米税関、IEEPA関税の還付状況を報告、355億ドル分の手続き完了
(米国)
ニューヨーク発
2026年05月13日
米国税関・国境警備局(CBP)は5月12日、米国国際貿易裁判所(CIT)に対して、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収された関税を還付する「統合通関管理・処理システム(CAPE)」の運用状況を報告した。CAPEの運用開始後、2回目の進捗報告となる。
CAPEでは、(1)ACEにIEEPA関税の還付を請求する輸入申告番号(Entry Number)をまとめたCSVファイルをアップロードする「CAPE申請」、(2)IEEPA関税に該当する米国関税分類番号(HTSコード)を削除し、IEEPA関税を申告しなかったものとして還付金額を再計算する「一括処理」、(3)「審査および清算・再清算」、(4)「還付」の4段階を経る(2026年4月14日記事参照)。今回のCBPの報告によれば、米国東部時間5月11日午前7時時点で、12万6,237件(前回4月26日時点で約7万5,306件)のCAPE申請が提出され、このうち8万6,874件(同4万7,315件)がエラーなくシステムにアップロードされた。前回報告時点より(2026年4月30日記事参照)、いずれも2倍近くの申請の手続きが進んだことになる。
アップロードされたCAPE申請のうち、IEEPA関税の還付が承認された輸入申告件数は1,512万3,221件(前回1,122万2,927件)だった(注1)。このうち、833万8,081件(同約174万件)が清算・再清算を終え、財務省での還付手続きが進められている。利子を含めた関税還付額は約354億6,000万ドルとなる。CBPによれば、IEEPA関税の徴収額は約1,660億ドルだったため、CAPEの運用開始から20日間超で、金額ベースでは20%程度が還付処理された計算になる(注2)。CBPの5月4日の通知によれば、今回の報告と同日の5月12日に初めての還付が実行されている。
一方で、税関による清算を終え、財務省が実際の還付手続きを行う段階で、ACHの銀行口座情報が登録されていないことから1,880件は手続きが進まなかった(注3)。CBPはACHの登録手続きによる不備を含む、還付に関する進捗状況を確認できるレポート機能を提供している(2026年5月7日記事参照)。
なお、CBPは、還付手続きが進むにつれ、個人情報や銀行情報を不正に入手しようとする詐欺が増えるとして注意喚起を行っている。CBPは、IEEPA関税の還付は税関の電子申請システム(ACE)内のCAPEを通じてのみ行われるとし、それ以外のウェブサイトにはいかなる情報も入力しないよう呼び掛けている。詳細はCBPの貨物システムメッセージサービス(CSMS)
参照。
(注1)CAPE申請では、IEEPA関税の還付を請求する複数の輸入申告(Entry Number)を1つのCSVファイルにまとめて提出するため、IEEPA関税還付の対象となる輸入申告数は、CAPE申請数を上回る。
(注2)1,660億ドルには利子は含まれないと考えられる点に留意。
(注3)ACHは、米国で行われる電子送金システムを指す。還付は電子的に行われるため、電子還付プログラムへの登録手続きを行っておく必要がある(2026年1月8日記事参照)。
(赤平大寿)
(米国)
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