米税関、IEEPA関税を還付する「統合通関管理・処理システム(CAPE)」を4月20日から運用開始

(米国)

ニューヨーク発

2026年04月13日

米国税関・国境警備局(CBP)は4月10日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収された関税の還付を行う「統合通関管理・処理システム(CAPE)」を4月20日から運用開始すると、貨物システムメッセージサービス(CSMS)を通じて発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

連邦最高裁判所が2月にIEEPA関税を無効と判断した後、国際貿易裁判所(CIT)はCBPに対してIEEPA関税を還付するよう命じた。これに対応するため、CBPは4月20日までにCAPEを開発すると表明し、これまでに3度、開発状況をCITへ報告していた(2026年4月1日記事参照)。CAPEは、輸入申告ごとに個別に還付処理を行うのではなく、利子を含むIEEPA関税の還付を輸入者ごとに統合して処理するよう設計されている(注1)。CBPの統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、米国が徴収したIEEPA関税額は、相互関税だけで817億ドルに上る(注2)。

CBPはこれまで、4月20日のCAPE運用開始に向け、IEEPA関税還付の申請は、特定の輸入に対する単純な還付のみに対応する「フェーズ1」から始まると説明していた。CBPが発表したCAPEに関する説明書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によれば、フェーズ1では未清算の輸入申告と清算から80日以内の輸入申告を対象にする(注3)。払い戻し(ドローバック)請求中の申告(注4)、異議申し立ての対象となっている申告(注5)などのほか、清算が確定している申告(注6)などはフェーズ1の対象外となる。これらの輸入申告を対象とした還付手続きは、追って開始される。なお、申告の事後修正(PSC、注7)を使ってIEEPA関税還付請求を開始することは禁止されている。還付状況については、ACE内のレポートを通じて確認できる。

そのほかCBPは、同日、画面キャプチャを用いながら、CAPEによる申請方法の解説PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も公開した。また、CAPEに関するよくある質問(FAQ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも公開している。

(注1)CAPEを通じた還付の具体的なステップは、2026年3月16日記事参照

(注2)2025年12月14日時点。なお、IEEPAに基づいて課されていた関税は相互関税だけではないため、実際の徴収額および還付額はより大きくなる。

(注3)米国では、輸入者が輸入時に納入する関税は推定関税となっており、CBPはその後、通常314日以内に確定関税を通知する。ここで推定関税と差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。これを関税清算という。なお、清算後90日以内であれば、CBPは自主的に再清算できる。CBPが同期間中に手続きを完了できるよう、フェーズ1では、清算後80日までの輸入申告を対象にした。

(注4)IEEPAに基づく相互関税は、ドローバックが認められていた(2025年4月7日記事参照)。

(注5)関税清算後でも、180日以内であればCBPに対して異議申し立てを行うことができ、これが認められれば、再清算となる。通常、CBPフォーム19PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)というフォーマットが利用される。詳細はCBPのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(注6)CITは当初、清算前のIEEPA関税の還付を命じていたが、その後、最終清算後についても還付するよう命じた(2026年3月30日記事参照)。

(注7)PSCの詳細はCBPのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますユーザーズガイドPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(赤平大寿)

(米国)

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