米USTR、アフリカ特恵制度「AGOA」受益国の適格性に関する年次審査開始
(米国、アフリカ)
ニューヨーク発
2026年07月01日
米国通商代表部(USTR)は6月30日、アフリカ・サブサハラ諸国に対する特恵関税制度「アフリカ成長機会法(AGOA)」の受益国の適格性に関する年次審査を開始すると官報
で公示した。
AGOAは、米国とサブサハラ地域間の貿易投資の拡大や、同地域の持続可能な経済成長の促進などを目的に、サブサハラ諸国の産品の米国への輸入に対して関税を免除する制度だ。6月時点で同地域49カ国のうち、米国が受益国に指定する33カ国(注1)が同制度の対象となっている。今回の年次審査を通じて受益国として指定された場合、2027年において特恵関税制度の対象となる。
USTRは、受益国の適格性に関する意見や情報について、7月13日までウェブサイト
でパブリックコメントを募集する(案件番号:USTR-2026-0298)。また、7月23日に公聴会を開催する。今回の年次審査では、2025年までと同様に、市場経済や法の支配、国際的に認められた労働者の権利の保護といった受益要件を満たすかどうかを審査する。
なお、AGOAは2026年12月31日に期限を迎える(注2)。このため、今回の年次審査を経て指定された受益国が特恵関税制度の対象となるには、AGOA自体の更新が必要となる。ジェミソン・グリアUSTR代表は、AGOAの更新による期限延長が、2026年の米国の通商政策の最優先課題だと述べているが(2026年4月27日記事参照)、期限延長に向けた法案提出といった具体的な動きはまだみられない。
USTRはまた、米国の財の輸入額に占めるサハラ以南のアフリカ諸国の割合は1~4%にとどまっていることや、米国のアフリカ市場でのシェアが縮小する一方で、中国、EU、インドといった国・地域はシェアを拡大しているといった理由から、AGOAを改正すべきだとして、4月から5月にかけて、パブリックコメントを別途募集していた(2026年4月30日記事参照)。このため、AGOAを巡っては、今回の年次審査に加え、期間の延長と制度の現代化に向けた動向も注目される。
(注1)受益国の33カ国は、アンゴラ、ベナン、ボツワナ、カーボベルデ、チャド、コモロ諸島、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、コートジボワール、ジブチ、エスワティニ、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニアビサウ、ケニア、レソト、リベリア、マダガスカル、マラウイ、モーリタニア、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、ルワンダ、サントメプリンシペ、セネガル、シエラレオネ、南アフリカ共和国、タンザニア、トーゴ、ザンビア。このうちガボンは、2025年に行われた年次審査で受益国から外されていたが、2026年5月に復活が発表された(2026年5月21日記事参照)。
(注2)AGOAは2025年9月30日に1度失効したものの、2026年2月に再承認され、期限が延長された(2026年2月5日記事参照)。また、2025年10月1日以降、AGOA対象品目の輸入で関税を支払っている場合についても、輸入者は還付請求できる。
(滝本慎一郎)
(米国、アフリカ)
ビジネス短信 a35147f684143a94





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