EU理事会、米国製工業製品の関税引き下げ法案を正式採択

(EU、米国)

ブリュッセル発

2026年07月02日

EU理事会(閣僚理事会)は6月25日、米国製工業製品に対する関税撤廃と米国産農水産品に対する特恵的な市場アクセスを認める2つの法案(2025年9月1日記事参照)を正式に採択した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。欧州議会も6月16日に同法案を最終承認していることから、近日中にEU官報に掲載され、掲載の翌日に施行される。これにより、米国のドナルド・トランプ大統領が設定した7月4日の期限を前に、EUによる対米関税が引き下げられる。

法案は、2025年8月の米国との合意(2025年8月22日記事参照)を具体化するものだが、欧州議会は当初、合意内容が実質的にEU側に一方的に譲歩を迫る非対称なものであると反発。トランプ大統領によるデンマーク自治領グリーンランドの領有に向けた発言(2026年1月27日記事参照)などを受け、立法手続きを遅らせていた。

今回、正式に採択された法案は、EU理事会と欧州議会による政治合意(2026年5月27日記事参照)に沿ったものだ。欧州議会に配慮し、トランプ大統領の任期終了後である2029年12月31日を失効期限とするサンセット条項、2026年12月31日までに米国がEU製鉄鋼などに対する関税率を15%以下に引き下げない場合に、欧州委員会による関税優遇措置の停止を可能にする条項、関税優遇措置が農業などEUの産業に深刻な損害をもたらす恐れのある輸入の急増を招いた場合のセーフガード条項など、一部ではあるが欧州議会の主張した条項が盛り込まれている。

米国との交渉を担当した欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長はX(旧Twitter)への投稿で、「約束は約束だ。EU自らの義務をきちんと遂行している」と強調し、米国側に合意の履行を求めるとともに、一方的な関税措置をとらないよう米国を牽制した。

(吉沼啓介)

(EU、米国)

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