米USTR、アフリカ成長機会法(AGOA)現代化に向け、パブリックコメントの募集開始

(米国、アフリカ)

ニューヨーク発

2026年04月30日

米国通商代表部(USTR)は4月28日、アフリカ成長機会法(AGOA)の現代化に向けパブリックコメントを募集すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。翌4月29日付の官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで公示した。安全保障に重要な重要鉱物サプライチェーンの強靭(きょうじん)化といった観点から、AGOAを改正するための意見を募る。

AGOAは、米国とサブサハラ地域間の貿易投資拡大や、同地域の持続可能な経済成長の促進などを目的にサブサハラ産品の関税を免除する制度で、2026年12月31日に期限が切れる。USTRのジェミソン・グリア代表は4月22日に行われた議会公聴会で、当面の通商政策の最優先課題はAGOAの改正・延長だと述べていた(2026年4月27日記事参照)。

官報では、AGOAは「2000年の制定以来、米国の経済政策およびアフリカとの通商関係における重要な柱であり続けてきた」と評価する一方で、米国の財の輸入額に占めるサハラ以南のアフリカ諸国の割合は1~4%にとどまり、「依然として低い水準にある」との課題を指摘した。また、米国への輸入の大半は、南ア​​フリカ共和国、ナイジェリア、ケニアといったごく一部の国に集中し、品目もエネルギー、繊維・アパレル、輸送機器といった従来からの限られた産業分野が大半を占めているとした。この点から、貿易の多角化という観点においてもAGOAの効果は限定的だと指摘した。

そのほか、米国のアフリカ市場でのシェアが縮小する一方で、中国、EU、インドといった国・地域はシェアを拡大しているとし、貿易振興プログラムとしてのAGOAの有効性に疑問がある、と記載した。さらに、多くのアフリカ諸国が米国以外の先進国・地域に対しては市場を開放している一方で、米国に対しては、関税および非関税障壁を通じて制限していることを問題視した。

官報ではまた、AGOAは米国の国家利益に関わる新たな課題である、重要鉱物のサプライチェーンにおいて、サハラ以南のアフリカ諸国が果たす役割について何ら対処していないとし、改善する必要性を強調した。

こうした状況を踏まえ、USTRは「AGOAの不備に対処し、米国の国家利益により合致させるための改革を行う」としてパブリックコメントを募集する。具体的には、AGOAがどのようにしてアフリカ諸国の非関税障壁や輸出を阻害する要因に対処できるか、AGOAに参加する国に課す適用要件を拡大すべきか(注)、重要鉱物に関する米国のサプライチェーンの強靭性を向上させる観点からAGOAをどのように改正すべきか、といった点についてコメントを求める。提出期限は5月15日で、連邦政府のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて行う(案件番号:USTR-2026-0166)。

グリア代表は声明で、コメントを基に「サブサハラ以南のアフリカのパートナー諸国との間で相互的な貿易関係を確保し、米国の国際競争力を強化する」と述べている。

(注)AGOAの被受益国になるには、市場経済、法の支配、国際的に認められた労働者の権利の保護、といった制度の確立が要件になっている。

(赤平大寿)

(米国、アフリカ)

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