米税関、IEEPA関税の還付進捗を報告、半数超の850億ドル分を処理

(米国)

ニューヨーク発

2026年05月28日

米国税関・国境警備局(CBP)は5月26日、米国国際貿易裁判所(CIT)に対して、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収した関税を還付する「統合通関管理・処理システム(CAPE)」の進捗状況を報告した。CAPEの運用開始後、3回目の進捗報告となる(2026年5月13日記事参照)。

CAPEでは、(1)電子通関システム(ACE)にIEEPA関税の還付を請求する輸入申告番号(Entry Number)をまとめたCSVファイルをアップロードする「CAPE申請」、(2)IEEPA関税に該当する米国関税分類番号(HTSコード)を削除し、IEEPA関税を申告しなかったものとして還付金額を再計算する「一括処理」、(3)「審査および清算・再清算」、(4)財務省による「還付」の4段階を経る(2026年4月14日記事参照)。

今回のCBPの報告によれば、米国東部時間5月22日午後3時時点で、15万7,402件(前回5月12日時点で12万6,237件)のCAPE申請が提出され、そのうち10万8,760件がエラーなくシステムにアップロードされた。約3分の1がエラーにより却下された計算となるが、CBPはその主な理由として、(1)記録上の輸入者(IOR)または申告者が一致していないこと(注1)、(2)輸入申告番号が一致していないこと(例:桁数が不適切、番号が存在しない)、(3)CSVファイルがACEで公開されているテンプレートに準拠していないことを挙げている。

アップロードされたCAPE申請のうち、輸入申告ベースでは1,585万2,806件(前回1,512万3,221件)についてIEEPA関税の還付が承認された。このうち851万5,477件(833万8,081件)は、清算・再清算を終えた。一方、CBPは348万1,844件の輸入申告について還付申請を却下した。その主な理由として、(1)輸入日がCBPによる90日間の再清算権限期間を過ぎていること(注2)、(2)輸入申告書類にIEEPA関税の算定に使用するHTSコード99類の番号が記載されていないこと(注3)、(3)異なるCAPE申請ですでに申告済みであることを挙げた。

CBPによれば、還付が認められた金額は約850億ドルに達している(注4)。IEEPA関税の徴収額は約1,660億ドルのため、金額ベースでは過半の還付にめどがついた計算となる。このうち利子を含めた約206億ドルについては、財務省において還付金の支払い手続きが進められている。なお、自動決済機関(ACH)に関税還付用の銀行口座情報が登録されていないため、4,185件は支払い手続きが進まなかった(注5)。

CBPは、最初の還付が早ければ5月12日になると発表していた。ジェトロは5月13日付けで、日本企業に対しても還付が実行されたことを確認している。

(注1)CAPE申請が可能なのは、IOR、またはIORに代わって輸入概要書を提出した通関業者に限られる。

(注2)現在のCAPE申請は、関税が未清算、または清算後80日までの輸入申告を対象としている。これに含まれない輸入申告に対する還付手続きは、追って発表される見込み。

(注3)IEEPA関税などの追加関税が賦課される際は、本来のHTSコードに加え、追加関税対象であることを指すHTSコードが新たに99類に作成される。輸入申告時には、このHTSコードも併せて申告する必要がある。

(注4)CBPの5月12日の報告では、354億6,000万ドル分の還付手続きが進められているとしていたが、今回の報告で、計算ミスにより約100億ドル過大に計上しており、正しくは約254億6,000万ドルだったと訂正している。

(注5)ACHは米国の電子送金システムを指す。還付は電子的に行われるため、電子還付プログラムへの登録手続きを行っておく必要がある(2026年1月8日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国)

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