回報告分から3倍以上の710億ドルに達した。

CAPEでは、(1)電子通関システム(ACE)にIEEPA関税の還付を請求する輸入申告番号(Entry Number)をまとめたCSVファイルをアップロードする「CAPE申請」、(2)IEEPA関税に該当する米国関税分類番号(HTSコード)を削除し、IEEPA関税を申告しなかったものとして還付金額を再計算する「一括処理」、(3)「審査および清算・再清算」、(4)財務省による「還付」の4段階を経る(2026年4月14日記事参照)。

今回のCBPの報告によれば、米国東部時間6月29日午後3時時点で、21万3,939件(前回6月5日時点:18万1,155件)のCAPE申告が提出され、そのうち14万9,840件(前回:12万5,576件)がエラーなくシステムにアップロードされた。今回CBPが指摘したエラーの主な理由は、これまでとまったく同様の(1)記録上の輸入者(IOR)または申告者が一致していないこと(注1)、(2)輸入申告番号が一致していないこと(例:桁数が不適切、番号が存在しない)、(3)CSVファイルがACEで公開されているテンプレートに準拠していないこと、だった(2026年5月28日記事参照)。

アップロードされたCAPE申請のうち、輸入申告ベースでは1,810万件(前回:1,674万件)についてIEEPA関税の還付が承認された。このうち1,592万件(前回:1,060万件)は、清算・再清算を終えた。一方、CBPは436万件(前回:399万件)の輸入申告について還付申請を却下した。その主な理由もこれまで同様、(1)輸入日がCBPによる90日間の再清算権限期間を過ぎていること(注2)、(2)輸入申告書類にIEEPA関税の算定に使用するHTSコード99類の番号が記載されていないこと(注3)、(3)異なるCAPE申請で既に申告済みであること、だった。

CBPによれば、還付が認められた金額は約1,042億9,000万ドル(前回:949億4,000万ドル)に達した。IEEPA関税の徴収額は約1,660億ドルのため、金額ベースでは60%超の還付にめどがついた計算となる(注4)。このうち、利子を含めた約710億6,000万ドル(前回:236億8,000万ドル)については、財務省において還付金の支払い手続きが進められている。前回から3倍以上の金額が、実際に還付される手続きに入ったこととなる。なお、8,384件(前回:5,535件)については、自動決済機関(ACH)に関税還付用の銀行口座情報が登録されていないとの理由から、支払い手続きが進まなかった(注5)。

CBPは、事後清算の「調整(reconciliation)対象」としてフラグが付された輸入申告に対する還付申請の受け付けを6月29日に開始した(2026年6月25日記事参照)。当該還付手続きが申請された輸入申告は、6月30日午後5時時点で160万件だった。

(注1)CAPE申請が可能なのは、IOR、またはIORに代わって輸入概要書を提出した通関業者に限られる。

(注2)「フェーズ1」のCAPE申請は、関税が未清算、または清算後80日までの輸入申告を対象としている。

(注3)IEEPA関税などの追加関税が賦課される際は、本来のHTSコードに加え、追加関税対象であることを指すHTSコードが新たに99類に作成される。輸入申告時には、このHTSコードも併せて申告する必要がある。

(注4)還付金には利子が含まれる。そのため、仮に全てのIEEPA関税が還付される場合、還付額は1,660億ドルを超える。

(注5)ACHは米国の電子送金システムを指す。還付は電子的に行われるため、電子還付プログラムへの登録手続きを行っておく必要がある(2026年1月8日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国)

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