米USTR、301条対中追加関税の4年目見直し開始、2022年に続き2度目
(米国、中国)
ニューヨーク発
2026年05月07日
米国通商代表部(USTR)は5月6日、中国に対する1974年通商法301条に基づく追加関税措置について、2度目の見直しを行うと官報で公示
した。301条に基づく措置は、4年間が満了する最後の60日間に、措置の恩恵を受ける米国内産業界から継続要望がなければ終了すると法律で定められている。
米国は301条に基づき、中国の技術移転や知的財産などに関連する行為・政策・慣行が不合理・差別的で米国の商業に負担や制限を与えているとの理由から、トランプ政権1期目の2018年7月以降、広範な中国原産品に対して25%程度の追加関税を課している。バイデン前政権は2022年5月に1度目の見直し手続きをはじめ、電気自動車(EV)、太陽電池、半導体などに対する追加関税率の引き上げを決めた。当時の決定に従い、フェイスマスクや医療用手袋に対する追加関税率は2026年1月から引き上げられている(2024年9月17日記事参照)。
今回は、1度目の見直しからさらに4年がたったため、2度目の見直しとなる。前回と同様、2018年7月6日に発動した301条対中追加関税のリスト1(対中輸入額340億ドル相当の818品目)と、同年8月23日に発動したリスト2(同160億ドル相当の279品目)の2段階で見直しを行う(注)。措置の継続を要請する場合、リスト1については5月7日~7月5日まで、リスト2については6月24日~8月22日までに、コメントを提出しなければならない。提出は、USTRのポータルサイト
を通じて行う。措置を継続する要請が1件以上あった場合、USTRは官報で公示する。その後、301条対中関税を継続しながら、その有効性、その他の取り得る措置、米国経済(米国の消費者を含む)への影響を検討するためパブリックコメントを募集する。
今回の措置は法律で定められたものだが、トランプ政権2期目で2回目となる米中首脳会談の直前に発表されることになった。首脳会談は当初、3月末に行われる予定だったが、イラン情勢などを踏まえ、5月14~15日に延期された。首脳会談の成果には、経済安全保障上重要でない品目の米中間の貿易の在り方を議論する「貿易委員会(board of trade)」の設置などが挙げられているが(2026年4月14日記事参照)、USTRのリック・スウィッツァー副代表は、特定の分野に限定された限られた成果しか想定していない、と見通しを述べている(米通商専門誌「インサイドUSトレード」5月5日)。
なお、USTRは301条に基づき、中国を含む複数の国・地域の過剰生産能力(2026年3月12日記事参照)や強制労働産品の輸入禁止措置(2026年5月7日記事参照)について調査をしているほか、中国に対しては、「米国と中国の経済貿易協定」(第1段階の経済・貿易協定)の中国の履行状況の調査をしている(2025年10月27日記事参照)。
(注)301条に基づく対中追加関税はこのほか、リスト3とリスト4Aもあるが、これらはリスト2にひもづいている。
(赤平大寿)
(米国、中国)
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