米税関、IEEPA関税還付システムは「順調に稼働」と報告、日系企業による申請も進む
(米国)
ニューヨーク発
2026年04月30日
米国税関・国境警備局(CBP)は4月28日、米国国際貿易裁判所(CIT)に対して、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収された関税を還付する「統合通関管理・処理システム(CAPE)」の運用状況を報告した。CAPEの運用開始後、CBPによる初めての進捗報告で、CBPは「CAPEは順調に稼働している」と説明した。一方で、一部では、CAPEが組み込まれている電子申請システム(ACE)へのアクセスに関する課題も指摘されている。日系企業による申請も進められている。
CITは、連邦最高裁判所がIEEPA関税を無効と判断した後、CBPに対してIEEPA関税の還付を命じた。これを受けCBPは、関税が未清算または清算後80日までの輸入申告を対象に、関税の還付を行うCAPEのフェーズ1の申請受け付けを4月20日から開始した(2026年4月21日記事参照)。
CAPEでは、(1)ACEにIEEPA関税の還付を請求する輸入申告番号(Entry Number)をまとめたCSVファイルをアップロードする「CAPE申請」、(2)IEEPA関税に該当する米国関税分類番号(HTSコード)を削除し、IEEPA関税を申告しなかったものとして還付金額を再計算する「一括処理」、(3)「審査および清算・再清算」、(4)「還付」の4段階を経る(2026年4月14日記事参照)。今回のCBPの報告によれば、運用開始から約1週間の4月26日午後8時時点で、7万5,306件のCAPE申請が提出され、このうち約63%に当たる4万7,315件がエラーなくシステムにアップロードされた。
アップロードされたCAPE申告のうち、IEEPA関税の還付が承認された輸入申告件数は1,122万2,927件だった(注)。一方、212万4,394件については、IEEPA関税が課されたことを示すHTSコードが記載されていないなどの理由で却下された。承認された1,122万2,927件のうち、約174万件がすでに清算を終え、還付手続きが進められている。これまでCBPは、申請者に実際に還付されるまでに60~90日を要する見込みとしていたが、CITによれば、最初の還付は5月11日ごろになるとのCBPの見通しを明らかにしている。
CBPはまた、4月20日の運用開始以降、システムが停止したのは18分間のみだとし、CAPEの運用は問題なく進んでいると強調した。一方、CITによれば、ACEにおけるユーザー名やパスワードのリセットに長時間を要するなどの課題が報告されているほか、ジェトロにも、ACEを通じたアカウント開設に時間がかかっているといった相談が寄せられている。CBPによるCITへの次回の進捗報告は、5月12日に予定されている。
CAPEの申請は、輸入者自身、あるいは通関業者が行うことができる。これまでジェトロに寄せられた日系企業からの相談によれば、自社(輸入者自身)でCAPE申請を行うケースと、通関業者に申請代行を依頼するケースの双方が見られる。通関業者に依頼する場合は手数料の発生が見込まれるため、還付される金額の大きさや社内の人的リソースを踏まえ、各社ごとに対応を判断している。なお、還付手続きの代行対応の可否は通関業者ごとに異なるため、依頼を検討する場合は事前に確認する必要がある。
なお、ジェトロでは、「米国関税措置への対応」ウェブサイトにおいて、CAPEの解説資料や動画を掲載している。
(注)CAPE申告では、IEEPA関税の還付を請求する複数の輸入申告(Entry Number)を1つのCSVファイルにまとめて提出するため、IEEPA関税還付の対象となる輸入申告数は、CAPE申告数を上回る。
(赤平大寿)
(米国)
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