米税関、IEEPA関税還付に関する3回目の進捗報告、未清算分から着手し清算済みの場合は追って対応

(米国)

ニューヨーク発

2026年04月01日

米国税関・国境警備局(CBP)は3月31日、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき徴収された関税の還付手続きに関わるシステム開発の進捗状況について、国際貿易裁判所(CIT)に3回目の報告をした。当面は未清算の関税の還付に注力し、清算済みの場合は追って、システムを拡大して対応する方針を示した。

連邦最高裁判所がIEEPA関税を無効と判断した後、CITはCBPに対してIEEPA関税を還付するよう命じた。これに対応するため、CBPは4月20日までに「統合通関管理・処理システム(CAPE)」を開発することを表明し、これまでに2度、開発状況をCITへ報告していた(2026年3月24日記事参照)。

3回目の報告によれば、CAPEが有するそれぞれの機能の開発状況は、3月30日時点で、(1)請求が85%(前回3月19日時点で73%)、(2)一括処理が60%(同45%)、(3)審査および清算・再清算が80%(同80%)、(4)還付が75%(同63%)だった。

CITは当初、関税清算前の輸入申告に対するIEEPA関税の還付を命じていたが(注1)、3月27日から、関税清算後の輸入申告についても還付するよう命じた(2026年3月30日記事参照)。これに対しCBPは、今回の報告で、4月20日の運用開始に間に合わせるため、このまま未清算の還付にのみ対応するようCAPEの「フェーズ1」の開発を進め(注2)、追って、清算後の輸入申告やより複雑な状況にも対応できるよう機能を拡大する方針を示した。CBPによれば、フェーズ1の段階で、還付すべきIEEPA関税のうち約63%を処理できるという。またCBPは、CAPEを介した申告書の受理から、原則45日以内に清算を行う方針も明らかにした。

なお、関税還付は2月6日から、原則として電子的に行われるため(2026年1月8日記事参照)、CBPは引き続き、電子還付に必要な登録手続きを行うよう呼びかけている。

(注1)米国では、輸入者が輸入時に納入する関税は推定関税となっており、CBPはその後、通常314日以内に確定関税を通知する。ここで推定関税と差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。これを関税清算という。また、輸入者などは関税清算後でも、180日以内であればCBPに対して異議申し立てを行うことができ、これが認められれば、再清算となる。なお、清算後90日以内であれば、CBPは自主的に再清算できる。全ての清算が終了することで、最終確定となる。

(注2)現在のCAPEが対象としているのは、未清算および、清算後にCBPが自主的に再清算できる90日間の期間内にある輸入申告となっている。

(赤平大寿)

(米国)

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